J-Partnership 製品・サービス開発等支援事業補助金の要点
アフリカやインドなどの新興国・開発途上国では、社会課題の解決と事業成長が同時に求められる場面が増えています。J-Partnership 製品・サービス開発等支援事業補助金は、現地パートナーと共同で行う製品・サービスの開発や実証などに対して、事業開発費用の一部を補助する枠組みです。令和7年度の公募は終了していますが、制度の考え方と申請準備の要点は、次回公募の検討にも役立ちます。この記事では、一次資料で確認できる範囲を中心に、取り違えやすい点と準備手順を整理します。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 制度名(正式名称) | J-Partnership 製品・サービス開発等支援事業補助金1 |
| 対象年度/公募回 | 令和7年度 公募12 |
| 最終更新日 | 2026-01-27 |
| 所管/実施機関/事務局 | 所管:経済産業省(通商政策局 技術・人材協力室)3/事務局:J-Partnership事務局(株式会社JTB 霞が関事業部内)1 |
| 補助上限額/補助率 | 上限:1社最大1,000万円12/補助率:中堅・中小企業 2/3、大企業 1/324 |
| 申請期間 | 締切:2025-05-14 12:00(日本時間)2 ※開始日や詳細は募集要項で確認5 |
| 公式一次資料(PDF/Word) | 公募要点(公式発表)2/募集要項・様式一式(ZIP)5/経済産業省の事業スキーム資料(公募ページ、PDF/Wordあり)34/交付要綱(PDF)6 |
| 免責 | 申請前は募集要項と事務局の案内を確認し、判断に迷う点は事務局へ相談してください。15 |
制度の概要
何を支援する補助金か
J-Partnershipは、アフリカ諸国をはじめとする新興国・開発途上国で、社会課題の解決につながるビジネスプランと補助事業計画を公募し、採択された企業の事業開発に必要な費用を補助する仕組みです。対象となる活動の例として、製品・サービスの開発、実証、評価などが挙げられています。12
本補助金の重要な特徴は、単なる海外販路開拓の支援にとどまらず、現地の社会課題に向き合い、その解決に資する形で製品・サービスを磨き込む点にあります。制度の目的として、開発途上国の社会課題解決と、日本企業の海外展開の促進が示されています。34
飛びだせJapan! とJ-Partnershipの関係
同じ枠組みでも、制度名だけで判断すると取り違えが起こります。J-Partnership公式サイトには、令和3年度まで飛びだせJapan!、令和4年度からJ-Partnershipとして実施してきた旨が掲載されています。1
過年度の名称や資料を参照する場合でも、現行の要件や提出物は対象年度の募集要項で確認してください。5 過年度の数字や提出物をそのまま当てはめると、対象外経費の計上や書類不足につながり、リスクが高まります。
事業のスキーム
経済産業省は、執行団体を通じて、企業に間接補助金を交付するスキームを採っています。執行団体の募集要領には、経済産業省→執行団体→事業者という流れが示され、事業者(間接補助事業者)への補助率として2/3と1/3が記載されています。3
このスキームでは、企業は執行団体の公募に応募し、採択後は執行団体の指示に従って交付申請、実績報告、事業化報告などを行う形になります。公式資料には、過年度採択企業のフォローアップや、事業化状況の報告に関する業務の記載もあります。3
支援内容
補助上限額と補助率
令和7年度の公募概要では、補助金額は1社最大1,000万円です。2 同じく公募概要では、補助率は中堅・中小企業が2/3、大企業が1/3です。2 執行団体募集要領にも、事業者への補助率として2/3、1/3が示されています。3
補助率は、採択後に使った経費の全額が戻るという意味ではありません。原則として、補助対象経費のうち一定割合が補助され、残りは自己負担になります。補助対象になる経費の範囲や、計上のルール、証憑の要件は募集要項で確認してください。5
支援対象となる活動
公式サイトと公募概要では、支援対象となる活動として、製品・サービスの開発、実証、評価などが挙げられています。12 ここで重要なのは、単なる調査や広報だけでなく、現地での検証を通じて製品・サービスを事業化につなげる筋道を示すことです。
一方で、どこまでが補助対象になるかは公募回によって変わる可能性があります。制度要件として断定できるのは、募集要項に記載された範囲に限られます。この記事では、経費区分の網羅的な列挙は行わず、確認の観点と実務上の注意点を中心に整理します。5
伴走支援
J-Partnership公式サイトでは、資金サポートに加えて、経済産業省や関係機関の後押しのもとで伴走支援を行う旨が掲載されています。具体例として、現地調査支援、現地ネットワーク確立支援、専門分野支援が挙げられています。1
伴走支援の内容や条件は、年度や採択後の運用で変わることがあります。どのような支援が提供されるかは、説明会資料や募集要項、採択後に示される事務局の案内で確認してください。15
対象となる国と地域
対象国の考え方
令和7年度の公募では、対象国はOECD作成の援助受取国・地域リスト(DACリスト)掲載国で、ASEAN、モンゴル、中国を除く形です。2 公式サイトでも同様の考え方が示されています。1
ここでの注意点は、国名の列挙だけで判断しないことです。DACリストは更新されるため、対象国の判定は応募時点の募集要項で行う必要があります。対象国が制度要件に直結する場合は、募集要項の記載に従ってください。5
重点地域の例
公式サイトでは、重点地域としてアフリカの一部国名、インド、中南米が挙げられています。1 公募概要でも、アフリカ諸国やインド、中南米が例示されています。2
重点地域は、制度の関心領域を示すもので、対象国の条件と同一ではありません。自社の計画が重点地域に含まれない場合でも、対象国要件を満たす可能性はあります。最終的な判断は募集要項で行ってください。5
対象となる事業者と基本要件
申請主体の考え方
執行団体募集要領では、日本企業が開発途上国現地の大学、研究機関、NGO、企業などのパートナー機関と共同で、製品・サービスの開発等に取り組む事業が対象です。3 公募概要でも、日本企業によるビジネスプランと補助事業計画を公募します。12
また、補助率が中堅・中小企業と大企業で区分されていることから、企業規模に応じた取り扱いがあることが読み取れます。どの企業区分が応募可能か、連結やグループの扱い、創業間もない企業の取り扱いなどは募集要項で確認してください。5
現地パートナーの位置づけ
本事業は、現地のパートナー機関と共同で取り組む点が中心要件です。執行団体募集要領に、パートナー機関として現地の大学、研究機関、NGO、企業等が明記されています。3
共同で取り組むと言っても、契約形態や役割分担の設計は企業側の計画に委ねられる部分があります。募集要項で求められる提出物の範囲で、誰が何を担い、どのように成果を評価するのかを説明できる状態にしておくことが大切です。5
社会課題解決とビジネスの両立
本事業の対象は、開発途上国の社会課題の解決につながる製品・サービスの開発等です。制度の目的として、社会課題解決と海外展開の促進が示されています。34
申請書では、社会課題の解決を掲げるだけでなく、ビジネスとして継続できる筋道が必要になります。現地課題の仮説、価値提案、顧客、収益構造、実証の設計、規制や調達環境など、事業化の壁をどう超えるかを一つのストーリーとして組み立ててください。
取り違えを防ぐための確認ポイント
制度名と年度
同じ趣旨の補助金でも、年度が違えば、上限額、補助率、対象国、提出物、審査の運用が変わることがあります。公式サイトにある過年度の実績や成果報告は参考になりますが、要件確認は対象年度の募集要項で行う必要があります。15
似た枠組みとの切り分け
海外展開や社会課題解決の支援は、複数の制度が存在します。J-Partnershipの特徴は、開発途上国の社会課題解決につながる製品・サービスの開発等を、現地のパートナー機関と共同で行う点と、対象国の考え方がDACリストを基準にしている点です。32
制度名が似ている、あるいは支援対象が近い制度でも、対象国や連携要件が異なることがあります。応募を決める前に、募集要項の冒頭にある目的、対象者、対象国、対象事業の定義を読み、該当する制度かどうかを確認してください。5
交付決定前の発注
補助金実務での取り違えとして多いのが、採択と交付決定の混同です。執行団体募集要領には、交付決定前に発注等を完成させた経費は補助対象にならない旨の注意があります。3 採択の通知が来た段階でも、交付決定の前に発注を進めないよう、社内ルールを合わせてください。
公募のスケジュールと審査
令和7年度公募の締切
令和7年度の公募締め切りは、2025年5月14日(水)日本時間12:00です。2 公式サイトには、公募が終了している旨が掲載されています。1
締切日は、応募書類の提出完了が求められるため、社内承認やパートナーとの合意形成の時間を逆算する必要があります。締切に近い時期は、提出システムやファイルサイズ等の制約で詰まりやすくなるため、余裕を持った準備が現実的です。提出方法の詳細は募集要項で確認してください。5
採択予定企業数と競争環境
公募概要では、採択予定企業数は6社程度です。2 応募者数は公表されない場合もありますが、採択枠が限られる補助金では、計画の独自性、実現可能性、パートナーシップの強さが差になりやすいです。
採択数は年度によって変わる可能性があります。次回以降の公募を検討する場合は、公募回ごとの募集要項を確認してください。5
審査で見られやすい論点
審査基準の詳細は募集要項で確認する必要があります。5 一方、一次資料から読み取れる範囲では、社会課題解決に資する製品・サービスの開発等であること、現地パートナーとの共同であること、事業化につながる計画であることが中心要素です。3
実務上は、次の三点を申請書の中核に置くと説明がぶれにくくなります。第一に、現地課題の具体性と、課題の検証方法です。第二に、技術やサービスが現地条件に適合する根拠です。第三に、実証後の事業化ロードマップです。これらを、計画の中で相互に整合させてください。
申請の流れ
公募から採択まで
本事業は、執行団体が間接補助事業者の公募、審査・採択、フォローアップ等を担う形です。執行団体募集要領では、執行団体が補助金申請システムJグランツを活用して公募等を行うことが示されています。3
企業側から見ると、公式サイトや公募案内の確認、募集要項の入手、応募書類の作成、提出、審査、採択という流れになります。採択後の手続きや報告は、執行団体の案内に従って進めることになります。35
採択後の手続き
補助金は、採択された時点で自動的に支払われるものではありません。交付申請、交付決定、事業実施、実績報告、額の確定、支払という一連の手続きが一般的です。経済産業省の交付要綱でも、交付申請や実績報告などの手続き枠組みが規定されています。4
採択後に慌てないためには、計画時点で、発注のタイミング、契約書・見積書・請求書・納品書などの証憑の取り方、支払い方法、検収の記録方法を想定しておくことが有効です。募集要項や執行団体の手引きで求められるルールに合わせて整備してください。5
Jグランツ提出を見据えた社内体制
執行団体募集要領では、執行団体がJグランツを用いて申請受付や通知等を行う旨が書かれています。3 企業としても、電子申請で必要となるアカウント準備や、提出ファイル形式、社内の承認フローを早めに整えると、締切間際の手戻りを減らしやすくなります。
電子申請は、入力途中の一時保存や添付ファイルの差し替えなど、手続き上の癖があります。募集要項の提出要領を読み込み、試しに入力画面を確認してから、本文作成に着手する進め方が現実的です。5
申請書作成のポイント
課題設定と価値提案
社会課題の説明は、一般論で終わると採点者に伝わりにくくなります。対象国・対象地域の中で、誰のどの困りごとを、どのタイミングで、どの手段で解決するのかを具体化してください。公式資料では、現地ニーズに合致した製品・サービスの開発等が重要であることが示されています。3
価値提案は、技術の説明より先に、現地の制約条件を整理すると一貫します。電力、通信、物流、保守、人材、規制、支払手段などの制約を前提に、機能の優先順位と価格の成立条件を設計してください。
現地検証計画
本事業は、実証・評価を含む事業開発が想定されています。12 実証計画では、検証したい仮説、評価指標、対象者数、実施場所、期間、必要な許認可、データの取得方法、品質保証の方法を整理してください。
評価指標は、社会課題の改善指標と、事業指標の両方が必要です。例えば、医療分野であれば診断までの時間短縮や受診率といった指標、インフラ分野であれば稼働率や故障率、コスト削減といった指標が考えられます。ここでは指標の例を挙げていますが、制度要件としての指定指標ではありません。自社の事業特性に合わせて設定してください。5
パートナー設計
現地パートナーは、名義だけの協力ではなく、事業にとっての機能を担う存在として位置づけることが重要です。執行団体募集要領では、現地の大学、研究機関、NGO、企業等と共同で取り組むことが示されています。3
申請書では、パートナーが提供するリソースを具体化してください。例えば、実証フィールドの提供、行政手続きの支援、ユーザーへのアクセス、現地人材の採用、保守体制の構築、品質評価の実施などです。役割分担が曖昧だと、実行段階で調整コストが膨らみ、計画変更のリスクも高まります。
収支計画と資金繰り
補助率が2/3であっても、自己負担は残ります。さらに、補助金の支払いは後払いになることが多く、立替資金が必要になります。交付要綱には、交付申請や支払請求の手続きが規定されており、事業者側も同様の手続きに沿う形になります。4
資金繰りでは、いつ、何を、いくら支払い、いつ補助金が入金するかを月次で試算してください。海外関連では、前払いやデポジットが求められることもあります。補助対象になるかどうかの判断と合わせて、立替期間を短くする契約条件を検討すると、資金面の事故を減らしやすくなります。
リスクと対応
新興国・開発途上国での実証では、計画どおりに進まないことが前提になります。想定されるリスクとして、許認可の遅延、治安、物流、為替、パートナー側の体制変更、データ取得の難しさなどがあります。
申請書では、リスクを列挙するだけでなく、代替案をセットで示してください。例えば、実証場所の第二候補、代替サプライヤー、輸送ルートの予備、予備部品、リモート運用の設計、法令確認の計画などです。これらは実務上の注意点であり、制度要件としての必須項目ではありません。最終的には募集要項の記載に従ってください。5
経費と証憑の考え方
対象経費は募集要項で確認
補助対象経費の範囲、計上上限、按分の考え方、外注・委託の条件、海外での支払いの扱いなどは、募集要項と執行団体の案内で確認してください。5 経済産業省の交付要綱は、補助金の一般ルールを示すものですが、企業の実務に直結する運用は執行団体の交付規程や手引きに委ねられる部分があります。34
特に海外実証では、現地通貨での支払い、税金の扱い、領収書の様式が日本と異なることがあります。どの証憑が必要か、翻訳の要否、換算レートの扱いなど、提出前に確認しておくと手戻りを減らしやすくなります。5
よくある不備
証憑不備の典型は、発注と支払いの順序がルールと合わないケースです。執行団体募集要領にも、交付決定前に発注等を完成させた経費は補助対象にならない旨が注意点として記載されています。3
また、見積書や契約書に、仕様、数量、単価、納期が明確に書かれていないと、経費の妥当性を説明できません。海外企業との取引でも、最低限の項目を揃えた書面を残すことが重要です。ここで挙げた不備例は一般的な実務上の注意点であり、詳細な要件は募集要項で確認してください。5
見積・契約・検収
実務の流れは、見積取得、発注、契約、納品、検収、請求、支払い、実績報告という順序で管理すると整理しやすくなります。交付要綱や募集要領には、契約や帳簿・証拠書類の保存に関する考え方が示されています。43
海外現地での少額支払いは、現金精算や個人立替になりやすく、証憑の整合が取りにくくなります。可能な範囲で、法人名義の支払いと、取引の根拠資料を残す運用を検討してください。
過年度の採択事例の読み方
公式サイトの実績を参考にする
J-Partnership公式サイトには、令和4年度以降の支援実績や事業成果報告へのリンク、そして令和7年度の採択企業一覧が掲載されています。1 これらは、制度が想定するテーマや、実証の粒度を把握する材料になります。
過年度の採択事例を見ると、デジタル、環境、製造、インフラ、ヘルスケア、モビリティ、農林水産といった分野が例示されており、分野の制限がない一方で、社会課題解決とのつながりが明確な計画が並んでいることが分かります。1 自社の計画がどのタイプに近いかを言語化すると、申請書の構成が決まりやすくなります。
事例を自社計画に落とし込む
事例の読み方で重要なのは、表面のテーマを真似することではなく、共通する構造を抽出することです。たとえば、課題設定→現地条件→解決策→実証→事業化のつながり、パートナーの役割、実証の評価指標の置き方などです。
事例は参考になりますが、審査の評価基準や採択理由がそのまま公開されるとは限りません。最終的には募集要項に沿って、自社の強みと現地課題の接続を説明してください。5
次回公募に備えた準備
事前に整える情報
募集要項で求められる提出物は年度によって変わります。5 ただし、次の情報は、提出の必須条件でない場合でも、申請準備を進めるうえで整理しておく価値があります。
| 準備しておくとよい情報 | なぜ必要になりやすいか | 社内で決めるポイント |
|---|---|---|
| 対象国・対象地域の仮説 | 国要件の確認と、実証設計に直結するため | 優先国と代替国、候補都市 |
| 現地課題の一次情報 | 課題の具体性を示す材料になるため | 調査方法、情報源、記録の残し方 |
| 現地パートナー候補 | 共同実施の設計に必要なため | 役割分担、守秘、データ利用の範囲 |
| 実証の評価指標案 | 実証の成否判定に必要なため | 社会指標と事業指標の両立 |
| 概算予算と資金繰り表 | 自己負担と立替資金の見通しを持つため | 調達方針、支払い条件、為替リスク |
上表は実務上の準備例です。提出要件そのものではないため、最終的には募集要項で指定された提出物に合わせて調整してください。5
関係者との合意形成
海外実証は、研究開発、営業、法務、経理、情報セキュリティなど複数部門を横断します。公募締切から逆算して、社内の意思決定者と、パートナー側の意思決定者が同じタイムラインで動けるように調整してください。
合意形成では、費用負担だけでなく、データの扱い、成果物の帰属、知財、公開範囲、事故時の対応が論点になります。交付要綱には、取得財産や産業財産権等の報告に関する考え方が含まれています。4 企業側の契約設計にも影響するため、早めに検討してください。
相談前に準備しておくとよい情報
事務局に相談する際は、質問の粒度が粗いと、回答も一般論になりやすくなります。募集要項で確認すべき点と、個別判断が必要な点を切り分けるために、次の情報を手元に揃えてから相談すると整理が進みやすくなります。ここに挙げるのは実務上の準備例です。5
| 相談時にあるとよい情報 | 具体例 | 意図 |
|---|---|---|
| 事業の一文要約 | 誰の課題を何で解決するか | 対象事業との整合を確認しやすくする |
| 対象国と実証場所 | 国名、都市名、実施場所候補 | 対象国要件と実証計画の前提を揃える |
| パートナーの概要 | 組織種別、役割、提供リソース | 共同実施の実態を説明する |
| 予算の概算 | 大項目の金額、外注の有無 | 対象経費の当たりを付ける |
| スケジュール案 | 実証開始時期、主要マイルストン | 実現可能性を確認する |
公式情報の確認先
まず見るべき一次情報
制度の要件、提出物、提出方法、よくある不備は、対象年度の募集要項と事務局の案内が正になります。公式サイトには、募集要項ダウンロードの導線があり、対象年度の資料を入手できます。15
また、制度が経済産業省の事業として実施されていることは、公募概要や経済産業省の公募情報でも確認できます。26 情報が複数のページに分散している場合は、対象年度と制度名が一致する資料を優先してください。
事務局の連絡先
応募手続きや提出方法など、募集要項を読んでも判断が難しい点は、事務局へ相談すると整理しやすくなります。公式サイトに、事務局の連絡先が掲載されています。1
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 事務局 | J-Partnership事務局(株式会社JTB 霞が関事業部内)1 |
| メール | jpartnership@jtb.com1 |
| 電話 | 03-6737-92631 |
| 営業時間 | 月〜金 9:30〜17:30(土日祝休業)1 |
相談時は、対象国、パートナー、実証内容、概算予算など、前提条件を簡潔にまとめておくと、確認がスムーズになります。提出直前は添付漏れが起きやすいため、募集要項の提出要領に沿って、ファイルの命名、形式、差し替え手順まで一度通して確認しておくと安心です。共同実施の場合は、相手先の押印や承認に時間がかかることもあるため、締切から逆算して依頼してください。余裕を持って進めましょう。
事業実施中の管理
計画変更が起きたときの考え方
新興国・開発途上国での実証は、想定外の事情で計画変更が起こりやすい領域です。補助事業では、計画変更の承認等が制度運用の項目として想定されています。執行団体募集要領でも、執行団体が定める交付規程に、計画変更の承認等を含める旨が記載されています。3 交付要綱でも、交付申請や実績報告などの手続き枠組みが規定されています。4
そのため、採択後に計画を変える必要が出た場合は、自己判断で進めるのではなく、まず募集要項と事務局の案内を確認し、必要に応じて事務局へ相談してください。5 変更の論点になりやすいのは、実証場所の変更、外注先の変更、主要な経費配分の変更、スケジュールの大幅変更などです。
進捗と成果を残すための記録
採択後の実施段階では、成果を作ることと同じくらい、成果を説明できる形で残すことが重要です。実証は、結果が良かった場合だけでなく、仮説が誤っていたことが分かった場合も価値があります。その学びを、データ、議事録、現地での写真、ユーザーの声、改善履歴として残しておくと、事業化の判断にもつながります。
記録の残し方は募集要項で指定される場合があります。5 実務上は、週次や隔週で進捗をまとめ、数字で追う指標と、定性的な課題を分けて整理すると、実績報告の作業が現実的になります。
事業化の報告を意識した設計
執行団体募集要領には、交付規程の記載事項として事業化等の報告が含まれています。3 つまり、実証が終わった時点で完結ではなく、事業化の進み具合を追跡する設計が前提にあります。
申請段階から、実証後に何をもって事業化の開始とするかを定義しておくと、採択後のコミュニケーションがぶれにくくなります。たとえば、有償提供の開始、現地パートナーとの販売契約、量産の開始、保守体制の構築などです。これらは制度要件として一律の定義があるわけではないため、自社のビジネスモデルに合わせて設定してください。
知財と成果物の扱い
海外実証では、成果物の帰属やデータの利用範囲が、パートナーとの間で誤解されやすい論点です。経済産業省の交付要綱には、産業財産権等に関する規定が含まれており、補助事業の成果と知財の扱いは重要な管理項目です。4
実務上は、実証で得られるデータの取り扱い、成果発表の範囲、共同研究の成果物の権利帰属、第三者提供の可否などを、早い段階で合意して文書化すると、実施中のトラブルを減らしやすくなります。募集要項や事務局の指示に、成果物の扱いに関する要件が含まれる場合もあるため、確認したうえで設計してください。5
安全管理と渡航の準備
現地での実証は、天候、治安、感染症、交通事情など、日本国内とは異なるリスクを伴います。これらは補助金の制度要件というより、事業を完遂するための前提条件です。社内の安全管理ルールや保険、現地での緊急連絡体制、パートナー側の安全配慮体制を整理しておくと、計画の実現可能性を説明しやすくなります。
また、渡航が必要な場合は、ビザ、予防接種、現地での通信手段、機材の持込みや通関の要否など、手続き面の準備に時間がかかります。実証の開始日が先に固定されると後戻りが難しいため、スケジュールを組む段階から余裕を持たせてください。
実務上の減点を避けるチェック
審査基準の細目は募集要項で確認が必要です。5 ここでは、申請書を作る過程で起こりやすいミスを、減点につながりやすい順に整理します。制度要件ではなく、提出物の品質を上げるための実務上の注意点です。
| よくあるミス | 起きやすい理由 | 回避の考え方 |
|---|---|---|
| 課題が一般論のまま | 現地の一次情報が不足する | 対象者と利用場面を具体化し、現地条件を前提にする |
| 実証の設計が弱い | 仮説と指標が整理されていない | 検証したい仮説を絞り、測定できる指標を設定する |
| パートナーの役割が曖昧 | 協力関係が口頭で止まる | 役割分担と提供リソースを文章で合意する |
| 予算の根拠が薄い | 仕様が固まらず見積が揺れる | 仕様を固定し、同条件で見積を揃える |
| 事業化の道筋が飛ぶ | 実証と売上計画が別々になる | 実証結果がどの意思決定に使われるかを結ぶ |
この表は、申請書の品質管理のための補助資料です。実際の要件や提出形式は募集要項に従ってください。5
申請前のセルフチェック
応募可否の最終判断は募集要項で行う必要があります。5 そのうえで、検討初期に論点を洗い出す目的で、次のチェック表を使うと整理しやすくなります。
| チェック項目 | 確認の観点 | メモ |
|---|---|---|
| 対象国要件に合う | DACリスト掲載国で、除外国に該当しないか | |
| 社会課題の設定が具体的 | 対象者、課題、現地条件が具体か | |
| 製品・サービス開発等が中心 | 実証・評価を含む事業開発として説明できるか | |
| 現地パートナーがいる | 大学、研究機関、NGO、企業等との共同が設計できるか | |
| 自己負担と立替資金を見込む | 補助率を踏まえた資金繰りを作れるか | |
| 社内体制が組める | 海外、法務、経理の関与が確保できるか |
この表は、検討初期の整理用です。採択や要件充足を保証するものではありません。最終的には募集要項に基づいて確認してください。5
必要書類の整理
提出書類の一覧は募集要項で指定されます。5 ただし、作成に時間がかかりやすいのは、事業計画書と、パートナー関連資料、そして予算根拠です。次の表は、一般に準備が重くなりやすい資料を、作業観点で整理したものです。
| 資料の種類 | 作業が重くなりやすい理由 | 実務上の準備ポイント |
|---|---|---|
| 事業計画書 | 課題、仮説、実証、事業化の整合が必要 | 章立てを先に確定し、執筆担当を割り当てる |
| パートナー関係資料 | 相手先の意思決定と文書化が必要 | 役割分担と提供リソースを文章で合意する |
| 予算根拠資料 | 見積取得と仕様確定が必要 | 見積条件と仕様を同じ前提に揃える |
| リスク管理資料 | 安全、法令、品質の論点が多い | 重大リスクから優先して対策を決める |
この表は実務上の注意点です。提出必須とは限らないため、最終的には募集要項の指定に従ってください。5
タイムラインの作り方
公募は締切が先に決まるため、逆算で計画を作るのが基本です。令和7年度公募の締切は2025年5月14日12:00です。2 次回以降も同程度の準備期間になる可能性があるため、作業工程を事前に持っておくと判断が早くなります。
| 時期 | やること | 成果物の例 | 詰まりやすい点 |
|---|---|---|---|
| 検討開始 | 対象国と課題の仮説づくり | 課題メモ、対象国候補 | 情報が一般論に寄りやすい |
| 検討中盤 | パートナー候補と役割分担の整理 | 役割分担表、実証計画案 | 相手側の合意に時間がかかる |
| 公募直前 | 予算根拠の確定と社内承認 | 見積、資金繰り表、稟議 | 仕様が確定せず見積が揺れる |
| 提出直前 | 提出ファイルの整形と確認 | 添付ファイル一式 | ファイル形式、容量、差し替え |
| 採択後 | 交付申請と実施準備 | 契約、発注計画 | 交付決定前の発注リスク |
| 事業実施 | 実証の運用と記録 | 評価データ、議事録 | 現地条件で計画変更が起きる |
| 事業終了 | 実績報告と事業化の整理 | 実績報告、事業化計画 | 証憑の突合に時間がかかる |
この表は一般的な進め方の例です。実際の手続きや提出物は募集要項と事務局案内に従ってください。5
事業計画書テンプレ
募集要項で指定された様式がある場合は、その様式に合わせる必要があります。5 ここでは、計画の論点が漏れないようにするための章立て例を示します。制度要件としての指定ではありません。
| 章 | 書く内容 | 一次資料との対応 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 課題の定義 | 対象者、課題、現地条件、影響規模 | 社会課題解決の趣旨3 | 一般論ではなく現地条件を入れる |
| 解決策 | 製品・サービスの概要、差別化 | 製品・サービス開発等12 | 技術説明より価値提案を先に |
| 実証計画 | 仮説、指標、方法、スケジュール | 実証・評価の趣旨12 | 指標は測定可能にする |
| パートナー体制 | 役割分担、連携方法、責任分界 | 共同実施の趣旨3 | 連絡体制と意思決定者を明記 |
| 予算計画 | 経費の内訳、根拠、自己負担 | 補助上限・補助率2 | 交付決定前発注に注意3 |
| 事業化 | 実証後の提供形態、販売戦略 | 海外展開促進の目的34 | 現地の販売・保守体制を具体化 |
| リスク | 主要リスクと代替案 | 事業の実現可能性 | 代替案がないと弱くなる |
このテンプレは作成支援の例です。提出様式や必須項目は募集要項で確認してください。5
証憑チェック
補助金の実務で遅れやすいのが証憑整理です。交付要綱では帳簿・証拠書類の保存が求められます。4 実務上は、事業実施中から証憑の突合を始めておくと、終了後の作業が現実的になります。
| 場面 | 残す資料 | チェックポイント | 失敗例 |
|---|---|---|---|
| 発注前 | 見積書 | 仕様、単価、数量、納期 | 見積条件が曖昧で比較できない |
| 発注時 | 発注書、契約書 | 当事者、範囲、支払条件 | 口頭合意で書面がない |
| 納品時 | 納品書、検収記録 | 納品日、数量、検収者 | 検収日が不明で支払とズレる |
| 支払時 | 請求書、振込記録 | 支払先、日付、金額 | 個人立替で証憑が不足 |
| 実証運用 | 議事録、写真、データ | 実施日、参加者、成果 | 活動実態が追えない |
この表は一般的な実務上の注意点です。証憑の要件や提出方法は募集要項・事務局案内で確認してください。5
よくある質問
Q1. 飛びだせJapan! とJ-Partnershipは別制度ですか。
A. 公式サイトには、令和3年度まで飛びだせJapan!、令和4年度からJ-Partnershipとして実施してきた旨が掲載されています。名称が変わっているため、年度の取り違えを避けるために、応募時点の募集要項を確認してください。15
Q2. どの国が対象国になりますか。
A. 令和7年度の公募概要では、OECD作成のDACリスト掲載国のうち、ASEAN、モンゴル、中国を除く国が対象です。国の判定は募集要項に従ってください。25
Q3. 補助金の上限と補助率はどのくらいですか。
A. 令和7年度公募では、補助金額は1社最大1,000万円、補助率は中堅・中小企業が2/3、大企業が1/3です。23
Q4. 申請締切はいつでしたか。
A. 令和7年度の公募締め切りは2025年5月14日(水)日本時間12:00です。次回以降は年度ごとに確認してください。25
Q5. 現地パートナーは必須ですか。
A. 本事業は、現地の大学、研究機関、NGO、企業等のパートナー機関と共同で取り組む事業が対象です。具体的な提出物や示し方は募集要項で確認してください。35
Q6. どんな活動が支援対象になりますか。
A. 公式サイトと公募概要では、製品・サービスの開発、実証、評価など、事業開発にかかる費用を補助する旨が案内されています。経費区分や対象範囲は募集要項で確認してください。125
Q7. 申請はどこから行いますか。
A. 執行団体募集要領では、執行団体が補助金申請システムJグランツを活用して公募・審査等を行う旨が示されています。企業側の提出方法は募集要項の提出要領に従ってください。35
Q8. 採択されたらすぐに補助金が入金されますか。
A. 補助金は、交付申請、交付決定、実績報告、額の確定、支払という流れで処理されることが一般的です。交付要綱にも申請・報告・支払請求の枠組みがあります。具体の運用は募集要項や執行団体の案内で確認してください。45
Q9. 交付決定前に発注してもよいですか。
A. 執行団体募集要領には、交付決定前に発注等を完成させた経費は補助対象とならない旨の注意が記載されています。発注のタイミングは募集要項と事務局案内に従って管理してください。35
Q10. 研究機関との共同研究でも対象になりますか。
A. 対象となるパートナー機関として、現地の大学や研究機関が挙げられています。共同の形態や成果物の扱いは計画次第の部分があるため、募集要項に沿って整理してください。35
Q11. スタートアップでも応募できますか。
A. 公式サイトには、J-Startupプログラム等に選定されている企業に対して審査上の優遇措置を講じる旨が掲載されています。応募可否や企業区分の条件は募集要項で確認してください。15
Q12. 公募説明会はありましたか。
A. 令和7年度の公募概要では、オンラインの公募説明会日程が案内されています。説明会資料やアーカイブが提供される場合もあるため、公式サイトのインフォメーションを確認してください。21
Q13. 事業終了後の報告はありますか。
A. 執行団体募集要領には、過年度採択企業のフォローアップや、事業化状況の確認に関する業務が記載されています。企業側に求められる報告の詳細は募集要項や採択後の案内で確認してください。35
Q14. 相談先はどこですか。
A. 公式サイトには、J-Partnership事務局の連絡先が掲載されています。制度の基本枠は経済産業省の事業として示されていますが、応募手続きに関する実務は事務局へ相談すると整理しやすくなります。16
Q15. 募集要項はどこで入手できますか。
A. 公式サイトに募集要項ダウンロードが案内されています。対象年度の資料を入手して確認してください。15
