補助金特集industry

福井県の製造業が設備投資に使える補助金6選——最大2,400万円の制度も

福井県の製造業が申請できる設備投資・技術開発向けの補助金を6件紹介。最大2,400万円の制度や伝統工芸品向けの支援も。眼鏡・繊維産業の経営者にも対応。

福井県の製造業が設備投資に使える補助金6選——最大2,400万円の制度も

眼鏡フレームや繊維、漆器といった福井県のものづくり産業は、長い歴史と高い技術力を誇る一方で、生産設備の老朽化や新技術への対応といった課題を抱えています。設備の入れ替えや技術開発に投資したいと考えていても、どの補助金が自社に合うのか整理しきれていない製造業の経営者も少なくありません。
この記事では、福井県の製造業が申請できる設備投資・技術開発向けの補助金6件を紹介します。対象者・補助金額を制度ごとに整理しているので、自社に合う制度をすぐに確認できます(補助金検索フラッシュ掲載データ、2026年4月時点)。伝統的工芸品の製造事業者が使える支援制度も含めて取り上げます。

福井県の製造業が使える返済不要の補助金6選

ここで紹介する6件はすべて返済不要の補助金・助成金です。細かい要件等については各支援事業の募集要項でご確認ください。公募は定期的に更新されるため、最新の募集状況は公式ページでご確認ください。

産学官連携による技術開発では最大2,400万円、県外企業の福井市への拠点展開では最大1,500万円といった規模の制度もあります。事業の段階や目的に合わせて、自社に合う制度を見つけてください。

県内産業価値づくり支援事業補助金 1

福井県内の企業が大学や産業技術総合研究所(産総研)などの研究機関と連携し、成長産業分野における可能性調査や新技術・新製品の研究開発を行う事業を支援する補助金です。対象経費には技術開発費や試作品開発費のほか、販路開拓費も含まれています。

この制度にはA型(可能性調査)とB型(技術開発)の2つの枠があり、それぞれ補助率や上限額が異なります。B型では最大2年間の継続支援が受けられるため、眼鏡部品の新素材開発や繊維加工の新技術研究など、長期的な製品開発にも対応できます。脱炭素関連の技術開発であれば大企業も対象になる点が他の制度にはない特徴です。なお、申請には事前相談の実施と申請意思表明書の提出が必要で、意思表明書の期日は2026年4月13日までとなっています。

項目内容
対象者A型(可能性調査)は県内企業、B型(技術開発)は県内中小企業(脱炭素関連技術は県内大企業も可)。事前相談と申請意思表明書の提出が必要
補助率・金額の上限A型は2/3〜3/4以内で上限200万円〜250万円、B型は3/4〜4/5で年間上限1,000万円〜1,200万円(最大2年で2,400万円)
補助金詳細ページ県内産業価値づくり支援事業補助金

サテライトオフィス立地助成金 2

福井市が県外の事業者を対象に交付する助成金で、福井市内へのサテライトオフィスの立地とU・Iターンの促進を目的としています。オフィスの整備費や運営費、通信回線費のほか、U・Iターン者の雇用に対する奨励金、子育て世帯の雇用に対する加算、住居賃借料の加算など、複数の助成メニューが用意されています。

製造業の経営者にとって注目したいのは、通信回線費が全額助成される点です。また、U・Iターン者1名につき30万円の雇用奨励金が支給されるうえ、子育て世帯を雇用した場合は子の人数に応じて追加の加算があります。県外に本社を持つ製造業の企業が、福井市にIT部門や設計部門のサテライトオフィスを設ける場合に活用しやすい制度です。通年で募集しており、2028年3月末まで申請を受け付けているため、計画にゆとりを持って準備できます。

項目内容
対象者県外に本社・事務所を有し、福井市にサテライトオフィスを立地する事業者。製造業を含む幅広い業種が対象。事業開始から1年以内にU・Iターン者1名以上または新規雇用者3名以上の雇用が条件
補助率・金額の上限助成対象経費の50%(通信回線料は100%)、U・Iターン者1名以上の場合は上限750万円、新規雇用者3名以上の場合は上限1,500万円。雇用奨励金は別途上限270万円
補助金詳細ページサテライトオフィス立地助成金

伝統的工芸品を製造している事業者には、設備復旧や販路開拓に特化した支援制度も用意されています。

伝統的工芸品産業支援補助金(災害復興事業) 3

令和6年の能登半島地震や大雨災害で被災した地域の伝統的工芸品製造事業者を対象に、事業再開に必要な経費を国が補助する制度です。被災によって損傷した生産設備の整備や、調達が困難になった原材料の確保に要する経費が対象となっています。

福井県は越前漆器、越前打刃物、越前和紙など多くの伝統的工芸品の産地です。この制度は伝産法に基づき指定された伝統的工芸品を製造する事業者が対象で、補助率3/4、上限1,000万円という手厚い内容になっています。個々の製造事業者だけでなく、特定製造協同組合やそのグループ単位でも申請できるため、産地全体の復興を進める際に組合が取りまとめ役となって活用することも可能です。被災地域の範囲は新潟県、富山県、石川県、福井県の4県が対象とされています。

項目内容
対象者伝産法に基づく伝統的工芸品の製造事業者、特定製造協同組合等およびその構成員で、令和6年の災害により生産設備等に被害を受けた者
補助率・金額の上限3/4、上限1,000万円
補助金詳細ページ伝統的工芸品産業支援補助金(災害復興事業)

伝統工芸品販売ブーストアップ事業補助金 4

福井県内の伝統工芸事業者が、首都圏や福井駅前、軽井沢などの新幹線駅前や周辺観光地で個展・展示会・販売会を開催する際のPR・販売活動の経費を支援する制度です。新たな出展先での取り組みを優先的に評価する方針が設けられており、毎年同じ催事への定例出展は原則として対象外となっています。

北陸新幹線の延伸で首都圏からのアクセスが格段に向上したいま、越前漆器や若狭塗箸などの伝統工芸品を県外の消費者に直接PRできる機会が増えています。この制度は個人事業主の職人や作家も申請可能で、法人だけでなく幅広い担い手が活用できます。1〜3回目の出展では補助率3/4、上限50万円、4回目でも補助率1/2、上限30万円の支援が受けられます。複数の事業者が共同で出展する場合は、構成の半数以上が伝統工芸事業者であれば対象です。

項目内容
対象者福井県内に本社を有する伝統的工芸品・郷土工芸品の製造事業者(日本標準産業分類 大分類E)および卸売業(大分類I)、個人事業主の職人・作家、共同出展団体
補助率・金額の上限3/4(1〜3回目)または1/2(4回目)、上限50万円(1〜3回目)または30万円(4回目)
補助金詳細ページ伝統工芸品販売ブーストアップ事業補助金

宿泊事業への多角化を視野に入れている場合は、大型の設備投資向け補助金も確認しておきたいところです。

多様な宿泊施設整備支援事業 5

北陸新幹線の県内開業や中部縦貫自動車道の全線開通を見据え、上質な宿泊施設を整備する県内の宿泊事業者を支援する補助事業です。施設全体の改修・整備に対して補助率1/2、上限6,000万円という大規模な支援が用意されています。

宿泊業向けの制度ですが、製造業の拠点がある地域で産業観光と連動した宿泊施設を整備するケースや、異業種から宿泊事業に新規参入する場合にも活用できます。対象要件として総事業費が2,000万円を超える事業であること、事業後の平均客室単価が2万円以上であること、客室数5室以上を備えていることなどが設定されています。県が選定した専門家の意見を反映して事業を実施する必要があり、キャッシュレス決済やWi-Fi環境、外国語によるサービス説明など、インバウンド対応も求められます。

項目内容
対象者県内で宿泊事業を行う民間事業者または新たに宿泊事業を始めようとする民間事業者。旅館業法の許可取得者または取得予定者で、客室数5室以上が条件
補助率・金額の上限1/2、上限6,000万円
補助金詳細ページ多様な宿泊施設整備支援事業

中小企業者等省エネ設備導入支援事業 6

大野市が実施する、市内の中小企業者等を対象とした省エネ設備導入の支援制度です。LED照明、高効率エアコン、業務用給湯器、業務用冷凍庫・冷蔵庫など、登録型番やトップランナー基準等の要件を満たす省エネ機器の導入・更新にかかる費用の一部を補助します。製造現場では工場の照明や空調の省エネ化によるランニングコストの削減に直結するため、設備投資と経費削減を同時に実現できます。

この制度は補助率1/2、上限100万円で、大野市内に本社を置く法人、大野市内に住所を有する個人、または大野商工会議所の会員で市内に事業所を有する事業者が対象です。申請期間は2026年4月15日から7月31日までとなっています。大規模な設備投資向けの制度ではありませんが、工場の照明をLEDに切り替える、老朽化したエアコンを高効率機種に更新するといった日常的な省エネ投資に活用しやすい制度です。市税の滞納がないことが要件となっています。

項目内容
対象者大野市内に本社を置く法人、大野市内に住所を有する個人、または大野商工会議所会員で市内に事業所を有する事業者
補助率・金額の上限1/2、上限100万円
補助金詳細ページ中小企業者等省エネ設備導入支援事業

申請前に確認しておきたいポイント

対象要件を確認する

まず、自社が対象者の要件を満たしているかを確認しましょう。たとえば県内産業価値づくり支援事業補助金は産学官連携が前提で、大学や研究機関との共同プロジェクトとして申請する必要があります。一方、伝統的工芸品産業支援補助金は伝産法に基づく指定品目の製造事業者に限定されており、眼鏡フレームや繊維など指定外の品目を製造している事業者は対象になりません。サテライトオフィス立地助成金は県外に本社を持つ企業のみが対象です。補助金検索フラッシュなら業種・事業規模・地域で絞り込み、自社に合った制度を確認できます。

書類を準備する

多くの制度で事業計画書の提出が求められます。県内産業価値づくり支援事業補助金では事前相談を実施したうえで申請意思表明書を提出し、その後に本申請という流れになっています。伝統的工芸品産業支援補助金では被災の状況を証明する資料の準備が必要です。サテライトオフィス立地助成金は雇用計画や事業計画を含む各種書類が求められます。書類作成に不安がある場合は、補助金の無料サポートをご利用ください。専門家が補助金の申請をサポートします。

スケジュールを確認する

今回紹介した制度のなかでは、県内産業価値づくり支援事業補助金の申請意思表明書の期日が2026年4月13日と最も間近に迫っています。伝統工芸品販売ブーストアップ事業補助金も4月10日が締切です。伝統的工芸品産業支援補助金は2026年5月29日まで、多様な宿泊施設整備支援事業は7月3日まで申請を受け付けています。電子申請にはGビズIDプライムアカウントが必要で、発行まで数週間かかるため、早めに取得しておくことをおすすめします。GビズIDの取得方法は補助金申請が忙しい時期に慌てないためのGビズIDの先回り準備をご覧ください。

まとめ

この記事では、福井県の製造業が申請できる設備投資・技術開発向けの補助金6件を紹介しました。

この記事で紹介した補助金
  • 県内産業価値づくり支援事業補助金: 産学官連携による技術開発・試作、上限2,400万円(最大2年)
  • サテライトオフィス立地助成金: 県外企業の福井市への拠点展開、上限1,500万円(新規雇用者3名以上の場合)
  • 伝統的工芸品産業支援補助金(災害復興事業): 被災した伝統工芸品製造事業者の設備復旧・原材料確保、上限1,000万円
  • 伝統工芸品販売ブーストアップ事業補助金: 伝統工芸品の展示・販売活動支援、上限50万円
  • 多様な宿泊施設整備支援事業: 上質な宿泊施設の改修・整備、上限6,000万円
  • 中小企業者等省エネ設備導入支援事業: 大野市内の中小企業者向け、省エネ設備導入支援、補助率1/2、上限100万円

産学官連携による新技術開発であれば県内産業価値づくり支援事業補助金、災害で被害を受けた生産設備の復旧であれば伝統的工芸品産業支援補助金、県外から福井市に拠点を展開する場合はサテライトオフィス立地助成金というように、事業の段階や目的によって適切な制度は異なります。

補助率や上限額だけでなく、対象者の条件や申請スケジュールも制度によって大きく違うため、まずは自社の事業計画に合う制度を絞り込むことが第一歩です。気になる制度があれば、各制度の公式ページから最新の公募情報を確認してみてください。


おすすめの補助金詳細ページ:

出典・参考資料

  1. 1.「県内産業価値づくり支援事業補助金」福井県
  2. 2.「サテライトオフィス立地助成金」福井市
  3. 3.「令和8年度 伝統的工芸品産業支援補助金(災害復興事業)の公募について」経済産業省
  4. 4.「令和8年度 伝統工芸品販売ブーストアップ事業補助金について」福井県
  5. 5.「多様な宿泊施設整備支援事業(旅の目的となる上質な宿泊施設)」福井県
  6. 6.「中小企業者等省エネ設備導入支援事業」大野市

都道府県や業種・用途等から補助金を探す

すべてのカテゴリを見る