原油や資材の価格高騰が続くなか、エネルギーコストの上昇や農薬費の負担増に頭を悩ませている長野県の農業者は少なくありません。省エネ設備の導入や経営安定のために使える補助金があると分かっていても、制度が多くどれが自分に合うのか判断しづらいのが実情です。
この記事では、長野県の農業者が申請できる返済不要の補助金6件を紹介します。省エネ設備の導入補助から農薬費の補填、営農継続のための給付金まで、対象者・補助率・上限額を制度ごとに整理しました。自社に合う制度をすぐに確認できます(補助金検索フラッシュ掲載データ、2026年4月時点)。
長野県の農業者が申請できる返済不要の補助金6選
ここで紹介する6件はいずれも返済不要の補助金です。なお、細かい要件等については各支援事業の募集要項でご確認ください。公募は定期的に更新されるため、最新の募集状況は公式ページでご確認ください。
エネルギーコスト削減に関する制度が複数ありますが、対象となる業種やコースごとに要件が異なります。自社の業種と事業規模に合った制度を選ぶことが重要です。
農業エネルギーコスト削減促進事業補助金 1
長野県が農業経営体や農業協同組合、土地改良区などを対象に実施する省エネ・再エネ設備の導入支援です。国の重点支援地方交付金を活用した事業で、空調や冷蔵設備、太陽光発電システムなど幅広い設備が対象になります。促進コースなら補助率3/4以内、上限1,500万円と手厚い内容です。
ここが他の制度と大きく違う点ですが、農業経営体が基本コースを利用する場合はみどり認定の取得または申請が必要になります。環境にやさしい農業への取り組みとセットで設備投資ができる仕組みです。対象経費には設備の購入費だけでなく、配管・配電の工事費や旧設備の処分費も含まれます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象者 | 農業経営体(農業・畜産業・水産養殖業)、農業協同組合、土地改良区、県域農業関係団体等 |
| 補助率・金額の上限 | 基本コース: 1/2以内、上限500万円 / 促進コース: 3/4以内、上限1,500万円 |
| 補助金詳細ページ | 農業エネルギーコスト削減促進事業補助金 |
エネルギーコスト削減促進事業補助金(促進コース) 2
中小企業・私立学校・児童福祉施設・農林業者など、業種を問わず幅広い事業者を対象とした省エネ・再エネ設備の導入補助です。農業に限定されない制度ですが、農林業者も対象に含まれているため、農業経営体でも申請できます。対象設備は空調・換気・LED照明・冷蔵冷凍・エネルギー管理設備・太陽光発電など多岐にわたります。
促進コースでは温室効果ガス排出量の目標削減率9%以上の計画を県に提出し、長野県SDGs推進企業登録も必要です。要件は厳しめですが、その分補助率3/4以内、上限1,500万円と高い補助が受けられます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象者 | 中小企業事業者、私立学校、児童福祉施設、農林業者等。促進コースは温暖化対策計画書の提出とSDGs推進企業登録が必要 |
| 補助率・金額の上限 | 3/4以内、上限1,500万円(社会福祉施設等は基本コースで2/3以内) |
| 補助金詳細ページ | エネルギーコスト削減促進事業補助金 |
林業エネルギーコスト削減促進事業補助金 3
こちらは林業・きのこ生産・苗木生産を営む事業者向けの設備導入支援です。農業向けの制度とは対象業種が明確に異なり、森林組合・森林組合連合会や林業関連の法人・個人事業主が申請できます。きのこ生産や苗木生産を営む事業者も対象に含まれている点がポイントです。
対象経費には設備費だけでなく、既存設備の撤去・処分費も含まれています。古い設備を入れ替える場合、処分コストまで補助されるのは大きなメリットです。基本コースは1/2以内で上限500万円、促進コースは3/4以内で上限1,500万円となっています。発電設備については出力1kWあたり4万円以内の単価規定があります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象者 | 森林組合・森林組合連合会、林業・きのこ生産・苗木生産を営む法人・個人事業主・事業協同組合・NPO法人等 |
| 補助率・金額の上限 | 基本コース: 1/2以内、上限500万円 / 促進コース: 3/4以内、上限1,500万円 |
| 補助金詳細ページ | 林業エネルギーコスト削減促進事業補助金 |
次に紹介するのは、設備投資ではなく経営支援を目的とした制度です。
原村第4弾農業者緊急支援給付金 4
原村が国の重点支援地方交付金を活用して実施する農業者向けの給付金です。原油価格や農業用資材の高騰による経営負担を軽減する目的で設けられています。対象経費は種苗費・肥料費・農薬費・動力光熱費・荷造運賃手数料など営農に関わる幅広い費目で、合計額の2%、上限40万円が給付されます。
意外と知られていない制度ですが、個人の農業者も法人も対象です。ただし原村内に住所または事業所を有し、令和8年も営農を継続する意思がある方が条件です。個人は令和7年分の農業所得の申告、法人は直近期の決算書の作成と法人住民税の申告が求められます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象者 | 原村に住所または事業所を有し営農を継続する農業経営者(個人・法人)。令和7年分の農業所得申告が必要 |
| 補助率・金額の上限 | 対象経費の2%、上限40万円 |
| 補助金詳細ページ | 原村第4弾農業者緊急支援給付金 |
箕輪町物価高騰対策 農薬購入費補助金 5
箕輪町が国の重点支援地方交付金を活用し、物価高騰への対策として実施する農薬購入費の補助制度です。令和7年分の税申告(農業所得用)における農薬衛生費の20%、上限20万円を補助します。農薬衛生費が2万円以上であることが条件です。
この制度で押さえておきたいのは、申請期限が2026年4月30日と非常に短い点です。出荷・販売を行い令和8年も継続すること、町税等に滞納がないことも要件となっています。箕輪町内に住所を有する個人または本店が町内にある法人が対象で、該当する方は早めに申請しましょう。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象者 | 箕輪町内に住所を有する個人または本店が町内にある法人で、農作物を出荷・販売している農業者 |
| 補助率・金額の上限 | 農薬購入費の20%、上限20万円 |
| 補助金詳細ページ | 箕輪町物価高騰対策 農薬購入費補助金 |
エネルギーコスト削減促進事業補助金(基本コース) 6
先に紹介した促進コースの下位にあたる基本コースです。温暖化対策計画書の提出やSDGs推進企業登録が不要で、申請のハードルが比較的低いのが特徴です。補助率は省エネ設備で1/2以内、社会福祉施設・医療機関等は2/3以内となっています。
上限は500万円(下限50万円)と促進コースより低めですが、LED照明・空調・冷蔵冷凍設備・エネルギー管理設備・太陽光発電など対象設備は多岐にわたります。農林業者も中小企業として申請可能です。省エネ設備の更新を検討しているが、促進コースの要件を満たすのが難しい場合は、まず基本コースから検討するのがよいでしょう。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象者 | 中小企業事業者、私立学校、児童福祉施設、農林業者等 |
| 補助率・金額の上限 | 1/2以内(社会福祉施設等は2/3以内)、上限500万円(下限50万円) |
| 補助金詳細ページ | エネルギーコスト削減促進事業補助金(基本コース) |
申請前に確認しておきたいポイント
対象要件を確認する
まず、自社が対象者の要件を満たしているかを確認しましょう。たとえば農業エネルギーコスト削減促進事業は農業経営体・農協・土地改良区が対象ですが、林業エネルギーコスト削減促進事業は森林組合や林業事業者に限られます。エネルギーコスト削減促進事業(基本・促進コース)は中小企業全般が対象で、農林業者も申請可能です。補助金検索フラッシュなら業種・事業規模で絞り込み、自社に合った制度を確認できます。
書類を準備する
多くの制度で事業計画書や見積書の提出が求められます。特に促進コースでは事業活動温暖化対策計画書の作成が必要で、温室効果ガスの削減目標も設定しなければなりません。作成に不安がある場合は、補助金の無料サポートをご利用ください。専門家が補助金の申請をサポートします。
スケジュールを確認する
箕輪町の農薬購入費補助金は2026年4月30日が申請期限です。一方、エネルギーコスト削減関連の4制度は2026年9月30日まで受け付けています。電子申請にはGビズIDプライムアカウントが必要で、発行まで数週間かかります。早めに準備しておきましょう。GビズIDの取得方法は補助金申請が忙しい時期に慌てないためのGビズIDの先回り準備をご覧ください。
まとめ
この記事では、長野県の農業者が申請できる返済不要の補助金6件を紹介しました。省エネ設備の導入支援から農薬費の補助、営農継続のための給付金まで、目的や対象者の異なる制度が揃っています。
- 農業エネルギーコスト削減促進事業補助金: 農業経営体・農協等向け、基本コース上限500万円・促進コース上限1,500万円
- エネルギーコスト削減促進事業補助金(促進コース): 中小企業・農林業者等向け、上限1,500万円
- 林業エネルギーコスト削減促進事業補助金: 林業・きのこ生産等の事業者向け、基本コース上限500万円・促進コース上限1,500万円
- 原村第4弾農業者緊急支援給付金: 原村の農業者向け、上限40万円
- 箕輪町物価高騰対策 農薬購入費補助金: 箕輪町の農業者向け、上限20万円
- エネルギーコスト削減促進事業補助金(基本コース): 中小企業・農林業者等向け、上限500万円
エネルギーコスト削減の制度は対象業種やコースによって補助率・上限額が大きく異なります。農業経営体であれば農業エネルギーコスト削減促進事業、林業・きのこ生産であれば林業エネルギーコスト削減促進事業と、自社の業種に合った制度を選ぶことが重要です。気になる制度があれば、各制度の公式ページから最新の公募情報を確認してみてください。
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