照明や空調の老朽化が気になりながらも、更新費用の負担が大きく踏み切れない。エネルギー価格の高騰が続くなかで、光熱費の削減は福島県内の事業者にとって喫緊の課題です。省エネ設備への切り替えで得られるコスト削減効果は大きいものの、初期投資が障壁になっています。
この記事では、福島県の中小企業・個人事業主が申請できる省エネ・再エネ関連の返済不要の補助金6件を紹介します。県全体を対象とする設備更新制度から市町村独自の太陽光発電補助、ゼロカーボンへの取り組み支援まで、対象者・金額を制度ごとに整理しました(補助金検索フラッシュ掲載データ、2026年4月時点)。
福島県の事業者が使える省エネ・再エネの補助金6選
以下の制度はいずれも返済不要の補助金です。細かい要件等については、各支援事業の募集要項でご確認ください。公募は定期的に更新されるため、最新の募集状況は公式ページでご確認ください。
エネルギーコスト削減支援補助金 1
福島県の中小企業団体中央会が実施する、県内中小企業等の省エネ設備更新を支援する補助金です。照明・空調・冷蔵冷凍設備・生産設備など、製品カタログ等の数値またはメーカー等の証明でエネルギー消費量が10%以上減少する更新であれば幅広く対象になります。エネルギー価格高騰に対応し事業の耐久性を高めるとともに、CO2排出量削減を通じた福島県のカーボンニュートラル実現にも寄与する制度です。
補助率は2/3、上限300万円と、県の省エネ関連制度としては規模が大きい点が特徴です。撤去費用や外注費(工事費)も補助対象に含まれるため、古い設備を入れ替える際の総コストを抑えられます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象者 | 福島県内の中小企業者・組合等で、更新前後のエネルギー消費量が10%以上減少すること |
| 補助率・金額の上限 | 2/3、上限300万円 |
| 補助金詳細ページ | エネルギーコスト削減支援補助金 |
【第2弾】喜多方市事業者省エネ設備更新支援補助金 2
喜多方市が実施する、原油・原材料価格高騰の影響を受ける市内事業者のエネルギーコスト削減と事業継続を支援する補助金です。LED照明・空調設備・冷蔵冷凍設備・機械設備等の更新が対象で、市内業者への発注が原則となっています。やむを得ず市外業者に発注する場合は業者選定理由書の提出が必要です。
上限は100万円、補助率2/3です。県の制度(エネルギーコスト削減支援補助金)と同様の省エネ設備更新制度ですが、こちらは喜多方市独自の支援であり、市内で事業を営む法人・個人事業主が対象です。既存設備の撤去費用も対象に含まれます。申請期間は2026年11月30日までと長いため、準備に余裕をもてます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象者 | 喜多方市内で継続的に事業を行う法人・個人事業主。エネルギー消費量が減少する設備更新であること |
| 補助率・金額の上限 | 2/3以内、上限100万円 |
| 補助金詳細ページ | 【第2弾】喜多方市事業者省エネ設備更新支援補助金 |
事業者向け自家消費型太陽光発電システム補助事業 3
いわき市が実施する、脱炭素経営の推進を目的とした補助金です。自家消費を目的とする太陽光発電システム(FIT・FIP対象外)の導入費用を補助します。補助額は5万円/kW、上限100万円です。
意外と知られていないのが、この制度では太陽電池の最大出力が10kW以上であることと、年間の自家消費率が30%以上であることが求められる点です。ある程度の規模がある事業所の電力を自前で賄いたい場合に向いています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象者 | いわき市内に事務所・事業所を有する中小企業、社会福祉法人、学校法人等 |
| 補助率・金額の上限 | 5万円/kW、上限100万円 |
| 補助金詳細ページ | 事業者向け自家消費型太陽光発電システム補助事業 |
省エネ設備の更新だけでなく、新たなエネルギー分野への参入を支援する制度もあります。
令和8年度再エネメンテナンス関連産業参入支援事業 4
福島県商工労働部が実施する、再生可能エネルギー分野のメンテナンス関連産業への新規参入や事業拡大を支援する補助金です。太陽光・風力・バイオマス・地中熱等のメンテナンス業務に関連した研修や資格取得にかかる費用が対象となります。対象は県内に事業所を置く法人格を有する事業者(NPOを含む)またはそれらで構成される団体で、補助率は1/2です。研修はトレーニングセンター等での受講が対象で、教材費や旅費も補助対象に含まれます。
上限は150万円です。省エネ設備の導入とは異なるアプローチですが、再エネ関連の人材を社内に育成することで、将来的なエネルギーコストの削減や新規事業の柱づくりにつなげられます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象者 | 福島県内の企業(法人)、NPO・非営利法人、任意団体等。再エネメンテナンス分野への参入・拡大を目指す事業者 |
| 補助率・金額の上限 | 上限150万円 |
| 補助金詳細ページ | 再エネメンテナンス関連産業参入支援事業 |
令和8年度いわき市地域産業競争力強化支援事業補助金 5
いわき市が実施する、地域特性や既存産業のポテンシャルを活かした技術開発・試作・実証実験等を支援する補助金です。グリーン成長戦略や福島イノベーション・コースト構想の重点分野に関連する取り組みも対象に含まれます。
この制度の面白いところは、取り組みの段階に応じて4つのメニューが用意されている点です。調査・勉強会向けの産業セットアップ支援(上限50万円)から、本格的な技術開発向けの産業ブラッシュアップ支援(上限400万円)まで幅があります。エネルギー関連の新技術開発や環境対応の実証実験を検討している事業者に向いています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象者 | いわき市内に事業所を有する事業者・団体。メニューにより2者以上の連携体が必要な場合あり |
| 補助率・金額の上限 | 最大10/10(メニューにより異なる)、上限50万〜400万円 |
| 補助金詳細ページ | いわき市地域産業競争力強化支援事業補助金 |
浅川町エネルギー価格高騰対策支援金及びゼロカーボン事業支援金 6
浅川町が実施する、エネルギー価格高騰の影響を受ける事業者への支援金です。従業員数に応じた定額支給で、上限は50万円。加えて、「ふくしまゼロカーボン宣言」に賛同登録し、CO2排出量の見える化等に取り組む事業者には上乗せ25万円(合計最大75万円)が支給されます。
他の制度と異なり、設備投資ではなく定額の支援金として交付される点が特徴です。ゼロカーボンの取り組みに一歩踏み出すきっかけとして活用できます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象者 | 浅川町内に事業所を有し事業を継続する事業者(農林水産業以外)。ゼロカーボン上乗せは「ふくしまゼロカーボン宣言」への賛同登録が必要 |
| 補助率・金額の上限 | 定額支給、上限75万円(エネルギー支援金50万円+ゼロカーボン支援金25万円) |
| 補助金詳細ページ | 浅川町エネルギー価格高騰対策支援金及びゼロカーボン事業支援金 |
申請前に確認しておきたいポイント
対象要件を確認する
まず、自社が対象者の要件を満たしているかを確認しましょう。県全体を対象とするエネルギーコスト削減支援補助金と、特定の市町村に限定される喜多方市・いわき市・浅川町の制度では、対象地域が大きく異なります。また、いわき市の太陽光発電補助は中小企業・社会福祉法人・学校法人に限られ、再エネメンテナンス参入支援は企業・NPO等が対象です。補助金検索フラッシュなら業種・事業規模で絞り込み、自社に合った制度を確認できます。
書類を準備する
いわき市の地域産業競争力強化支援事業など、事業計画書の提出が求められる制度があります。省エネ設備更新系の補助金では、更新前後のエネルギー消費量の比較資料や製品カタログの準備が必要です。作成に不安がある場合は、補助金の無料サポートをご利用ください。専門家が補助金の申請をサポートします。
スケジュールを確認する
エネルギーコスト削減支援補助金は2026年5月29日まで、いわき市の地域産業競争力強化支援事業は2026年5月11日までと、申請期限が比較的近い制度があります。電子申請にはGビズIDプライムアカウントが必要で、発行まで数週間かかります。早めに準備しておきましょう。GビズIDの取得方法は補助金申請が忙しい時期に慌てないためのGビズIDの先回り準備をご覧ください。
まとめ
この記事では、福島県の事業者が申請できる省エネ・再エネ関連の補助金6件を紹介しました。
- エネルギーコスト削減支援補助金: 県内中小企業の省エネ設備更新、上限300万円
- 喜多方市事業者省エネ設備更新支援補助金: 喜多方市内の事業者向け省エネ設備更新、上限100万円
- 事業者向け自家消費型太陽光発電システム補助事業: いわき市内の太陽光発電導入、上限100万円
- 再エネメンテナンス関連産業参入支援事業: 県内企業の再エネ分野への参入・人材育成、上限150万円
- いわき市地域産業競争力強化支援事業補助金: いわき市内の技術開発・実証実験、上限50万〜400万円
- 浅川町エネルギー価格高騰対策支援金: 浅川町内事業者への定額支給、上限75万円
県全体を対象とする制度から市町村独自の支援まで、対象地域や要件が大きく異なります。まずはエネルギーコスト削減支援補助金のような県単位の制度を確認し、自社の所在地に合わせて市町村の制度も併せて検討してみてください。
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