解説ガイドindustry

製造業のコスト削減と設備更新に使える補助金・税制優遇6件

全国の製造業が申請できるコスト削減・設備更新向けの補助金・税制優遇を6件紹介。省エネ型の設備投資から税制措置まで対象者・金額を整理しました。

製造業のコスト削減と設備更新に使える補助金・税制優遇6件

原材料費やエネルギーコストの上昇が続く中、製造業の経営者にとって設備更新やコスト削減は避けて通れない課題です。老朽化した設備を省エネ型に入れ替えたい、製造プロセスを効率化したいと考えていても、投資資金の確保が壁になっているケースは多いのではないでしょうか。
この記事では、全国の製造業が申請できるコスト削減・設備更新向けの補助金4件と税制優遇2件を紹介します。対象者・金額を制度ごとに整理しているので、自社に合う制度をすぐに確認できます(補助金フラッシュ掲載データ、2026年3月時点)。

製造業が使える返済不要の補助金・税制優遇6件

ここで紹介する6件はいずれも返済不要の補助金または税制優遇です。省エネに直結する制度2件と、製造業の設備投資や経営基盤強化に活用できる制度4件で構成されています。細かい要件等については、各支援事業の募集要項でご確認ください。公募は定期的に更新されるため、最新の募集状況は公式ページでご確認ください。

排出削減が困難な産業におけるエネルギー・製造プロセス転換支援事業

鉄鋼、化学、紙パルプなどの産業で、製造プロセスの転換や燃料転換に係る設備投資を支援する事業です。排出量削減と産業競争力の強化を目的とし、経済産業省が実施しています。

製造業のコスト削減との接点は明確で、燃料転換によるエネルギーコストの構造的な削減を実現できます。石炭を燃料とする自家発電設備の燃料転換や、バイオ原料への原料転換なども対象です。電炉や水素を活用した製鉄プロセスへの転換を検討している事業者に適しています。

項目内容
対象者鉄鋼、化学、紙パルプ等の産業における製造プロセス転換・燃料転換を行う事業者(補助事業者の公募)
補助率・金額の上限公式ページを確認
公式ページ排出削減が困難な産業におけるエネルギー・製造プロセス転換支援事業
エネルギー・製造プロセス転換支援事業の詳細を見る

ゼロエミッション船等の建造促進事業

ゼロエミッション船等の建造に必要な舶用機器等の生産設備や艤装プラットフォームの整備を支援する事業です。中小企業等の場合は補助率1/2以内、大企業は1/3以内で、水素・アンモニア・バッテリーを推進エネルギーとする船舶関連が対象です。

製造業のコスト削減との関係では、舶用機器の生産設備の近代化による製造効率の向上が期待できます。CO2排出削減を進めながら産業競争力を強化する目的があり、環境対応と生産性向上を両立させたい製造業者に適した制度です。

項目内容
対象者舶用機器等の生産設備の整備を行う大企業および中小企業等の法人
補助率・金額の上限大企業1/3以内、中小企業等1/2以内
公式ページゼロエミッション船等の建造促進事業
ゼロエミッション船等の建造促進事業の詳細を見る

ここからは業種横断で製造業も活用できる制度です。

業務改善助成金

中小企業・小規模事業者が事業場内で最も低い賃金を30円以上引き上げるために行う、生産性向上に資する設備投資等の費用を助成する制度です。上限は600万円、補助率は最大4/5です。

製造業にとって、この制度は生産ラインの効率化設備への投資にそのまま活用できます。賃上げと設備更新を同時に実現でき、結果として人件費あたりの生産性が向上します。申請は事業場所在地の都道府県労働局で審査されます。

項目内容
対象者事業場内最低賃金を30円以上引き上げる中小企業・小規模事業者
補助率・金額の上限最大4/5、上限600万円
公式ページ業務改善助成金
業務改善助成金の詳細を見る

中小企業投資促進税制

青色申告書を提出する中小企業者等が新品の機械装置等を取得した場合に、特別償却(取得価額の30%)または税額控除(取得価額の7%)を受けられる税制優遇制度です。

製造業が新しい設備を導入する際に活用でき、機械装置、測定検査機器、一定のソフトウエア、貨物運送用の大型車両等が対象です。補助金のように申請・採択を待つ必要がなく、確定申告で適用できる点がこの制度の大きな利点です。税額控除は資本金3,000万円以下の法人が対象となります。

項目内容
対象者青色申告書を提出する中小企業者等(税額控除は資本金3,000万円以下の法人等)
補助率・金額の上限特別償却:取得価額の30%相当額、税額控除:取得価額の7%相当額(控除上限は調整前法人税額の20%)
公式ページ中小企業投資促進税制
中小企業投資促進税制の詳細を見る

中小企業事業再編投資損失準備金(中堅・中小グループ化税制)

経営力向上計画の認定を受けた中小企業等が、株式取得によるM&Aを実施した場合に取得価額の一部を準備金として損金算入できる税制措置です。積立可能割合は条件により70%/90%/100%と異なります。

製造業がコスト削減を進める手段として、同業他社の買収による生産設備の統合や規模の経済の実現が考えられます。M&Aにかかる投資リスクを税制面で軽減できるため、グループ化による経営基盤の強化を検討している製造業者に適した制度です。取得価額10億円以下のM&Aが対象です。

項目内容
対象者経営力向上計画の認定を受けた中堅・中小企業(株式取得によるM&Aを実施、取得価額10億円以下)
補助率・金額の上限積立可能割合70%/90%/100%(条件により異なる)
公式ページ中堅・中小グループ化税制
中堅・中小グループ化税制の詳細を見る

伝統的工芸品産業支援補助金(令和8年度災害復興事業)

令和6年能登半島地震や大雨で被災した伝統的工芸品の製造事業者が、事業を再開・継続するために必要な生産設備の整備や原材料確保に係る経費を支援する制度です。上限は1,000万円、補助率は3/4以内です。

被災地域の製造業者にとって、生産設備の復旧は事業継続の生命線です。伝産法に基づく指定を受けた伝統的工芸品の製造事業者や組合が対象で、設備の復旧を通じて生産効率の回復とコスト構造の再構築を図れます。

項目内容
対象者被災地域で伝産法に基づく伝統的工芸品を製造する事業者、特定製造協同組合等
補助率・金額の上限3/4以内、上限1,000万円
公式ページ伝統的工芸品産業支援補助金(令和8年度災害復興事業)
伝統的工芸品産業支援補助金の詳細を見る

申請前に確認しておきたいポイント

対象要件を確認する

まず、自社が対象者の要件を満たしているかを確認しましょう。プロセス転換支援事業は鉄鋼・化学・紙パルプ等の特定産業向けで、投資促進税制は青色申告の中小企業者が対象です。業務改善助成金は賃金引上げが前提条件になっています。補助金フラッシュなら業種・事業規模で絞り込み、自社に合った制度を確認できます。

書類を準備する

補助金では事業計画書の提出が求められ、税制優遇では確定申告書への添付書類が必要です。投資促進税制や再編投資損失準備金は税理士への相談が有効です。作成に不安がある場合は、国が各都道府県に設置した無料相談窓口のよろず支援拠点を利用できます。具体的な進め方はよろず支援拠点で事業計画を磨く方法で解説しています。

スケジュールを確認する

プロセス転換支援事業やゼロエミッション船等の補助金は公募期間が限られています。電子申請にはGビズIDプライムアカウントが必要で、発行まで数週間かかります。早めに準備しておきましょう。GビズIDの取得方法は補助金申請が忙しい時期に慌てないためのGビズIDの先回り準備をご覧ください。

まとめ

この記事では、全国の製造業が申請できるコスト削減・設備更新向けの補助金4件と税制優遇2件を紹介しました。

この記事で紹介した補助金・税制優遇
  • エネルギー・製造プロセス転換支援事業: 鉄鋼・化学・紙パルプ等の製造プロセス転換
  • ゼロエミッション船等の建造促進事業: 舶用機器等の生産設備整備、中小企業等は補助率1/2以内
  • 業務改善助成金: 最低賃金引上げと設備投資、上限600万円
  • 中小企業投資促進税制: 新品の機械装置等の特別償却30%または税額控除7%
  • 中堅・中小グループ化税制: M\&Aによる株式取得価額の損金算入、積立割合最大100%
  • 伝統的工芸品産業支援補助金: 被災地域の伝統的工芸品製造事業者、上限1,000万円

省エネ型設備への更新や製造プロセスの転換はコスト削減に直結します。補助金と税制優遇を組み合わせることで、自己負担を抑えた設備投資が可能です。気になる制度があれば、各制度の公式ページから最新の公募情報を確認してみてください。


おすすめの補助金詳細ページ:

このガイドに関連する補助金を探す

都道府県・業種・目的から補助金・助成金・給付金を探す

すべてのカテゴリを見る