
補助金や助成金を調べると、多くの方が「自社が対象になるのか?」「落ちたらどうしよう」と不安に感じ、止まってしまいます。
本記事では、そんな不安を解消するために補助金で選ばれやすい会社と助成金を受けやすい会社の条件をわかりやすく解説します。まずは補助金と助成金の違いから、一緒に整理していきましょう。
補助金と助成金の違い
仕組みの違い
補助金は、国や自治体が特定の政策目的を達成するために、新しい取組を後押しする制度です。申請すれば自動的に受け取れるものではなく、審査を通って採択されることが前提になります。中小機構も「補助金は事業者の新しい取組を支援する制度で、後払いが一般的だ」と案内しています。110
一方、助成金は、雇用の安定や職業能力の向上、処遇改善など、国が進めたい労働政策に沿って事業主が一定の取組を行ったときに支給される仕組みです。厚生労働省は、雇用関係助成金について「共通要領の要件と各制度ごとの個別要件を満たす必要がある」と示しています。
つまり、補助金は選ばれる仕組み、助成金は条件を満たして受給を目指す仕組みです。67
見られる場所が違うと、強い会社が変わる
補助金で見られやすいのは「なぜその投資をするのか」「その投資でどんな成果が生まれるのか」という計画の筋道です。一方、助成金で見られやすいのは、雇用保険・賃金台帳・就業規則・計画届など日頃の労働管理と証拠書類です。
もちろん制度ごとに個別要件は違いますが、どちらを使うかで会社に求められる準備が変わります。この違いを先に知っておくと、申請前の動き方がぶれにくくなります。167
補助金で採択されやすいのは、どんな会社か?

制度の目的が、自社の課題に結びついている
補助金で採択されやすい会社は、先に制度の目的を見ています。例えば中小企業新事業進出補助金は、既存事業とは異なる新市場・高付加価値事業への進出を後押しすることで、中小企業等が企業規模の拡大・付加価値向上を通じた生産性向上を図り、賃上げにつなげていくことを目的とした制度です。3
そのため、選ばれやすいのは、ただ広告を出したい、設備を入れたいと書く会社ではなく、既存事業との違いは何か、どの顧客層に何を提供するのか、そして付加価値や賃上げにどうつながるのかを説明できる会社です。
制度が後押ししたい方向と自社が挑戦したい新事業が一本につながっている会社ほど、審査書類の説得力が増します。補助金ありきで新事業の中身を後付けする会社は、どうしても弱くなりがちです。3
自社の課題や事業計画の方向性を整理した上で、それに合う補助金を探すことが、採択につながります。まだ自社に合う制度が分からない場合は、補助金フラッシュのAIチャットで、業種や取り組み内容に合う補助金を整理するところから始めるとスムーズです。
計画を自社の言葉で説明できる
補助金で次に差がつくのは、計画を自社の言葉でしっかり説明できるかどうかです。実際にはここで多くの企業がつまずきます。審査で見られるポイントを知らずに書いていたり、数値や根拠の出し方が曖昧で説得力に欠けていたりすることが多いためです。
さらには外部業者に任せっきりで事業計画の内容を経営者自身が分かっておらず、内容は悪くないのに不採択になってしまうケースも多く見られます。小規模事業者持続化補助金の第19回公募要領には「自ら検討していないような記載が見られる場合」「自ら検討していなかったことが発見された場合」は、不採択や交付決定取消になり得ると明記されています。
逆に言えば、採択されやすい会社は、強みと弱み、市場、顧客、実現方法、見積額の根拠を、自社の言葉で話せます。2
補助金は通るかどうかで数十万~数百万円単位の差が出ます。事業計画の方向性や書き方に不安がある場合は、早めに専門家への相談フォームから相談しておくと、制度選びや申請準備のズレを減らしやすくなります。
助成金を受給しやすいのは、どんな会社か?

日頃の労働管理で失点しない
助成金を受給しやすい会社は、普段の労働管理が整っている会社です。共通要領では、支給対象となる事業主として、支給申請日と支給決定日の時点で雇用保険被保険者が存在する雇用保険適用事業所であること、審査や調査に必要な書類を整備・保管していること、求めに応じて提出や提示を行い、実地調査に協力することなどが挙げられています。7
さらに不支給要件として、前年度より前の労働保険料を納付していない場合や、支給申請日の前日から起算して過去1年間に労働関係法令の違反を行った場合なども定められています。
つまり、助成金を受給しやすいのは、保険・賃金・就業規則・法令遵守を日常業務として回っている会社です。ここが弱いと、制度を見つけても入口で止まりやすくなります。7
計画書作成や管理ができる
助成金でもう一つ大きいのが、事前の計画提出と事後の証拠管理です。厚生労働省のキャリアアップ助成金では、各コース実施日の前日までにキャリアアップ計画を作成し、取組の前日までに都道府県労働局へ提出する必要があります。89
加えて、共通要領では「提出または提示した書類等の原本または写しを、支給決定日の翌日から起算して5年間保存しなければならない」とされています。
助成金を受給しやすい会社は、この流れを理解して取組を始める前に計画を出し、取組の途中と終了後に必要な証拠を残す会社です。789
申請前に確認したいこと
補助金向きか、助成金向きか
申請前にまず確認したいのは、自社が補助金向きなのか助成金向きなのかです。販路開拓、設備導入、デジタル化などの投資が、経営課題の解決とつながっているなら補助金向きです。12
雇用や人材育成に関する取り組みが、経営課題の解決とつながっているなら助成金向きです。
手続きと管理ができるか
取組前に必要な手続きを終えられるかも重要です。補助金では事業計画の策定やGビズID・電子申請の準備、助成金では計画届の提出が前提になることがあります。24589 申請の手順やスケジュールを確認しましょう。
GビズIDについては、「補助金申請を忘れた時期に慌てないためのGビズIDの取得と準備」で詳しく説明していますので、ご覧ください。
加えて、補助金でも助成金でも、見積書・賃金台帳・就業規則・実施記録など、申請に必要な書類等を管理できるか確認しましょう。27 難しい場合は、補助金を探すよりも前に、社内管理の仕組みを整えるほうが近道です。
まとめ
補助金や助成金を受けやすい会社の共通点をまとめると、目的に合った補助金を選び、申請前の準備や管理ができる会社です。27 この条件に当てはまっている会社は、補助金では採択に近づきやすく、助成金では受給の見通しが立ちやすくなります。24579
ここまで読んで「自社でできる確信が持てない」と思った方は、専門家への相談フォームから相談できます。補助金フラッシュでは、制度選びの整理から申請に向けた準備まで、必要に応じてサポートしています。
出典・参考資料
- 1.「小規模事業者持続化補助金について」中小企業庁 ↩
- 2.「小規模事業者持続化補助金(一般加常枠) 第 19 回公募 公募要領」小規模事業者持続化補助金事務局 ↩
- 3.「中小企業新事業進出促進補助金 第4回 公募要領」独立行政法人中小企業基盤整備機構 ↩
- 4.「よくある質問」GビズID ↩
- 5.「補助金申請システム(Jグラント) 事業者クイックマニュアル」Jグラント ↩
- 6.「雇用関係助成金の申請にあたって」厚生労働省 ↩
- 7.「R8.4.8 第1 共通要領」厚生労働省 ↩
- 8.「キャリアアップ助成金」厚生労働省 ↩
- 9.「申請様式ダウンロード(キャリアアップ助成金)(令和8年4月1日以降の取組に係る様式)」厚生労働省 ↩
- 10.「補助金の手引き」中小機構 ↩