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ゼブラ企業とは?ユニコーン企業との違いや国がローカルゼブラを地域課題解決事業として進める理由

ゼブラ企業やローカルゼブラは、利益と社会性をどう両立する考え方なのか。国の地域課題解決事業の流れをもとに、中小企業が押さえたい実務視点と事業づくりの考え方を整理します。

補助金フラッシュ 士業編集部公開日: 2026年5月12日
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目次

  • なぜ国はローカルゼブラを支援するのか?
  • ユニコーン企業とゼブラ企業の違い
  • 地域課題解決事業で重視される視点
  • 中小企業がローカルゼブラを目指すときの確認項目
  • 明日からできること
補助金フラッシュ 事業計画

地域の困りごとを事業にする、という言い方は簡単ですが、実際には利益が出なければ続きません。ゼブラ企業は、社会性と収益性を対立させず、両方を事業として設計する考え方です。国がローカルゼブラに注目する背景には、行政だけでは支えきれない地域課題を、企業や金融機関、地域の担い手が一緒に解く必要性があります。
この記事では、ユニコーン企業との違いや国の支援の狙い、中小企業が確認したい実務の視点を整理します。

目次

  • ●なぜ国はローカルゼブラを支援するのか?
  • 行政だけでは抱えきれない地域課題
  • 10件の実証事業
  • ●ユニコーン企業とゼブラ企業の違い
  • 評価額で測るユニコーン企業
  • 意図で測るゼブラ企業
  • ●地域課題解決事業で重視される視点
  • 収益設計と社会的インパクトの見える化
  • 地域内外をつなぐ支援体制
  • ●中小企業がローカルゼブラを目指すときの確認項目
  • 最初に決めたい問い
  • 避けたい誤解
  • ●明日からできること
  • 事業計画に入れる3つのこと
  • ゼブラ企業であり続けるための心構えを持つ
ゼブラ企業とは?ユニコーン企業との違いや国がローカルゼブラを地域課題解決事業として進める理由

なぜ国はローカルゼブラを支援するのか?

行政だけでは抱えきれない地域課題

中小企業庁はローカルゼブラ企業を、地域課題の解決にビジネスの手法で取り組み、社会的インパクトを生み出しながら収益を確保する企業として支援しています。ここでいう社会的インパクトは、事業や投資によって生まれる社会や環境への良い変化を指します。つまりローカルゼブラは、寄付や単発の地域貢献ではなく、地域課題の解決そのものを事業の中に組み込む企業です。1

国がこの考え方を重視するのは、人口減少、福祉、産業衰退、交通、空き家、担い手不足といった地域課題が、行政サービスだけでは解きにくくなっているためです。例えば、高齢者の移動支援を考える場合、車両を用意するだけでは足りません。利用者、運行を担う人、地域の商店、自治体、金融機関などが関わり、費用をどのように負担し、誰にどんな価値が生まれるかまで設計する必要があります。

10件の実証事業

令和7年度のローカルゼブラ実証事業では、地域事業づくり会社(地域の複数事業を束ねる役割の会社)1社とローカルゼブラ企業等2社以上を含む体制が申請要件とされ、86件の応募から10件が選定されました。1つの企業を単独で支援するというより、地域内外の事業者が連携する仕組みを試す制度設計になっています。2

中小企業庁の令和7年度事業は、ローカルゼブラ企業の社会的意義の普及、地域や業種を越えたコミュニティ形成、実践的な資金調達手法の整理などを含んでいます。ここで国が見ているのは、個社の売上だけではありません。人材、資金、情報が地域の中で循環し続ける状態をつくれるかどうかです。3

ユニコーン企業とゼブラ企業の違い

評価額で測るユニコーン企業

ユニコーン企業は、一般に未上場で評価額10億米ドル以上のスタートアップを指す言葉として使われます。創業から比較的短い期間で大きな評価額に到達した企業を語る文脈で使われることが多く、成長の速さや将来市場への期待を示すラベルです。PitchBookも、ベンチャーキャピタル(成長企業に投資する資金提供者)の文脈では未上場で10億米ドル以上の評価額を持つ企業をユニコーンと説明しています。4

ただし、評価額は利益そのものではありません。投資家が将来性をどう評価したかを表す数字であり、社会課題の解決度合いを直接示すものでもありません。ユニコーン企業は経済の大きな成長を象徴しますが、評価額の高さと地域への良い影響は別の物差しで見る必要があります。

意図で測るゼブラ企業

ゼブラ企業は、利益と社会性の両方を追求する企業の考え方として広がりました。株式会社ゼブラアンドカンパニーは、米国の4人の女性起業家が2017年に提唱した概念としてゼブラ企業を紹介し、社会性と経済性の両方を追求すること、相利共生(関わる相手と互いに利益を得る考え方)を大切にすることなどを特徴に挙げています。5

ローカルゼブラになるかどうかは、何億円の評価額に達したかでは決まりません。地域課題を自社の使命として掲げるか、課題を解ける手法を特定しているか、社会的インパクトを生み出しながら収益性を保てるかが問われます。中小企業庁の基本指針も、ローカルゼブラ企業の特徴として、地域課題解決と収益性の確保、革新的な事業づくり、事業意図の明確化を示しています。6

ここに大きな違いがあります。ユニコーン企業は結果として付く称号に近く、ゼブラ企業は日々の意思決定に関わる姿勢です。何を売るかだけでなく、何のために売り、誰と価値を分け合うかまで考えるのがゼブラ企業の出発点です。

地域課題解決事業で重視される視点

収益設計と社会的インパクトの見える化

地域課題解決事業で最初に確認したいのは、困りごとが本当に事業として続く形になっているかです。良い活動でも、毎年の補助金や経営者の善意だけに依存していると、担当者が変わったときに止まりやすくなります。ゼブラ企業に求められるのは、社会に良いことをするだけではなく、課題解決が売上を生む設計です。

例えば、地域の未利用資源を商品化する場合、販売先、原価、物流、品質管理、地域の雇用への効果を一緒に考える必要があります。売れれば地域資源の活用が進み、地域の仕事も増えるという流れをつくれれば、利益と社会性が同じ方向を向きます。反対に、売上が伸びるほど現場の負担が増え、地域の担い手が疲弊する設計なら、ゼブラ企業とは呼びにくくなります。

次に重要なのは、事業が社会にどんな変化を生んでいるかを見える形にすることです。国の政策でも、ローカルゼブラ企業の育成に向けて、社会的インパクト評価を資金調達につなげる環境整備が掲げられています。これは、地域に良い活動だと説明するだけではなく、投資家、金融機関、自治体、協力企業が判断できる材料を整えるという意味です。7

測る内容は、必ずしも複雑である必要はありません。買い物支援なら利用者数や外出回数、地域産品の事業なら取引先数や地域内の仕入れ額、子育て支援なら利用世帯数や協力者数など、事業の目的に合った指標から始められます。大切なのは、数字を飾りにせず、事業改善に使うことです。

地域内外をつなぐ支援体制

3つ目は、1社で抱え込まない体制です。中小企業庁の基本指針は、金融、人材、事業の可視化、意思決定プロセス、社会的インパクトの可視化を、ローカルゼブラ企業が事業を進める上でのポイントとして示しています。これは、地域課題解決事業が経営者の熱意だけでは続かないことを示しています。6

地域の外から専門人材や資金が入ることは重要ですが、外部の力だけで地域を変えることも難しいです。地域の生活者、既存企業、自治体、金融機関が、それぞれの役割を持って関わることで、事業は点ではなく面になります。士業(税理士、行政書士、社会保険労務士など)や商工団体も、収益の見通し、契約関係、出資や融資の条件を整理する支え手になります。ローカルゼブラの本質は、良い企業を1社増やすことではなく、地域で支え合う事業の土台を育てることにあります。

中小企業がローカルゼブラを目指すときの確認項目

最初に決めたい問い

中小企業がローカルゼブラを目指す場合、最初から大きな構想を掲げる必要はありません。まず決めたいのは、自社が解きたい地域課題、収益を得る方法、協力してほしい相手です。ここが曖昧なままだと、社会貢献の説明はできても、金融機関や協力企業にとって参加しにくい事業になります。

確認する項目は、次の3つに絞ると考えやすくなります。

  • どの地域課題を、誰の困りごととして解くのか
  • 誰が対価を払い、どの売上で事業を続けるのか
  • どの指標を見れば、地域への良い変化を確認できるのか

この3つがつながると、事業計画は説明しやすくなります。例えば、地域の子育て支援なら、利用者だけでなく、企業、自治体、地域住民がどのように関わるかを整理します。売上と社会的インパクトの両方が見えると、協力者は自分が参加する意味を判断しやすくなります。

このとき、地域課題を広く言いすぎないことも大切です。地域を元気にするという表現だけでは、誰の負担が減るのか、どの費用を誰が払うのかが見えません。最初は、買い物に困っている高齢者、販路が限られている生産者、採用に困っている地元企業のように、対象を具体的に置く方が事業に落とし込みやすくなります。

避けたい誤解

避けたい誤解は、ゼブラ企業を優しい企業という印象だけで捉えることです。地域のためという言葉は大切ですが、収益、責任、意思決定の仕組みがなければ、活動は長続きしません。善意だけで続けようとすることは、事業にも地域にも負担を残します。

もう1つの誤解は、ローカルゼブラを補助金獲得のラベルとして使うことです。国の事業が目指しているのは、地域課題を事業化する担い手を増やし、資金や人材が継続して集まる環境を整えることです。補助金はきっかけになり得ますが、補助金が終わった後も続く収益源と協力体制を考える必要があります。

社内での合意形成も見落とせません。経営者だけが地域課題解決を語っていても、現場の仕事量、評価制度、価格設定が従来のままなら、現場に無理が出ます。ゼブラ企業を目指すなら、社会的な目的を掲げるだけでなく、社員が日々の業務として続けられる仕組みまで整える必要があります。

明日からできること

事業計画に入れる3つのこと

ローカルゼブラの考え方を取り入れる第一歩は、現在の事業計画に3つの欄を加えることです。1つ目は、解きたい地域課題です。2つ目は、その課題を解くことで生まれる売上です。3つ目は、地域に起きる良い変化を確認する指標です。

この3つを1枚に書くだけでも、事業の見え方は変わります。売上欄だけを見ると利益率の低い事業に見えても、地域の雇用、資源循環、関係人口の増加につながるなら、協力者が見つかる可能性があります。反対に、社会的意義は大きく見えても、誰が対価を払うのかが不明な場合は、早めに事業設計を見直せます。

金融機関や支援機関に相談するときも、この3つの欄は役立ちます。資金が必要ですと伝えるだけでは、相手は返済可能性だけを見ます。どの課題を解き、その結果どの売上が生まれ、地域にどんな変化が残るのかまで示せると、融資、出資、協業、専門人材の紹介など、相談の選択肢が広がります。

ゼブラ企業であり続けるための心構えを持つ

ゼブラ企業は、一度名乗れば終わりではありません。地域課題は変化し、協力者も入れ替わり、事業の収益構造も変わります。だからこそ、定期的に課題、収益、インパクトの3つを見直す必要があります。小さく測って更新する姿勢が、ゼブラ企業であり続けるための実務になります。

地域課題解決事業は、特別な企業だけの話ではありません。既存の中小企業でも、自社の商品、サービス、人材、取引先を見直すと、地域の困りごとを解く接点が見つかることがあります。国がローカルゼブラを推進している流れは、地域に根ざす企業にとって、自社の利益と地域の未来を同じ計画の中で考え直す機会です。

出典・参考資料

  1. 「地域課題解決事業推進(ローカル・ゼブラ企業)」中小企業庁 ↩

  2. 「ゼブラ企業創出・育成のためのエコシステム定着に向けた支援・分析(インパクト評価を用いた連携・支援実証調査)成果報告書」中小企業庁 ↩

  3. 「令和7年度中小企業実態調査委託費(ローカル・ゼブラ企業創出・育成のためのエコシステム定着に向けた支援・分析)の事業成果報告書等の公表について」中小企業庁 ↩

  4. 「What is a unicorn company? What you need to know」PitchBook ↩

  5. 「ゼブラ企業とは?」株式会社ゼブラアンドカンパニー ↩

  6. 「地域課題解決事業推進に向けた基本指針」中小企業庁 ↩

  7. 「経済財政運営と改革の基本方針 2025 について」内閣府 ↩

執筆者:補助金フラッシュ 士業編集部

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執筆者
補助金フラッシュ 士業編集部
公開日: 2026年5月12日

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