電気代やガス代の高騰が続く中、省エネ設備への切り替えを検討しながらも、初期費用の大きさから踏み切れない東京都内の事業者は少なくありません。設備投資のコストを少しでも抑えたいと考えるのは当然のことです。
この記事では、東京都内の事業者が申請できる省エネ・脱炭素関連の返済不要の補助金7件を紹介します。都全域で使える大型制度から区単位の助成まで、対象者・補助率・金額を制度ごとに整理しました(補助金検索フラッシュ掲載データ、2026年4月時点)。
東京都の事業者が使える返済不要の省エネ補助金7選
以下に紹介する補助金はいずれも返済不要です。細かい要件等については、各支援事業の募集要項でご確認ください。公募は定期的に更新されるため、最新の募集状況は公式ページでご確認ください。
令和8年度省エネ型VOC排出削減設備導入促進事業 1
塗装・印刷・ドライクリーニングなどの工程でVOC(揮発性有機化合物)を扱う中小企業向けの補助金です。VOC対策設備の導入と同時に省エネ型の空調・換気設備も対象となるため、大気環境の改善と光熱費の削減を同時に進められる点が特徴的です。
補助率は2/3、上限は2,000万円と、省エネ関連の中でも大型の制度になっています。VOCを扱う工場を都内に持つ事業者であれば、設備更新のタイミングで検討する価値があるでしょう。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象者 | 東京都内で工業塗装・印刷・ドライクリーニング等のVOC取扱工程を持つ中小企業者等 |
| 補助率・金額の上限 | 2/3、上限2,000万円 |
| 補助金詳細ページ | 令和8年度省エネ型VOC排出削減設備導入促進事業 |
サーキュラーエコノミーへの移行推進(公募) 2
プラスチック資源循環に取り組む事業者向けの補助金です。リユースカップの製造や洗浄設備の導入、分別容器の設置など、2R(リデュース・リユース)ビジネスや水平リサイクルの社会実装を支援します。
この制度の大きな特徴は、複数の事業者・団体が連携して実施するプロジェクトが対象になる点です。上限は4,500万円と今回紹介する中で最大規模ですが、補助率は事業開始からの経過年数で段階的に下がる仕組み(1年目1/2、2年目1/3、3年目1/4)になっています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象者 | 複数の事業者・団体が連携し、2Rビジネスや水平リサイクルの社会実装・拡大に取り組む事業体 |
| 補助率・金額の上限 | 1/2(事業開始から1年間。2年目以降は段階的に低減)、上限4,500万円 |
| 補助金詳細ページ | サーキュラーエコノミーへの移行推進(公募) |
ここからは、区単位で利用できる制度を紹介します。
令和8年度千代田区省エネルギー改修等助成制度 3
千代田区が実施する省エネ改修の助成制度です。LED照明、太陽光発電、蓄電システム、窓断熱対策、空調、BEMS(エネルギー管理システム)など、対象機器の幅が広い点が特徴です。
住宅所有者やマンション管理組合だけでなく、区内の中小企業者が事業所ビルの省エネ改修を行う場合も対象になります。補助率は1/2、上限は450万円で、複数の機器を組み合わせた改修にも活用できます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象者 | 千代田区内の住宅所有者、マンション管理組合、区内既存建物の中小企業者(大企業は対象外) |
| 補助率・金額の上限 | 1/2、上限450万円 |
| 補助金詳細ページ | 令和8年度千代田区省エネルギー改修等助成制度 |
BIMを活用した省エネ建築設計・実装支援事業(助成金) 4
建築設計の分野でBIM(三次元設計モデル)を活用し、新築建築物の省エネ設計を行う事業者を対象にした助成金です。環境性能解析ツールの導入費用や操作指導費、関連研修の受講費が補助されます。
意外と知られていないが、この制度は評価段階によって補助率が変わる仕組みです。段階3を取得した場合は2/3、段階1・2の場合は1/3となり、上限は450万円です。設計事務所や建築関連事業者にとって、省エネ設計の導入コストを抑える手段になります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象者 | BIMデータを用いて環境性能解析を行う設計事務所・建築関連事業者 |
| 補助率・金額の上限 | 評価段階3取得時は2/3、段階1・2取得時は1/3、上限450万円 |
| 補助金詳細ページ | BIMを活用した省エネ建築設計・実装支援事業(助成金) |
中小企業省エネ改修等事業費補助金 5
国立市が実施する補助金で、省エネルギー診断の結果に基づいて省エネ設備・機器を導入する中小企業者が対象です。この制度のポイントは、事前に省エネルギー診断を受診していることが申請の条件になっている点です。
東京都地球温暖化防止活動推進センター等の診断を3年以内に受診している必要があります。補助率は1/3、上限は50万円と小規模ですが、診断結果に基づく計画的な省エネ投資を支援する制度として位置づけられています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象者 | 国立市内の中小企業者で、3年以内に省エネルギー診断を受診済みの法人または個人事業者 |
| 補助率・金額の上限 | 1/3、上限50万円 |
| 補助金詳細ページ | 中小企業省エネ改修等事業費補助金 |
設備リニューアル臨時助成金 6
大田区内の中小企業が既存設備を省エネ型や業務改善に資する設備へ更新する際の費用を助成する制度です。ここが他の制度と大きく違う点で、賃上げ(4%以上)を実施する場合は補助率が4/5に優遇されます。
通常の補助率は1/2ですが、賃上げを組み合わせると上限80万円まで4/5の補助率が適用されます。省エネと賃上げを同時に進めたい事業者にとって、使い勝手のよい制度です。ただし交付決定前に契約・購入した設備は対象外となるため注意が必要です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象者 | 大田区内の中小企業で、事業活動に直接使用する設備の更新を行う事業者 |
| 補助率・金額の上限 | 4/5(賃上げ4%以上実施時)、通常は1/2、上限80万円 |
| 補助金詳細ページ | 設備リニューアル臨時助成金 |
令和8年度環境認証等活用促進補助金(ISO等) 7
世田谷区の中小企業がISO14001やエコアクション21、プライバシーマークなどのマネジメントシステム認証を取得・更新する際の経費を補助する制度です。コンサルタント委託費、審査経費、社員研修費、認証登録料が対象になります。
直接的な省エネ設備の導入ではありませんが、ISO14001等の環境認証を取得することで、組織的な省エネ・環境改善の仕組みを構築できるという点でテーマと接点があります。補助率は取得時1/2、更新時1/3で、上限は65万円です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象者 | 世田谷区内に主たる事務所または工場を有し、1年以上操業している中小企業法人 |
| 補助率・金額の上限 | ISO規格認証取得は1/2、更新登録は1/3、上限65万円 |
| 補助金詳細ページ | 令和8年度環境認証等活用促進補助金(ISO等) |
申請前に確認しておきたいポイント
対象要件を確認する
まず、自社が対象者の要件を満たしているかを確認しましょう。今回紹介した制度は、都全域が対象のもの(VOC設備導入促進事業やサーキュラーエコノミー推進)と、千代田区・大田区・世田谷区など特定の区に限定されるものがあります。また、省エネ診断の受診が前提となる制度もあるため、補助金検索フラッシュで業種・事業規模・所在地から絞り込み、自社に合う制度を確認してみてください。
書類を準備する
多くの制度で事業計画書や見積書の提出が求められます。省エネ改修の場合は設備の仕様書や省エネ効果の算定資料が必要になるケースもあります。作成に不安がある場合は、補助金の無料サポートをご利用ください。専門家が補助金の申請をサポートします。
スケジュールを確認する
申請期限は制度ごとに異なります。大田区の設備リニューアル臨時助成金は2026年5月29日が締切で、比較的早めに締め切られます。一方、VOC設備導入促進事業やサーキュラーエコノミー推進は2027年3月末まで受け付けています。電子申請にはGビズIDプライムアカウントが必要で、発行まで数週間かかります。早めに準備しておきましょう。GビズIDの取得方法は補助金申請が忙しい時期に慌てないためのGビズIDの先回り準備をご覧ください。
まとめ
この記事では、東京都の事業者が申請できる省エネ・脱炭素関連の返済不要の補助金7件を紹介しました。上限4,500万円の大型制度から50万円の区単位の助成まで、対象者や補助率は制度ごとに大きく異なります。
- 令和8年度省エネ型VOC排出削減設備導入促進事業: VOC対策と省エネを両立する設備導入、上限2,000万円
- サーキュラーエコノミーへの移行推進(公募): プラスチック資源循環の社会実装を連携事業で推進、上限4,500万円
- 令和8年度千代田区省エネルギー改修等助成制度: LED・太陽光・断熱など幅広い省エネ改修、上限450万円
- BIMを活用した省エネ建築設計・実装支援事業(助成金): BIM活用の環境性能解析ツール導入、上限450万円
- 中小企業省エネ改修等事業費補助金: 省エネ診断に基づく設備導入(国立市)、上限50万円
- 設備リニューアル臨時助成金: 省エネ型設備への更新、賃上げで補助率優遇(大田区)、上限80万円
- 令和8年度環境認証等活用促進補助金(ISO等): ISO14001等の認証取得・更新(世田谷区)、上限65万円
自社の所在地と事業内容に合った制度を選ぶことが重要です。気になる制度があれば、各制度の公式ページから最新の公募情報を確認してみてください。
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