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地域復興実用化開発等促進事業費補助金 令和7年度の要点と申請手順

令和7年度の福島県 地域復興実用化開発等促進事業費補助金を一次資料で整理。浜通り15市町村の要件、補助率・上限、対象経費、提案希望届とJグランツ申請の流れを解説。

補助金フラッシュ 士業編集部公開日: 2026年1月31日
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目次

  • 制度の全体像
  • 支援内容
  • 対象者と主な要件
  • 対象経費の組み立てと証憑管理
  • 申請の流れ
  • 採択されやすい計画の作り方
  • 申請前のセルフチェック
  • 必要書類の整理
  • スケジュールと逆算
  • 事務局に相談する前に用意する情報
  • 似た名称の制度との取り違えに注意
  • よくある質問
  • まとめ
補助金フラッシュ 事業計画

福島県の地域復興実用化開発等促進事業費補助金は、福島イノベーション・コースト構想の重点分野に関する実用化開発等を支援する制度です。12
本記事は、令和7年度の新規公募に関する公式一次資料をもとに、対象者・補助率・対象経費・手続きの流れを整理します。13
結論として、対象分野と実施場所の要件に加え、提案希望届の提出とJグランツでの電子申請が実務上の分岐点になります。13
応募を検討している方が、準備の順番と不備になりやすい点を把握できるよう、必要書類やタイムラインも表でまとめます。

項目内容
制度名(正式名称)地域復興実用化開発等促進事業費補助金
対象年度/公募回令和7年度 新規公募
最終更新日2026年1月27日
所管/実施機関福島県 商工労働部 産業振興課
事務局(提案に関する窓口)デロイト トーマツ コンサルティング合同会社
補助上限額/補助率上限:1事業計画当たり7億円。補助率:中小企業 2/3(自治体連携は3/4)、大企業 1/3(自治体連携は1/2)
申請期間(新規)2025年2月6日〜3月24日17時
事前手続き提案希望届の提出期限:2025年3月14日
公式一次資料公募ページ(令和7年度・新規)
公式一次資料公募説明資料(令和7年度、PDF)
公式一次資料交付要綱(令和7年度適用、PDF)
公式一次資料電子申請マニュアル 新規提案・交付申請(PDF)
公式一次資料事務処理マニュアル(PDF)
公式一次資料制度トップページ(資料一覧)
公式一次資料提案希望届 申し込みフォーム
公式一次資料補助金電子申請システム Jグランツ

目次

  • ●制度の全体像
  • 何を支援する補助金か
  • 対象となる分野と地域
  • 所管と事務局、問い合わせの考え方
  • ●支援内容
  • 補助率と上限額
  • 補助対象経費の全体像
  • 有償実証と売上の扱い
  • 事業期間と単年度の考え方
  • ●対象者と主な要件
  • 地元企業等の考え方
  • 浜通り地域外の企業が提案する場合
  • 連携申請のルール
  • 自治体連携推進枠と補助率の上乗せ
  • 対象外になりやすいケース
  • ●対象経費の組み立てと証憑管理
  • 交付決定日と支払日の関係
  • 調達・委託に関する注意点
  • 証憑は何を揃えるか
  • 取得財産と処分制限
  • ●申請の流れ
  • 全体の流れを俯瞰する
  • 事前準備 gBizIDとJグランツ
  • 提案希望届の提出
  • 交付提案書の提出
  • 審査の進み方
  • 採択内示後から交付決定まで
  • 採択後の報告と支払
  • 概算払の位置づけ
  • ●採択されやすい計画の作り方
  • 評価の前提を押さえる
  • 加点評価の使いどころ
  • 減点評価と不備回避
  • 実施市町村との関係づくり
  • ●申請前のセルフチェック
  • 要件を満たすかを短時間で確認する
  • ●必要書類の整理
  • 主体別に見た追加書類の分岐
  • 添付資料の品質を上げるコツ
  • ●スケジュールと逆算
  • 公募期間と主要な期限
  • 事業実施の逆算ポイント
  • ●事務局に相談する前に用意する情報
  • 相談を短時間で有効にする整理表
  • ●似た名称の制度との取り違えに注意
  • どこが識別点になるか
  • ●よくある質問
  • 申請要件と対象範囲
  • 補助率・経費・売上の扱い
  • 手続きとスケジュール
  • 採択後の運用
  • ●まとめ
地域復興実用化開発等促進事業費補助金 令和7年度の要点と申請手順

制度の全体像

何を支援する補助金か

本補助金は、福島イノベーション・コースト構想で重点的に取り組む分野について、地元企業等が単独で行う実用化開発等、または地元企業等と連携して行う実用化開発等を支援します。12
ここでいう実用化開発等は、研究開発や実証など、実用化・事業化に向けた取組を対象とします。原則として実施場所は福島県浜通り地域等です。1
一方で、基礎研究や可能性調査が中心の段階は対象外になり得るため、提案書では最終的な製品・サービス像と、実証を含む道筋を示す必要があります。3

対象となる分野と地域

令和7年度の新規公募では、補助対象分野と補助対象地域が明確に定められています。まず自社テーマが重点分野に該当するか、実施場所が対象地域に該当するかを確認してください。12

区分内容
補助対象分野廃炉、ロボット・ドローン、エネルギー・環境・リサイクル、農林水産業、医療関連、航空宇宙
補助対象地域福島県浜通り地域等の15市町村

対象地域の15市町村は次のとおりです。1

市町村市町村
いわき市相馬市
田村市南相馬市
川俣町広野町
楢葉町富岡町
川内村大熊町
双葉町浪江町
葛尾村新地町
飯舘村

重点分野に当てはまっても、実施場所が対象地域外になると対象外になることがあります。事務処理マニュアルでも、15市町村外での実施は原則として対象外である旨が示されています。4
ただし、対象地域内の拠点だけでは対応できない加工や調達など、やむを得ない事情がある場合は個別判断の余地があるため、早い段階で事務局に確認してください。4

所管と事務局、問い合わせの考え方

制度の所管・実施は福島県です。1
一方で、令和7年度の提案に関する問い合わせ先として、福島県の委託を受けた管理業務委託事業者が案内されています。13
応募書類は、郵送や持参では受け付けず、補助金電子申請システムのJグランツで提出します。13
Jグランツの利用にはgBizIDプライムまたはgBizIDメンバーの取得が必要です。取得に時間がかかるため、提出直前の準備だと間に合わないリスクがあります。156

支援内容

補助率と上限額

補助率は、申請者の企業区分と、地元企業等か地元企業等と連携する企業かで整理できます。さらに、連携協定書等に基づいて福島県浜通り地域等の自治体と連携して事業を実施する場合は、括弧内の補助率が適用されます。12

区分中小企業大企業
地元企業等2/3(自治体連携は3/4)1/3(自治体連携は1/2)
地元企業等と連携する企業2/3(自治体連携は3/4)1/3(自治体連携は1/2)

補助額は、補助対象経費に補助率を乗じた額の範囲で決まり、上限は1事業計画当たり7億円です。複数企業等による連携申請の場合は合計額が上限になります。2
中小企業の定義(従業員規模・資本金規模)は交付要綱で整理されているため、グループ会社を含む企業規模の判定が微妙な場合は、募集要領や事務局の案内も確認してください。2

補助対象経費の全体像

補助対象経費は、直接経費と間接経費に分かれます。直接経費は8区分、間接経費は直接経費の5パーセント以下です。12
委託費は直接経費の30パーセント以下という上限があるため、外部委託が多い計画は予算配分の段階で注意が必要です。12

区分内容の例主な上限・注意点
施設工事費不可欠で最低限必要な施設の整備・改修土地取得・造成、解体、外構などは除外される範囲がある
機械設備費機械装置の購入、試作、改良、据付、借用、修繕ソフトウェアを含む場合がある
調査設計費施設工事費・機械設備費に係る調査費・設計費対象範囲の切り分けに注意
人件費実用化開発等に直接従事する者の人件費対象となる人員・工数管理が必要
材料費等材料、副資材、消耗品等使用実績の把握が困難な材料等は対象外になり得る
外注費加工、試作、試験・実験、分析、ソフトウェア製作等の外注契約・検収・支払の証憑が重要
委託費民間企業、大学、公設試験場等への委託直接経費の30パーセント以下
その他諸経費謝金、旅費、通信運搬、印刷、賃借、光熱水費、展示会等事業との関連性の説明が必要
間接経費上記直接経費に対する間接経費直接経費の5パーセント以下

経費区分ごとの細かな要件は、募集要領・交付要綱・事務処理マニュアルの順に確認すると整理しやすくなります。24

有償実証と売上の扱い

公募説明資料では、原則として売上を上げることは認められない旨が示され、補助金の趣旨が受益性を排した実費弁済であることが前提になります。34
一方で、補助事業期間中に、有償実証として想定顧客等へ試作品を有償で提供し、フィードバックを技術開発に反映することは可能です。4
有償実証を行う場合は、計画の作成・変更に関する手続きが必要で、補助金申請額の考え方にも影響します。早い段階で事務局に相談し、手続きと見積の組み立てを合わせて進めてください。34

事業期間と単年度の考え方

事務処理マニュアルでは、本補助金は単年度事業であり、事業期間は交付決定がなされた年度の2月末日までです。4
このため、経費は原則として交付決定日以降に発生し、事業期間中に完了したものが対象になります。2月末日を過ぎて支払った場合は補助対象外となる点に注意してください。4
一方で、公募説明資料では複数年計画の場合でも年度ごとの額として扱う旨が記載されており、事業計画の作り方と年度内の完了設計が重要です。3

対象者と主な要件

地元企業等の考え方

補助対象者は、地元企業等と、地元企業等と連携して実施する企業です。12
地元企業等は、福島県浜通り地域等に本社や研究開発拠点、生産拠点等が所在する企業や、研究所、大学、国立高等専門学校機構、農業協同組合など法人格を有する団体等です。1
拠点を有していることの判別は、事務処理マニュアルでは原則として登記の有無で行う旨が示されています。拠点の登記がない場合は、補助対象期間開始までに登記を完了させる必要がある点も確認してください。4

また、公募説明資料では個人事業者は対象になりません。3
申請主体の形態が特殊な場合は、交付要綱上の補助事業者の定義と合わせて、事務局に確認した方が安全です。2

浜通り地域外の企業が提案する場合

福島県浜通り地域外の企業が提案する場合、浜通り地域等に拠点を設置するか、地元企業等と連携する必要があります。1
連携する場合、複数企業等による連携申請の形をとり、地元企業等を主とした計画設計が求められます。3

連携申請のルール

複数企業等による連携申請では、原則として申請者ごとに交付提案書を提出し、採択・交付決定後も事業者ごとに補助金が交付されます。3
連携申請であっても、事業計画全体の整合性、役割分担、成果の帰属や知財の扱い、委託と外注の切り分けなど、書類上で説明できる形にしておくことが重要です。34

自治体連携推進枠と補助率の上乗せ

連携協定書等に基づいて、福島県浜通り地域等の自治体と連携して事業を実施する企業等は、括弧内の補助率が適用されます。12
公募説明資料では、自治体連携推進枠で提案する場合、自治体との連携協定書等の写しを提出資料として求めています。3
自治体と連携する場合でも、研究開発の主体や実施体制は事業者側にあるため、実証の協力範囲や役割分担、成果公開の範囲などを協定書に落とし込み、提案書と矛盾しないように整えます。これは制度要件というより不備回避のための実務上の注意点です。3

対象外になりやすいケース

対象外に該当するかどうかは募集要領等で判断されますが、公式資料から読み取れる範囲で、特に注意したい論点を整理します。324

論点対象外になりやすい例一次資料で確認できる根拠
取組の段階基礎研究、可能性調査が中心で、実証や実用化の道筋が示せない公募説明資料の対象内容・留意事項
実施場所15市町村外での実施が中心になる公募ページ、事務処理マニュアル
申請主体個人事業者公募説明資料
事業の性質収益性が前提の販売行為を補助で賄う設計公募説明資料、有償実証の考え方、実費弁済
手続き提案希望届の未提出、書類不備・不足公募ページ、公募説明資料の減点評価

この表は判断の入口です。最終的には、募集要領・交付要綱・事務処理マニュアルの該当箇所に戻って確認し、判断に迷う点は事務局に照会してください。1324

対象経費の組み立てと証憑管理

交付決定日と支払日の関係

事務処理マニュアルでは、交付決定前に契約(発注)したものは補助対象とできないこと、2月末日を過ぎて支払ったものは補助対象外となることが示されています。4
発注から支払までの一連の流れが事業期間内に収まるよう、工程表と調達計画を早めに固めてください。4

公募説明資料でも、原則として交付決定前の発注等は補助対象外であること、ただし補助金交付申請日以降は指令前着手申請が承認されれば交付決定前でも事業開始が可能であることが示されています。3
指令前着手は、交付決定を約束するものではなく、審査の結果、補助対象外となる経費が自己負担になる可能性がある点が注意事項として挙げられています。34

調達・委託に関する注意点

補助事業を遂行するために売買や請負その他の契約を行う場合、または事業の一部を第三者に委託・共同実施する場合、一定額以上の契約では、国や県から補助金交付等停止措置・指名停止措置が講じられている事業者を契約相手にすることは原則できません。4
どの会社と、何を、いくらで契約するかは、技術面だけでなくコンプライアンス面でも確認が必要です。これは採択後に慌てやすいポイントです。4

また、委託費には直接経費の30パーセント以下という上限があります。外部機関へ委託する範囲が広い場合は、委託と外注の区分、成果物、検収方法を具体化し、経費内訳(様式A)と整合するように整理してください。132

証憑は何を揃えるか

補助金の経理処理は通常の商取引と異なる点があり、事務処理マニュアルでは、実費弁済、区分処理、他事業との区分管理、日付が確認できる時系列での資料整理などが挙げられています。4
加えて、補助事業終了後に会計検査院等の実地検査が入る場合がある旨も示されています。4
申請段階で証憑まで揃える必要はありませんが、採択後の運用を見据えて、どの経費でどの書類が必要かをイメージしておくと、後工程の事故が減ります。

証憑の基本セットは、次のように考えると整理しやすくなります。ここは制度要件というより、公式マニュアルが求める処理に沿った実務上の注意点です。4

経費の局面代表的な証憑チェックの観点
見積見積書、見積依頼の記録相見積の要否、仕様の一致、日付
発注・契約発注書、契約書、注文請書交付決定日との前後関係、相手先の確認
納品・実施納品書、作業報告書、検収記録数量・仕様・場所、実施日
請求請求書請求日、内訳の明確さ
支払振込明細、領収書支払日が事業期間内か、支払先の一致
成果物成果物一覧、写真、ログ補助事業との対応関係、再現性

交付要綱では、補助事業者は帳簿や関係書類を5年間保存する義務があることも示されています。2
証憑の保存と整理は、採択後の事務処理負担に直結します。担当者と保管場所、ファイル命名、原本管理のルールを早めに決めてください。

取得財産と処分制限

補助事業で取得した財産の管理も重要です。交付要綱では、一定額以上の機械・備品等が処分制限の対象となることが示されています。2
事務処理マニュアルでも、50万円以上の機械設備等を取得した場合の管理簿の作成や、処分時の承認申請が必要であることが説明されています。4
設備を購入する計画では、導入後の利用目的と管理体制まで含めて設計し、将来の転用や売却の可能性があるなら、事務局と相談しながら進める方が安全です。24

申請の流れ

全体の流れを俯瞰する

令和7年度の新規提案は、Jグランツでの電子申請が前提です。さらに、交付提案書の提出前提として、提案希望届を期限までに提出することが必要です。13
公募説明資料では、申請書の記載漏れ等の不備が多数ある場合、低評価となることがあるほか、審査しない場合がある旨も示されています。3
したがって、締切日の直前に提出だけを急ぐよりも、書類の完成度と添付の過不足を先に潰すことが大切です。

事前準備 gBizIDとJグランツ

Jグランツの利用には、gBizIDプライムまたはgBizIDメンバーが必要です。gBizIDエントリーでは申請できません。5
公募ページと公募説明資料では、gBizIDプライムの取得に2〜3週間程度かかるため、早めの申請を勧めています。13
gBizIDの申請自体はgBizIDの公式サイトから行います。6

提案希望届の提出

交付提案書を提出するには、提案希望届を提出することが必要です。期限までに提出がない場合、公募締切日前であっても交付提案書を受け付けない旨が公募ページに記載があります。1
提案希望届は、公式に案内されている申し込みフォームから提出します。7

交付提案書の提出

提出方法はJグランツです。募集要領や申請様式の確認もJグランツで行う運用です。138
公募説明資料では、提出資料として、交付提案書に加え、決算書や登記事項証明書などの添付資料、さらに条件に応じた図面類などが示されています。3
提出資料の全体像を、一次資料の表現に沿って整理します。3

No資料名提出が必要なケース
1交付提案書全員
2提案企業、連携先等の事業紹介パンフレット等全員
3直近2期分の決算報告書全員
4法人定款写し全員
5登記事項証明書全員
6県税の未納がないことの証明書全員
7所得金額を証明する書類(納税証明書(その2))直近過去3年分全員
8経費内訳(様式A)全員
9研究開発体制図(様式B)全員
10役員一覧(様式C)全員
11立地予定位置施設工事費を計上する場合
12施設等の平面図施設工事費を計上する場合
13施設等の機械設備配置がわかる図面等施設工事費を計上する場合
14全体計画の工程表施設工事費を計上する場合
15委託先の概要、委託内容が分かる資料委託費を計上する場合
18自治体との連携協定書等の写し自治体連携推進枠で提案する場合

表にない提出要件やファイル形式、様式は募集要領と申請画面の案内に従ってください。138
特に交付提案書は新様式の使用が求められており、財務分析の根拠資料としてエクセルファイルの提出も求められています。3
書類の揃え方は、Jグランツ上の差戻し対応も含め、電子申請マニュアルを参照すると具体的です。5

審査の進み方

公募説明資料では、新規提案は面接審査(ヒアリング形式)で実施し、時期は4月中旬頃からを目安として示しています。感染症対策の観点からオンライン実施を想定する旨も記載されています。3
採択内示の目安として、新規は5月下旬を目途とする旨が示され、提案件数等により変更となる可能性も併記されています。3
このため、提出後に追加資料や質疑が来る可能性も織り込み、社内の対応体制を組んでおくと安心です。

採択内示後から交付決定まで

公募説明資料では、採択内示の後、改めて正式に申請書を提出し、申請内容を精査の上で交付決定となる流れが示されています。3
事業実施期間は、交付決定日から翌年2月末日までという考え方です。34
交付決定前に着手が必要な場合は、交付申請書提出後に指令前着手申請書を提出し、承認を得ることで着手が可能になる旨が事務処理マニュアルで説明されています。4

採択後の報告と支払

採択事業者は、状況報告書や実績報告書など、期日を区切った提出が必要です。実績報告書は、補助対象事業完了の日から起算して10日を経過した日、または交付決定がなされた年度の2月末日のいずれか早い日までに提出する必要があります。4
交付要綱では、補助事業の完了年度の終了後5年間、毎年度終了後30日以内に実用化状況を報告する義務が定められています。報告の証拠書類も、報告に係る会計年度の終了後5年間保存が必要です。2
このため、採択されたら、その年度の実施だけでなく、完了後の追跡報告まで見据えて、成果指標や実用化計画を組み立てることが重要です。2

概算払の位置づけ

公募説明資料では、必要性が認められれば概算払が可能で、1回限り、交付決定額の2分の1を上限として、支払いが完了した部分についてのみ可能と説明されています。概算払請求では、支払額の証拠書類や資金計画の提出が必要です。3
資金繰りが論点になる場合は、申請段階でキャッシュフローの見通しを作り、どのタイミングで資金が不足するか、自己資金で先行できる範囲はどこかを明確にしておくと、事務局との相談が進めやすくなります。これは制度要件ではなく実務上の注意点です。3

採択されやすい計画の作り方

評価の前提を押さえる

公募説明資料では、浜通りの産業復興に寄与する実用化・事業化に向けた取り組みであることを前提に、複数の観点から評価するとしています。3
また、補助事業計画終了後3年以内に実用化・事業化が実現できる計画であることが重要とされ、研究開発・実証の実用化可能性や、実用化・事業化後の浜通り地域の産業復興に対する効果も評価対象です。3
基礎評価では、戦略と経営資源が整っているかを客観的情報に基づき評価する旨も記載されています。3

この記載から、提案書では技術の新規性だけでなく、事業化シナリオ、顧客像、販売・提供までの道筋、体制と資金の裏付けをセットで示す必要があると読み取れます。ここは制度要件ではありませんが、審査の観点に沿った設計として意識する価値があります。3

加点評価の使いどころ

公募説明資料には加点評価の項目があります。該当する場合は、交付提案書のどこで、どの証拠で示すかまで落とし込むと伝わりやすくなります。3

区分加点の対象実務上の示し方の例
マーケットアドバイザー想定顧客となる企業等をマーケットアドバイザーとして設置顧客候補との関係性、助言の形、フィードバック反映プロセス
拠点の立地避難指示解除区域等を実用化開発等の拠点とする実施場所の住所、拠点機能、地域への効果
企業の成長段階設立10年未満の中小企業設立年、会社概要、成長計画
取引適正化パートナーシップ構築宣言をしている宣言の有無と、発注・委託における方針

加点要素は、提案の中核を変えるものではありません。むしろ、計画の妥当性を補強する材料として、無理なく示せる範囲で組み込みます。3

減点評価と不備回避

公募説明資料では、交付提案時点で交付提案書や添付資料に不備不足があった場合に減点するとしています。3
また、前年度採択者の継続提案では、事務処理上の不備不足が著しい場合等に減点する旨も示されています。3
新規提案でも、記載漏れや添付の不足が多い場合に低評価となることがあるほか、審査しない場合があると注意喚起されています。3

不備回避のためには、締切前に次の3点を確認する運用が有効です。ここは制度要件ではありませんが、差戻しや低評価を避けるための実務上の注意点です。35

確認観点チェック例
要件の適合重点分野、対象地域、申請主体、連携形態、拠点の登記
添付の過不足決算書2期分、登記事項証明、県税証明、納税証明、定款写し、図面類
経費と体制の整合経費内訳と工程表、体制図と役割、委託・外注の区分、委託費上限

実施市町村との関係づくり

公募説明資料では、実施市町村へ事前に相談し、理解と協力を得ることを勧めています。理由として、地域経済における重要度や地元への波及効果、産業集積効果を重視していること、市町村の理解と協力が重要であることが挙げられています。3
実証で公共空間の利用や地元関係者の協力が必要になるテーマは特に、早い段階で実施場所の自治体に相談し、必要な手続きや受入条件を確認しておくと、提案書の実現性が上がります。これは制度要件ではなく実務上の注意点です。3

申請前のセルフチェック

要件を満たすかを短時間で確認する

応募準備に入る前に、要件の入口で迷わないための確認表です。制度要件は一次資料に戻って確認し、この表は見落とし防止のチェックとして使ってください。1324

チェック項目確認のポイント一次資料の参照先
重点分野テーマが6つの重点分野のいずれかに該当公募ページ、交付要綱
実施場所研究開発・実証の中心が浜通り地域等15市町村公募ページ、事務処理マニュアル
申請主体法人格があるか、個人事業者ではないか公募説明資料、交付要綱
拠点浜通り地域等に本社・研究開発拠点等があるか、登記の準備ができているか公募ページ、事務処理マニュアル
連携形態浜通り地域外企業は拠点設置または地元企業等との連携ができるか公募ページ、公募説明資料
補助率区分中小企業か大企業か、自治体連携の有無公募ページ、交付要綱
委託費の比率委託費が直接経費の30パーセント以下に収まる公募ページ、交付要綱
間接経費間接経費が直接経費の5パーセント以下公募ページ、交付要綱
単年度完了交付決定日以降に発注し、2月末日までに支払完了できる工程か事務処理マニュアル
有償実証有償実証を予定するなら手続きと収益控除の設計ができるか公募説明資料、事務処理マニュアル
事前手続き提案希望届を期限までに提出できるか公募ページ、公募説明資料
電子申請gBizIDプライムまたはメンバーを準備し、Jグランツで申請できる公募ページ、電子申請マニュアル

チェック表で曖昧になりやすいのは、実施場所の中心性と、浜通り地域等における拠点の要件です。拠点の登記や実施場所の扱いは、後からの修正が難しいため、早めに事務局へ確認してください。4

必要書類の整理

主体別に見た追加書類の分岐

公募説明資料に示されている提出資料は共通項目が中心ですが、施設工事費、委託費、自治体連携推進枠など、計画内容により追加資料が発生します。3
分岐を俯瞰できるように、必要書類を主体別・計画別に整理します。ここでの区分は実務上の整理であり、正式な要件は募集要領等で確認してください。138

区分追加になりやすい資料補足
施設工事費を計上立地予定位置、平面図、設備配置図、工程表図面の粒度は計画の実現性に直結する
委託費を計上委託先の概要、委託内容が分かる資料委託費の上限と成果物の定義が重要
自治体連携推進枠自治体との連携協定書等の写し協定内容と提案書の整合を確認
連携申請連携先の会社案内、役割分担を示す資料交付提案書は原則として申請者ごとに提出
浜通り地域外企業拠点設置計画、連携関係を示す資料拠点の登記や設置時期の扱いに注意

提出書類は、取得に時間がかかるものから逆算します。登記事項証明書や納税証明書、県税の証明などは発行に日数がかかる場合があるため、提案希望届を出したら早めに着手すると手戻りが減ります。3

添付資料の品質を上げるコツ

公募説明資料では、基礎評価で戦略や経営資源を客観的情報で評価するとしています。3
この観点から、決算書だけでなく、会社案内や体制図、外部パートナーとの関係が分かる資料の整え方が提案の説得力に影響します。
資料を増やし過ぎるより、交付提案書の記載と齟齬がないこと、数字の根拠が追えること、実施場所と体制が具体的であることを優先してください。これは制度要件ではなく実務上の注意点です。3

スケジュールと逆算

公募期間と主要な期限

令和7年度の新規公募期間は、2025年2月6日から3月24日17時までです。1
ただし、交付提案書の提出前提として、提案希望届を2025年3月14日までに提出する必要があります。13
また、gBizIDプライムの取得には2〜3週間程度を要するため、電子申請の準備はさらに前倒しで進めます。135

時期やること根拠
できるだけ早期gBizIDプライムまたはメンバーの準備公募ページ、公募説明資料、電子申請マニュアル
公募期間内提案希望届の提出公募ページ、公募説明資料
提案希望届後交付提案書と添付資料の作成、経費内訳・体制図の整備公募説明資料
締切までJグランツで交付提案書一式を提出公募ページ、公募説明資料
4月中旬頃目安面接審査(新規)公募説明資料
5月下旬目安採択内示(新規)公募説明資料
交付決定後事業開始、契約・発注、実証、支払事務処理マニュアル
2月末日まで事業完了、支払完了公募説明資料、事務処理マニュアル
完了後実績報告書の提出事務処理マニュアル
完了年度の翌年度以降実用化状況の報告を5年間交付要綱

審査や内示の時期は目安であり、提案件数等により変更となる可能性があります。3
そのため、社内のリソース確保は、面接審査の直前だけでなく、提出後から内示までの期間も含めて設計することが大切です。

事業実施の逆算ポイント

単年度運用では、2月末日までに契約・納品・検収・請求・支払を完了する必要があります。4
設備の調達や工事が絡むテーマは、天候や部材調達で遅延しやすいため、工程にバッファを確保してください。これは制度要件ではなく実務上の注意点です。4

事務局に相談する前に用意する情報

相談を短時間で有効にする整理表

公募説明資料では、交付提案書提出前に管理業務委託事業者へ内容確認やアドバイスを受けることを勧めています。3
相談を有効にするため、事務局へ伝える情報を一枚で整理するテンプレートを用意します。ここでの項目は制度要件ではありません。相談と提案書作成を効率化するための実務上の注意点です。3

項目記入の例準備の狙い
テーマ名製品・サービス名と開発目的審査対象の核を揃える
重点分野6分野のどれか入口要件を確認
実施場所市町村名、拠点の住所対象地域と実現性を確認
体制主担当、協力部署、外部委託先体制図と整合させる
連携形態単独、連携申請、自治体連携推進枠補助率と添付資料を確認
実証計画誰に、どこで、何を検証するか実用化への道筋を示す
成果物試作品、データ、評価結果実績報告のイメージ
スケジュール交付決定後から2月末までの工程単年度完了の整合
概算予算経費区分ごとの概算委託費上限・間接費上限の確認
有償実証予定の有無と想定売上手続きと収益控除を確認
地域への効果雇用、取引、拠点機能、波及審査観点に合わせる

この整理表を作っておくと、どの資料をいつまでに揃えるか、どの論点を事務局に確認すべきかが明確になります。

似た名称の制度との取り違えに注意

どこが識別点になるか

福島イノベーション・コースト構想に関連する支援制度は複数あります。制度名が似ていると、対象地域・対象分野・提出先・様式が異なる制度を参照してしまうリスクがあります。
本記事が対象としているのは、福島県が所管する地域復興実用化開発等促進事業費補助金の令和7年度新規公募です。公募ページに掲載された資料と、交付要綱・事務処理マニュアルを基準に確認してください。124
募集要領や申請様式はJグランツ上で確認する運用のため、検索時は制度名と年度で絞り込み、別制度の様式を流用しないように注意します。18

よくある質問

申請要件と対象範囲

Q1. 重点分野に該当するかの判断はどこを見ればよいですか。
A. 令和7年度の重点分野は、公募ページと交付要綱で確認できます。まず6分野のいずれに当たるかを確認し、判断が難しい場合はテーマ概要をまとめて事務局へ確認してください。12

Q2. 実施場所が15市町村外に少しだけ含まれる場合はどうなりますか。
A. 事務処理マニュアルでは、15市町村外での実施は原則として対象外です。4 ただし、対象地域内の拠点では対応できない加工や調達などの事情がある場合は個別判断の余地があるため、計画段階で事務局に相談してください。4

Q3. 個人事業主でも申請できますか。
A. 公募説明資料では、個人事業者は対象になりません。法人格のある主体での提案が前提です。3

Q4. 浜通り地域外の企業は申請できませんか。
A. 浜通り地域外の企業でも、浜通り地域等に拠点を設置するか、地元企業等と連携することで提案できます。1 連携申請では、地元企業等を主とした計画設計が求められる点に注意してください。3

補助率・経費・売上の扱い

Q5. 補助率と上限額はどの資料で確認できますか。
A. 補助率と上限額は交付要綱に記載があります。上限は1事業計画当たり7億円で、補助率は中小企業と大企業、自治体連携の有無で異なります。2

Q6. 委託費の上限はありますか。
A. 交付要綱で、委託費は直接経費の30パーセント以下です。計画の中心が外部委託になる場合は、上限に収まるかを最初に確認してください。2

Q7. 補助事業中に売上が出ると不採択になりますか。
A. 公募説明資料では、原則として売上を上げることは認められない旨が示されています。3 一方で、事務処理マニュアルでは有償実証を行うことは可能とされ、所定の手続きが必要です。計画段階で事務局に相談し、収益控除を含めた設計にしてください。4

手続きとスケジュール

Q8. 提案希望届を出さずに、締切までに交付提案書だけ提出したらどうなりますか。
A. 公募ページには、提案希望届が提出されていない場合、公募締切日前であっても交付提案書を受け付けない旨が記載があります。先に提出してください。1

Q9. 申請は郵送でも可能ですか。
A. 令和7年度は、継続・新規ともにJグランツで受け付ける運用です。3 電子申請マニュアルに沿って準備を進めてください。5

Q10. gBizIDはどの種類が必要ですか。
A. 電子申請マニュアルでは、gBizIDプライムまたはgBizIDメンバーが必要で、gBizIDエントリーでは申請できないことが示されています。取得には時間がかかるため、早めに手続きを進めてください。56

Q11. 面接審査は対面ですか。
A. 公募説明資料では、新規提案は4月中旬頃から面接審査(ヒアリング形式)で実施し、オンラインでの実施を想定する旨が示されています。実際の運用は年度や状況で変わり得るため、事務局の案内に従ってください。3

採択後の運用

Q12. 採択された後、いつまでに支払いまで終える必要がありますか。
A. 事務処理マニュアルでは、事業期間は交付決定がなされた年度の2月末日までで、2月末日を過ぎて支払った場合は補助対象外となる旨が示されています。4

Q13. 採択後に必要な報告は何がありますか。
A. 事務処理マニュアルでは状況報告書や実績報告書の提出が必要です。実績報告書は完了日から10日を経過した日、または2月末日のいずれか早い日までに提出が必要です。4 交付要綱では、完了年度終了後5年間の実用化状況報告も定められています。2

Q14. 概算払は使えますか。
A. 公募説明資料では、必要性が認められれば概算払が可能で、1回限り、交付決定額の2分の1を上限として、支払いが完了した部分についてのみ可能と説明されています。証拠書類や資金計画の提出も求められます。3

Q15. どのタイミングで事務局に相談するのがよいですか。
A. 公募説明資料では、交付提案書提出の前に内容確認やアドバイスを受けることを勧めています。3 重点分野・実施場所・拠点要件・有償実証・委託費比率など、後戻りが難しい論点が見えた時点で相談すると整理が進みます。34

まとめ

令和7年度の地域復興実用化開発等促進事業費補助金は、浜通り地域等での実用化開発等を支援し、補助率・上限額が大きい一方で、対象地域・電子申請・単年度運用・証憑管理など、事務要件の影響が大きい制度です。124
最初に、重点分野と実施場所、拠点要件、連携形態を確定し、提案希望届とgBizIDの準備を先行させると、申請全体が安定します。135
具体的な様式や提出方法は年度・公募回で更新されることがあるため、最後は公募ページとJグランツの募集要領等で確認し、不明点は事務局へ照会してください。138

出典・参考資料

  1. 福島県 令和7年度地域復興実用化開発等促進事業費補助金(新規)の公募について ↩

  2. 福島県 地域復興実用化開発等促進事業費補助金交付要綱(令和7年4月1日施行、PDF) ↩

  3. 福島県 地域復興実用化開発等促進事業 公募説明資料(令和7年度、PDF) ↩

  4. 福島県 地域復興実用化開発等促進事業費補助金 事務処理マニュアル(令和7年6月2日版、PDF) ↩

  5. 福島県 地域復興実用化開発等促進事業費補助金 電子申請マニュアル 新規提案・交付申請(令和7年度、PDF) ↩

  6. gBizID 公式サイト(法人共通認証基盤) ↩

  7. 提案希望届 申し込みフォーム(Microsoft Forms) ↩

  8. 補助金電子申請システム jGrants(Jグランツ)公式ポータル ↩

執筆者:補助金フラッシュ 士業編集部

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執筆者
補助金フラッシュ 士業編集部
公開日: 2026年1月31日

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