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業務改善助成金 申請要件と手続きのポイント

業務改善助成金を交付要綱と要領で確認し、助成率と上限額、対象要件、特例事業者、対象経費、申請から実績報告までを整理します。

補助金フラッシュ 士業編集部公開日: 2026年2月3日
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目次

  • 制度の全体像
  • 支援内容
  • 対象となる事業者と事業場の要件
  • 賃金引上げ計画の考え方
  • 助成対象経費
  • 特例事業者の扱い
  • 申請手続きの流れ
  • 交付決定後に詰まりやすいポイント
  • 申請前に準備するもの
  • よくある質問
補助金フラッシュ 事業計画

業務改善助成金は、事業場内で最も低い賃金を一定額以上引き上げ、あわせて生産性向上の設備投資などを行う中小企業を支援する制度です。令和7年度は、申請コースと事業場内最低賃金の水準により助成率と上限額が変わりました。要件の中心は、申請する事業場の事業場内最低賃金と地域別最低賃金の差が50円以内であること、そして交付決定前に設備投資等を実施しないことです。交付要綱と交付要領などの一次資料を根拠に、制度の要点と手続きの流れをまとめます。

項目内容
制度名(正式名称)中小企業最低賃金引上げ支援対策費補助金(業務改善助成金)1
対象年度/公募回令和7年度 第2-2期(令和7年9月5日以降に申請する場合に適用)23
最終更新日2026年2月3日
所管/実施機関/事務局厚生労働省 労働基準局 賃金課 / 都道府県労働局(申請窓口)21
補助上限額/補助率(類型差があれば併記)助成上限額は申請コースと引上げ人数で変動し最大600万円 / 助成率は事業場内最低賃金が1,000円未満は4/5、1,000円以上は3/414
申請期間(開始/締切)第1期 2025年4月14日から2025年6月13日 / 第2-1期 2025年6月14日から令和7年度地域別最低賃金の発効日前日 / 第2-2期 2025年9月5日から発効日前日 / 第3期以降は受付を行う場合に別途定める3
公式一次資料(PDF/Word)のリンク集(募集要綱/手引き/FAQ/様式 等)公式ページ / 交付要綱 2025年9月5日版 PDF / 交付要領 2025年9月5日版 PDF / 申請マニュアル 2025年4月版 PDF / 交付申請書等の書き方と留意事項 2025年4月版 PDF / Q\&A 2025年4月14日版 PDF / jGrants申請マニュアル PDF / 手続きフロー PDF
免責申請可否や経費判断は、当該年度の募集要領・交付要綱等と事務局の案内で最終確認してください。

目次

  • ●制度の全体像
  • 業務改善助成金が支援すること
  • 所管と申請窓口
  • 令和7年度の位置付けと年度差分
  • ●支援内容
  • 助成率
  • 助成上限額
  • 助成額の計算と下限
  • ●対象となる事業者と事業場の要件
  • 中小企業事業者の定義
  • みなし大企業に該当すると対象外
  • 対象事業場の要件
  • 事業場内最低賃金の考え方と計算方法
  • 不交付要件
  • ●賃金引上げ計画の考え方
  • コース選択の基本
  • 引上げ人数の数え方
  • 申請期によって賃上げの順番が変わる点
  • 地域別最低賃金の発効日前日までの注意点
  • ●助成対象経費
  • 経費区分の一覧
  • 見積と契約に関する基本ルール
  • 対象外になりやすい支出例
  • パソコンや車両に関する扱い
  • ●特例事業者の扱い
  • 特例事業者の要件
  • 特例で変わる点
  • ●申請手続きの流れ
  • 全体のステップ
  • 交付申請で提出する書類
  • 電子申請の準備
  • 事業完了期限とスケジュールの組み方
  • 実績報告と支給申請の期限
  • 状況報告と書類保存
  • ●交付決定後に詰まりやすいポイント
  • 交付決定前の発注と支払
  • 支払方法と証憑の整え方
  • 計画変更と期限延長
  • 消費税の扱い
  • ●申請前に準備するもの
  • セルフチェック
  • 相談前に揃える情報
  • ●よくある質問
業務改善助成金 申請要件と手続きのポイント

制度の全体像

業務改善助成金が支援すること

業務改善助成金は、事業場内で最も低い賃金を一定額以上引き上げることと、生産性向上につながる設備投資等をセットで行う事業者に対し、その費用の一部を助成する制度です。設備投資等には、機械設備の導入だけでなく、コンサルティング導入や人材育成や教育訓練も含まれます。1

重要なのは、賃上げが単独で助成対象になるわけではなく、賃上げと設備投資等を組み合わせて申請する点です。申請時点では計画として提出し、交付決定後に計画どおり事業を進め、事業完了後に実績報告と支給申請を行います。12

所管と申請窓口

制度の所管は厚生労働省で、申請は都道府県労働局(所轄労働局長)へ行います。提出方法は、窓口へ持参する方法と郵送による方法が案内されています。34

また、制度内容や手続きに関する問い合わせ先として、業務改善助成金コールセンターが案内されています。電話番号と受付時間は、公式ページで確認してください。3

令和7年度の位置付けと年度差分

本記事は、厚生労働省が公開している令和7年度の交付要綱と交付要領、申請マニュアル等に基づいて整理しています。354
制度は年度や受付期により扱いが変わることがあります。特に申請期間は期ごとに区切られ、交付要領では第3期以降を受け付ける場合は別途定める形になっています。申請時点でどの期が対象になるかは、公式ページの案内と申請先の労働局で確認してください。4

支援内容

助成率

助成率は、申請する事業場の事業場内最低賃金の水準で2区分です。51

事業場内最低賃金助成率
1,000円未満4/5
1,000円以上3/4

この助成率は、助成対象経費に乗じて助成額を算定します。ただし上限額があるため、助成対象経費が大きい場合でも上限を超えて支給されることはありません。5

助成上限額

上限額は、申請コース(引上げ額)と、引き上げる労働者数で変わります。さらに、申請事業場の規模が30人未満の場合は上限額が高い区分が適用されます(交付要綱の表では括弧内の金額)。51

コース区分引上げ額引上げ労働者数上限額 事業場規模30人以上上限額 事業場規模30人未満
30円コース30円以上1人30万円60万円
30円コース30円以上2から3人50万円90万円
30円コース30円以上4から6人70万円100万円
30円コース30円以上7人以上100万円120万円
45円コース45円以上1人45万円80万円
45円コース45円以上2から3人70万円110万円
45円コース45円以上4から6人100万円140万円
45円コース45円以上7人以上150万円160万円
60円コース60円以上1人60万円110万円
60円コース60円以上2から3人90万円160万円
60円コース60円以上4から6人150万円190万円
60円コース60円以上7人以上230万円230万円
90円コース90円以上1人90万円170万円
90円コース90円以上2から3人150万円240万円
90円コース90円以上4から6人270万円290万円
90円コース90円以上7人以上450万円450万円

このほか、特例事業者に該当する場合は、賃金引上げ労働者数10人以上の上限区分を適用できます。上限額はコースにより120万円から600万円まで設定されています。51

特例の上限区分コース区分引上げ労働者数上限額 事業場規模30人以上上限額 事業場規模30人未満
特例事業者30円コース10人以上120万円130万円
特例事業者45円コース10人以上180万円180万円
特例事業者60円コース10人以上300万円300万円
特例事業者90円コース10人以上600万円600万円

助成額の計算と下限

助成額は、助成対象経費に助成率を乗じた額と、コースと人数に応じた上限額を比べ、低い方が支給額になります。1
また、助成対象となる設備投資等の経費には下限があり、助成対象経費の額が10万円未満の場合は対象になりません。56

対象となる事業者と事業場の要件

中小企業事業者の定義

申請できる事業者は、次の定義に当てはまる中小企業事業者です。資本金または出資の総額、常時使用する労働者数のいずれかの要件を満たす必要があります。1

業種資本金の額または出資の総額常時使用する労働者数
一般産業(下記以外)3億円以下300人以下
卸売業1億円以下100人以下
サービス業5,000万円以下100人以下
小売業5,000万円以下50人以下

ここでいう業種は日本標準産業分類に基づく記載が求められる場面があります。申請書類の書き方資料でも、日本標準産業分類に基づく記入が案内されています。2

みなし大企業に該当すると対象外

中小企業事業者に該当しても、大企業と密接な関係を有する企業は対象外です。交付要綱では、いわゆるみなし大企業を、次のいずれかに該当する企業として定義しています。5

区分みなし大企業に該当する条件
1-ア発行済株式の総数または出資の総額の2分の1以上を、大企業が単独で所有または出資している
1-イ発行済株式の総数または出資の総額の3分の2以上を、大企業が単独で所有または出資している
1-ウ発行済株式の総数または出資の総額の2分の1以上を、大企業が所有または出資している(大企業の子会社を含む)
1-エ発行済株式の総数または出資の総額の3分の2以上を、大企業が所有または出資している(大企業の子会社を含む)
2役員の総数の2分の1以上を、大企業の役員または職員が兼務している
3発行済株式の総数または出資の総額の3分の2以上を、大企業の役員または職員が所有または出資している
4借入金の総額が資本金等の2倍以上であり、その借入金について大企業が保証している
5大企業が現金や機械等で出資し、その出資額が資本金等の2分の1以上である
6過去5年間に大企業の子会社として密接な関係を有していた

申請前に、資本関係や役員構成、保証の有無などを整理しておくと、労働局への確認が進めやすくなります。

対象事業場の要件

助成対象となる事業場は、申請する事業場で次の要件を満たす必要があります。1

要件内容
対象事業場の差額要件事業場内最低賃金と地域別最低賃金の差額が50円以内
不交付要件がない交付要綱の不交付要件に該当しない

申請単位は事業場ごとです。一方で、同一年度内に複数事業場で申請しても、同一事業者としての助成金額が600万円を超えることはできません。4

事業場内最低賃金の考え方と計算方法

事業場内最低賃金は、事業場内で最も低い時間当たりの賃金額です。申請マニュアルでは、雇入れ後6月を経過した労働者のうち最も低い賃金を基準として、申請コースごとの引上げ額以上に引き上げ、就業規則等で引上げ後の賃金額を事業場で使用する労働者の下限賃金として定めることが案内されています。1

時間当たり賃金への換算方法は、賃金形態により異なります。申請マニュアルでは、日給は所定労働時間で除して算定し、月給は1か月の所定労働時間(変動がある場合は1年間の平均)で除して算定する方法が示されています。歩合給がある場合は、一定期間の歩合給合計を総実労働時間で除した額に固定給の時間当たり額を加える方法が示されています。1

最低賃金の算定に含めない賃金の例も挙げられています。臨時に支払われる賃金、賞与など1月を超える期間ごとに支払われる賃金、時間外や休日や深夜の割増賃金、精皆勤手当、通勤手当、家族手当などは最低賃金に算入しません。16

不交付要件

交付要綱では、不交付となる事由が列挙されています。申請前に該当しないかを確認し、該当が疑われる場合は早めに労働局へ相談してください。5

区分不交付となる事由
1-ア申請前6月分の賃金台帳等で、時間当たりの賃金額が地域別最低賃金額を下回っている記載がある(賃金台帳等に記載されているものに限る)
1-イ申請前6月分の賃金台帳等で、法定労働時間外の労働に対する割増賃金を支払っていない
1-ウ申請前6月分の賃金台帳等で、同一賃金算定期間における労働時間数が1か月45時間を超える
1-エ申請前6月分の賃金台帳等で、継続して定常的に時間外労働が発生している
2過去に本助成金で不正受給を行い、返還等を終えていない
3交付決定の取消し等により返還命令を受け、納付していない
4-1賃金引上げ日の前日から起算して6月前の日から状況報告日前日までに、対象者へ解雇等の通告、希望退職の募集、退職勧奨を行っている(労働者の責めに帰すべき理由による解雇を除く)
4-2同期間に、対象者へ整理解雇を行っている(労働者の責めに帰すべき理由による解雇を除く)
4-3同期間に、対象者へ事業主都合による退職または解雇を行っている
4-4同期間に、対象者の賃金の引下げを行っている
4-5同期間に、対象者の所定労働時間の短縮を行っている(時間外手当等の減少があった場合を含む)
5交付申請時点で倒産している、または申請書等提出後に倒産した
6-1交付申請書等提出日の前日から過去3年に、賃金に関する労働関係法令違反で送検された、または是正措置を行わないまま送検された
6-2交付申請書等提出日の前日から過去3年に、賃金以外の労働関係法令違反で送検された等で、重大または悪質と認められる
7電子申請等に係る承認を受けている場合で、承認を取り消された
8助成対象経費について、同一の事業に同一年度内の国または地方公共団体の補助金等を受けている
9交付申請書等提出日の前日から起算して16か月以内に、本助成金の交付決定または交付額の確定を受けている
10対象者の賃金額を引き上げることが明らかでない

10の判断に関して、交付要領では、賃金台帳や出勤簿等の客観的な記録が整っていない場合や、賃金引上げ対象者を別事業場へ異動させるなどして賃金引上げの確認ができない場合は、交付要件に適合しないと扱う考え方が示されています。4

賃金引上げ計画の考え方

コース選択の基本

コースは30円、45円、60円、90円の4区分です。どのコースを選ぶかは、事業場内最低賃金をいくら引き上げるかと、引き上げる労働者数を何人で申請するかで決まります。1

申請マニュアルでは、事業場内最低賃金の引上げは、事業場内最低賃金の対象者だけでなく、事業場内で働く労働者全員が新しい事業場内最低賃金以上になるよう引き上げる必要がある点が説明されています。1

引上げ人数の数え方

引上げ人数は、事業場内最低賃金の支払対象者だけでなく、申請コースの額以上賃金を引き上げた場合にカウントされることがあります。計画段階で対象者の賃金分布を確認し、誰を何円引き上げるかを整理しておくことが大切です。1

雇入れ後6月未満の労働者の扱いなど、個別の論点はQ\&Aにも整理されています。申請前に該当するケースがある場合は、Q\&Aの該当問答と労働局の案内をあわせて確認してください。6

申請期によって賃上げの順番が変わる点

交付要領では、賃金引上げの実施時期が申請期により異なります。4

第1期と第2-1期の申請では、交付申請後に賃金を引き上げ、就業規則等で引上げ後の賃金額を定める形が前提です。一方で、第2-2期の申請では、賃金引上げと就業規則等の改正を交付申請前に行う必要があります。4

また、賃金引上げを複数回に分けて行うことは認められません。引上げ額をどの時点で確定させるか、就業規則等の施行日をいつにするかは、申請期と事業完了期限を踏まえて検討してください。4

地域別最低賃金の発効日前日までの注意点

申請マニュアルでは、第2期申請に関して、改定後の地域別最低賃金を下回る事業場内最低賃金を地域別最低賃金の改定額以上に引き上げる場合、発効日の前日までに賃上げを実施する必要がある点を注意事項として示しています。1
地域別最低賃金の発効日そのものは都道府県ごとに異なる場合があります。申請する事業場の所在地の情報を確認したうえで、計画に反映してください。4

助成対象経費

経費区分の一覧

交付要綱では、生産性向上等に資する設備投資等の経費区分として、次の区分が挙げられています。申請では、どの支出がどの区分に該当するかを整理して見積書や計画書に落とし込みます。5

経費区分概要の読み方
謝金外部講師等への謝礼など
旅費出張等に伴う交通費等
借損料リースやレンタル等
会議費会議に必要な費用
雑役務費役務提供に係る費用
印刷製本費資料印刷など
原材料費業務改善に係る原材料等
機械装置等購入費機械や装置等の購入
造作費設備設置等に必要な工事等
人材育成・教育訓練費研修や訓練等
経営コンサルティング経費外部専門家のコンサル等
委託費外部への委託等

区分ごとの範囲や上限、対象外の考え方は交付要領の別紙でより具体化されています。たとえば謝金には1回あたりの上限と回数制限があり、人材育成・教育訓練費にも上限額があります。4

見積と契約に関する基本ルール

交付要領では、契約を行う場合は原則として複数者から見積を取り、最も安価な見積を採用することが求められています。例外として、契約額が10万円未満(税抜)の場合は1者の見積でもよいとされています。4
このルールは助成対象経費の妥当性を示すための重要なポイントで、申請後や実績報告の段階で確認されやすい領域です。

対象外になりやすい支出例

交付要領では、助成対象とならない経費の例が列挙されています。設備投資等の名目でも対象外になるケースがあるため、見積を取る段階で当てはめて確認してください。4

区分助成対象外となる例
1単なる経費削減目的の設備更新など
2快適性の向上のみを目的とするもの(例として空調設備の設置、事務所拡張、内装改修、机や椅子の増設等)
3通常の事業運営に伴う経費(例として事務所家賃、水道光熱費、人件費、交際費、消耗品費、通信費、事務用備品、広告宣伝費等)
4法令で義務付けられている対応費用や、必須の資格取得費用
5交付決定前に実施または支出したもの、事業期間外のもの(開始前着手が認められない)
6日本国外で実施する事業
7労働局が生産性向上等を認めないもの
8経費の算定が適切に行われていないもの
9その他、労働局が適当でないと判断したもの

ここでいう「対象外の例」は、要件の一部だけを切り取ると誤解につながります。実際の可否判断は、申請事業場の業務内容や導入目的、業務改善との関係性を含めて労働局が確認します。4

パソコンや車両に関する扱い

交付要領では、機械装置等購入費の対象外として、原則として自動車やパソコン等が挙げられています。一方で、一定の条件を満たす場合に限り、パソコン等が対象になり得る整理も示されています。46

また、特例事業者のうち物価高騰等要件に該当する場合には、機械装置等購入費の対象範囲が拡大され、一定の自動車やパソコン等が含まれ得る取り扱いが示されています。対象範囲と条件は交付要領の注記に沿って確認してください。4

特例事業者の扱い

特例事業者の要件

交付要領では、特例事業者の要件を次の2つとして示しています。4

要件区分内容
賃金要件事業場内最低賃金が1,000円未満の事業場
物価高騰等要件申請前3か月間のうち任意の1月における売上高総利益率または売上高営業利益率が、前年同月と比べ3パーセントポイント以上低下している等

物価高騰等要件は、比較の取り方や、事業開始から1年未満の場合の扱いも記載があります。具体の計算方法や確認書類は交付要領に沿って準備してください。4

特例で変わる点

特例事業者に該当する場合、賃金引上げ労働者数10人以上の上限区分を適用できます。上限額は30円コースで120万円(事業場規模30人未満は130万円)から、90円コースで600万円までです。51

また、物価高騰等要件に該当する場合、対象経費の範囲が拡大される場面があります。申出書の提出要否や対象範囲の詳細は、交付要領の別紙と注記に従って確認してください。42

申請手続きの流れ

全体のステップ

交付申請から支給までの流れは、交付決定を挟んで大きく2段階です。交付決定前に実施した設備投資等は助成対象にならないため、順番を崩さないことが最重要です。12

段階やること主な提出物や根拠資料
1申請前の整理(要件確認、コース選択、見積取得、就業規則等の準備)交付要綱、交付要領、申請マニュアル541
2交付申請様式第1号一式、見積書、賃金台帳等、特例確認書類等52
3交付決定後に事業実施交付決定翌日以降に発注、納品、支払、賃上げ等を実施12
4状況報告所定の期限内に状況報告書を提出5
5実績報告と支給申請事業実績報告書と支給申請書を提出5
6交付額確定と支給労働局が内容を確認し、交付額確定等の通知を行う5

交付申請で提出する書類

交付要綱では、交付申請書に添付する書類として、助成対象経費の見積書、特例事業者確認書類、労働局長が求める書類が挙げられています。5
申請書等の書き方資料では、事業実施計画書(別紙)と賃金台帳の提出など、記入と添付の具体的な留意点が説明されています。2

分類提出物の例根拠の位置付け
交付申請書類交付申請書(様式第1号)と別紙様式に基づく提出物2
計画書事業実施計画書(別紙)添付資料として案内2
賃金関係賃金台帳等(対象となる労働者分)添付資料として案内2
見積関係助成対象経費の見積書交付要綱で添付書類として規定5
特例関係特例事業者確認書類(申出書等)交付要綱の添付書類、書き方資料の案内52
その他労働局長が求める書類交付要綱の規定5

電子申請の準備

業務改善助成金は、jGrantsによる電子申請も案内されています。電子申請にはgBizIDプライムが必要です。3
電子申請の場合でも、見積書や賃金台帳等の添付資料を整えたうえで、提出前にファイル形式や容量、記載漏れを確認してください。具体の操作はjGrants申請マニュアルも参照してください。7

事業完了期限とスケジュールの組み方

申請マニュアルでは、賃金引上げと設備投資等の取組を交付決定の属する年度の1月31日までに実施する計画で申請する考え方が示されています。やむを得ない理由がある場合は、事業期間を3月31日までとする取扱いも案内されています。1
申請書の書き方資料でも、事業完了日を原則として令和8年1月31日までに設定するよう案内があり、3月末日までとなる場合は労働局へ相談するよう記載があります。2

実績報告と支給申請の期限

交付要綱では、事業完了後に実績報告書と支給申請書を提出する期限が定められています。期限は、事業完了日から起算して1か月を経過する日、または翌年度の4月10日のいずれか早い日までです。5
また、労働局が報告書等と支給申請書の到達日から原則20日以内に通知を行う旨も規定されています。5

状況報告と書類保存

交付要綱では、賃金引上げ後の交付に必要な行為の実施状況について、状況報告書(様式第8号)を提出することが求められています。提出期限は、賃金引上げ後に実績報告を行った日の前日、または賃金引上げから6月を経過した日のいずれか遅い日までの状況について、各日から起算して1か月以内です。5

また、助成事業に係る収支簿や支出内容を証する書類は、交付額確定日の属する年度終了後5年間の保存が必要です。資産に該当する場合は、別の保存や処分制限が関係するため、交付要綱の規定に従って管理してください。5

交付決定後に詰まりやすいポイント

交付決定前の発注と支払

申請マニュアルと申請書の書き方資料の双方で、交付決定前に行った設備投資等は助成対象にならないと注意されています。見積取得や検討は申請前に行えますが、発注、契約、納品、支払のタイミングは交付決定後に寄せてください。12

支払方法と証憑の整え方

交付要領では、助成対象経費の支払は原則として金融機関からの振込で行うことが示され、現金支払とする場合の条件や必要書類も示されています。さらにクレジットカード等で支払う場合は、口座引落日が年度末までに到来するかといった扱いが論点になります。支払方法を先に決め、証憑の取り方を取引先とすり合わせておくと事故が減ります。4

これは制度要件ではありませんが、実務上は「請求書」「領収書」「振込明細」「納品書」「検収記録」を同じ案件番号で束ね、申請書の見積と対応付けて保管しておくと、実績報告時の確認が進みやすくなります。

計画変更と期限延長

事業計画に変更が生じた場合に必要な書類が、申請書の書き方資料に整理されています。設備投資の品目や金額、実施時期が変わりそうなときは、独断で進めずに労働局へ早めに相談してください。2
事業完了期限の延長が必要な場合も、事前の手続きが前提です。1

消費税の扱い

申請書の書き方資料では、助成対象経費の消費税額を「税抜」か「税込」どちらで計上するかを選択する考え方が説明されています。免税事業者や簡易課税事業者等は税込で算定できる場合があり、税込で算定して助成を受けた場合は仕入控除税額の報告が必要になる点も整理されています。迷う場合はフローチャートを参照し、労働局へ確認する形が安全です。25

申請前に準備するもの

セルフチェック

申請前に確認すべき要点を、制度要件に絞って整理します。541

確認項目確認の観点
申請者要件中小企業事業者の定義を満たし、みなし大企業に該当しない
事業場要件申請事業場で事業場内最低賃金と地域別最低賃金の差が50円以内
コース要件30円、45円、60円、90円のいずれかで、引上げ額と人数が計画に合う
実施順申請期により賃上げを申請前に行う必要があるかを確認
設備投資助成対象経費に該当し、交付決定前着手にならない計画になっている
不交付要件交付要綱の不交付要件に該当しない

相談前に揃える情報

これは制度要件ではありませんが、労働局へ相談する際に次の情報がまとまっていると、確認が短時間で進みます。

情報具体例
事業場の所在地と業種都道府県、業種区分(日本標準産業分類に近い形で)
事業場内最低賃金対象者の賃金形態(月給、日給、時給、歩合給の有無)と時間当たり換算
地域別最低賃金当該都道府県の地域別最低賃金額と発効日
引上げ計画引上げ額、引上げ人数、就業規則等の改正予定日
設備投資等導入する機器や研修の内容、見積金額、実施時期
支払方法振込、現金、カード等の予定と証憑の取り方

よくある質問

Q1. 申請は1社1回だけですか
A. 申請単位は事業場ごとです。同一年度内に複数事業場で申請すること自体は想定されていますが、同一事業者としての助成金額が600万円を超えることはできません。4

Q2. 事業場内最低賃金と地域別最低賃金の差が50円を超える場合は申請できますか
A. 申請事業場の差額が50円以内であることが要件です。差額が50円を超える場合は、要件を満たしません。16

Q3. 事業場内最低賃金はどう計算しますか
A. 時給はそのまま、日給は所定労働時間で除して算定し、月給は所定労働時間で除して算定します。歩合給がある場合の算定方法も申請マニュアルに案内があります。最低賃金に算入しない賃金の例もあるため、賃金の内訳とあわせて確認してください。16

Q4. 雇入れ後6か月未満の労働者は賃金引上げの対象になりますか
A. 事業場内最低賃金の基準となる範囲や、支払対象労働者の扱いはQ\&Aに論点整理があります。個別事情で結論が変わることがあるため、該当する場合はQ\&Aの該当項目と労働局の案内を確認してください。6

Q5. 交付決定前に機器を発注してしまいました。助成対象になりますか
A. 交付決定前に行った設備投資等は助成対象になりません。交付決定の翌日以降に計画どおり事業を進める必要があります。12

Q6. リース料金や保守料金は対象になりますか
A. 借損料の扱いを含め、対象となる範囲と注意点が交付要領で示されています。契約期間や支払時期により扱いが変わる場面があるため、見積段階で労働局へ確認してください。4

Q7. パソコンやタブレットは対象経費になりますか
A. 交付要領では原則として対象外の整理があります。一方で、一定の条件下で対象になり得る考え方も示されています。特例の有無や導入目的により結論が変わるため、交付要領の注記とQ\&Aの該当問答を確認してください。46

Q8. 車両の購入は対象になりますか
A. 交付要領では原則として自動車は対象外です。ただし特例事業者のうち物価高騰等要件に該当する場合に限り、一定の自動車が対象になり得る取り扱いが示されています。必ず交付要領の条件に沿って確認してください。4

Q9. 事業完了期限はいつまでですか
A. 申請マニュアルでは、賃金引上げと設備投資等の取組を交付決定の属する年度の1月31日までに実施する計画で申請する考え方が示されています。やむを得ない理由がある場合は3月31日までとする取扱いも案内があります。1 申請書の書き方資料でも、完了日の設定について案内があります。2

Q10. 現金払いでも助成対象になりますか
A. 交付要領では支払は原則振込で、現金支払とする場合の条件と必要書類が示されています。現金支払を予定する場合は、事前に労働局へ確認してください。4

Q11. 実績報告と支給申請の提出期限はいつですか
A. 交付要綱では、事業完了日から起算して1か月を経過する日、または翌年度4月10日のいずれか早い日までに提出することになっています。5

Q12. 状況報告は必須ですか
A. 交付要綱では、賃金引上げ後の実施状況について状況報告書を提出することが求められています。提出期限の考え方も条文で定められているため、実績報告のタイミングとあわせて管理してください。5

Q13. 消費税は税込で申請できますか
A. 申請書の書き方資料では、税抜か税込かの選択と、事業者区分による扱い、仕入控除税額の報告要否が整理されています。選択により手続きが変わるため、資料のフローチャート等も参照してください。25

Q14. 他の補助金や助成金と併用できますか
A. 交付要綱では、助成対象経費について同一の事業に同一年度内の国または地方公共団体の補助金等を受けている場合を不交付事由としています。併用可否は「同じ経費を二重で受けない」観点で整理が必要です。56

Q15. 審査にはどれくらい時間がかかりますか
A. 公式ページでは、例年と比較して多くの申請を受け付けている関係で、通常よりも審査に時間を要する旨が案内されています。設備導入や賃上げの時期に余裕を持たせて計画してください。3

出典・参考資料

  1. 業務改善助成金 申請マニュアル 2025年4月版 PDF ↩

  2. 業務改善助成金 交付申請書等の書き方と留意事項 2025年4月版 PDF ↩

  3. 業務改善助成金 公式ページ 厚生労働省 ↩

  4. 業務改善助成金 交付要領 2025年9月5日版 PDF ↩

  5. 業務改善助成金 交付要綱 2025年9月5日版 PDF ↩

  6. 業務改善助成金 Q\&A 2025年4月14日版 PDF ↩

  7. 業務改善助成金 jGrants申請マニュアル PDF ↩

執筆者:補助金フラッシュ 士業編集部

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執筆者
補助金フラッシュ 士業編集部
公開日: 2026年2月3日

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