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栃木県の農業者が設備投資に使える補助金6件——最大1,500万円の制度も

栃木県の農業者が設備投資や施設整備に活用できる補助金6件を紹介。最大1,500万円の制度も含め、対象者・金額を制度ごとに整理しました。

栃木県の農業者が設備投資に使える補助金6件——最大1,500万円の制度も

ビニールハウスの建て替えや省エネ設備への切り替え、作業場の冷蔵・冷凍設備の更新など、農業経営を続けるうえで設備投資は避けて通れません。しかし補助金制度は種類が多く、市町独自の制度から広域の助成事業までさまざまで、自分の経営形態に合う制度を見つけるだけでも手間がかかります。
この記事では、栃木県の農業者や中小事業者が申請できる設備投資関連の補助金5件と支援制度1件を紹介します。対象者・補助金額を制度ごとに整理しているので、自社に合う制度をすぐに確認できます(補助金検索フラッシュ掲載データ、2026年4月時点)。

栃木県の農業者が使える返済不要の補助金5選

以下の制度はいずれも返済不要の補助金です。園芸作物向けの市町補助から関東圏全体を対象とする大規模助成まで、上限額は20万円から最大1,500万円まで幅があります。農業に特化した補助金だけでなく、中小企業全般を対象とした省エネ支援やBCP関連の助成も含まれており、農業法人や個人農家でも条件次第で申請できる制度があります。細かい要件等については各支援事業の募集要項でご確認ください。公募は定期的に更新されるため、最新の募集状況は公式ページでご確認ください。

下野市農業振興補助事業 1

園芸作物の新規導入や規模拡大に必要な施設・資材の購入経費を補助する、下野市独自の事業です。対象経費は施設整備と資材整備の2区分に分かれており、施設整備は購入費の1/3以内で上限50万円、資材整備は1/2以内で上限20万円が支給されます。資材のほうが補助率が高く設定されている点が特徴的です。

この制度が他と大きく異なるのは、個人農業者に加えて営農集団や集落営農組織も対象に含まれている点です。集落単位で施設を共同整備する場合にも活用できます。水稲中心の経営から園芸作物へ転換を検討している農業者や、すでに園芸に取り組んでいて規模拡大を図りたい方にとって使いやすい制度です。栃木県はいちごの生産量が全国トップクラスですが、こうした園芸品目の生産基盤を強化するうえでも有効な支援制度といえます。

項目内容
対象者下野市の個人農業者、営農集団、集落営農組織等で、園芸作物の新規導入や規模拡大を行う方
補助率・金額の上限施設整備は1/3以内(上限50万円)、資材整備は1/2以内(上限20万円)
補助金詳細ページ下野市農業振興補助事業

令和8年度 鹿沼市物価高騰対策経営強化補助金 2

鹿沼市が市内の中小企業を対象に実施している、省エネ設備への買換え支援制度です。物価高騰による経営負担を軽減し、事業継続と経営強化を図ることを目的としています。補助率は1/2以内で上限50万円。対象経費には設備本体の購入費のほか、設置工事費・付帯設備費・リサイクル処理費・消費税まで幅広く含まれており、設備導入に伴うトータルコストをカバーしやすい設計になっています。

農業法人や個人農家であっても、商工会法第2条に規定する商工業者か中小企業支援法に該当する事業者であれば申請が可能です。ここが意外と見落とされやすい点で、農業分野でもハウスの空調設備や冷蔵設備を省エネ性能の高い機種に切り替える場合に活用できます。さらに生ごみ処理機の導入も補助対象に含まれているため、農産物の加工残渣や規格外品の処理コストを抑えたい事業者にも選択肢になります。過去に同補助金の交付決定を受けていないことが要件ですが、令和5年度に交付決定を受けた事業者は一部の対象設備について再申請が認められています。申請期間が2027年1月29日までと長く設定されているため、設備選定に時間をかけられるのも利点です。

項目内容
対象者鹿沼市内に事業所を有する中小企業者(法人・個人事業主)で、省エネ性能を満たす設備への買換えを行う方。市税の滞納処分を受けていないこと
補助率・金額の上限1/2以内、上限50万円
補助金詳細ページ令和8年度 鹿沼市物価高騰対策経営強化補助金

次に紹介する制度は農業に特化したものではありませんが、栃木県の事業者が設備関連で利用できる支援です。

那須町宿泊税レジシステム改修費等補助金 3

那須町が2026年10月の宿泊税導入に伴い、宿泊事業者のレジシステム改修や新規構築にかかる経費を補助する制度です。補助率は1/2で上限100万円と、今回紹介する市町村の補助金のなかでは最も上限額が高い制度になっています。対象経費にはハードウェア・ソフトウェアの購入費やシステム構築費が含まれ、レジシステムの刷新にかかる設備投資全般をカバーする設計です。

農業者が直接使う制度ではありませんが、農泊や民泊を営む農業者は対象になり得ます。那須町で旅館業または民泊を営み、宿泊税の特別徴収義務者として登録申告した事業者が対象です。この制度の面白いところは、既存システムの改修だけでなく新規のシステム構築も補助対象に含まれている点です。宿泊税の導入に合わせて一からレジシステムを整えたい場合にも使えます。ただしクラウド使用料や保守料、打合せの交通費は対象外で、あくまで初期投資を支援する仕組みです。国や県、他の自治体等の補助金と重複して助成を受ける経費も対象外となるため、他の補助金との併用を検討している場合は事前に確認してください。

項目内容
対象者那須町で旅館業または民泊を営み、宿泊税の特別徴収義務者として登録申告した宿泊事業者
補助率・金額の上限1/2、上限100万円
補助金詳細ページ那須町宿泊税レジシステム改修費等補助金

栃木県こども食堂物価高騰対策緊急支援事業費補助金 4

栃木県が物価高騰の影響を受けるこども食堂の運営を支援するための緊急補助金です。対象経費は2つの区分に分かれており、設備導入・備品購入経費は1か所あたり上限45万円、運営費は上限30万円となっています。設備面では冷蔵庫・冷凍庫・電子レンジ・調理器具などの購入費が対象で、運営面では食材費・光熱水費・燃料費などに充てることができます。物価高騰で設備更新を先送りしていた場合に活用できる緊急支援です。

こども食堂を運営する農業者や農村地域の団体・NPO法人も対象に含まれます。地域の子どもたちに地元産の食材を提供するこども食堂を運営している農家にとって、冷蔵・冷凍設備の更新や調理器具の購入に使える制度です。申請時から1年以上かつ月1回以上の活動継続見込みがあること、利用料が無料または実費相当額であることが要件となります。

さらに栃木県こども食堂サポートセンターへの登録と、食品衛生管理および安全管理に努めることも求められます。営利活動や宗教・政治活動を行っていないことも条件に含まれています。補助金の交付申請により開催回数の増加や利用料の減額等が見込めることが必要で、活動の拡充につながる計画を立てておくことが申請のポイントです。

項目内容
対象者栃木県内でこども食堂を運営する個人・団体・NPO法人等。月1回以上の活動を1年以上継続する見込みがあること
補助率・金額の上限設備導入・備品購入は上限45万円、運営費は上限30万円
補助金詳細ページ栃木県こども食堂物価高騰対策緊急支援事業費補助金

危機管理対策促進事業 5

東京都中小企業振興公社が実施する、BCP(事業継続計画)やサイバーセキュリティ対策、LED照明等の節電促進に関する助成事業です。上限額は最大1,500万円と、今回紹介する制度のなかで群を抜いて規模が大きい制度です。栃木県を含む茨城県・群馬県・埼玉県・千葉県・東京都・神奈川県・山梨県の関東圏8都県の事業者が対象となっています。農業専用の制度ではありませんが、中小企業に該当する農業法人であれば申請対象になる可能性があります。

この制度は複数の助成事業を束ねた申請窓口で、BCP実践促進助成金やBCP実践促進助成金(連携型)、サイバーセキュリティ対策促進助成金、LED照明等節電促進助成金が含まれます。農業法人であっても、台風や大雪といった自然災害に備えてBCPを策定・実践する場合や、作業場・選果場のLED照明への切り替えで省エネを図る場合に活用の余地があります。

助成事業が完了した後の事業者変更申請や財産処分申請にも対応しており、助成金を受け取った後の手続き面でも支援が受けられます。申請期間は2029年12月31日までと長期間にわたっているため、設備計画をじっくり練ったうえで活用を検討できます。

項目内容
対象者栃木県を含む関東圏の中小企業で、公社の危機管理対策促進事業の対象となる事業者
補助率・金額の上限上限1,500万円
補助金詳細ページ危機管理対策促進事業

栃木県で利用できるその他の設備関連支援

ここからは、前のセクションで紹介した5件とは別の申請窓口で受け付けている支援制度を紹介します。こちらも返済不要の補助金で、設備導入に活用できる制度です。

令和8年度栃木県こども食堂物価高騰対策緊急支援事業費補助金 6

前述のこども食堂支援事業と同じ栃木県の事業ですが、こちらは別の申請窓口として登録されている制度です。設備導入・備品購入経費と運営費の2つの区分があり、設備関連は上限45万円、運営費は上限30万円が設定されています。補助の対象となる設備には冷蔵庫・冷凍庫・電子レンジ・調理器具などが含まれ、運営費としては食材費や光熱水費、燃料費などが認められています。

栃木県内でこども食堂を運営する団体や個人が対象です。交付申請により開催回数の増加や利用料の減額等が見込めることが要件で、補助金を受けることで活動が拡充される見通しを示す必要があります。こども食堂の利用料は無料または実費相当額であることが条件に含まれており、営利目的の飲食事業とは明確に区別されています。

農村部で食育活動の一環としてこども食堂を運営している農業者であれば、地域の子どもたちに安全で新鮮な食材を提供するための調理設備や保管設備の整備に活用できます。収支について明確に把握し報告できることも求められるため、日頃から経理をしっかり管理しておくことが大切です。食品衛生管理および安全管理に努めていることも要件の一つとなっています。こども食堂を運営している方は、前述の制度とあわせて申請窓口を確認し、利用しやすい方から申請を進めるとよいでしょう。申請期間は2026年6月1日までですので、早めに準備を始めてください。

項目内容
対象者栃木県内でこども食堂を運営する個人・任意団体等。1年以上かつ月1回以上の活動継続見込みがあること
補助率・金額の上限設備導入・備品購入は上限45万円、運営費は上限30万円
補助金詳細ページ令和8年度栃木県こども食堂物価高騰対策緊急支援事業費補助金

申請前に確認しておきたいポイント

対象要件を確認する

まず、自社が対象者の要件を満たしているかを確認しましょう。下野市農業振興補助事業は下野市の農業者に限定されていますが、鹿沼市物価高騰対策経営強化補助金は鹿沼市内に事業所がある中小企業であれば業種を問いません。危機管理対策促進事業は栃木県を含む関東圏の中小企業が対象です。市町村限定の制度は地域要件を最初に確認してください。補助金検索フラッシュなら業種・事業規模で絞り込み、自社に合った制度を確認できます。

書類を準備する

多くの制度で事業計画書や見積書の提出が求められます。農業振興補助事業では施設・資材の購入に関する見積書が必要になりますし、省エネ設備の補助金では省エネ性能を証明する仕様書の準備が求められます。作成に不安がある場合は、補助金の無料サポートをご利用ください。専門家が補助金の申請をサポートします。

スケジュールを確認する

下野市農業振興補助事業の申請期間は2026年5月31日まで、こども食堂支援事業は2026年6月1日までと、締切が迫っている制度があります。一方、鹿沼市物価高騰対策経営強化補助金は2027年1月29日までと比較的余裕があります。電子申請にはGビズIDプライムアカウントが必要で、発行まで数週間かかります。早めに準備しておきましょう。GビズIDの取得方法は補助金申請が忙しい時期に慌てないためのGビズIDの先回り準備をご覧ください。

まとめ

この記事では、栃木県の農業者や中小事業者が申請できる設備投資関連の補助金6件を紹介しました。園芸作物の施設整備に特化した市町の制度から、BCP策定や省エネ設備導入を支援する広域の制度まで、設備投資の目的によって選べる制度が異なります。

この記事で紹介した補助金
  • 下野市農業振興補助事業: 園芸作物の施設・資材整備、施設は上限50万円、資材は上限20万円
  • 鹿沼市物価高騰対策経営強化補助金: 省エネ設備への買換え、上限50万円
  • 那須町宿泊税レジシステム改修費等補助金: レジシステム改修・構築、上限100万円
  • 栃木県こども食堂物価高騰対策緊急支援事業費補助金: 設備導入・運営費、設備は上限45万円
  • 危機管理対策促進事業: BCP・省エネ・セキュリティ対策、上限1,500万円
  • 令和8年度栃木県こども食堂物価高騰対策緊急支援事業費補助金: 設備導入・運営費、設備は上限45万円

制度ごとに対象地域・対象条件・補助額が大きく異なるため、自社の経営形態や投資計画に合った制度を選ぶことが重要です。特に市町村限定の制度は申請期間が短いものもあるため、気になる制度があれば早めに各制度の公式ページから最新の公募情報を確認してみてください。


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出典・参考資料

  1. 1.「下野市農業振興補助事業」下野市
  2. 2.「令和8年度 鹿沼市物価高騰対策経営強化補助金」鹿沼市
  3. 3.「那須町宿泊税レジシステム改修費等補助金」那須町
  4. 4.「栃木県こども食堂物価高騰対策緊急支援事業費補助金」栃木県
  5. 5.「危機管理対策促進事業」東京都中小企業振興公社
  6. 6.「令和8年度栃木県こども食堂物価高騰対策緊急支援事業費補助金」栃木県

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