中小企業新事業進出促進補助金の第4回公募では、新規事業への投資だけでなく、賃上げ計画、最低賃金への対応、採択後の実績報告体制まで確認されます。第4回で特に注意したいのは、地域別最低賃金引上げ特例、賃上げ要件の見直し、加点書類、実績報告期限です。第3回までの理解のまま進めると、補助率の判断、賃金台帳の準備、口頭審査、採択後の報告でつまずくおそれがあります。
本記事では、公式の第4回公募要領と関連資料をもとに、申請前に確認すべきポイントを実務順に解説します。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 制度名 | 中小企業新事業進出促進補助金 |
| 対象年度/公募回 | 令和8年 第4回公募 |
| 最終更新日 | 2026年5月31日 |
| 所管/実施機関/事務局 | 所管は中小企業庁、基金設置法人は独立行政法人中小企業基盤整備機構、事務局は中小企業新事業進出補助金事務局 |
| 補助上限額/補助率 | 補助金額は750万円から7,000万円。賃上げ特例の適用を受ける場合は最大9,000万円。補助率は原則2分の1、地域別最低賃金引上げ特例の適用を受ける場合は3分の2 |
| 申請期間 | 公募開始は2026年3月27日、申請受付開始は2026年5月19日、応募締切は2026年6月19日18時、採択発表は2026年9月頃予定 |
| 公式一次資料 | 公募ページ 2026年3月公開 公式ページ / 第4回公募要領 2026年3月版 PDF / 応募申請ガイド 第4回 2026年3月版 PDF / 添付書類確認シート 第4回 2026年3月版 PDF / 補助事業の手引き 2026年3月版 PDF |
| 免責 | 申請可否や経費判断は、当該年度の募集要領・交付要綱等と事務局の案内で最終確認してください。 |
制度の全体像
何を支援する制度か
中小企業新事業進出促進補助金は、中小企業等が既存事業とは異なる新市場や高付加価値事業へ進出するための設備投資等を支援する制度です。公募要領では、企業の成長と拡大を通じて、生産性向上や賃上げにつなげることを目的にしています。1
この制度では、単に設備を買い替えるだけの投資や、既存商品を少し変えただけの取り組みは評価されにくくなります。申請では、既存事業との違い、新たに狙う市場、付加価値を高める理由、事業計画期間中の賃上げを一体で説明する必要があります。
第4回公募の基本日程
第4回公募の主な日程は、公式サイトと第4回公募要領で確認できます。応募締切は2026年6月19日18時で、採択発表は2026年9月頃の予定です。2
| 区分 | 日程 |
|---|---|
| 公募開始 | 2026年3月27日 |
| 申請受付開始 | 2026年5月19日 |
| 応募締切 | 2026年6月19日18時 |
| 採択発表 | 2026年9月頃予定 |
| 補助事業実施期間 | 交付決定日から14か月以内。ただし採択発表日から16か月以内 |
| 事業化状況報告 | 補助事業完了後、5年間 |
申請締切だけでなく、採択後の交付申請、契約、納品、検収、支払、実績報告までの期間も逆算しておく必要があります。補助対象になるのは、原則として交付決定後に発注や契約を行い、補助事業実施期間内に支払や実績報告まで終えた経費です。3
補助上限額と補助率
従業員数ごとの補助上限額
第4回公募の補助金額は、従業員数によって上限が変わります。通常の上限額に加え、賃上げ特例の適用を受ける場合は上限額が引き上がります。4
| 従業員数 | 通常の補助金額 | 賃上げ特例適用時の補助金額 |
|---|---|---|
| 20人以下 | 750万円から2,500万円 | 750万円から3,000万円 |
| 21人から50人 | 750万円から4,000万円 | 750万円から5,000万円 |
| 51人から100人 | 750万円から5,500万円 | 750万円から7,000万円 |
| 101人以上 | 750万円から7,000万円 | 750万円から9,000万円 |
補助金額には下限750万円があります。採択後の交付審査で対象経費が減り、補助金額が下限を下回る場合や、対象経費がすべて除外される場合は、採択後でも交付を受けられない可能性があります。5
補助率と地域別最低賃金引上げ特例
第4回公募の補助率は原則2分の1です。新たに確認すべき点は、地域別最低賃金引上げ特例の適用を受ける場合、補助率が3分の2になることです。4
| 区分 | 補助率 | 主な確認点 |
|---|---|---|
| 通常 | 2分の1 | 原則の補助率です。 |
| 地域別最低賃金引上げ特例 | 3分の2 | 2024年10月から2025年9月までの間に、主たる補助事業実施場所で雇用する従業員のうち、地域別最低賃金以上かつ2025年度改定後の地域別最低賃金未満で雇用する従業員が30%以上である月が3か月以上あることが条件です。 |
この特例を使う場合は、所定様式と賃金台帳の提出が必要です。また、地域別最低賃金引上げ特例の適用を受ける申請者は、通常の基本要件である事業場内最賃水準要件が除かれます。補助率が上がるだけでなく、満たすべき要件の組み合わせも変わるため、該当可能性を早めに確認してください。6
第4回公募で確認したい変更点
主な確認事項の一覧
第4回公募は、賃上げ、最低賃金、加点、提出書類、採択後の報告管理が重要です。第3回までの公募要領と比較すると、賃上げ要件や賃上げ特例で見る指標が変わっており、最低賃金関連の特例と加点も確認対象になります。7
| 確認事項 | 第4回公募での確認ポイント | 申請者への影響 |
|---|---|---|
| 地域別最低賃金引上げ特例 | 条件を満たす場合、補助率が3分の2になります。 | 自己負担額が変わります。賃金台帳の提出準備も必要です。 |
| 賃上げ要件 | 一人当たり給与支給総額の年平均成長率3.5%以上が基本になります。 | 給与支給総額だけでなく、一人当たりの処遇改善を説明する必要があります。 |
| 賃上げ特例要件 | 一人当たり給与支給総額の年平均成長率6.0%以上と、事業場内最低賃金プラス50円以上が必要です。 | 上限額引上げを狙う場合、未達時の返還リスクを含めて計画する必要があります。 |
| 最低賃金関連の加点 | 地域別最低賃金引上げに係る加点と、事業場内最低賃金引上げに係る加点を確認します。 | 加点を狙う場合、所定様式と賃金台帳が必要です。 |
| 口頭審査 | 申請事業者自身が対応し、外部支援者の同席や代行は認められません。 | 代表者等が事業計画を自分の言葉で説明できる準備が必要です。 |
| 提出書類 | 特例や加点を希望する場合、賃金台帳などの追加資料が必要です。 | 申請直前の準備では間に合わない可能性があります。 |
| 実績報告期限 | 補助事業完了日から30日を経過した日、または補助事業完了期限日のいずれか早い日までに提出が必要です。 | 期限を過ぎると交付決定取消しにつながるため、採択後の管理体制が重要です。 |
なお、口頭審査の本人対応は第3回公募要領でも同趣旨の記載がありました。第4回で申請する場合も、外部支援者に事業計画の作成や説明を任せきるのではなく、申請者本人が内容を理解しておく必要があります。8
賃上げ要件の見直し
第3回公募では、賃上げ要件として、一人当たり給与支給総額の年平均成長率を都道府県別最低賃金の直近5年間の年平均成長率以上にする考え方と、給与支給総額の年平均成長率を2.5%以上にする考え方が示されていました。第4回では、一人当たり給与支給総額の年平均成長率3.5%以上が基本になります。7
この変更により、採用人数の増加によって給与支給総額だけが増える計画では足りません。従業員一人当たりの給与水準をどう高めるか、事業の収益性と結びつけて説明する必要があります。
第4回では、申請時に目標値を設定し、交付申請時までに全従業員または従業員代表者へ表明する必要があります。表明していない場合は交付決定取消しと補助金全額返還の対象になり、目標未達の場合も返還が発生することがあります。9
賃上げ特例の評価軸
賃上げ特例は、補助上限額の引上げに関わる重要な要件です。第4回では、基本の賃上げ要件である一人当たり給与支給総額3.5%以上に、さらに2.5%を加え、合計6.0%以上の年平均成長率が必要です。あわせて、事業場内最低賃金を地域別最低賃金より50円以上高い水準にする必要があります。10
| 項目 | 第4回の賃上げ特例要件 |
|---|---|
| 一人当たり給与支給総額 | 基本要件の3.5%に2.5%を加え、年平均成長率6.0%以上 |
| 事業場内最低賃金 | 通常のプラス30円に20円を加え、地域別最低賃金プラス50円以上 |
| 未達時の扱い | いずれか一方でも達成できない場合、補助上限額引上げ分の返還対象になります。 |
賃上げ特例は、申請書上の見栄えだけで選ぶものではありません。補助事業終了後3年から5年の事業計画期間で実際に達成状況を確認するため、売上計画、粗利率、人員計画、採用計画、既存従業員の昇給計画を合わせて検討してください。
加点と減点の確認
第4回公募では、加点項目として地域別最低賃金引上げに係る加点と、事業場内最低賃金引上げに係る加点を確認できます。事業場内最低賃金引上げに係る加点では、2025年7月と応募申請直近月の事業場内最低賃金を比較し、63円以上の賃上げを行っていることなどが関係します。11
一方で、減点項目にも注意が必要です。過去に中小企業庁が所管する補助金で賃上げ加点を受け、要件未達になった場合は、一定期間大幅な減点を受けることがあります。また、類似テーマや設備への申請が集中し過剰投資の懸念がある場合、過去の補助事業の事業化段階が低い場合、容易な改変や単純な組み合わせと見られる場合も評価が下がる可能性があります。12
| 区分 | 確認内容 | 準備の方向性 |
|---|---|---|
| 地域別最低賃金引上げに係る加点 | 地域別最低賃金改定の影響を受ける従業員割合を確認します。 | 対象月の賃金台帳を確認し、所定様式に転記できる状態にします。 |
| 事業場内最低賃金引上げに係る加点 | 2025年7月と応募申請直近月の事業場内最低賃金を比較します。 | 全従業員分の賃金台帳を準備し、対象者の時給換算を確認します。 |
| 賃上げ加点未達による減点 | 過去の補助金で賃上げ加点を受け、未達だったかを確認します。 | 過去の補助事業の事業化状況報告や賃上げ報告を確認します。 |
| 過剰投資の懸念 | 類似設備や類似テーマへの申請集中がないかを見られます。 | 自社固有の市場分析、顧客課題、競争優位を説明します。 |
加点は、該当すれば自動的に有利になるものではありません。要件に合うことを確認し、必要な証拠資料を提出できることが前提です。
対象者と除外条件
基本的な対象者
第4回公募では、日本国内に本社と補助事業実施場所を有する中小企業者等が主な対象です。中小企業者、一定の法人、特定事業者の一部、対象リース会社を含む共同申請などが対象になり得ます。13
| 業種 | 資本金の基準 | 常時使用する従業員数の基準 |
|---|---|---|
| 製造業、建設業、運輸業 | 3億円以下 | 300人以下 |
| 卸売業 | 1億円以下 | 100人以下 |
| サービス業 | 5,000万円以下 | 100人以下 |
| 小売業 | 5,000万円以下 | 50人以下 |
| ゴム製品製造業の一部 | 3億円以下 | 900人以下 |
| ソフトウェア業、情報処理サービス業 | 3億円以下 | 300人以下 |
| 旅館業 | 5,000万円以下 | 200人以下 |
| その他の業種 | 3億円以下 | 300人以下 |
常時使用する従業員が0人の事業者は対象外です。役員や個人事業主本人は、常時使用する従業員に含みません。また、新規設立や創業から1年未満で、少なくとも1期分の決算書を提出できない事業者も対象外になります。14
みなし大企業の確認
中小企業者に該当する規模であっても、みなし大企業に該当すると補助対象外です。第4回公募要領では、株式や出資、役員構成、外国法人や大企業の支配関係を含めて確認します。15
| 区分 | みなし大企業に該当する主な条件 |
|---|---|
| 単独の大企業による保有 | 発行済株式または出資価格の総額の2分の1以上を同一の大企業が所有している場合 |
| 複数の大企業による保有 | 発行済株式または出資価格の総額の3分の2以上を大企業が所有している場合 |
| 役員の兼務 | 大企業の役員または職員を兼ねている者が、役員総数の2分の1以上を占める場合 |
| 単独の大企業と役員兼務の組み合わせ | 発行済株式または出資価格の総額の2分の1以上を所有する大企業の役員または職員を兼ねている者が、役員総数の2分の1以上を占める場合 |
| 大企業の子会社による保有 | 発行済株式または出資価格の総額を、みなし大企業に該当する者がすべて所有している場合 |
| 外国法人や組合を含む支配 | 上記と同様の支配関係が外国法人や組合等を通じて生じている場合 |
資本政策や株主構成を変更して申請要件に合わせる場合、補助対象外と判断されることがあります。申請直前の株式移動や従業員数調整は、制度趣旨に反するものと見られないよう、事前に慎重に確認してください。
対象外になりやすい事業者
第4回公募要領では、対象外になる事業者が細かく列挙されています。特に、過去の補助金採択歴、従業員数、みなし大企業、過去の不正、政治団体や宗教法人、暴力団関係などは確認が必要です。16
| 確認項目 | 対象外となる主な内容 |
|---|---|
| 過去の採択歴 | 応募締切日を起点として16か月以内に、新事業進出補助金、事業再構築補助金、ものづくり補助金で補助金交付候補者として採択された事業者など |
| 実施中の補助事業 | 同種の補助金で交付決定を受け、補助事業実施中の事業者 |
| 事業再構築補助金の取消関係 | 過去に事業再構築補助金で採択取消や交付取消を受けた事業者のうち、公募要領の対象に該当する事業者 |
| 返還や納付の未了 | 補助金の返還命令や納付命令に対応していない事業者 |
| 事業化状況報告の未提出 | 過去の補助事業で必要な事業化状況報告を提出していない事業者 |
| 従業員0人 | 常時使用する従業員がいない事業者 |
| 創業直後 | 新規設立や創業から1年未満で、少なくとも1期分の決算書を提出できない事業者 |
| みなし大企業 | 資本関係や役員関係から、みなし大企業に該当する事業者 |
| 高額所得法人 | 直近過去3年分の課税所得の年平均額が15億円を超える事業者 |
| 任意団体 | 法人格のない任意団体 |
| 収益事業なし | 収益事業を行っていない法人 |
| 公的資金依存 | 運営費の大半を公的機関から得ている事業者 |
| 政治団体 | 政治資金規正法に規定する政治団体 |
| 宗教法人 | 宗教法人法に規定する宗教法人 |
| 虚偽申請 | 申請内容に虚偽がある事業者 |
| 要件合わせの変更 | 補助対象者の要件に合わせるため、資本金や従業員数などを変更したと見られる事業者 |
| 措置対象者 | 補助金交付等停止措置や指名停止措置を受けている事業者 |
| 不正関係 | 過去の補助事業で不正を行った事業者 |
| 法令違反 | 過去5年以内に法令違反がある事業者 |
| 暴力団関係 | 暴力団または暴力団関係者が関与する事業者 |
| その他不適切な事業者 | 公序良俗に反するなど、補助金の交付先として不適切と判断される事業者 |
この表は申請可否の入口です。該当可能性がある場合は、事業計画書の作成に進む前に、公募要領と事務局の案内で確認してください。
補助対象事業の要件
基本要件の全体像
第4回公募では、補助対象事業として認められるために、新事業進出、付加価値額、賃上げ、事業場内最低賃金、ワークライフバランス、金融機関確認などの要件を確認します。賃上げ特例や地域別最低賃金引上げ特例を使う場合は、追加の要件もあります。17
| 要件 | 主な内容 |
|---|---|
| 新事業進出要件 | 新事業進出指針に基づき、製品等の新規性、市場の新規性、新事業売上高要件を満たす必要があります。 |
| 付加価値額要件 | 補助事業終了後3年から5年の事業計画期間で、付加価値額または従業員一人当たり付加価値額の年平均成長率4.0%以上を見込む事業計画が必要です。 |
| 賃上げ要件 | 補助事業終了後3年から5年の事業計画期間で、一人当たり給与支給総額の年平均成長率3.5%以上が必要です。 |
| 事業場内最賃水準要件 | 事業計画期間中、毎年、主たる補助事業実施場所の事業場内最低賃金を地域別最低賃金プラス30円以上にする必要があります。 |
| ワークライフバランス要件 | 次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画を策定し、両立支援のひろばに公表する必要があります。 |
| 金融機関要件 | 金融機関等から資金提供を受ける場合、金融機関による事業計画の確認が必要です。 |
| 賃上げ特例要件 | 補助上限額引上げを受ける場合、一人当たり給与支給総額6.0%以上と、事業場内最低賃金プラス50円以上が必要です。 |
| 地域別最低賃金引上げ特例要件 | 条件を満たす場合、補助率3分の2の適用を受けられます。この場合、事業場内最賃水準要件は除かれます。 |
付加価値額は、営業利益、人件費、減価償却費を合計した金額です。売上高だけを伸ばす計画ではなく、利益や人件費、設備投資の効果を含めて、付加価値を高める計画にする必要があります。18
新事業進出要件の考え方
新事業進出要件では、自社にとって新しい製品やサービスであること、市場に新規性があること、新事業売上高要件を満たすことが求められます。公募要領は、新事業売上高要件について、事業計画期間最終年度において、新たに製造等する製品等の売上高または付加価値額が、応募申請時の総売上高の10%または総付加価値額の15%を占めることなどを掲げています。19
| 観点 | 申請書で説明すべき内容 |
|---|---|
| 製品等の新規性 | 既存の製品、商品、サービス、提供方法とどこが違うかを説明します。 |
| 市場の新規性 | 既存顧客の置き換えではなく、新たな需要や市場に向かう理由を説明します。 |
| 高付加価値性 | 価格競争ではなく、品質、機能、提供価値、顧客課題の解決で収益性を高める理由を説明します。 |
| 売上高要件 | 最終年度の新事業売上高または付加価値額が、要件を満たす見込みであることを示します。 |
既存商品の販売地域を変えるだけ、既存メニューを少し増やすだけ、既存設備の更新だけでは、新事業進出として評価されにくくなります。市場データ、顧客ニーズ、競合状況、自社の強みを根拠として示してください。
連携体申請の注意点
複数事業者が連携して申請することも可能です。連携体申請では最大20者まで参加できますが、連携体を構成するすべての事業者が補助対象事業の要件を満たす必要があります。20
連携体の中に要件を満たさない事業者がいる場合、連携体全体の申請に影響します。金融機関から資金提供を受ける構成員がいる場合、その構成員ごとに金融機関確認が必要になる点も確認してください。
補助対象経費と対象外経費
補助対象経費の基本条件
補助対象経費として認められるには、補助対象事業の遂行に必要であること、補助事業部分とそれ以外を明確に区分できること、証拠書類によって金額や支払内容を確認できることが必要です。また、補助対象経費には、機械装置・システム構築費または建物費のいずれかを含める必要があります。21
| 経費区分 | 主な内容 | 注意点 |
|---|---|---|
| 機械装置・システム構築費 | 専用設備、機械装置、工具、器具、専用ソフトウェア、情報システム等 | 既存設備の単なる置き換えは対象になりません。単価10万円以上のものが対象です。 |
| 建物費 | 専用建物の建設、改修、改装、撤去、関連する構築物等 | 建物の購入や賃借は対象外です。相見積もりなど価格妥当性の確認が必要です。 |
| 運搬費 | 補助事業に必要な運搬、宅配、郵送料等 | 補助事業に直接関係するものに限ります。 |
| 技術導入費 | 知的財産権等の導入に必要な経費 | 導入先や契約内容の妥当性が必要です。 |
| 知的財産権等関連経費 | 特許権などの取得に必要な弁理士費用等 | 補助事業に必要な範囲に限ります。 |
| 外注費 | 加工、設計、デザイン、検査等を外部に依頼する費用 | 補助金額全体の10%が上限です。 |
| 専門家経費 | 専門家への謝金や旅費等 | 補助対象となる専門家経費は100万円が上限です。 |
| クラウドサービス利用費 | 補助事業専用のクラウドサービス利用料 | パソコン、タブレット、スマートフォン等の購入費は対象外です。 |
| 広告宣伝・販売促進費 | 新事業の広告、展示会出展、販売促進ツール等 | 補助事業期間内に使用、掲載、開催するものが対象です。上限計算があります。 |
外注費、専門家経費、広告宣伝・販売促進費には上限や細かい条件があります。特に広告宣伝・販売促進費は、事業計画期間中の総売上高見込みをもとに上限を計算するため、見積額をそのまま補助対象にできるとは限りません。22
対象外経費の代表例
対象外経費は非常に多く、一般的に事業に必要な支出であっても、補助金では認められないものがあります。汎用性の高い備品、既存事業でも使えるもの、補助事業に直接関係しない経費、交付決定前に契約した経費などは特に注意が必要です。23
| 区分 | 対象外となる主な経費 |
|---|---|
| 補助事業以外の経費 | 既存事業や他事業にも使う経費、補助事業との区分ができない経費 |
| 事務所関連費 | 事務所の家賃、保証金、敷金、仲介手数料、光熱水費など |
| 汎用備品 | パソコン、プリンター、文書作成ソフト、タブレット、スマートフォン、カメラ、家具など |
| 車両等 | 自動車、船舶、航空機の購入費や修理費など |
| 商品や材料 | 販売する商品、原材料、サンプル品、在庫品など |
| 消耗品等 | 消耗品、書籍、会費、新聞購読料など |
| 飲食接待 | 飲食、娯楽、接待等の費用 |
| 専門家への一般業務費 | 税務申告、決算書作成、訴訟対応など、補助事業と直接関係しない費用 |
| 公租公課 | 収入印紙、登録免許税、消費税、地方消費税など |
| 金融費用 | 振込手数料、借入金利息、保険料など |
| 申請代行費 | 補助金申請書類の作成代行費など |
| 人件費と旅費 | 従業員の人件費や旅費など |
| 他制度との重複 | 国の他の補助金や委託費等の対象となる経費 |
| 社会通念上不適切な経費 | 公序良俗に反する支出など |
これは制度要件ではありませんが、実務上は、見積書、仕様書、発注書、契約書、納品書、検収書、請求書、振込記録を同じ案件番号で管理しておくと、実績報告時の確認がしやすくなります。
申請前に準備する書類
必要書類の全体像
第4回公募では、通常の提出書類に加えて、特例や加点を希望する場合に追加資料が必要です。特に賃金台帳は、対象月、対象者、時給換算、全従業員分の提出範囲を間違えやすいため、早めに確認してください。24
| 提出場面 | 主な書類 | 注意点 |
|---|---|---|
| 全申請者 | 事業計画書、決算書等、労働者名簿、収益事業を行っていることを説明する書類など | 事業計画書は所定テンプレートに沿って作成します。 |
| 電子申請 | GビズIDプライム | 取得に時間がかかるため、未取得の場合は早めに申請します。 |
| 金融機関から資金提供を受ける場合 | 金融機関による確認書 | 自己資金のみで実施する場合は不要です。 |
| リース会社と共同申請する場合 | リースに関する確認書類 | 補助金相当額がリース料から減額されることなどを確認します。 |
| 地域別最低賃金引上げ特例または加点を希望する場合 | 所定様式、任意3か月分の賃金台帳の写し | 対象期間は2024年10月から2025年9月です。 |
| 事業場内最低賃金引上げ加点を希望する場合 | 所定様式、2025年7月と応募申請直近月の賃金台帳の写し | 全従業員分の賃金台帳が必要です。 |
| 交付申請時 | 賃上げ計画の表明書 | 全従業員または従業員代表者への表明が必要です。 |
GビズIDプライムは、申請に不備がなければ原則1週間程度で発行される案内があります。ただし、実際の取得時期は申請内容や混雑状況に左右されるため、締切直前に準備するのは避けてください。25
賃金台帳の準備
最低賃金関連の特例や加点を使う場合、賃金台帳の確認が重要です。地域別最低賃金引上げ特例では、2024年10月から2025年9月までの期間から任意3か月を選び、条件に合う従業員割合を確認します。事業場内最低賃金引上げ加点では、2025年7月と応募申請直近月の比較が必要です。24
| 確認内容 | 確認方法 |
|---|---|
| 時給者 | 賃金台帳の時給額を確認します。 |
| 月給者 | 所定労働時間で時給換算し、地域別最低賃金や事業場内最低賃金との関係を確認します。 |
| 対象月 | 地域別最低賃金引上げ特例では任意3か月、事業場内最低賃金引上げ加点では2025年7月と応募申請直近月を確認します。 |
| 対象者 | 主たる補助事業実施場所で雇用する従業員や全従業員など、様式ごとの対象範囲を確認します。 |
| 証拠資料 | 賃金台帳の写しと所定様式の数値が一致するように確認します。 |
最低賃金関連の資料は、単に賃金台帳を添付すれば足りるものではありません。対象者の抽出、月ごとの判定、時給換算、割合計算が必要になるため、労務担当者や外部の専門家と連携して確認すると安全です。
一般事業主行動計画の公表
第4回公募では、ワークライフバランス要件として、一般事業主行動計画の策定と両立支援のひろばでの公表が必要です。よくある質問では、従業員数100人以下の企業であっても、この要件を満たす必要があると案内しています。26
両立支援のひろばへの掲載には1週間から2週間程度かかる場合があります。公表申請の審査中に不備が出る可能性もあるため、締切から逆算して早めに準備してください。
審査で見られる観点
事業性と実現可能性
第4回公募の審査では、補助対象事業としての適格性だけでなく、市場性、高付加価値性、実現可能性、収益性、賃上げの実現可能性などが見られます。公募要領の審査項目では、新市場や高付加価値事業を選んだ理由、客観的な市場データ、価格や価値の妥当性などが確認対象です。27
| 審査観点 | 申請書で不足しやすい点 | 改善の方向性 |
|---|---|---|
| 新市場性 | 既存顧客の延長に見える | 新しい顧客層、用途、販売チャネル、需要構造を示します。 |
| 高付加価値性 | 価格を上げる理由が弱い | 機能、品質、納期、専門性、顧客課題の解決を説明します。 |
| 収益性 | 売上計画だけで利益計画が弱い | 原価、粗利、固定費、投資回収期間を示します。 |
| 実現可能性 | 人員、設備、許認可、販売体制が不足する | 実行体制、スケジュール、外部連携先を具体化します。 |
| 賃上げ原資 | 賃上げ目標と利益計画がつながらない | 付加価値増加と給与水準向上の関係を示します。 |
| 政策面 | 制度の目的との接続が弱い | 中小企業の成長、生産性向上、賃上げへの寄与を説明します。 |
申請書では、自社の思いだけでなく、外部環境と数字を使って説明することが重要です。市場規模、競合、顧客ニーズ、販売単価、粗利率、設備能力、販売計画をつなげて、補助事業が成長につながる理由を示してください。
口頭審査への備え
口頭審査は、必要に応じてオンラインで実施されます。所要時間は1事業者15分程度の予定で、申請事業者自身が対応する必要があります。勤務実態がない者、事業計画書作成支援者、経営コンサルタント、社外顧問など、申請事業者以外の対応や同席は認められません。28
| 準備項目 | 確認内容 |
|---|---|
| 説明者 | 法人代表者、取締役、労働者名簿に記載された担当者など、公募要領上認められる者が対応します。 |
| 説明内容 | 新事業の内容、市場性、収益性、賃上げ計画、投資内容を自分の言葉で説明できるようにします。 |
| 環境 | 会社内の会議室など、他者が同席しない環境を用意します。 |
| 機材 | カメラ、マイク、スピーカーを使えるパソコンを用意します。イヤフォンやヘッドセットは使用不可です。 |
| 本人確認 | 顔写真付きの身分証明書を準備します。 |
外部支援者に相談すること自体は問題ありません。ただし、事業計画の理解や説明まで外部に依存すると、口頭審査で回答が浅くなります。代表者や担当者が、投資の必要性、売上根拠、利益計画、賃上げ計画、リスク対策を説明できる状態にしてください。
採択後の実務と資金繰り
採択は入金ではない
新事業進出補助金は、採択された時点で補助金が入金される制度ではありません。採択後に交付申請を行い、交付決定を受けてから契約や発注を行い、補助事業を実施し、実績報告と確定検査を経て、補助金額が確定します。補助金の支払は、補助事業完了後の後払いです。29
| 段階 | 主な内容 | 注意点 |
|---|---|---|
| 採択 | 補助金交付候補者として選ばれます。 | 採択額どおりに交付されるとは限りません。 |
| 交付申請 | 見積書や仕様書などを提出し、経費の妥当性を審査します。 | 対象外経費は減額されます。 |
| 交付決定 | 補助事業を開始できる状態になります。 | 原則として交付決定前の契約や発注は対象外です。 |
| 補助事業実施 | 契約、納品、検収、支払を行います。 | 期間内にすべて完了させる必要があります。 |
| 実績報告 | 支出内容と成果を報告します。 | 完了後30日以内または完了期限日の早い日までに提出します。 |
| 確定検査 | 事務局が対象経費を確認します。 | 対象外と判断された経費は補助金に含まれません。 |
| 補助金請求と入金 | 確定後に請求し、補助金を受け取ります。 | 資金繰りは立替前提で計画します。 |
| 事業化状況報告 | 補助事業完了後5年間、報告を行います。 | 賃上げや事業化状況の確認があります。 |
自己資金や融資を含めた資金繰りを準備しないまま申請すると、採択後に必要な支払ができなくなるおそれがあります。金融機関から資金提供を受ける場合は、申請段階で金融機関確認書が必要になるため、早めに相談してください。
実績報告期限の厳格な管理
第4回公募要領では、補助事業を完了したときは、完了日から起算して30日を経過した日、または補助事業完了期限日のいずれか早い日までに実績報告書を提出する必要があります。期限までに実績報告書の提出がない場合、交付決定取消しにつながります。30
| 管理対象 | 実務上の確認点 |
|---|---|
| 契約日 | 交付決定後の日付か確認します。 |
| 納品日 | 補助事業実施期間内か確認します。 |
| 検収日 | 納品物や工事内容を確認した日を記録します。 |
| 支払日 | 銀行振込で支払っているか確認します。 |
| 証憑 | 見積書、契約書、納品書、検収書、請求書、振込記録をそろえます。 |
| 実績報告日 | 完了後30日以内または完了期限日の早い日までに提出します。 |
支払方法にも注意が必要です。公募要領では、支払は原則として銀行振込です。現金払い、相殺払い、手形払い、小切手払い、ファクタリング、電子マネー等による支払は認められない扱いです。31
5年間の事業化状況報告
補助事業完了後は、5年間にわたり事業化状況報告が必要です。事業化状況、付加価値額、賃上げ要件、知的財産権等の状況などを報告します。報告がない場合や虚偽報告がある場合、交付決定取消しや返還の対象になります。32
採択後の管理は、経理担当者だけでは完結しません。経営者、事業責任者、経理担当者、労務担当者が、売上、利益、賃金、証憑、報告期限を共有する体制を作ってください。
申請前セルフチェック
申請可否と準備状況の確認
申請前には、制度の対象になるか、要件を満たせるか、採択後に実行できるかを分けて確認します。特に第4回では、賃上げ要件と最低賃金関連の資料準備が申請品質に影響します。
| 確認項目 | 確認内容 | 未対応の場合の対応 |
|---|---|---|
| 対象者要件 | 中小企業者等に該当し、みなし大企業や対象外事業者に当たらないか | 株主構成、役員構成、過去の補助金採択歴を確認します。 |
| 従業員数 | 常時使用する従業員が1人以上いるか | 役員や個人事業主本人を従業員数に含めないよう注意します。 |
| 決算書 | 少なくとも1期分の決算書を提出できるか | 創業直後の場合は申請可否を確認します。 |
| 新事業性 | 既存事業と異なる製品等、市場、売上高要件を説明できるか | 新事業進出指針と手引きを読み込み、既存事業との差を明確にします。 |
| 付加価値額 | 年平均成長率4.0%以上の計画になっているか | 利益、人件費、減価償却費の見込みを見直します。 |
| 賃上げ要件 | 一人当たり給与支給総額3.5%以上を実現できるか | 賃上げ原資と人員計画を確認します。 |
| 賃上げ特例 | 6.0%以上と事業場内最低賃金プラス50円以上を達成できるか | 返還リスクを含めて選択します。 |
| 地域別最低賃金引上げ特例 | 対象期間に条件を満たす月が3か月以上あるか | 賃金台帳から対象者割合を確認します。 |
| 加点資料 | 所定様式と賃金台帳を提出できるか | 対象月と全従業員分の範囲を確認します。 |
| GビズID | GビズIDプライムを取得しているか | 未取得なら早めに申請します。 |
| 一般事業主行動計画 | 両立支援のひろばで公表済みか | 掲載までの期間を見込んで対応します。 |
| 資金繰り | 補助金入金まで立替可能か | 自己資金、融資、支払時期を確認します。 |
| 証憑管理 | 見積、契約、納品、検収、請求、支払を管理できるか | 採択前からフォルダ構成と管理ルールを決めます。 |
これは制度要件ではありませんが、申請前に一度、経営者、事業責任者、経理担当者、労務担当者で同じ表を見ながら確認することをおすすめします。申請書の内容と採択後の実務がずれていると、交付申請や実績報告で修正が必要になりやすいためです。
事業計画に入れるべき要素
事業計画では、補助金で何を買うかよりも、その投資でどの市場に進出し、どのように付加価値を高め、どのように賃上げ原資を作るかが重要です。設備投資と売上計画、利益計画、賃上げ計画がつながっているかを確認してください。
| 項目 | 記載の方向性 |
|---|---|
| 既存事業の課題 | 現状の売上構成、利益率、顧客層、設備能力、競争環境を説明します。 |
| 新事業の内容 | 新たな製品等、対象市場、顧客、提供価値を説明します。 |
| 市場分析 | 市場規模、成長性、競合、顧客ニーズを客観資料で説明します。 |
| 投資内容 | 建物、機械、システム、広告などの必要性を説明します。 |
| 収益計画 | 販売単価、販売数量、原価、粗利、固定費、投資回収を説明します。 |
| 賃上げ計画 | 一人当たり給与支給総額の増加と、付加価値増加の関係を説明します。 |
| 実行体制 | 責任者、担当者、外部委託先、金融機関、スケジュールを説明します。 |
| リスク対策 | 販売遅延、設備導入遅延、人材不足、資金繰りの対策を説明します。 |
外部の専門家に相談する場合も、申請者自身が事業計画を作成し、内容を説明できることが前提です。よくある質問でも、申請者自身による作成が必要であり、委任状のような例外はないと案内しています。33
よくある質問
Q1. 第4回公募の締切はいつですか。
A. 応募締切は2026年6月19日18時です。申請受付は2026年5月19日に開始しています。採択発表は2026年9月頃の予定です。締切直前は電子申請や書類確認に時間がかかるため、GビズID、事業計画書、賃金台帳、一般事業主行動計画の公表を早めに確認してください。2
Q2. 補助率は何分の何ですか。
A. 原則は2分の1です。地域別最低賃金引上げ特例の適用を受ける場合は3分の2になります。ただし、特例を使うには、2024年10月から2025年9月までの期間に、条件に合う従業員割合が30%以上である月が3か月以上あることなどを確認する必要があります。6
Q3. 補助上限額はいくらですか。
A. 通常は従業員数に応じて750万円から7,000万円です。賃上げ特例の適用を受ける場合は、最大9,000万円まで上限が上がります。下限は750万円です。採択後の交付審査で対象経費が減額されることがあるため、申請額がそのまま交付決定額になるとは限りません。4
Q4. 第4回で賃上げ要件はどう変わりましたか。
A. 第4回では、一人当たり給与支給総額の年平均成長率3.5%以上が基本要件になります。第3回では、給与支給総額2.5%以上など複数の考え方がありましたが、第4回では一人当たりの給与水準をどう上げるかがより重要です。7
Q5. 賃上げ特例を選ぶべきですか。
A. 補助上限額が上がる点はメリットですが、一人当たり給与支給総額6.0%以上と事業場内最低賃金プラス50円以上を満たす必要があります。未達の場合は、上限額引上げ分の返還対象になります。売上計画、利益計画、人員計画に無理がない場合に検討してください。10
Q6. 地域別最低賃金引上げ特例と賃上げ特例は同じですか。
A. 別の仕組みです。地域別最低賃金引上げ特例は、条件を満たす場合に補助率が3分の2になるものです。賃上げ特例は、補助上限額が引き上がるものです。それぞれ要件、提出資料、未達時の扱いが異なるため、混同しないように確認してください。6
Q7. 加点を受けるには何が必要ですか。
A. 加点項目ごとに条件と提出資料が異なります。最低賃金関連の加点では、所定様式や賃金台帳が必要です。事業場内最低賃金引上げに係る加点では、2025年7月と応募申請直近月の賃金台帳を確認します。書類不備があると加点を受けられない可能性があります。24
Q8. 口頭審査は誰が対応できますか。
A. 申請事業者自身が対応します。法人代表者、取締役、労働者名簿に記載された担当者など、公募要領上認められる者が対象です。事業計画書作成支援者、経営コンサルタント、社外顧問などの外部者による対応や同席は認められません。28
Q9. 採択されたらすぐに契約や発注をしてよいですか。
A. 原則として、交付決定後に契約や発注を行う必要があります。採択は交付決定ではありません。交付決定前に契約や発注を行った経費は、補助対象外になる可能性が高いです。採択後は、交付申請と交付決定を確認してから進めてください。3
Q10. 補助金はいつ入金されますか。
A. 補助金は後払いです。補助事業を実施し、実績報告を提出し、確定検査を受け、補助金額が確定した後に請求して入金されます。採択時点で入金されるわけではないため、設備投資や外注費を先に支払う資金繰りが必要です。29
Q11. 実績報告の期限を過ぎるとどうなりますか。
A. 補助事業完了日から30日を経過した日、または補助事業完了期限日のいずれか早い日までに実績報告書を提出する必要があります。期限までに提出しない場合、交付決定取消しにつながります。採択後は、契約日、納品日、支払日、証憑の管理を徹底してください。30
Q12. 専門家に依頼してもよいですか。
A. 専門家に相談することは可能です。ただし、申請者自身が事業計画を作成し、内容を理解して説明できることが必要です。外部支援者に任せきると、口頭審査や採択後の実行段階で対応できなくなるおそれがあります。33
まとめ
新事業進出補助金の第4回公募では、新規事業の市場性や高付加価値性に加えて、賃上げ、最低賃金、証拠資料、採択後の報告管理が重視されます。特に、地域別最低賃金引上げ特例を使う場合は補助率が3分の2になる一方で、賃金台帳や所定様式の準備が必要です。賃上げ特例を使う場合は補助上限額が上がりますが、未達時の返還リスクも踏まえて判断する必要があります。
申請前には、対象者要件、新事業進出要件、付加価値額要件、賃上げ要件、最低賃金関連資料、GビズID、一般事業主行動計画、資金繰りをまとめて確認してください。採択後も、交付決定前の契約禁止、銀行振込での支払、実績報告30日ルール、5年間の事業化状況報告が続きます。
第4回公募は、申請書の作成だけでなく、採択後に実行できる体制まで含めて準備することが重要です。公式資料を確認しながら、自社の新規事業と賃上げ計画が無理なくつながっているかを見直してください。
出典・参考資料
執筆者:補助金フラッシュ 士業編集部
補助金・助成金の活用法からAI導入、業務の生産性向上まで、中小企業の経営に役立つ情報を士業の専門家チームがわかりやすく解説します。
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