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融資の金利はいくらが妥当? 相場、計算方法、勘定科目の見方

融資の金利は、数字だけ見ても判断しにくいもの。銀行、公庫、信用保証料の違いを踏まえ、返済総額に効く利息の概算方法と、仕訳で使う勘定科目まで実務目線で整理します。

補助金フラッシュ 士業編集部公開日: 2026年6月13日
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目次

  • 融資金利を見る前の前提
  • 金利相場の見方
  • 利息の計算方法
  • 仕訳で使う勘定科目
  • 金利を比較するときの実務チェック
  • 融資金利の判断で残したい視点
補助金フラッシュ 事業計画

融資を受けるとき、最初に気になるのは金利が何%になるかです。ただ、金利の数字だけを見ても、自社にとって高いのか低いのかは判断しにくいものです。
融資金利は、借入先、返済期間、担保、信用保証、会社の決算内容によって変わります。大事なのは、相場を入口にしながら、返済総額と毎月の資金繰りで見直すことです。
この記事では、銀行融資と日本政策金融公庫の金利水準、利息の概算方法、仕訳で使う勘定科目までを一つの流れで確認します。

目次

  • ●融資金利を見る前の前提
  • 平均金利と自社金利の違い
  • 金利以外にかかる信用保証料
  • ●金利相場の見方
  • 銀行、公庫、信用保証付き融資の目安
  • 創業期、小規模事業者で差が出る条件
  • ●利息の計算方法
  • 借入残高と日数で出す概算
  • 返済方法で変わる総支払額
  • ●仕訳で使う勘定科目
  • 借入時と返済時の基本仕訳
  • 保証料と消費税区分の注意点
  • ●金利を比較するときの実務チェック
  • 返済総額と毎月資金繰り
  • 申し込み前にそろえる条件
  • ●融資金利の判断で残したい視点
融資の金利はいくらが妥当? 相場、計算方法、勘定科目の見方

融資金利を見る前の前提

平均金利と自社金利の違い

融資の金利相場を調べると、低い数字と高い数字が同時に出てきます。たとえば日本銀行の資料では、2026年4月の国内銀行の新規貸出約定平均金利は総合で1.686%です。内訳を見ると、短期は1.474%、長期は1.790%でした。短期は1年未満、長期は1年以上の貸出を指します。1

一方で、日本政策金融公庫の小規模事業者、個人事業主向けの無担保融資では、2026年6月1日時点で、税務申告を2期終えている人の基準利率が3.50〜5.20%と示されています。税務申告を2期終えていない人でも、基準利率は3.45〜5.15%です。2

この差を見ると、公庫の金利が高い、銀行の金利が安いと考えたくなります。しかし、それは早計です。日本銀行の平均金利は、多くの銀行貸出を残高でならした数字です。大企業向け、信用力の高い企業向け、短期資金なども含まれます。対して公庫の利率表は、制度、資金使途、返済期間、担保の有無などによって適用が分かれる実際の利率表です。公庫も、利率は金融情勢で変動し、借入金利は記載されている利率と異なる場合があると注意しています。つまり、平均金利と自社に提示される金利は別物として見る必要があります。

金利以外にかかる信用保証料

もう一つ見落としやすいのが、信用保証料です。信用保証協会付きの融資では、金融機関から借りる金利とは別に、信用保証協会へ保証料を支払う場合があります。全国信用保証協会連合会は、信用保証料を信用保証を利用する対価であり、制度運営に必要な費用に充てるものと説明しています。3

保証料率は会社の経営状況などに応じて変わります。埼玉県信用保証協会の一般保証では、2026年4月1日現在、責任共有の対象となる一般保証について0.45〜1.90%の9区分が示されています。4 金利が年2.0%でも、保証料が別にかかるなら、資金繰り上の負担は金利だけでは測れません。融資条件を見るときは、保証料込みの実質負担で比較することが重要です。

ポイント

融資金利の相場は、自社の金利をそのまま予測する数字ではありません。銀行の平均金利、公庫の利率表、信用保証料は、それぞれ見ている対象が違います。比較するときは、金利だけでなく、保証料、返済期間、毎月返済額まで同じ条件にそろえて確認します。

金利相場の見方

銀行、公庫、信用保証付き融資の目安

中小企業が融資金利を確認するときは、まずどの種類の融資を検討しているのかを分けます。銀行のプロパー融資、信用保証協会付き融資、日本政策金融公庫の融資では、審査の見方も費用の出方も異なります。プロパー融資とは、信用保証協会の保証を使わず、金融機関が自らリスクを負って行う融資のことです。

確認する対象目安として見る数字読み方
国内銀行の新規貸出平均2026年4月の総合1.686%大企業を含む平均であり、自社の提示金利とは一致しない
日本政策金融公庫の国民生活事業無担保の基準利率3.50〜5.20%小規模事業者、個人事業主向けでは条件別に幅がある
日本政策金融公庫の中小企業事業5年以内の基準利率2.65%貸付期間が長くなると標準的な利率も変わる
埼玉県信用保証協会の一般保証責任共有の一般保証0.45〜1.90%金利とは別に見積もる費用として確認する

日本政策金融公庫の中小企業事業では、2026年6月1日時点で、5年以内の基準利率が2.65%、9年超10年以内の基準利率が3.25%とされています。特別利率が適用される場合は、同じ期間でも基準利率より低い利率が示されています。5 公庫の利率は、期間が同じでも制度によって変わるため、制度名を確認してから数字を見ることが大切です。

創業期、小規模事業者で差が出る条件

創業期や小規模事業者の場合、金利に差が出やすい条件は主に三つです。返済期間、担保の有無、税務申告や決算の状況です。公庫の国民生活事業でも、税務申告を2期終えているかどうか、無担保か有担保かで利率表が分かれています。2

特に創業直後は、過去の決算書だけで返済力を判断しにくいため、事業計画や自己資金、売上の根拠が重視されます。ある会社が設備投資のために借りる場合、同じ1,000万円でも、すでに黒字決算が続いている会社と、これから売上を作る会社では金融機関の見方が変わります。相場を見るだけで終わらせず、自社がどの条件に近いのかを先に整理しましょう。

利息の計算方法

借入残高と日数で出す概算

融資の利息は、基本的には借入残高に年利を掛け、実際に借りている期間に応じて計算します。概算では、利息=借入残高×年利÷365日×借入日数と考えるとイメージしやすくなります。

たとえば、1,000万円を年3.0%で30日借りている場合、30日分の利息はおよそ2万4,657円です。計算式は、1,000万円×3.0%÷365日×30日です。実際の融資では、契約上の端数処理、うるう年、返済日、返済方式によって金額が変わることがあります。公庫も事業資金用の返済シミュレーションを用意していますが、試算結果はあくまで目安であり、実際の条件とは異なる場合があるとしています。6

返済方法で変わる総支払額

利息総額は、金利だけでなく返済方法でも変わります。元金均等返済は、毎回返す元本が一定の返済方法です。返済が進むほど借入残高が減るため、後半の利息負担は小さくなります。元利均等返済は、元本と利息を合わせた毎回の返済額を一定に近づける方法です。資金繰りの見通しは立てやすい一方、返済初期は利息の割合が相対的に大きくなりやすいです。

返済方法の違いは、月々の支払いやすさだけでなく、総支払額にも影響します。売上の季節変動が大きい会社では、毎月返済額の安定を優先したい場合があります。反対に、早めに元本を減らしたい会社では、初期の返済負担が大きくても元金均等返済を検討する余地があります。どちらが正解というより、利益計画と資金繰り予定に合う返済方法を選ぶことが大切です。

ポイント

利息をざっくり確認するときは、借入残高、年利、借入日数を使います。ただし、融資は毎月返済で残高が減っていくため、年間利息は単純な元本×年利とは一致しません。最終判断では、返済予定表をもとに、毎月の元本返済と利息を分けて確認しましょう。

仕訳で使う勘定科目

借入時と返済時の基本仕訳

融資を受けたとき、会計上は売上ではなく負債として処理します。中小企業の会計に関する基本要領では、借入金などの金銭債務は原則として債務額で計上するとされています。7 つまり、入金されたお金は普通預金に増えますが、同時に返済すべき借入金も増えます。

場面借方貸方考え方
1,000万円を借り入れたとき普通預金 1,000万円長期借入金 1,000万円入金と同時に返済義務を負債に計上
元本20万円、利息2万5,000円を返済したとき長期借入金 20万円、支払利息 2万5,000円普通預金 22万5,000円元本返済と利息を分けて処理
1年以内に返済する借入を受けたとき普通預金短期借入金返済期限に応じて短期と長期を分ける

返済時に大事なのは、元本部分と利息部分を混ぜないことです。元本の返済は借入金という負債を減らす処理であり、費用ではありません。一方、利息はお金を借りた対価なので、一般に支払利息として費用処理します。関東信越税理士会の勘定科目集でも、借入金などについて支払う利息を支払利息の勘定科目へ計上し、元本と支払利息は区別して仕訳すると説明されています。8

保証料と消費税区分の注意点

信用保証料の処理は、会社の会計方針や会計ソフトの勘定科目設計によって変わることがあります。実務では支払利息、支払保証料、長期前払費用などを使い分ける場合があります。返済期間が1年を超える長期借入の保証料は、支払った年に全額費用にするのではなく、期間に応じて配分する処理が必要になることがあります。8

消費税の区分も見落としやすい部分です。国税庁は、預貯金や貸付金の利子、信用の保証料などを、金融取引として非課税となる取引に挙げています。9 そのため、支払利息や信用保証料を入力するときは、単に勘定科目名だけでなく、消費税区分も確認する必要があります。会計処理は金利の比較とは別の作業ですが、月次試算表や決算書に残るため、借入時から正しく分けておくことが大切です。

金利を比較するときの実務チェック

返済総額と毎月資金繰り

融資の金利を比較するときは、年利の低さだけで決めないようにします。年利が低くても、返済期間が短ければ毎月返済額が重くなることがあります。逆に、返済期間を長くすると月々の負担は下がりますが、利息を支払う期間が長くなります。

中小企業庁の2025年版中小企業白書では、中小企業は大企業と比べて借入金依存度が高く、借入金利の上昇は支払利息の増加を通じて経常利益を押し下げると指摘しています。特に宿泊業、飲食サービス業では中小企業の借入金依存度が7割を超えるとされています。10 金利の上昇は、単なる金融機関との条件交渉ではなく、利益計画そのものに影響する問題です。

申し込み前にそろえる条件

申し込み前には、希望額、資金使途、返済期間、据置期間、返済方法、担保や保証人の有無、信用保証料、事務手数料、繰上返済の条件を一つのメモにまとめます。据置期間とは、一定期間だけ元本返済を先送りし、利息の支払いを中心にする期間です。設備投資のように売上への反映まで時間がかかる資金では、据置期間の有無が資金繰りに影響します。

金融機関に相談するときは、金利だけを聞くのではなく、返済予定表を見せてもらうことが有効です。返済予定表には、毎回の返済額、元本、利息、返済後残高が並びます。仕訳にも資金繰り表にも使えるため、融資実行後の管理がしやすくなります。金利、返済予定表、会計処理を同じ数字で確認することが、あとから数字が合わない状態を避ける近道です。

融資金利の判断で残したい視点

融資金利の相場は、最初の目安として役立ちます。ただし、最終的に見るべきなのは、自社が返済できる条件かどうかです。銀行の平均金利、公庫の利率表、信用保証料の料率はそれぞれ役割が違います。数字を比べる前に、自社の借入先、返済期間、担保、保証料の有無をそろえる必要があります。

利息は、借入残高、年利、借入日数で概算できます。しかし、実際の返済では元本が毎月減るため、返済予定表で確認するのが安全です。仕訳では、借入元本は短期借入金または長期借入金、利息は支払利息として分けます。保証料や消費税区分も含めて整理しておくと、融資を受けた後の月次管理がしやすくなります。

金利は少しでも低い方が望ましいですが、低金利だけが良い融資条件とは限りません。毎月返済額が無理なく払えるか、投資した資金が売上や利益に結びつくまで資金繰りが持つか、会計処理まで正しく追えるか。融資を検討するときは、相場を見ることから始め、返済できる設計に落とし込むことを意識しましょう。

出典・参考資料

  1. 「Average Contract Interest Rates on Loans and Discounts (April 2026)」日本銀行 ↩

  2. 「金利情報 小規模事業者/個人事業主の方【国民生活事業】」日本政策金融公庫 ↩

  3. 「信用保証料」一般社団法人 全国信用保証協会連合会 ↩

  4. 「信用保証料率一覧表」埼玉県信用保証協会 ↩

  5. 「金利情報 中小企業の方【中小企業事業】」日本政策金融公庫 ↩

  6. 「返済シミュレーション(事業資金用)」日本政策金融公庫 ↩

  7. 「中小企業の会計に関する基本要領」中小企業庁 ↩

  8. 「支払利息 - 勘定科目集 │ 税務コンテンツ」関東信越税理士会 ↩

  9. 「No.6221 預金や貸付金の利子など」国税庁 ↩

  10. 「第2節 金利・為替・物価」中小企業庁 ↩

執筆者:補助金フラッシュ 士業編集部

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執筆者
補助金フラッシュ 士業編集部
公開日: 2026年6月13日

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