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ブログ|業務改善・効率化

生産性向上に役立つグループウェアと情報共有の始め方

止まりやすい申請を1つ選び、グループウェアで情報共有と承認フローを見える化する手順が分かります。紙運用のままでも止まりにくくする工夫と、定着、評価のコツも解説。

補助金フラッシュ 士業編集部公開日: 2026年2月2日
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目次

  • 忙しい日に承認や連絡が止まるのはなぜ?
  • 最初に手を付けるのは、よく止まる申請を1つだけ
  • 情報共有の設計ができると、承認が早くなる
  • 事例に学ぶ、ツール連携で管理者の手作業を減らす
  • 失敗しないために押さえる例外と次の一手
補助金フラッシュ 事業計画

紙の申請書や回覧が残っていても、普段は大きな問題が出ないことがあります。ところが繁忙期や急な欠勤が重なると、承認や連絡が一気に止まりがちです。止まる原因は紙そのものより、手順と情報が人の頭の中にあることです。
この記事では、よく止まる申請を1つだけ選び、グループウェアで情報共有と承認の流れを見える形にする方法をまとめます。社内での説明や検討の材料として活用してください。

目次

  • ●忙しい日に承認や連絡が止まるのはなぜ?
  • 止まる原因は手順ではなく暗黙知
  • 情報を探す時間は想像より長い
  • ●最初に手を付けるのは、よく止まる申請を1つだけ
  • 対象を選ぶための3つのチェック
  • 紙を捨てる前に、流れだけ先にデジタル化する
  • ●情報共有の設計ができると、承認が早くなる
  • 置き場所を決めるだけで問い合わせが減る
  • 通知と検索を前提に、ルールを小さく決める
  • ●事例に学ぶ、ツール連携で管理者の手作業を減らす
  • 株式会社中東の事例が示すこと
  • 同じ発想を総務、営業の申請にも読み替える
  • ●失敗しないために押さえる例外と次の一手
  • 紙が残る業務は無理にゼロにしない
  • 小さく試して、数字で判断してから広げる
生産性向上に役立つグループウェアと情報共有の始め方

忙しい日に承認や連絡が止まるのはなぜ?

止まる原因は手順ではなく暗黙知

紙の運用で困らない会社でも、実は仕事が進む理由が人に依存していることがあります。たとえば総務担当が不在でも、誰かが過去の経緯を覚えていて、口頭で補っている。上長が外出していても、部下が次の手を知っている。こうした状態は、平常時は目立ちません。

問題が表に出るのは、例外が重なったときです。繁忙期、欠勤、異動、複数案件の同時進行が重なると、誰が次に何をするかが分からない状態になりやすい。結果として、申請が机の上で止まる、確認の電話が増える、二重入力が起きるといった形で、生産性が落ちます。

情報を探す時間は想像より長い

情報共有が弱い組織で起きる損失は、目に見える手戻りだけではありません。意外に大きいのが、探す時間です。McKinsey Global Institute(経済・ビジネス問題に関する意思決定を支援するための世界的な研究機関)は、管理職や専門職などの対人業務が多い人が、業務時間の約19%を情報探しに使うと推計しています1。

ここで重要なのは、19%という数字の正確さよりも、規模感です。社内に情報が散らばっていると、探す作業が毎日少しずつ発生します。紙のファイル、個人のメール、口頭の引き継ぎが混ざるほど、探す時間は増えます。グループウェアの価値は、まずこの探す時間を減らせる点にあります。

最初に手を付けるのは、よく止まる申請を1つだけ

対象を選ぶための3つのチェック

いきなり全社でペーパーレスを宣言しても、現場は動きません。最初にやるべきことは、よく止まる申請を1つだけ決めることです。対象を選ぶときは、次の3つを見ます。

  • 申請の前後で、確認の電話やチャットが頻発している
  • 承認者の不在や忙しさで、止まる場所がほぼ決まっている
  • 記録が残らず、後から経緯を説明できないことがある

この3つが揃うほど、可視化の効果が出やすいです。逆に、年に1回しか発生しない手続きや、担当者が固定で迷いがない手続きは後回しでも構いません。関係者が少なく、承認者が1人か2人の申請を選ぶと、最初の成功体験を作りやすいです。

対象を決めたら、いきなり新しいツールの画面を作る前に、現状を短く測っておくと後が楽です。たとえば、1週間で何件発生したか、どこで止まったか、差し戻しは何回あったか、問い合わせは何件あったか。小さな数字で現状を見える化しておくと、導入後の評価が主観になりません。担当者だけで抱えず、申請に関わる人と一緒に数字を見ると、改善点が早く見つかります。

紙を捨てる前に、流れだけ先にデジタル化する

申請をデジタル化すると聞くと、紙をなくす話に聞こえがちです。しかし最初は、紙を残したままでも前に進めます。目的は、紙の置き換えではなく、申請から承認までの流れ(ワークフロー)を見える状態にすることです。

たとえば休暇申請のように、現場では紙が使いやすい場面があります。この場合、申請書の提出は紙でも構いません。代わりに、受付した時点で担当者がアプリに登録し、承認者がどこにいるか、誰が代替できるかを見える形にします。ここで大事なのは、申請の入口と出口だけでも記録が残ることです。入口と出口が見えると、その間のどこで止まっているかが分かります。承認者が不在になりがちな申請なら、代理承認や催促のルールを一緒に決めておくと、止まりにくくなります。

サイボウズのkintoneには、業務プロセスに沿って進捗や承認を管理できるプロセス管理という機能があり、申請の承認や稟議の決裁をアプリで扱えると説明されています2。こうした仕組みを使うと、止まっている場所が分かり、次に誰が動けばよいかが明確になります。

ここまでで、止まる原因が見えました。次は、可視化の土台になる情報共有をどう設計するかを見ます。

情報共有の設計ができると、承認が早くなる

置き場所を決めるだけで問い合わせが減る

承認を早くしたいとき、つい承認フローのボタンや通知設定に注目しがちです。ただし、承認の前段で必要な情報が揃っていないと、結局は差し戻しになります。そこで先に整えたいのが、情報の置き場所です。

ここでいう情報共有は、難しい仕組みではありません。申請に必要な情報が、どこにあるかが一目で分かる状態を作るだけです。たとえば、社内規程、申請の記入例、よくある質問、関連する過去の申請などを、グループウェアの共有スペースに集めます。紙のファイルが残るなら、置き場所と最新版の管理者を明確にします。

もう1つ効果が大きいのが、正しい情報がどれかを迷わないようにすることです。承認者が迷うほど判断は遅れ、差し戻しも増えます。メールに添付された最新版、チャットに貼られた最新版、共有フォルダの最新版が食い違うと、承認者は判断できません。この申請の公式な置き場所はここと決めるだけで、確認の往復が減ります。

通知と検索を前提に、ルールを小さく決める

情報共有が続かない原因は、ツールの多さより、運用ルールが曖昧なことです。最初から立派な規程を作る必要はありません。迷いが生まれやすいところだけ、小さなルールにします。たとえば次のようなものです。

  • ファイル名は日付と案件名を入れる
  • 決裁後の最終版だけを残し、途中版は保管場所を分ける
  • 申請の質問は担当者への個別連絡ではなく、専用のスレッドに集約する
  • 期限がある作業は、担当者と締切をタスクとして残す

ルールを作るときは、検索される前提で書くのがコツです。たとえば見積や請求など、同じ意味の言葉が混在すると検索で拾えません。言葉を揃えるのが難しい場合は、タグや項目を用意し、入力欄で選べる形にします。入力の手間を増やしすぎない範囲で、最低限の分類を作ると、探す時間が減ります。

事例に学ぶ、ツール連携で管理者の手作業を減らす

株式会社中東の事例が示すこと

小さく始めて成果を出すイメージを掴むには、事例が役立ちます。LINE WORKSの導入事例として公開されている株式会社中東のケースでは、LINE WORKS上で使える連携ツールのアルろく for LINE WORKSを導入し、アルコールチェックの記録と管理を円滑にしたと説明されています。結果として、運用コストを年20万円削減し、総務部の入金チェックが月20時間短縮されたとも記載されています3。

この種の数字は、組織の規模や業務量で変わります。そこで、同じ効果をそのまま期待するのではなく、変化の起点を見ます。時間とコストの両面で変化が書かれている事例は、社内で評価軸を作るときの材料になります。記録が残り、共有され、検索できる状態になると、周辺業務にも波及が起きる。ここがポイントです。

同じ発想を総務、営業の申請にも読み替える

この事例を一般化すると、次の形になります。業務の流れの中で、記録と連絡が分断されていた。そこで、連絡手段と記録の置き場所を近づけ、必要な人が同じ画面で確認できるようにした。すると管理者の手作業が減った、という流れです。

総務の備品購入、営業の値引き申請、現場の作業報告でも同じことが起きます。紙のフォームを残したままでも、経緯と承認状況が残るようにするだけで、確認の往復は減ります。成果が出やすい申請を1つ選び、記録と連絡を同じ場所に集める。まずはここからで十分です。

失敗しないために押さえる例外と次の一手

紙が残る業務は無理にゼロにしない

すべてをデジタルにする必要はありません。取引先が紙を求める、現場で端末を使いにくい、法令や監査の都合で原本管理が必要など、紙が残る事情はあります。この場合でも、止まらないための工夫はできます。

ポイントは、紙を残すかどうかではなく、誰が最新版を管理し、どこに置き、誰が見られるかを決めることです。権限設定と情報の分類を先に決めておけば、情報共有が進んでも混乱しにくくなります。経理、人事、個人情報を扱う申請では、閲覧範囲を広げすぎないことが重要です。迷う場合は、最初は権限を絞り、必要に応じて広げる方が安全です。

経済産業省の中堅・中小企業向け手引きでも、デジタル化で業務を変える取り組み(DX)は単にツールを導入することではなく、目的と課題を明確にした上で進める必要があると整理されています4。グループウェアも同じです。使う範囲と守るべきルールを決めないと、便利さが逆に混乱を招きます。

小さく試して、数字で判断してから広げる

グループウェア導入が途中で止まる典型は、便利そうだから入れたが、使い方が揃わないケースです。そこで、最初の申請では評価の仕方を決めておきます。高い指標は要りません。承認にかかった日数、差し戻し回数、問い合わせ件数など、止まりやすさを示す数字で十分です。

運用を始めたら、30日で一度振り返るのがおすすめです。1週目は現状の流れをメモし、2週目は申請フォームと共有スペースを作り、3週目は実際に回して詰まる箇所を拾い、4週目はルールを1つだけ追加します。こうして小さく改善すると、初期の違和感を放置せずに済みます。レゴの模型を一度で完成させようとせず、組んでは直すのと同じです。

国の中小企業白書でも、少人数で小さな実績を積み上げ、知識や事例の共有を広げていく姿勢が紹介されています5。成果が見えたら、次の申請へ広げます。このときも、同じ型で進めます。申請を1つ選ぶ、流れを見える化する、情報共有の置き場所を決める。繰り返すほど、社内の迷いが減り、導入が楽になります。

最後にまとめます。紙の運用が残っていても、止まる原因は紙ではなく属人化です。よく止まる申請を1つだけ選び、情報共有とワークフローを見える形にすると、忙しい日でも止まりにくくなります。関係者が同じ画面で状況を確認できるようになると、問い合わせと差し戻しが減ります。まずは1件、社内で一番困っている申請から始めてください。小さな成功が出れば、次の申請も同じ型で進められます。この繰り返しが、社内の情報共有の習慣を無理なく少しずつ作ります。

出典・参考資料

  1. 対人業務が多い人が業務時間の19%を情報探しに使うとの推計が記載。Social media's productivity payoff, McKinsey, 2012-08-21 ↩

  2. kintoneのプロセス管理が、業務プロセスに沿った進捗管理であり、申請の承認や稟議の決裁をアプリで扱えると説明。kintone ヘルプ, サイボウズ, 記事番号040568(閲覧日2026-02-02) ↩

  3. アルろく for LINE WORKS導入で年20万円のコスト削減、入金チェックが月20時間短縮などの記載。導入事例 株式会社中東, LINE WORKS, 2025-03-17 ↩

  4. 中堅・中小企業向けに、DXの進め方と成功のポイントを整理し、DXはツール導入そのものではないと説明。中堅・中小企業等向けDX推進の手引き2025, 経済産業省, 2025年3月 ↩

  5. スモールスタートでデータや知識の共有を進め、改善活動を広げた例を紹介。2021年版 中小企業白書 第4節, 中小企業庁, 2021年 ↩

執筆者:補助金フラッシュ 士業編集部

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執筆者
補助金フラッシュ 士業編集部
公開日: 2026年2月2日

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