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危機関連保証制度はいつ使える? 大規模災害、経済危機時の資金繰り支援と活用のポイント

大規模災害や経済危機で資金繰りが厳しくなったとき、危機関連保証制度は使えるのか。現在の認定状況、セーフティネット保証との違い、資金使途でつまずかない考え方を整理します。

補助金フラッシュ 士業編集部公開日: 2026年6月11日
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目次

  • 危機関連保証制度を考える前に知りたい現在の認定状況
  • 危機関連保証制度の基本的な仕組み
  • セーフティネット保証との違い
  • 活用時に注意したい資金使途
  • 危機時の資金繰り判断で確認したいこと
補助金フラッシュ 事業計画

大規模災害や経済危機で売上が急に落ちると、通常の融資だけでは資金繰りが追いつかないことがあります。危機関連保証制度は、そうした全国的な信用収縮が起きたときに、信用保証協会の別枠保証を使って資金調達を支える仕組みです。
ただし、危機関連保証制度は、業績が悪くなればいつでも使える制度ではありません。国の認定案件があり、自社の売上減少や資金使途が制度の目的に合っていることが前提になります。
この記事では、危機関連保証制度の基本、セーフティネット保証との違い、資金使途でつまずかないための活用のポイントを整理します。

目次

  • ●危機関連保証制度を考える前に知りたい現在の認定状況
  • 常時利用できる制度ではなく発動待ちの仕組み
  • 国の認定案件から始める利用可否の確認
  • ●危機関連保証制度の基本的な仕組み
  • 信用保証協会が金融機関の融資を支える制度
  • 一般保証、セーフティネット保証とは別枠の考え方
  • ●セーフティネット保証との違い
  • 4号、5号、危機関連保証の見分け方
  • 危機時の融資で起きやすい認識のずれ
  • ●活用時に注意したい資金使途
  • 借りられる資金と使い道のずれ
  • 資金使途を説明できる状態にする準備
  • ●危機時の資金繰り判断で確認したいこと
  • 対象制度、使い道、返済計画の順番
  • まとめとしての活用のポイント
危機関連保証制度はいつ使える? 大規模災害、経済危機時の資金繰り支援と活用のポイント

危機関連保証制度を考える前に知りたい現在の認定状況

常時利用できる制度ではなく発動待ちの仕組み

危機関連保証制度で最初に押さえたいのは、制度そのものが存在していても、認定案件がなければ利用できないということです。中小企業庁の危機関連保証制度ページでは、対象となる中小企業者について、金融取引に支障を来していること、認定案件に起因して最近1か月の売上高等が前年同月比で原則15%以上減少していることなどを要件として示しています。一方で、本稿確認時点(2026年6月10日)の同ページでは、現在の認定案件はないとされています。1

ここが、通常の保証制度や一部のセーフティネット保証と混同しやすいところです。危機関連保証制度は、会社ごとの不振を広く救済する制度というより、全国的な信用収縮が起きたときに、期限を区切って発動する特別な資金繰り支援です。制度創設時の中小企業庁資料でも、大規模な経済危機や災害等に際して、従来の保証限度額とは別枠で最大2.8億円の保証を実施する新たなセーフティネットとして位置づけられています。2

国の認定案件から始める利用可否の確認

自社の売上が大きく落ちている場合でも、危機関連保証制度を使えるかどうかは、自社の数字だけでは決まりません。まず国が危機関連保証の対象となる事象を認めているかを確認し、そのうえで本店所在地などを管轄する市町村や特別区で認定を受けます。認定を受けた後、金融機関または所在地の信用保証協会に保証付き融資を申し込む流れです。1

この順番を間違えると、資金繰り対策の初動が遅れます。例えば、売上が15%以上落ちているから危機関連保証制度を使えるはずだと考えて準備を始めても、認定案件がなければ申請の入口に立てません。その場合は、セーフティネット保証4号、5号、自治体の制度融資、政府系金融機関の災害関連融資など、別の選択肢を検討する必要があります。

ポイント

危機関連保証制度で最初に見るべきなのは、自社の売上減少率よりも、国の認定案件があるかどうかです。認定案件がなければ、売上が大きく下がっていてもこの制度の対象にはなりません。まず発動状況を確認し、対象外ならセーフティネット保証や自治体制度融資など、別の制度に切り替えて考える必要があります。

危機関連保証制度の基本的な仕組み

信用保証協会が金融機関の融資を支える制度

危機関連保証制度を理解するには、先に信用保証協会の役割を知っておく必要があります。信用保証協会は、中小企業や小規模事業者が金融機関から事業資金を借りる際に、信用保証を通じて資金調達を支援する公的機関です。保証付き融資では、返済が滞った場合に信用保証協会が金融機関へ立て替え払いを行い、その後は事業者が信用保証協会へ返済していく仕組みになります。3

ここで大切なのは、信用保証協会が付くから返済しなくてよいわけではないということです。保証は金融機関が融資しやすくなるための仕組みであり、借りた会社の返済義務が消える制度ではありません。危機関連保証制度も同じで、危機時に資金を借りやすくする制度であって、補助金や給付金のように返済不要の資金を受け取る制度ではありません。

一般保証、セーフティネット保証とは別枠の考え方

危機関連保証制度の特徴は、一般保証や経営安定関連保証、いわゆるセーフティネット保証とは別枠で扱われることです。中小企業庁は、一般保証の限度額として普通保証2億円以内、無担保保証8,000万円以内、無担保無保証人保証2,000万円以内を示し、危機関連保証についても別枠保証限度額を示しています。また、危機関連保証と経営安定関連保証を併用する場合、それぞれに対して別枠保証限度額が付与されるとしています。1

8,000万円という数字だけを覚えると、制度全体を誤解しやすくなります。無担保保証の枠は8,000万円ですが、普通保証と合わせた別枠の上限は最大2.8億円という説明が一般的です。実際にどこまで利用できるかは、会社の返済力、既存借入、金融機関と信用保証協会の審査、制度ごとの条件で変わります。

セーフティネット保証との違い

4号、5号、危機関連保証の見分け方

危機関連保証制度と並んでよく出てくるのが、セーフティネット保証4号と5号です。4号は突発的災害の発生に起因して売上高等が減少している中小企業者を支援する措置で、原則として最近1か月の売上高等が前年同月比20%以上減少し、その後2か月を含む3か月間も前年同期比20%以上減少する見込みであることなどが要件になります。4 5号は全国的に業況が悪化している指定業種に属する中小企業者を対象とし、売上高等の5%以上減少など複数の要件が示されています。5

制度主な場面最初に見るポイント
セーフティネット保証4号指定災害などで地域に影響が出た場合対象地域、指定期間、売上減少率
セーフティネット保証5号全国的に業況が悪化している指定業種の場合指定業種に該当するか、売上や利益率の要件
危機関連保証制度全国的な信用収縮が起きた場合国の認定案件、売上減少率、金融取引への支障

この違いを押さえると、相談の順番が見えてきます。災害で店舗や取引先に影響が出た場合は4号、業種全体の悪化が問題なら5号、全国的な信用収縮として国が危機関連保証を発動している場合は危機関連保証制度という形で、入口を切り分けます。どれか一つを先に決め打ちするのではなく、対象事象、対象地域、対象業種、売上減少率を順に確認することが重要です。

危機時の融資で起きやすい認識のずれ

危機関連保証制度は、資金繰りが厳しいときに金融機関が融資しやすくなるよう設計された制度です。信用保証制度では原則として責任共有制度があり、部分保証方式では個別貸付金の80%を信用保証協会が保証しますが、危機関連保証は責任共有制度の対象外に挙げられています。6 つまり、危機時の資金供給を強く後押しする制度として位置づけられていると考えられます。

ただし、制度が後押しするのは、あくまで危機によって資金繰りに支障が出ている事業者への資金供給です。会社側が業績悪化を一時的な落ち込みと捉えていても、金融機関や信用保証協会は、返済原資が戻るか、借入後の資金が事業継続に使われるかを見ます。ここで認識がずれると、借りる段階では通っても、返済計画や資金使途の説明でつまずきやすくなります。

活用時に注意したい資金使途

借りられる資金と使い道のずれ

危機関連保証制度の資金使途は、信用保証協会の制度案内では運転資金、設備資金とされています。7 運転資金とは、仕入、人件費、家賃、外注費、支払手形の決済など、事業を続けるために必要な資金です。設備資金とは、機械、店舗設備、車両、システムなど、事業で使う資産を導入するための資金です。

問題になりやすいのは、運転資金として借りた資金を、事業継続と結びつきにくい用途へ回すケースです。例えば、有価証券や収益不動産の取得、第三者への貸付け、関係者からの借入金返済などは、少なくとも危機時の事業資金という説明が難しくなります。制度上の可否は個別事情で変わるため、判断に迷う支払いは、実行前に金融機関へ確認する必要があります。

信用保証協会の用語説明では、金融機関が新規貸付で既存債権を回収する旧債振替について、単なる金融機関の債権回収に充当されるものを制限し、違反した場合には保証債務の履行責任を負わない、いわゆる免責としていると説明されています。8 借換えがすべて悪いわけではありませんが、信用保証協会が認める借換保証などの枠組みを使う場合と、当初説明と違う使い方をする場合は分けて考えるべきです。

ポイント

保証付き融資で大切なのは、借りた後に何へ使ったかを説明できる状態にしておくことです。運転資金なら仕入、人件費、家賃など事業継続に必要な支払いと結びつけ、設備資金なら見積書や発注書、支払記録と合わせて残します。余った資金を投資資産や関係者への返済へ回すと、当初の説明とずれやすくなります。

資金使途を説明できる状態にする準備

資金使途の説明は、申込時だけの作業ではありません。危機関連保証では、取扱金融機関が一定期間モニタリングを行い、信用保証協会へ内容を報告する必要があるとする信用保証協会の制度案内もあります。7 つまり、借りた後の資金繰り、売上回復の見通し、資金の使い道を継続して見られる可能性があります。

申し込む前に準備したいのは、難しい資料ではなく、資金の流れを説明できる資料です。

  • いつ、いくら資金不足が出るかを示す資金繰り表
  • 借入金を何に使うかを分けた資金使途の内訳
  • 既存借入の返済予定と、新しい借入後の返済計画
  • 設備資金の場合の見積書、発注書、支払予定

この準備をしておくと、金融機関への説明が具体的になります。危機時は売上減少の説明に意識が向きがちですが、融資で問われるのは、売上が落ちた事実だけではありません。借りた資金で何を守り、どのタイミングで返済原資を作るのかまで説明できると、制度の趣旨に沿った相談になりやすくなります。

危機時の資金繰り判断で確認したいこと

対象制度、使い道、返済計画の順番

危機関連保証制度を活用するかどうかは、対象になる制度を探す作業で終わりません。まず、国の認定案件やセーフティネット保証の指定状況を確認します。次に、借りた資金を何に使うのかを明確にします。最後に、返済計画を資金繰り表に落とし込み、危機が長引いた場合の余裕も見ます。

この順番にすると、制度ありきの資金調達になりにくくなります。制度があるから満額まで借りるのではなく、何か月分の固定費を守るのか、どの支払いを遅らせずに済ませるのか、追加借入後に毎月の返済が重くなりすぎないかを確認します。危機時ほど、借りられる金額ではなく、返せる金額から逆算することが大切です。

また、危機関連保証制度が使えない時期でも、資金繰り支援の選択肢がなくなるわけではありません。セーフティネット保証4号や5号、自治体の制度融資、既存借入の条件変更、公庫融資など、状況に応じた別の支援策があります。重要なのは、危機関連保証制度だけに絞らず、対象事象と資金使途に合う制度を選ぶことです。

まとめとしての活用のポイント

危機関連保証制度は、大規模災害や経済危機のときに中小企業の資金繰りを支える強い制度ですが、常時使える保証枠ではありません。最初に確認すべきなのは、国の認定案件があるかどうかです。そのうえで、売上減少の要件、市町村の認定、金融機関と信用保証協会の審査を順に進めます。

活用時の注意点は、資金使途を曖昧にしないことです。危機時の保証は、事業を続けるための資金を届ける仕組みです。運転資金や設備資金として説明した資金を、投資資産の取得や説明しにくい返済へ回すと、制度の目的とずれてしまいます。資金繰り表、使い道の内訳、返済計画をそろえ、金融機関に早めに相談することが、実務上の出発点になります。

出典・参考資料

  1. 「危機関連保証制度(大規模な経済危機、災害等による信用収縮への対応)」中小企業庁 ↩

  2. 「信用補完制度の見直し(平成30年4月1日から見直し後の制度がスタート)」中小企業庁 ↩

  3. 「初めての融資と信用保証」一般社団法人 全国信用保証協会連合会 ↩

  4. 「セーフティネット保証制度(4号:突発的災害(自然災害等))」中小企業庁 ↩

  5. 「セーフティネット保証制度(5号:業況の悪化している業種(全国的))」中小企業庁 ↩

  6. 「信用保証制度を支えるしくみ」一般社団法人 全国信用保証協会連合会 ↩

  7. 「危機関連保証」茨城県信用保証協会 ↩

  8. 「信用保証協会用語」一般社団法人 全国信用保証協会連合会 ↩

執筆者:補助金フラッシュ 士業編集部

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執筆者
補助金フラッシュ 士業編集部
公開日: 2026年6月11日

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