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令和6年能登半島地震等 営業再開支援補助金とは?令和8年度の対象者と申請手順

令和6年能登半島地震等 営業再開支援補助金の対象者、補助率、対象経費、令和8年度の締切、申請書類、実績報告の注意点を解説します。既存店舗の修繕や賃借料が対象外となる点も確認できます。

令和6年能登半島地震等 営業再開支援補助金は、地震や奥能登豪雨で被害を受けた事業者が、仮店舗や仮作業場などを整備して営業を再開するための補助金です。令和8年度も募集が継続されており、15次から19次までの受付締切が設定されています。
この補助金で重要なのは、本復旧ではなく、早期の営業再開に向けた仮施設等の整備を支援する制度だという点です。既存建物の修繕費、仮店舗の賃借料、一般的な営業車両などは対象外になるため、申請前に対象経費を丁寧に確認する必要があります。
本記事では、令和8年度の公募要領と実施要領をもとに、対象者、補助率、対象経費、申請書類、実績報告までの流れを解説します。

項目内容
制度名(正式名称)令和6年能登半島地震等 営業再開支援補助金
対象年度/公募回令和8年度 15次から19次受付
最終更新日2026年6月1日
所管/実施機関/事務局石川県 商工労働部 経営支援課 / 営業再開支援補助金事務局(石川県商工会連合会内)
補助上限額/補助率単独申請は上限300万円。小規模事業者は2/3以内、中小企業は1/2以内。共同申請は300万円×事業者数で、上限3,000万円、最大10者まで
申請期間(開始/締切)申請受付開始は令和8年4月1日。15次締切は令和8年4月30日、16次締切は令和8年6月30日、17次締切は令和8年8月31日、18次締切は令和8年10月30日、19次締切は令和8年12月4日。いずれも郵送は締切日当日消印有効
公式一次資料(PDF/Word)のリンク集公式ページ 2026年4月版 HTML / 公募要領 R8年4月1日更新 PDF / 実施要領 R8年4月1日更新 PDF / 交付申請書 第1号様式 PDF / 実績報告書 第3号様式 PDF
免責申請可否や経費判断は、当該年度の募集要領・交付要綱等と事務局の案内で最終確認してください。

制度の全体像

早期の営業再開に必要な仮施設整備を支援する制度

令和6年能登半島地震等 営業再開支援補助金は、令和6年能登半島地震と令和6年奥能登豪雨により、店舗や事業所などが損壊した中小企業者や小規模事業者等の営業再開を支援する制度です。公募要領では、営業再開の取組に要する経費の一部を補助する制度として説明されています。1

支援の中心は、仮店舗、仮事務所、仮作業場、仮倉庫、キッチンカーなど、営業を再び始めるための仮施設等です。つまり、被災した建物を元通りに直すための補助金ではなく、営業を止めたままにしないための仮復旧に近い支援です。

この違いを理解しないまま申請すると、既存店舗の修繕費、仮店舗の家賃、一般車両の購入費などを計画に入れてしまい、対象経費から外れるおそれがあります。補助金額だけを見るのではなく、まずは自社の取組が営業再開に向けた仮施設等の整備にあたるかを確認してください。

なりわい再建支援補助金との違い

能登半島地震関連の事業者向け支援には、石川県なりわい再建支援補助金など、似た名称の制度があります。営業再開支援補助金は、早期の営業再開に向けた仮復旧の取組が中心です。一方で、被災した施設や設備の本格的な復旧を検討する場合は、別の補助金が適することがあります。

公募要領の計画例でも、飲食業がコンテナを購入して仮営業を行い、将来的に別制度で本復旧を図る流れが例示されています。営業再開支援補助金は、営業再開のための一時的な整備を支援する位置づけとして理解すると、制度の使い分けがしやすくなります。1

制度の選び方は、被害状況、実施したい取組、対象経費の性質によって変わります。石川県の公式ページには、使える補助金チェックチャートも掲載されていますので、複数制度の対象になりそうな場合は、申請前に確認しておきましょう。2

申請できる事業者

被害判定と事業所所在地

補助対象者は、令和6年能登半島地震または令和6年奥能登豪雨により一定以上の被害を受けた、石川県内に事業所を有する事業者です。公募要領では、被害を証明する資料として、市町が発行する被災証明や罹災証明等が求められ、半壊以上の判定が必要です。1

令和6年奥能登豪雨については、対象市町として七尾市、輪島市、珠洲市、志賀町、穴水町、能登町が示されています。奥能登豪雨への対応ページでも、これらの市町で被害を受けた事業者が対象になると案内されています。3

被災証明や罹災証明等に被災の程度の記載がない場合、公募要領は、建築士等の専門家による被災を証する書類の提出を求めています。市町の証明書だけで十分か、追加資料が必要かは、手元の証明書の記載内容を見て判断してください。1

中小企業者と小規模事業者の判定

補助率は、小規模事業者か中小企業者かで変わります。小規模事業者は2/3以内、中小企業者は1/2以内です。自社の業種と従業員数によって区分が変わるため、補助額の見込みを出す前に、まず区分を確認する必要があります。1

区分業種基準
中小企業者製造業その他資本金または出資総額3億円以下、または常時使用する従業員300人以下
中小企業者卸売業資本金または出資総額1億円以下、または常時使用する従業員100人以下
中小企業者小売業資本金または出資総額5,000万円以下、または常時使用する従業員50人以下
中小企業者サービス業資本金または出資総額5,000万円以下、または常時使用する従業員100人以下
小規模事業者商業・サービス業。ただし宿泊業・娯楽業を除く常時使用する従業員5人以下
小規模事業者宿泊業・娯楽業常時使用する従業員20人以下
小規模事業者製造業その他常時使用する従業員20人以下

この表は、補助率の判定に直結します。業種判定は、被災前の事業だけでなく、仮店舗等で予定している業態も含めて確認が必要になる場合があります。

常時使用する従業員数から除外される人もあります。公募要領では、会社役員、個人事業主本人と同居の親族従業員、育児休業中や介護休業中などの職員、一定の短時間労働者などについて、常時使用する従業員数に含めない扱いを示しています。1

補助対象になり得る者と対象外の者

公募要領は、補助対象になり得る者と対象にならない者を分けて示しています。申請できるかどうかは、法人格や事業内容によって変わります。

区分主な内容
補助対象になり得る者会社および会社に準ずる営利法人、個人事業主、一定の要件を満たした特定非営利活動法人、商工会、商工会議所
補助対象にならない者医師、歯科医師、助産師、系統出荷による収入のみである個人農業者、協同組合等の組合、一般社団法人、公益社団法人、一般財団法人、公益財団法人、医療法人、宗教法人、学校法人、農事組合法人、社会福祉法人、創業予定者、任意団体

補助対象になり得る者に入っていても、被害判定、事業再建計画、対象経費などの要件を満たさなければ採択にはつながりません。

特定非営利活動法人は、法人税法上の収益事業を行っていること、認定特定非営利活動法人ではないことなどの条件があります。農業、林業、水産業についても、系統出荷による収入のみの場合は対象外ですが、農作物の加工や料理の提供などに必要な経費は対象になり得ます。1

対象外になる主なケース

補助対象者の基本要件を満たしていても、公募要領が掲げる除外要件にあたる場合は対象外です。みなし大企業、不正受給や税の滞納、風俗営業の一部、暴力団関係、県外移転が明確な場合などは注意が必要です。1

確認項目対象外になる例
みなし大企業発行済株式または出資総額の2分の1以上を同一の大企業が所有している中小企業
みなし大企業発行済株式または出資総額の3分の2以上を大企業が所有している中小企業
みなし大企業大企業の役員または職員を兼ねる者が役員総数の2分の1以上を占める中小企業
不正や滞納国や地方公共団体等の補助金で不正経理や不正受給を行ったことがある場合、法人税等の滞納がある場合
事業内容風俗営業等の一部、性風俗関連特殊営業を営む場合
反社会的勢力役員等が暴力団員である場合、暴力団等が経営に実質的に関与している場合など
移転方針主たる事業場等の石川県外移転を行うことが明確な場合

この表に該当しない場合でも、申請書類の不備や経費の対象外判断によって採択されないことがあります。形式要件と経費要件の両方を確認しましょう。

補助額と補助率

単独申請の場合

単独申請の補助上限額は300万円です。補助率は、小規模事業者が2/3以内、中小企業者が1/2以内です。補助金額は千円未満切捨てとなります。1

申請者区分補助率補助上限額
小規模事業者2/3以内300万円
中小企業者1/2以内300万円
商工会・商工会議所2/3以内300万円

たとえば、小規模事業者が税抜450万円の対象経費を計上する場合、補助率2/3をかけると300万円となり、上限内に収まります。一方、中小企業者が同じ税抜450万円の対象経費を計上する場合は、補助率1/2で225万円が計算上の補助額になります。

補助対象経費は、消費税および地方消費税を除いた額です。見積書、請求書、経費明細を作る段階で、税込額と税抜額を混同しないようにしてください。1

共同申請の場合

複数の事業者が連携して取り組む共同事業の場合、補助上限は300万円に事業者数を掛けた合計額です。ただし、3,000万円を上限とし、最大10者までです。1

共同申請では、規約の整備も必要です。公募要領では、規約に最低限盛り込むべき項目として、構成員と目的、全構成員の役割分担、費用負担の方法、共同利用する財産の管理方法を示しています。1

共同で仮店舗や仮作業場を整備する場合、誰が代表して支払うのか、どの事業者がどの費用を負担するのか、取得した財産をどう管理するのかを申請前に決めておく必要があります。後から費用負担を決める形にすると、経費明細や実績報告の整合が取りにくくなります。

補助対象事業と対象経費

対象になる事業の考え方

補助対象になる事業は、営業再開に向けた事業再建計画に基づく取組です。公募要領は、申請する補助事業計画が、事業実施期間内に完了できる営業再開の取組であることを求めています。1

対象になり得る取組注意点
仮店舗や仮事務所の設置コンテナ購入や簡易な建築物の建築などが例示されています
仮作業場や仮倉庫の整備既存店舗等の片付けに必要な保管用倉庫等も例示されています
キッチンカー用車両の購入仮店舗として機能しない一般車両は対象外です
営業再開のためのパソコン等の購入1者1台、補助上限10万円。機器購入のみの申請は対象外です
奥能登豪雨で被災した仮設施設等の復旧地震を契機に本補助金で整備した仮設施設等が豪雨で被災した場合に限られます

営業再開と関係のない設備投資は対象外です。売上拡大や新規事業のための投資ではなく、被災後に営業を再び始めるための仮復旧として説明できるかが大切です。

施設等整備費

施設等整備費は、仮店舗等としてのコンテナ等の設置、仮作業場等の簡易な建築物の建築、仮倉庫の設置などに必要な経費です。公募要領では、新たに施設を整備する場合や、既存施設を増築・増床する場合が対象になり、既存施設等の修繕は対象外です。1

対象になり得る経費例対象外になりやすい経費例
コンテナや倉庫の設置営業再開に結びつかない施設等の整備
工事費用、内装外装費用等を含むコンテナ等の整備事業用途以外の施設等の設置
簡易な建築物等の建築既存施設の修繕や解体工事
建物の増築や増床賃貸物件の賃借料
仮店舗と一体の設備や装飾の施工コンテナや倉庫等のレンタル料、宿舎の整備

仮店舗内の内装工事は原則対象外ですが、施設整備と一体のものは対象になり得ます。ただし、内装工事は別の補助制度の対象になる場合もあるため、経費を明確に分けて検討する必要があります。1

中古物件の購入も対象になり得ますが、不動産業者や専門店等で購入する必要があります。個人からの購入は対象外です。また、土地購入費も対象外です。1

車両購入費

車両購入費は、キッチンカーや移動販売車など、仮店舗等として機能する車両の購入に必要な経費です。営業車を含む一般車両は対象外です。1

対象になり得る車両対象外になりやすい車両や費用
キッチンカー仮店舗としての機能を持たない一般車両
移動販売車営業車として使うだけの車両
仮店舗として整備された車両車両の内装や改造工事費
中古のキッチンカー等個人から購入した中古車

実績報告では、購入車両が事業用車両として整備されていることを示す写真、内装や改造工事の契約書等が必要です。公募要領は、車両購入費のみを対象とし、内装や改造工事は対象外としています。1

中古車の購入も対象になり得ますが、中古車販売店等で購入する必要があります。個人からの購入は対象外です。これは、支払先や価格の妥当性、証憑の確認をしやすくするために重要な点です。

機械装置費

機械装置費は、営業再開に必要なパソコンや複合機等の購入に関する経費です。ただし、公募要領では、パソコン等の機器購入について、1者1台、補助上限10万円、機器購入のみの申請は不可という条件が示されています。1

対象になるかどうかは、営業再開に不可欠な機器かどうかで見ます。単に業務効率化のために機器を追加する場合や、営業再開と直接関係しない機器をまとめて購入する場合は、対象外になる可能性があります。

確認項目注意点
購入目的営業再開に必要な機器であることを計画書で説明します
台数パソコン等は1者1台が前提です
補助上限機器購入分は補助上限10万円です
申請内容機器購入のみの申請は認められていません
対象外例消耗品、事務用品、ソフトウェア、既存ソフトウェアの更新料など

パソコンや複合機は使いやすい経費に見えますが、この補助金の中心は仮施設等の整備です。機器だけを買う計画にすると制度の目的から外れるため、仮店舗や仮作業場などの営業再開の取組と一体で説明してください。

仮設施設等の復旧費

仮設施設等の復旧費は、令和6年能登半島地震の被害を受けて、この補助金で仮設施設等を整備した事業者が、令和6年奥能登豪雨でその仮設施設等に被害を受けた場合に対象となる経費です。修繕、建替、買替、クリーニング、消毒などが対象になり得ます。1

この経費区分は、すべての申請者が使えるわけではありません。地震を契機に本補助金で整備した仮設施設等があり、その施設等が奥能登豪雨で被害を受けた場合に限られます。

対象になり得る経費提出時に必要な確認
仮店舗として設置したコンテナの修繕費豪雨による被害が分かる写真等
キッチンカー等の修繕費や買替費復旧後の写真等
営業再開のために購入した機械装置の修繕費や買替費見積書、発注書または契約書、請求書、支払証憑など
クリーニングや消毒費用復旧内容と支払金額を確認できる資料

公募要領では、この場合の豪雨被害確認について、罹災証明や被災証明書でなくても、写真等でよいとしています。とはいえ、写真だけで十分かどうかは案件によって変わるため、被害状況、復旧前後の状態、支払資料を一式で残しておくことが重要です。1

対象外になりやすい経費

この補助金で特に注意したいのは、営業再開に必要そうに見えても、制度上は対象外になりやすい経費があることです。公式ページでも、施設等整備が対象であり、既存建物の修繕費や仮店舗の賃借料等は対象外と案内しています。4

経費対象外になりやすい理由
既存店舗の修繕費本補助金は仮施設等の整備を支援する制度であり、既存施設等の修繕は対象外です
仮店舗の賃借料施設等整備が対象であり、賃借料やレンタル料は対象外です
一般車両の購入費仮店舗等として機能しない車両は対象外です
車両の内装や改造工事費車両購入費のみが対象で、内装や改造工事は対象外です
機器購入のみの申請パソコン等の機器購入だけの申請は認められていません
土地購入費中古物件の購入が対象になり得る場合でも、土地購入費は対象外です
個人からの中古物件や中古車の購入不動産業者、専門店、中古車販売店等での購入が求められます

対象外経費を計画に含めると、補助金額が想定より下がるだけでなく、申請全体の説得力にも影響します。見積を取る前に、経費区分ごとの対象範囲を確認してください。

申請期間と補助対象期間

令和8年度の受付締切

令和8年度の公募は、令和8年4月1日に申請受付が始まり、15次から19次までの受付締切が設けられています。各受付締切ごとに審査を行い、採否を決定します。1

受付回締切日提出方法の注意
15次令和8年4月30日郵送は締切日当日消印有効
16次令和8年6月30日郵送は締切日当日消印有効
17次令和8年8月31日郵送は締切日当日消印有効
18次令和8年10月30日郵送は締切日当日消印有効
19次令和8年12月4日郵送は締切日当日消印有効

2026年6月1日時点では、15次の受付は終了しており、16次以降の締切が残っています。公開情報は更新されることがあるため、申請前に石川県の公式ページと公募要領を確認してください。

事業完了と実績報告の期限

15次から19次の交付決定者について、補助対象期間は、交付決定日から最長で令和9年1月29日までです。今回は特例として、能登半島地震や奥能登豪雨により被災した日以降の補助事業開始日まで遡って対象にできる扱いがあります。1

実績報告書は、事業完了から1か月以内、または令和9年2月26日のいずれか早い日までに提出する必要があります。実施要領でも、実績報告の期限は事業完了日から1か月以内または令和9年2月26日のいずれか早い日とされています。5

項目期限
補助対象期間の終期令和9年1月29日
実績報告書の提出期限事業完了日から1か月以内または令和9年2月26日のいずれか早い日
支払と事業遂行の完了補助事業実施期限までに完了が必要

公式ページの本文には、実績報告の年表記について公募要領と一致しない箇所が見られます。申請実務では、PDF版の公募要領と実施要領の期限を確認し、迷う場合は事務局へ確認してください。

遡及適用の考え方

通常の補助金では、交付決定前に発注や支払をした経費は対象外になりやすいですが、この補助金では特例があります。公募要領は、令和6年1月1日の能登半島地震および令和6年9月21日から23日の奥能登豪雨により被災した日以降に実施し、発生した経費を遡って補助対象経費として認める扱いを示しています。1

ただし、遡及できるからといって、どの経費でも対象になるわけではありません。使用目的が事業遂行に必要で明確に特定できること、対象期間中に支払が完了すること、証拠書類等で支払金額が確認できることが必要です。1

すでに支出済みの経費を申請する場合は、見積書、発注書や契約書、納品書、請求書、振込受領書、写真などが残っているかを確認してください。証拠書類が不足すると、対象経費として認められない可能性があります。

申請書類と提出方法

交付申請でそろえる書類

交付申請書等の提出書類は、各受付締切日までにすべてそろえて郵送します。公式ページと公募要領では、交付申請書、宣誓・同意書、役員等名簿、経費明細、決算書等、被災を証明する資料、見積書やカタログ等が挙げられています。41

書類内容
申請書類一式交付申請書、申請企業概要、事業再建計画、補助申請額
宣誓・同意書第1号様式 別紙1。自筆が必要です
役員等名簿第1号様式 別紙2。個人事業主は事業主本人を記載します
経費明細第1号様式 別紙3
決算書等法人と個人事業主で提出資料が異なります
被害を証明する資料罹災証明、被災証明等。必要に応じて専門家による被災を証する書類
見積書やカタログ等経費の根拠が確認できる資料

早期に営業再開してもらう目的から、2社以上の見積書提出は求められていません。1者見積もりで申請できますが、見積内容、金額、仕様、支払先の妥当性を説明できるようにしておくと安心です。1

法人と個人事業主で異なる決算資料

決算書等は、法人と個人事業主で提出資料が異なります。共同申請の場合は、1者につき1部の提出が必要になる書類もあります。1

申請者提出する決算資料の例
法人直近1期分の決算書、法人税申告書別表一のコピー。電子申告の場合は受信通知も提出
個人事業主で青色申告直近1期分の所得税青色申告決算書一式、確定申告書第一表のコピー。電子申告の場合は受信通知も提出
個人事業主で白色申告直近1期分の収支内訳書、確定申告書第一表のコピー。電子申告の場合は受信通知も提出

確定申告書や決算書の控えが手元にない場合、申請準備に時間がかかることがあります。締切直前に不足が分かると間に合わないため、最初に決算資料を確認してください。

提出先と問い合わせ先

申請書類は郵送で提出します。封筒には、営業再開支援補助金申請書類在中と記載します。提出先は、金沢市鞍月2丁目20番地 石川県地場産業振興センター新館3階 営業再開支援補助金事務局です。1

項目内容
提出先〒920-8203 金沢市鞍月2丁目20番地 石川県地場産業振興センター新館3階 営業再開支援補助金事務局
提出方法郵送
封筒記載営業再開支援補助金申請書類在中
問い合わせ先営業再開支援補助金事務局 0120-046-768
対応時間10時から17時まで。土日祝日を除く

郵送提出では、到着日ではなく当日消印有効の扱いが重要です。ただし、書類不足があると受理や審査に影響するため、余裕を持って発送してください。

採択審査と交付決定後の流れ

書類審査で見られる点

採択審査は非公開で、提出資料により行われます。提案内容に関するヒアリングは実施されません。公募要領の審査基準は、必要な提出資料がすべて提出されていること、補助対象者、補助対象事業、補助内容、補助対象経費の要件や記載内容に合致すること、営業再開に向けた取組として適切であることです。1

審査で見られる点申請前の確認
提出資料の充足申請書類、証明書、見積書、決算資料がそろっているか
対象者要件被害判定、事業所所在地、中小企業者や小規模事業者の区分を満たすか
対象事業営業再開に向けた仮復旧の取組になっているか
対象経費公募要領の経費区分に合っているか
計画の適切性営業再開の時期、仮復旧、本復旧の流れが説明できているか

ヒアリングがないため、申請書類の中で説明しきることが大切です。特に、事業再建計画では、被災状況、営業再開のために必要な仮施設、将来の本復旧の方向性をつなげて書く必要があります。

後払いである点

補助金の支払は、取組終了後の精算払、つまり後払いです。公募要領でも、補助金の支払は取組終了後の精算払のみと記載があります。実施要領でも、補助金は交付すべき額を確定した後に支払う扱いです。15

段階主な内容
申請必要書類を作成し、締切までに郵送
審査受付締切ごとに採否を決定
交付決定採択後、交付決定の通知を受ける
事業実施仮店舗、仮作業場、キッチンカー等の整備を進める
実績報告支払証憑、写真、請求書などを提出
額の確定事務局が書類検査や必要に応じた現地調査を行う
支払確定後、請求書の内容に従って補助金が支払われる

後払いであるため、先に支払う資金を用意する必要があります。補助金が入金される前提で発注してしまうと、資金繰りに支障が出る場合があります。金融機関への相談や支払時期の調整も含め、資金計画を作ってから申請しましょう。

実績報告で必要になる書類

実績報告では、補助事業を実施したこと、対象経費を支払ったこと、成果物が確認できることを示します。公募要領は、実績報告書、支出ごとの最終見積書、発注書または契約書、納品書、請求書、振込受領書等、成果物見本や写真等、請求書、振込先口座の通帳コピーを挙げています。41

実績報告書類確認ポイント
実績報告書事業内容、経費、補助金額、事業実施時期を記載します
最終見積書申請時点から変更がある場合に必要です
発注書または契約書施設整備や車両購入などの発注内容を示します
納品書または完了報告書納品や工事完了を確認します
請求書支払先、金額、内容を確認します
振込受領書等銀行振込、クレジット、電子マネー、現金など支払方法に応じて証憑が必要です
写真等整備した施設、購入車両、機械装置、復旧後の状態を示します
請求書と通帳コピー補助金の支払先口座を確認します

1取引10万円超の支払は、原則として銀行振込です。小切手や手形による支払は不可です。証憑の宛名は申請者名と同一である必要があります。1

実務上つまずきやすいポイント

既存建物の修繕を入れてしまう

この補助金で最も間違えやすいのは、既存店舗の修繕費を入れてしまうことです。被災した店舗を直す費用は必要性が高い一方で、営業再開支援補助金では、既存施設等の修繕は対象外です。1

申請書では、仮店舗、仮作業場、仮倉庫などの整備にあたる費用かどうかを確認してください。既存店舗の修繕や本格復旧を中心に考えている場合は、別の制度の対象になる可能性があります。

これは制度要件ではありませんが、実務上は、見積書の項目名を見ただけで仮施設等の整備内容が分かるようにしておくと確認が進めやすくなります。工事一式のような表記だけでは、対象経費と対象外経費の区別が難しくなります。

見積や支払証憑が不足する

申請時には2社以上の見積書は求められていませんが、経費の根拠が確認できる見積書やカタログ等は必要です。実績報告では、発注書、契約書、納品書、請求書、振込受領書等も確認されます。1

すでに着手済みの経費を申請する場合、当時の見積書や請求書が残っていないケースがあります。遡及適用があっても、証拠書類で支払金額や内容を確認できなければ、対象経費として扱いにくくなります。

これは制度要件ではありませんが、申請前に、経費ごとの証憑一覧を作ると不足に気づきやすくなります。施設整備、車両購入、機械装置、復旧費の区分ごとに、見積、発注、納品、請求、支払、写真をそろえてください。

車両やパソコンの対象範囲を広く見てしまう

キッチンカーや移動販売車は対象になり得ますが、仮店舗として機能しない一般車両は対象外です。また、車両購入費のみが対象で、内装や改造工事は対象外です。1

パソコン等の機器も、営業再開に必要なものに限られます。1者1台、補助上限10万円、機器購入のみの申請不可という条件があります。1

車両やパソコンは、営業再開に役立つと考えやすい経費ですが、補助対象になる範囲は限定的です。計画書では、仮店舗や仮作業場の運営にどう必要なのかを具体的に説明しましょう。

取得財産の管理を忘れる

不動産や単価50万円以上の施設等整備、車両などは、処分制限財産に該当する場合があります。公募要領は、取得から5年または本復旧までの期間のいずれか短い期間、目的外使用、譲渡、担保提供、廃棄等が制限されるとしています。処分する場合は、事務局の承認が必要です。1

実施要領でも、取得価格または効用の増加価格が単価50万円以上の機械、器具、備品、その他の財産について、処分制限の対象になる扱いがあります。5

補助事業完了後も、帳簿や支出の根拠となる証憑書類を保存する必要があります。14次以降の交付決定では、令和14年3月31日まで保存する必要があると公募要領に記載されています。1

申請前セルフチェック

申請前には、対象者、経費、証憑、期限、資金繰りをまとめて確認してください。次の表は、申請準備の抜け漏れを減らすための確認用です。

確認項目確認内容
被害証明市町が発行する被災証明や罹災証明等があり、半壊以上の判定を確認できるか
対象災害能登半島地震または奥能登豪雨による被害であり、奥能登豪雨は対象市町に該当するか
事業者区分中小企業者または小規模事業者等に該当するか
対象外要件みなし大企業、不正受給、滞納、対象外法人などに該当しないか
事業再建計画仮復旧と本復旧の流れを説明できるか
対象経費仮施設等の整備に該当し、既存施設の修繕や賃借料を含めていないか
見積資料見積書、カタログ、仕様書など経費の根拠を確認できるか
支払証憑支払済み経費について請求書、振込受領書、領収書などが残っているか
写真被害状況、整備後の状態、購入車両や機械装置を写真で示せるか
資金繰り補助金が後払いである前提で、先払い資金を準備できるか
実績報告事業完了から1か月以内または令和9年2月26日のいずれか早い日までに提出できるか
財産管理50万円以上の取得財産について、処分制限や管理台帳の対応を確認したか

この表で一つでも不明点がある場合は、申請前に公募要領を確認し、必要に応じて事務局や商工会、商工会議所へ相談してください。

よくある質問

Q1. 令和8年度も募集されていますか?
A. 募集されています。令和8年度は令和8年4月1日に申請受付が始まり、15次から19次までの受付締切があります。最終の19次締切は令和8年12月4日です。41

Q2. 補助上限額はいくらですか?
A. 単独申請の補助上限額は300万円です。共同申請の場合は300万円に事業者数を掛けた額で、上限3,000万円、最大10者までです。1

Q3. 補助率はどのように決まりますか?
A. 小規模事業者は2/3以内、中小企業者は1/2以内です。商工会・商工会議所が申請する場合は2/3以内です。1

Q4. 既存店舗の修繕費は対象になりますか?
A. 対象外です。営業再開支援補助金は、仮店舗や仮作業場などの仮施設等の整備を支援する制度であり、既存施設等の修繕は対象外です。1

Q5. 仮店舗の家賃やコンテナのレンタル料は対象になりますか?
A. 対象外です。公式ページでも、施設等整備が対象であり、仮店舗の賃借料等は対象外と案内しています。公募要領でも、賃貸物件の賃借料やコンテナ、倉庫等のレンタル料は対象外例に入っています。41

Q6. キッチンカーは対象になりますか?
A. 仮店舗等として機能するキッチンカーや移動販売車の購入は対象になり得ます。ただし、一般車両は対象外です。車両の内装や改造工事費も対象外です。1

Q7. パソコンや複合機は対象になりますか?
A. 営業再開に必要なパソコン等は対象になり得ますが、1者1台、補助上限10万円、機器購入のみの申請不可という条件があります。1

Q8. 相見積もりは必要ですか?
A. 2社以上の見積書提出は求められていません。1者見積もりで申請できます。ただし、経費の根拠が確認できる見積書やカタログ等は必要です。41

Q9. すでに支払った経費も対象になりますか?
A. 特例として、令和6年1月1日の能登半島地震および令和6年9月21日から23日の奥能登豪雨により被災した日以降に実施し、発生した経費は遡って補助対象経費として認める扱いがあります。ただし、使用目的、支払完了、証拠書類の確認が必要です。1

Q10. 補助金は採択後すぐに入金されますか?
A. すぐには入金されません。補助金の支払は取組終了後の精算払のみです。実績報告後に額が確定してから支払われます。15

Q11. 実績報告の期限はいつですか?
A. 15次から19次の交付決定者は、事業完了日から1か月以内または令和9年2月26日のいずれか早い日までです。事業完了の最終期限は令和9年1月29日です。15

Q12. 奥能登豪雨で被害を受けた事業者も対象になりますか?
A. 対象になります。奥能登豪雨については、七尾市、輪島市、珠洲市、志賀町、穴水町、能登町で被害を受けた事業者が対象として案内されています。3

Q13. 他の補助金と併用できますか?
A. 同一の事業内容で他の補助制度と併用することはできません。ただし、補助対象経費を明確に区分できる内容の異なる事業であれば、併用可能な場合があります。他制度側の規定にも注意が必要です。1

Q14. 取得したコンテナや車両は自由に処分できますか?
A. 自由に処分できない場合があります。取得価格または効用の増加額が1件あたり50万円以上の財産などは、取得から5年または本復旧までのいずれか短い期間、処分が制限されます。処分する場合は事務局の承認が必要です。15

Q15. 申請前に何から準備すべきですか?
A. まず、被災証明や罹災証明等、決算資料、見積書、事業再建計画の材料をそろえてください。次に、対象経費と対象外経費を分け、後払いに耐えられる資金計画を確認します。締切直前に不足が分かると対応が難しいため、証明書と見積資料を先に確認することが重要です。1

出典・参考資料

  1. 石川県 令和8年度 営業再開支援補助金 公募要領 R8年4月1日更新 PDF

  2. 石川県 使える補助金チェックチャート R8年度 PDF

  3. 石川県 営業再開支援補助金の令和6年奥能登豪雨への対応について

  4. 石川県 令和6年能登半島地震等 営業再開支援補助金 公式ページ

  5. 石川県 営業再開支援事業費補助金 実施要領 R8年4月1日更新 PDF

執筆者:補助金フラッシュ 士業編集部

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