設備の更新や新たな生産ラインの導入を検討しているものの、投資額の大きさから踏み切れない静岡県の製造業経営者は少なくありません。
この記事では、静岡県の製造業が申請できる設備投資やDX化に活用できる返済不要の補助金6件を紹介します。対象者・補助金額を制度ごとに整理しているので、自社に合う制度をすぐに確認できます(補助金検索フラッシュ掲載データ、2026年4月時点)。
静岡県の製造業が使える返済不要の補助金6選
以下で紹介する制度の細かい要件等については、各支援事業の募集要項でご確認ください。公募は定期的に更新されるため、最新の募集状況は公式ページでご確認ください。
令和8年度 事業化推進助成(一般型) 1
静岡県産業振興財団が実施する、新成長産業分野の研究成果を事業化するための助成制度です。次世代自動車、新エネルギー、医療・福祉機器、ロボット、航空宇宙、光、環境技術関連、CNFの8分野が対象となっています。事業終了後1年以内に対象製品の販売が見込めることが要件です。
この制度の特徴は、補助上限が2年合計で2,250万円と静岡県内の製造業向け制度としては高額な点です。研究開発費が補助対象となるため、新製品の開発に必要な設備投資と組み合わせて活用できます。次世代自動車分野では中堅企業やみなし大企業も対象に含まれる点も見逃せません。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象者 | 静岡県内に主たる事務所・事業所を有する中小企業等(次世代自動車分野は中堅企業・みなし大企業も可) |
| 補助率・金額の上限 | 1/2、上限2,250万円(2年合計) |
| 補助金詳細ページ | 令和8年度 事業化推進助成(一般型) |
令和8年度 航空機産業設備投資事業費補助金 2
航空分野の受注増や生産増に対応するための設備投資を支援する補助金です。静岡県と産業振興財団が連携して実施する新成長産業戦略的育成事業の一環として位置づけられています。技術相談から試作品開発、事業化・販路開拓まで一貫して支援する枠組みの中の設備投資向け補助金です。
航空機産業に特化している点がこの制度の大きな特徴で、上限1,000万円、補助率1/2で設備購入費を支援します。申請にはAS/EN/JISQ9100やNadcap等の認証取得が条件となるため、すでに航空分野で実績のある企業向けの制度です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象者 | 静岡県内に主たる事務所・事業所を有し、AS/EN/JISQ9100またはNadcap認証を取得済みの中小企業等 |
| 補助率・金額の上限 | 1/2、上限1,000万円 |
| 補助金詳細ページ | 令和8年度 航空機産業設備投資事業費補助金 |
令和8年度 航空機産業認証取得助成金 3
航空機産業への参入条件となる認証(JIS Q 9100、Nadcap、ISO27001)の取得にかかる経費を助成する制度です。事前相談が必須で、申請書類の事前確認を経てから正式に申請する流れになっています。
設備投資そのものではありませんが、航空機産業への参入に必要な認証取得を支援する制度として、設備投資の前段階で活用できます。認証の種類によって上限額が異なり、Nadcapは500万円、JIS Q 9100は300万円、ISO27001は100万円です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象者 | 静岡県内に主たる事務所・事業所を有する中小企業(事前相談が必須) |
| 補助率・金額の上限 | 1/2以内、上限500万円(Nadcap認証の場合) |
| 補助金詳細ページ | 令和8年度 航空機産業認証取得助成金 |
自動車部品の開発・製造現場でAIを活用したい企業向けの制度もあります。
令和8年度 生成AI等活用実証事業費補助金 4
次世代自動車をはじめとした自動車部品の開発・設計・製造において、生成AI等のAIシステムを導入し、その効果や技術的課題、費用対効果を検証する実証事業に対して助成を行う制度です。静岡県産業振興財団と静岡県が連携して実施しており、事前相談が必須となっています。
ここが他の制度と大きく違う点で、AIテック企業と協力してAIシステムを導入することが必須条件です。補助率が2/3以内と他の制度より高く設定されており、製造現場のDX化を試みる中小企業にとってコスト負担を抑えながら実証に取り組めます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象者 | 静岡県内に主たる事務所・事業所を有する中小企業(みなし大企業は対象外、事前相談が必須) |
| 補助率・金額の上限 | 2/3以内、上限350万円 |
| 補助金詳細ページ | 令和8年度 生成AI等活用実証事業費補助金 |
令和8年度 航空機産業高度人材育成事業費補助金 5
航空機製造に係る技術や品質管理の高度化を目的とした社員研修にかかる経費を助成する制度です。静岡県産業振興財団が県と連携して実施しており、申請には事前相談が必要となります。
設備投資とは異なる人材育成の制度ですが、新しい設備を導入する際には操作やメンテナンスの研修も欠かせません。航空機関連の技術・品質管理を高度化するための研修費用を、上限100万円で支援してもらえます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象者 | 静岡県内に主たる事務所・事業所を有する中小企業等 |
| 補助率・金額の上限 | 1/2、上限100万円 |
| 補助金詳細ページ | 令和8年度 航空機産業高度人材育成事業費補助金 |
天竜材人材育成・担い手確保事業 6
浜松市が実施する、天竜材に関わる林業・木材製造業・建築業者向けの人材育成支援制度です。新規就業者の技術力向上や担い手確保につながる研修会、インターンシップ、現地見学会等にかかる経費を助成します。
対象は天竜材に関わる事業者に限定されますが、木材製造業も対象に含まれています。上限額は20万円と小規模ですが、通年で申請可能な制度であり、研修や見学会の費用負担を軽減できます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象者 | 浜松市内に主たる事務所を有する天竜材に関わる林業・木材製造業・建築業の事業者または市内に住所を有する3人以上で構成された団体 |
| 補助率・金額の上限 | 1/2、上限20万円 |
| 補助金詳細ページ | 天竜材人材育成・担い手確保事業 |
申請前に確認しておきたいポイント
対象要件を確認する
まず、自社が対象者の要件を満たしているかを確認しましょう。たとえば事業化推進助成は8つの成長産業分野に限られ、航空機産業設備投資事業費補助金はAS/EN/JISQ9100やNadcap認証の取得が前提です。補助金検索フラッシュなら業種・事業規模で絞り込み、自社に合った制度を確認できます。
書類を準備する
多くの制度で事業計画書の提出が求められます。とくに事業化推進助成では事業終了後の販売見込みまで求められるため、計画の具体性が重要です。作成に不安がある場合は、補助金の無料サポートをご利用ください。専門家が補助金の申請をサポートします。
スケジュールを確認する
今回紹介した制度の多くは2026年5月上旬から中旬が申請期限です。事業化推進助成と生成AI等活用実証事業費補助金は5月8日、航空機産業関連の3制度は5月15日が締切となっています。電子申請にはGビズIDプライムアカウントが必要で、発行まで数週間かかります。GビズIDの取得方法は補助金申請が忙しい時期に慌てないためのGビズIDの先回り準備をご覧ください。
まとめ
この記事では、静岡県の製造業が申請できる設備投資やDX化に活用できる補助金6件を紹介しました。最大2,250万円の事業化推進助成から、航空機産業に特化した設備投資補助金、生成AIの活用実証まで、対象分野や補助額はさまざまです。
- 事業化推進助成(一般型): 新成長産業分野の事業化向け、上限2,250万円
- 航空機産業設備投資事業費補助金: 航空分野の設備投資向け、上限1,000万円
- 航空機産業認証取得助成金: 航空機産業参入の認証取得向け、上限500万円
- 生成AI等活用実証事業費補助金: 自動車部品製造でのAI活用実証向け、上限350万円
- 航空機産業高度人材育成事業費補助金: 航空機関連の社員研修向け、上限100万円
- 天竜材人材育成・担い手確保事業: 天竜材関連事業者の人材育成向け、上限20万円
制度ごとに対象分野や補助額が大きく異なるため、自社の事業領域や投資計画に合った制度を選ぶことが重要です。気になる制度があれば、各制度の公式ページから最新の公募情報を確認してみてください。
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