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東京都の製造業が設備投資に使える補助金6件——最大5,000万円の制度も

東京都の製造業が申請できる設備投資向けの補助金・支援制度6件を紹介。最大5,000万円の助成制度や固定資産税の特例も。

東京都の製造業が設備投資に使える補助金6件——最大5,000万円の制度も

製造ラインの老朽化や省エネ対応など、設備投資の必要性を感じていても、数百万円から数千万円の投資にはなかなか踏み切れないものです。「使える補助金があるなら検討したいが、どの制度が自社に合うのか分からない」という都内の中小製造業の経営者も多いのではないでしょうか。
この記事では、東京都内の製造業が申請できる設備投資関連の補助金5件と税制優遇1件を紹介します。対象者・補助金額を制度ごとに整理しているので、自社に合う制度をすぐに確認できます(補助金検索フラッシュ掲載データ、2026年4月時点)。

都内の製造業が使える返済不要の補助金5件と税制優遇1件

細かい要件等については各支援事業の募集要項でご確認ください。公募は定期的に更新されるため、最新の募集状況は公式ページで確認することをおすすめします。

令和8年度省エネ型VOC排出削減設備導入促進事業 1

工場内でVOC(揮発性有機化合物)を取り扱う塗装や印刷、ドライクリーニング等の工程がある中小企業向けの補助金です。VOC対策設備の導入費や、VOC削減装置を備えた省エネ型空調・換気設備の導入にかかる費用の一部を補助します。石油系原材料の使用削減と大気環境の改善を目的とした制度です。

この制度の特徴は、VOC削減と省エネを同時に実現できる設備導入を支援する点にあります。石油製品価格の上昇対策と脱炭素の取り組みを両立させたい製造業にとって、設備更新の好機になるでしょう。補助率2/3、上限2,000万円と補助額が大きく、大規模な設備投資の負担を大幅に軽減できます。

項目内容
対象者東京都内でVOCを取り扱う工程(工業塗装、印刷、ドライクリーニング等)を行う中小企業者等
補助率・金額の上限2/3、上限2,000万円
補助金詳細ページ令和8年度省エネ型VOC排出削減設備導入促進事業

第23回(令和8年度第1回)医療機器産業参入促進助成事業募集 2

都内のものづくり中小企業が医療機器製造販売企業等と連携し、医療機器等の開発から事業化までの経費を助成する制度です。登録・認証が必要な医療機器だけでなく、リハビリ機器などの医療機関で使用される非医療機器も対象に含まれます。東京都と東京中小企業振興公社が運営しています。

ここが他の制度と大きく違う点で、事業化支援では上限5,000万円という高額の助成が受けられます。まずは開発着手支援(上限500万円)で技術検証や試作を行い、段階的に事業化支援へ進むことができます。製造業が持つ精密加工や成形の技術を医療分野に応用したい場合に検討する価値のある制度です。補助率はいずれも2/3以内となっています。

項目内容
対象者都内に本店または支店を有し実質的な事業活動を行っている中小企業者(法人・個人事業者)で、医療機器製造販売企業等と連携するもの
補助率・金額の上限2/3以内、開発着手支援は上限500万円、事業化支援は上限5,000万円
補助金詳細ページ第23回(令和8年度第1回)医療機器産業参入促進助成事業募集

区市町村独自の設備投資補助金もあります。金額の上限は都の制度より低めですが、要件がシンプルで申請しやすい傾向があります。

持続可能性向上支援補助金(生産性向上設備)3

文京区の中小企業が中小企業等経営強化法に基づく先端設備等導入計画の認定を受けたうえで、区内に新たに導入する先端設備の取得・設置費用の一部を補助する制度です。機械装置、器具備品、測定工具、建物附属設備、ソフトウェアなど幅広い設備が対象になります。

注目すべきは補助率が最大4/5と高い点です。通常は2/3ですが、一定条件を満たすと4/5まで引き上げられます。上限は100万円で、小規模な設備更新や検査機器の導入には十分活用できる金額です。事前に文京区で先端設備等導入計画の認定を受ける必要がある点に注意してください。

項目内容
対象者文京区内に本店または主たる事業所を置き、区内で1年以上事業を継続している中小企業・個人事業者で、先端設備等導入計画の認定を受けたもの
補助率・金額の上限2/3(条件により4/5)、上限100万円
補助金詳細ページ持続可能性向上支援補助金(生産性向上設備)

設備リニューアル臨時助成金(大田区省エネルギー・業務改善・賃上げに係る緊急経済対策助成金)4

大田区内の中小企業が事業活動に直接使用する既存設備を、省エネルギー化または業務改善が図れる設備へ更新する際の費用の一部を助成する制度です。注意点として、交付決定前に契約・購入した設備は対象外となるため、先に申請を行ってから設備の契約に進む必要があります。

この制度の面白いところは、賃上げ4%以上を実施する場合に補助率が4/5に優遇される点です。通常の補助率は1/2ですが、賃上げと設備更新を組み合わせることで補助率が大幅に上がります。上限は80万円で、2026年5月29日が申請期限です。省エネ対応と従業員の待遇改善を同時に進めたい企業に適しています。

項目内容
対象者大田区内で事業を営む中小企業(法人)
補助率・金額の上限1/2(賃上げ4%以上実施時は4/5)、上限80万円
補助金詳細ページ設備リニューアル臨時助成金

先端設備等導入計画(府中市)5

府中市が中小企業等経営強化法に基づき、先端設備等導入計画の策定・認定を行う制度です。認定を受けた事業者は固定資産税(償却資産)の特例を利用でき、新たに導入した設備の固定資産税負担が軽減されます。加えて、信用保証の追加保証や保証枠の拡大といった金融支援も受けられます。

直接的な現金給付型の補助金とは異なり、税制優遇と金融支援を通じた間接的な支援が特徴です。対象設備は機械装置、測定工具、器具備品、建物付属設備、ソフトウェアと幅広く、労働生産性を年平均3%以上向上させる計画の策定が認定条件です。賃上げ表明の有無や程度により固定資産税の特例割合と適用期間が変わります。

項目内容
対象者府中市内の中小企業(業種ごとの資本金・従業員数基準あり。製造業は資本金3億円以下かつ300人以下)
補助率・金額の上限固定資産税の特例(賃上げ表明の有無・程度により適用期間・特例割合が異なる)、信用保証の追加保証・保証枠拡大
補助金詳細ページ先端設備等導入計画(府中市)

設備投資だけでなく、人材面の課題を抱える製造業向けの制度もあります。

ES(社員満足度)向上による若手人材確保・定着事業助成金 6

住宅の借上げや食事の提供、健康増進サービスなどの福利厚生充実を通じて、従業員の社員満足度を高め、若手人材の採用・定着を図る都内中小企業向けの助成金です。東京しごと財団が運営しており、補助率は1/2、上限300万円となっています。専門家の派遣による取組計画の作成支援も受けられます。

設備投資とは異なるカテゴリの制度ですが、製造業では若手人材の確保が設備投資と並ぶ経営課題です。35歳未満の若手従業員割合が30%以下であることや、過去3年間の若手採用数が全従業員数の10%以下であることなどの要件があり、採用・定着に課題を抱える企業に特化した制度になっています。

項目内容
対象者都内中小企業で、全従業員に占める35歳未満の若手従業員の割合が30%以下、過去3年間の若手採用数が全従業員数の10%以下であること等
補助率・金額の上限1/2、上限300万円
補助金詳細ページES(社員満足度)向上による若手人材確保・定着事業助成金

申請前に確認しておきたいポイント

対象要件を確認する

まず、自社が対象者の要件を満たしているかを確認しましょう。今回紹介した制度は対象条件がそれぞれ異なります。VOC排出削減設備導入促進事業はVOCを取り扱う工程がある企業に限定され、大田区や文京区の補助金は区内に事業所を置く企業のみが対象です。補助金検索フラッシュなら業種・事業規模・所在地で絞り込み、自社に合った制度を確認できます。

書類を準備する

多くの制度で事業計画書の提出が求められます。文京区や府中市の制度では先端設備等導入計画の認定が前提条件となっており、認定手続きを先に進める必要があります。また、医療機器産業参入促進助成事業では医療機器製造販売企業等との連携体制を示す書類も求められます。作成に不安がある場合は、補助金の無料サポートをご利用ください。専門家が補助金の申請をサポートします。

スケジュールを確認する

大田区の設備リニューアル臨時助成金は2026年5月29日が申請期限で、医療機器産業参入促進助成事業は2026年4月14日までと期限が迫っています。電子申請にはGビズIDプライムアカウントが必要で、発行まで数週間かかります。早めに準備しておきましょう。GビズIDの取得方法は補助金申請が忙しい時期に慌てないためのGビズIDの先回り準備をご覧ください。

まとめ

この記事では、東京都内の製造業が申請できる設備投資関連の補助金5件と税制優遇1件を紹介しました。都全域を対象とする制度から区市独自の支援まで、規模や用途の異なる制度が揃っています。

この記事で紹介した補助金・税制優遇
  • 令和8年度省エネ型VOC排出削減設備導入促進事業: VOCを取り扱う中小企業向け、上限2,000万円
  • 第23回医療機器産業参入促進助成事業: ものづくり中小企業と医療機器企業の連携、事業化支援は上限5,000万円
  • 持続可能性向上支援補助金(生産性向上設備): 文京区の中小企業向け、上限100万円
  • 設備リニューアル臨時助成金: 大田区の中小企業向け、上限80万円(賃上げ実施で補助率4/5)
  • 先端設備等導入計画(府中市): 固定資産税の特例・金融支援
  • ES向上による若手人材確保・定着事業助成金: 若手人材の採用・定着向け、上限300万円

制度ごとに対象条件や補助額が大きく異なるため、自社の事業内容と所在地に合った制度を選ぶことが重要です。気になる制度があれば、各制度の公式ページから最新の公募情報を確認してみてください。


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出典・参考資料

  1. 1.「令和8年度省エネ型VOC排出削減設備導入促進事業」jGrants
  2. 2.「医療機器産業参入促進助成事業募集」東京都
  3. 3.「持続可能性向上支援補助金(生産性向上設備)」文京区
  4. 4.「設備リニューアル臨時助成金」大田区
  5. 5.「先端設備等導入計画」府中市
  6. 6.「ES向上による若手人材確保・定着事業助成金」jGrants

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