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卵子凍結は助成金を使っても高い? 費用の内訳と自己負担の目安

卵子凍結の費用は、助成金を使えばどこまで下がるのか。採卵、凍結、保管、将来使うときの費用まで分け、30万円台で済むケースと100万円を超えるケースの見積もり方を整理します。

補助金フラッシュ 士業編集部公開日: 2026年5月27日
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目次

  • 助成金で下がる費用と残る費用
  • 卵子凍結の費用の内訳
  • 自己負担の目安
  • 助成金を使う前の確認事項
  • 高いかどうかを判断する視点
  • まとめ
補助金フラッシュ 事業計画

卵子凍結を考えるとき、最初に気になるのは費用です。助成金があるなら負担はかなり軽くなりそうですが、実際には採卵、凍結、保管、将来使うときの費用を分けて見ないと、総額をつかみにくくなります。
大事なのは、助成金で下がるのは主に最初の採卵、凍結費用であり、長期保管や将来の使用費まで全て消えるわけではないということです。この記事では、卵子凍結にかかる費用の内訳と、自己負担を見積もるときの考え方を整理します。

目次

  • ●助成金で下がる費用と残る費用
  • 卵子凍結時の助成は初期費用の一部
  • 保管費と将来の使用費は残りやすい
  • ●卵子凍結の費用の内訳
  • 採卵までの費用
  • 凍結後に続く保管費
  • ●自己負担の目安
  • 1回の採卵で終わるケース
  • 複数回採卵して長く保管するケース
  • ●助成金を使う前の確認事項
  • 対象年齢、住民登録、指定医療機関
  • 併用不可と申請順の注意
  • ●高いかどうかを判断する視点
  • 総額と将来使う費用の分離
  • 医師に聞くべき質問
  • ●まとめ
卵子凍結は助成金を使っても高い? 費用の内訳と自己負担の目安

助成金で下がる費用と残る費用

卵子凍結時の助成は初期費用の一部

卵子凍結の助成金を見るとき、まず押さえたいのは、助成対象がどこまでかです。こども家庭庁のモデル事業では、卵子凍結と初回の凍結保存に要した医療保険適用外費用が対象で、助成上限額は1回20万円とされています。採卵したものの卵が得られない場合などは上限10万円、卵胞が発育しない場合や体調不良などで治療を中止した場合は対象外とされています。1

この仕組みを家計の見積もりに置き換えると、助成金は最初にかかる大きな支出を減らす役割です。例えば、採卵、薬剤、凍結までの費用が50万円なら、20万円の助成を受けても30万円は自己負担として残ります。さらに、助成は原則として申請条件を満たした場合に支給されるため、支払いのタイミングではいったん全額を用意する必要があるケースもあります。

ポイント

卵子凍結の助成金は、費用をゼロにする制度ではなく、初期費用の一部を軽くする制度として見るのが現実的です。特に国のモデル事業では、初回の凍結保存を除く長期の保管維持費は助成対象外とされています。最初の金額だけで判断せず、保管を続ける期間まで含めて考える必要があります。

保管費と将来の使用費は残りやすい

卵子凍結で見落としやすいのは、凍結した後にも費用が続くことです。こども家庭庁の実施要綱では、初回の凍結保存費用を除く凍結保存の維持費は卵子凍結の助成対象外とされています。一方で、年次調査に参加した場合のAMH検査などには1万円を上限に助成できる仕組みがありますが、これは保管費そのものを広く補助するものではありません。1

東京都の制度では、都内在住の18歳から39歳までの女性を対象に、卵子凍結を実施した年度の上限20万円に加えて、次年度以降に保管に係る調査へ回答した場合、令和10年度まで1年ごとに一律2万円を予定しています。2 ただし、これは東京都の制度であり、住んでいる地域や年度によって条件は変わります。助成金を前提にするなら、居住地、年齢、説明会、登録医療機関、申請期限を必ず確認する必要があります。

卵子凍結の費用の内訳

採卵までの費用

卵子凍結の費用は、ひとつの料金だけで決まるわけではありません。初診、検査、排卵誘発の薬、通院、採卵、麻酔、凍結処理などが重なります。医療機関によって料金体系が違うため、同じ卵子凍結でも総額に幅が出ます。

費用相場の説明では、1回あたり30万から80万円程度という目安が示されることがあります。例えば、グリーンエイトは卵子凍結にかかる費用を1回あたりおおよそ30万から80万円程度、凍結後の保管料を年間数万円程度と説明しています。3 また、神奈川レディースクリニックの料金例では、低刺激卵子凍結パック、初期費用、5個分の最初の1年間の保管費用を合わせた1年目の目安が34万3,200円から36万5,500円と示されています。4

費用の区分主な内容自己負担で見ておきたい目安
初診、検査診察、超音波検査、血液検査、AMH検査など数万円程度になることが多い
採卵準備排卵誘発の薬、注射、通院、ホルモン検査など薬の種類や通院回数で大きく変わる
採卵、凍結採卵手術、麻酔、凍結処理、初回保存など1回で30万から80万円程度の幅を見ておく
保管更新凍結した卵子を保存し続ける費用年間数万円程度が続く
将来の使用解凍、顕微授精、胚培養、胚移植など使用時に別途まとまった費用がかかる

凍結後に続く保管費

卵子凍結は、採卵して終わりではありません。凍結した卵子を将来使うまで保管するため、毎年の更新費用が発生します。保管費は、卵子の数、容器や本数、医療機関の料金体系によって変わります。神奈川レディースクリニックの例では、2年目以降の凍結保管更新費用は10個まで4万4,000円、11個から6万6,000円とされています。4

ここで重要なのは、保管費が時間とともに積み上がることです。年4万円の保管費でも、10年続ければ40万円になります。年6万円なら10年で60万円です。助成金で初期費用が20万円下がっても、長期保管を予定するなら、数年後には保管費だけで同じくらいの金額に達する可能性があります。

自己負担の目安

1回の採卵で終わるケース

1回の採卵で必要な数の卵子を凍結できる場合、自己負担は比較的見通しやすくなります。例えば、採卵、凍結までの初期費用が40万から60万円で、実施年度に20万円の助成を受けられるとすると、初期段階の自己負担は20万から40万円程度になります。ここに、保管費が毎年数万円ずつ加わります。

ただし、この計算はあくまで概算です。採卵できる卵子の数は年齢や体の状態によって変わり、薬剤費も個人差があります。採卵できなかった場合や、凍結できる状態の卵子が少なかった場合は、同じ費用をかけても期待した個数に届かないことがあります。費用の高い、安いだけでなく、1回でどの程度の結果を見込むのかを医師に確認することが大切です。

ポイント

30万円台で済む説明を見かけても、条件は必ず確認しましょう。低刺激の採卵、少ない凍結個数、短い保管期間を前提にした料金かもしれません。反対に、薬剤を多く使う方法、複数回の採卵、長期保管、将来の解凍や移植まで含めると、総額は一気に大きくなります。

複数回採卵して長く保管するケース

卵子を多く残したい場合、採卵が1回で終わらないことがあります。仮に採卵と凍結に1回45万から60万円、2回で90万から120万円かかるとします。そこから助成金で20万円下がっても、初期段階の自己負担は70万から100万円程度です。さらに10年保管すれば、保管費として30万から60万円程度が追加される可能性があります。

将来、凍結した卵子を使う場合も別費用です。こども家庭庁の実施要綱では、凍結卵子を用いた生殖補助医療には、卵子の融解、授精、胚培養、胚凍結、胚移植、妊娠確認までの医療行為が含まれるとされています。1 医療機関の費用説明では、卵子の解凍、顕微授精、胚培養、胚移植などにさらに費用がかかるとされ、凍結時と同程度の負担が生じる可能性もあります。5

つまり、2回採卵して長く保管し、将来使うところまで考えると、総額が100万円を超えることは十分あります。条件によっては150万から300万円程度の見積もりになることも不自然ではありません。助成金は大きな支援ですが、総額を初期費用だけで見ないことが、後悔を避ける第一歩です。

助成金を使う前の確認事項

対象年齢、住民登録、指定医療機関

助成金を使うには、費用の見積もりより先に条件の確認が必要です。東京都の制度では、対象者は東京都に住む18歳から39歳までの女性で、採卵を実施した日の年齢が基準です。説明会への参加、調査事業への協力申請、登録医療機関での実施、継続した住民登録なども要件に含まれます。2

確認すべきなのは、次の4つです。

  • 自分の年齢が助成対象の範囲に入っているか
  • 住んでいる自治体で制度があるか、年度内に申請できるか
  • 受診予定の医療機関が登録または指定医療機関か
  • 説明会や事前申請が、治療開始前に必要か

特に注意したいのは、治療を始めた後では間に合わない手続きがあることです。東京都の制度では、説明会参加後に協力申請を行い、登録医療機関で医療行為を開始する流れが示されています。助成金を使うつもりなら、クリニック予約の前に自治体ページを確認する方が安全です。

併用不可と申請順の注意

助成金は、いくつも重ねて使えるとは限りません。こども家庭庁のモデル事業では、本事業の対象となる費用について他制度の助成を受けている場合、本事業の助成対象外とされています。1 東京都や区市町村の上乗せ助成も、差し引き後の自己負担を対象にするなど、地域ごとに扱いが違います。

また、卵子凍結は医療機関によって料金表の作り方が違います。採卵費に薬剤費が含まれるのか、麻酔代が別か、凍結費が個数ごとか、保管料が年額か本数別かで、総額は変わります。見積書をもらうときは、助成対象になる費用と対象外の費用を分けて確認しましょう。

高いかどうかを判断する視点

総額と将来使う費用の分離

卵子凍結が高いかどうかは、1回の請求額だけでは判断できません。見積もりは、初期費用、保管費、使用時費用の3つに分けると考えやすくなります。初期費用は採卵と凍結まで、保管費は保存を続ける費用、使用時費用は将来妊娠を目指すときに発生する費用です。

この3つを分けると、助成金の効果も見えやすくなります。初期費用50万円に20万円の助成があれば、最初の負担は大きく下がります。しかし、10年保管する費用や将来の解凍、授精、移植の費用は別に残ります。だからこそ、安く始められるかよりも、最後まで続けられる設計かを見た方が現実的です。

医師に聞くべき質問

卵子凍結は費用だけでなく、年齢や卵子数、将来の使い方によって考え方が変わります。日本生殖医学会の社会的適応に関するガイドラインでは、未受精卵子などの採取時の年齢について40歳以上は推奨できない、凍結保存した未受精卵子などの使用時の年齢について45歳以上は推奨できないとしています。6 年齢の線引きは医療機関の運用にも影響するため、費用と同じくらい確認しておきたい点です。

診察時には、希望する凍結個数に対して採卵が何回くらい必要になりそうか、保管を何年続ける前提で見積もるべきか、将来使うときの費用はいくらぐらいかを聞いておくと、判断しやすくなります。卵子凍結は妊娠や出産を保証するものではありません。だからこそ、金額だけで決めず、目的、身体への負担、将来の使用条件を合わせて考える必要があります。

まとめ

卵子凍結は、助成金を使っても安い買い物になるとは限りません。採卵、凍結までの初期費用は助成金で下がる可能性がありますが、保管費と将来使うときの生殖補助医療費は別に見積もる必要があります。

1回の採卵で終わり、短期の保管で済むなら、自己負担は数十万円台に収まることがあります。一方で、複数回採卵し、10年単位で保管し、将来の解凍、授精、胚移植まで考えると、総額は100万円を超えやすくなります。

最初に確認すべきなのは、住んでいる自治体の助成条件、医療機関の料金表、保管期間、将来使うときの費用です。卵子凍結の費用は、始める金額ではなく、続けて使うところまでの総額で判断する。この視点を持つだけで、助成金を使った後の自己負担をかなり具体的に見積もれるようになります。

出典・参考資料

  1. 「改正後全文」こども家庭庁 ↩

  2. 「事業の概要|卵子凍結に係る費用の助成」東京都福祉局 ↩

  3. 「卵子凍結の費用はいくら?内訳・助成金・凍結の流れまで徹底解説」不妊治療の事ならグリーンエイト ↩

  4. 「卵子凍結の費用について」神奈川レディースクリニック ↩

  5. 「卵子凍結はいくら?費用の相場・内訳を産婦人科専門医が徹底解説」なみなみクリニック ↩

  6. 「社会的適応による未受精卵子あるいは卵巣組織の凍結・保存のガイドライン」日本生殖医学会 ↩

執筆者:補助金フラッシュ 士業編集部

補助金・助成金の活用法からAI導入、業務の生産性向上まで、中小企業の経営に役立つ情報を士業の専門家チームがわかりやすく解説します。

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執筆者
補助金フラッシュ 士業編集部
公開日: 2026年5月27日

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