外国人観光客の増加に対応したいが、多言語メニューやキャッシュレス端末の導入にはコストがかかる。新たな出店を考えていても、改装費や家賃の負担が気になる。こうした課題を抱える都内の飲食店経営者は少なくありません。
この記事では、東京都内の飲食店が申請できるインバウンド対応・販路開拓に活用できる返済不要の補助金6件を紹介します。対象者・金額を制度ごとに整理しているので、自社に合う制度をすぐに確認できます(補助金検索フラッシュ掲載データ、2026年4月時点)。
都内の飲食店が使える返済不要の補助金6選
以下に紹介する各制度の細かい要件については、募集要項でご確認ください。公募は定期的に更新されるため、最新の募集状況は各制度の公式ページでご確認をおすすめします。
インバウンド対応力強化支援事業補助金 1
東京都と東京観光財団が実施する、訪日外国人の受入環境を整備するための補助金です。多言語対応やキャッシュレス機器導入、公衆無線LANの設置など、飲食店のインバウンド対応に直結する幅広い経費が対象になります。
この制度の特徴は、多言語対応に係る事業の補助率が2/3と手厚い点です。メニューの翻訳やホームページの多言語化だけでなく、スタッフ向けの接客研修費用まで対象に含まれるため、ハード・ソフトの両面からインバウンド対応を進められます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象者 | 都内の飲食店・小売店(中小企業者)、宿泊施設、観光バス・タクシー事業者、外国人旅行者受入対応に取り組む中小企業団体等 |
| 補助率・金額の上限 | 2/3(多言語対応)、その他は1/2以内。個別施設・店舗は上限300万円、団体・グループ向けは上限1,000万円 |
| 補助金詳細ページ | インバウンド対応力強化支援事業補助金 |
八王子市中心市街地魅力ある個店リノベーション補助金 2
八王子市の中心市街地にある空き店舗・空き家を活用して新規出店する事業者向けの補助金です。店舗の改修工事に要する経費の一部を支援します。
飲食店であれば、内装工事や給排水衛生設備工事、空調設備工事なども対象経費に含まれます。意外と見落としがちな制度ですが、八王子エリアで出店を検討している事業者にとっては改装費の負担を大きく軽減できる可能性があります。フランチャイズチェーンは対象外です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象者 | 中心市街地の空き店舗で小売業・飲食業・サービス業として新規出店する中小企業者または団体 |
| 補助率・金額の上限 | 上限50万円 |
| 補助金詳細ページ | 八王子市中心市街地魅力ある個店リノベーション補助金 |
文京区チャレンジショップ支援事業 3
文京区内の空き店舗でこれから創業する個人事業主や法人を対象にした支援事業です。家賃の補助に加えて、専門家による無料の経営相談や地域貢献事業の経費補助を受けられます。
他の制度との違いは、月額家賃の1/2を最長12か月にわたって補助してもらえる点です。開業初期のランニングコストを抑えながら経営の安定化を図れるため、文京区で飲食店を新たに開業したい方にとって心強い制度です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象者 | 文京区内の空き店舗で創業する個人事業主・法人(過去に同業種での経営経験がない方。創業支援セミナー受講が条件) |
| 補助率・金額の上限 | 家賃の1/2、月額上限5万円(最長12か月、合計上限60万円)。地域貢献事業は1件あたり上限10万円 |
| 補助金詳細ページ | 文京区チャレンジショップ支援事業 |
三鷹市新規出店者支援金 4
三鷹市内の賃貸物件に飲食店または小売店を新規出店し、商店会に加入する事業者に対して支援金を支給する制度です。出店時に30万円、事業開始から6か月経過時にさらに30万円が支給されます。
ここが他の制度と大きく違う点で、改修費や家賃ではなく定額の支援金として受け取れます。使途の制限がなく、仕入れや広告宣伝など開業初期に必要な資金に充てられる柔軟さが魅力です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象者 | 三鷹市内の賃貸物件に小売業・飲食業として新規出店する中小企業者・小規模事業者・個人事業者(商店会への加入が条件) |
| 補助率・金額の上限 | 上限60万円(出店時30万円+6か月後30万円) |
| 補助金詳細ページ | 三鷹市新規出店者支援金 |
島しょ地域のバリアフリー観光整備支援補助金 5
東京都の島しょ地域にある飲食店や観光施設のバリアフリー化を支援する補助金です。施設整備や備品購入、実施設計に要する経費が対象になります。
この制度の面白いところは、施設のバリアフリー化の補助率が5分の4と非常に高い点です。高齢者や障害のある方が利用しやすい店舗にすることで、客層の拡大にもつながります。伊豆諸島や小笠原諸島で飲食店を経営する方は検討の価値があります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象者 | 島しょ地域の飲食店(飲食店営業・喫茶店営業の許可を受けた店舗)、土産物店、観光施設、宿泊施設、観光タクシー事業者等 |
| 補助率・金額の上限 | 施設バリアフリー化は4/5以内、上限1,500万円(うち備品購入200万円、実施設計100万円まで)。車両は10/10以内、1台あたり上限40万円 |
| 補助金詳細ページ | 島しょ地域のバリアフリー観光整備支援補助金 |
宿泊施設バリアフリー化支援補助金 6
東京都内の宿泊施設のバリアフリー化を推進するための補助金です。施設整備や客室整備、備品購入、コンサルティングに要する経費が対象になります。
旅館業法に基づく宿泊施設が対象のため、飲食店単体では申請できませんが、旅館やホテルで飲食部門を運営している事業者にとっては活用の余地があります。客室整備の補助率が最大9/10と高く、上限額も9,600万円に達する大規模な制度です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象者 | 東京都内で旅館業法に基づく旅館・ホテル営業または簡易宿所営業を行っている宿泊事業者 |
| 補助率・金額の上限 | 客室整備は最大9/10、施設整備は4/5、コンサルティングは2/3。上限9,600万円 |
| 補助金詳細ページ | 宿泊施設バリアフリー化支援補助金 |
申請前に確認しておきたいポイント
対象要件を確認する
まず、自社が対象者の要件を満たしているかを確認しましょう。インバウンド対応力強化支援事業補助金は都内の飲食店(中小企業者)が広く対象になりますが、八王子市リノベーション補助金は中心市街地の空き店舗に限定されます。文京区チャレンジショップ支援事業は同業種での経営経験がないことが条件です。補助金検索フラッシュなら業種・事業規模で絞り込み、自社に合った制度を確認できます。
書類を準備する
多くの制度で事業計画書の提出が求められます。飲食店の場合は営業許可証や店舗の賃貸借契約書など、業種特有の書類も必要になることがあります。作成に不安がある場合は、補助金の無料サポートをご利用ください。専門家が補助金の申請をサポートします。
スケジュールを確認する
八王子市リノベーション補助金の申請期限は2026年12月28日、三鷹市新規出店者支援金は2026年10月1日が締切です。電子申請にはGビズIDプライムアカウントが必要で、発行まで数週間かかります。早めに準備しておきましょう。GビズIDの取得方法は補助金申請が忙しい時期に慌てないためのGビズIDの先回り準備をご覧ください。
まとめ
この記事では、東京都内の飲食店が申請できるインバウンド対応・販路開拓に活用できる補助金6件を紹介しました。
- インバウンド対応力強化支援事業補助金: 多言語対応・キャッシュレス導入等、上限300万円(個別施設)
- 八王子市中心市街地魅力ある個店リノベーション補助金: 空き店舗の改修工事、上限50万円
- 文京区チャレンジショップ支援事業: 空き店舗での創業支援・家賃補助、合計上限60万円
- 三鷹市新規出店者支援金: 新規出店への定額支援金、上限60万円
- 島しょ地域のバリアフリー観光整備支援補助金: 島しょ地域の施設バリアフリー化、上限1,500万円
- 宿泊施設バリアフリー化支援補助金: 宿泊施設のバリアフリー化、上限9,600万円
制度ごとに対象地域や対象者の条件が大きく異なるため、まず自社の所在地と事業形態に合った制度を選ぶことが重要です。気になる制度があれば、各制度の公式ページから最新の公募情報を確認してみてください。
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