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グローバルニッチトップ助成事業の申請要件と対象経費

東京都のグローバルニッチトップ助成事業を令和7年度の公式一次資料で確認し、対象者、補助上限、対象経費、申請手順、必要書類、採択後の注意点まで分かりやすく解説します。

補助金フラッシュ 士業編集部公開日: 2026年3月20日
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目次

  • 制度の全体像
  • 支援内容
  • 対象者と申請要件
  • 対象経費
  • 申請の流れと注意点
  • 必要書類の整理
  • 採択後に気を付けたい実務
  • 実務上の注意点
  • 申請前のセルフチェック
  • 準備のタイムライン
  • 事務局に確認するときの整理メモ
  • よくある質問
  • まとめ
補助金フラッシュ 事業計画

東京都のグローバルニッチトップ助成事業は、都内中小企業が海外で知的財産を固めながら事業展開を進める段階で使う助成事業です。入口段階の幅広い知財助成とは違い、すでに東京都や公社の既存事業で表彰、助成、支援を受けていることと、対象となる技術や製品に係る権利化まで済んでいることが大きな前提になります。
今回確認できた詳細な公式一次資料は令和7年度公募で、申請方法、必要書類、対象経費、採択後の報告義務までかなり細かく示されています。次回公募では日程や様式が変わることがあるため、実際に申請するときはその年度の資料を見直してください。123

項目内容
制度名グローバルニッチトップ助成事業
対象年度/公募回令和7年度公募
最終更新日2026年3月18日
所管/実施機関/事務局東京都 / 公益財団法人東京都中小企業振興公社 / 東京都知的財産総合センター12
補助上限額/補助率助成限度額1,000万円 3期通算 / 助成率1/2以内12
助成対象期間令和7年4月1日から最長令和9年12月31日まで 第1期から第3期の三区分2
申請期間令和7年6月16日から7月15日17時まで 募集終了12
公式一次資料公募ページ 2025年7月15日更新 HTML / 募集要項 2025年5月1日版 PDF / 電子申請マニュアル Ver2.0 2025年5月16日版 PDF / 助成金申請書及び記入例 2025年4月版 ZIP / 様式集 2025年4月23日版 ZIP / 活用状況報告書 2026年2月版 Word
免責申請可否や経費判断は、当該年度の募集要領・交付要綱等と事務局の案内で最終確認してください。

目次

  • ●制度の全体像
  • どんな企業に向く助成事業か
  • まず押さえたい結論
  • 過年度情報と取り違えやすい点
  • ●支援内容
  • 支援内容の要旨
  • 補助額と期間の見方
  • 助成対象期間の考え方
  • お金の受け取り方
  • アドバイザー支援の位置づけ
  • ●対象者と申請要件
  • 申請できる主体
  • 東京都内で実質的に事業を行っていること
  • 既存事業で表彰や助成や支援を受けていること
  • 権利化済みの技術や製品であること
  • 世界規模の事業展開計画があること
  • 申請できない主なケース
  • ●対象経費
  • 対象経費の全体像
  • 権利取得等費用で見落としやすい点
  • 知財トラブル対策費用の範囲
  • 先行調査費用の位置づけ
  • 対象外になりやすい経費
  • ●申請の流れと注意点
  • 申請前に済ませたい準備
  • 電子申請と紙提出の両方が必要
  • 審査の進み方
  • 問い合わせ先
  • 交付決定後から支払いまでの流れ
  • ●必要書類の整理
  • 共通で準備する書類
  • 法人が追加で準備する書類
  • 個人事業主が追加で準備する書類
  • 該当する場合に追加で必要な書類
  • 書類づくりで詰まりやすい点
  • ●採択後に気を付けたい実務
  • 実績報告と完了検査
  • 証憑管理で外しやすいポイント
  • 変更や中止の手続き
  • 完了後の義務
  • ●実務上の注意点
  • 資金繰りは先に確認する
  • 申請前相談を活用する
  • 申請窓口になる人を決めておく
  • ●申請前のセルフチェック
  • ●準備のタイムライン
  • ●事務局に確認するときの整理メモ
  • ●よくある質問
  • ●まとめ
グローバルニッチトップ助成事業の申請要件と対象経費

制度の全体像

どんな企業に向く助成事業か

この助成事業が向くのは、すでに東京都や公社の支援メニューの中で技術や製品の評価を受け、その成果を海外展開へつなげたい企業です。公募ページでも、世界規模での事業展開が期待できる技術や製品を有する東京都内の中小企業者等を対象に、知的財産権の取得等に要する費用の助成と、知財戦略アドバイザー等による継続支援を行う事業だと案内しています。

単に海外出願費用を補うだけではなく、海外での権利取得、維持、トラブル対応、先行調査までを含め、数年単位で押し上げる形です。12

まず押さえたい結論

申請前に最初に確認したいのは、大きく3つです。1つ目は、令和2年4月1日から令和7年3月31日までの間に、東京都または公社が実施する指定事業のいずれかで、表彰、助成、支援を受けていることです。

2つ目は、その技術や製品に係る特許権、実用新案権、意匠権が国内外のどこかで、すでに権利化されていることです。

3つ目は、概ね3か国または3地域以上を見据えた世界規模の事業展開計画を持ち、その計画に基づいて海外での知財取得や維持を進めることです。ここを満たせないと、補助率や経費区分を確認する前の段階で止まります。12

過年度情報と取り違えやすい点

この助成事業は過年度と比べて見え方が変わりやすい制度です。公募ページでは3か年にわたり支援すると案内していますが、令和7年度募集要項では助成対象期間を第1期から第3期に分け、通算の対象期間を令和7年4月1日から最長令和9年12月31日までと示しています。

したがって、実務では公募ページの概要だけで判断せず、PDFの募集要項側にある日付、期間、提出書類、検査、報告義務の書き方で確認するのが安全です。採択件数や採択率のような過去紹介資料に出やすい数字は、令和7年度の申請要件としては示されていないため、本記事では要件情報として扱いません。12

支援内容

支援内容の要旨

項目内容
助成限度額1,000万円 3期通算
助成率助成対象と認められる経費の1/2以内
助成対象期間令和7年4月1日から最長令和9年12月31日
期区分令和7年度 第1期 / 令和8年度 第2期 / 令和9年度 第3期
主な対象経費外国での権利取得や維持に関する費用 / 知財トラブル対策費用 / 先行調査費用
支払時期各期終了後の実績確認、完了検査、確定通知の後に一括後払い
付随支援外国出願や侵害対応等に精通したアドバイザーの訪問支援や相談

この助成事業は、上限額だけを見ると大きな制度ですが、使い方にははっきりした型があります。まず海外での権利取得や維持に必要な費用を対象にしつつ、侵害対応や先行調査も含めます。そのうえで、支払いは前払いではなく後払いなので、申請時には資金繰りまで含めて見通しを持つ必要があります。12

補助額と期間の見方

助成限度額は3期通算で1,000万円です。つまり、1年ごとに別枠で1,000万円ではなく、第1期から第3期までを通して上限が1,000万円です。助成率は1/2以内なので、たとえば助成対象経費が2,000万円ちょうどで全額が認められた場合でも、助成金額は上限の1,000万円で頭打ちになります。

実際の確定額は、完了検査後に実際に要した助成対象経費の1/2と、各期間別の資金計画における申請額のいずれか低い額で決まります。千円未満は切り捨てです。2

助成対象期間の考え方

令和7年度募集要項では、助成対象期間を令和7年4月1日から最長令和9年12月31日までとし、第1期、第2期、第3期の3つに区分しています。各期が終わるごとに実績を確認して支払うため、3か年の伴走支援という公募ページの説明と、2年9か月というPDFの日付は矛盾ではありません。

実務では、発注または契約、実施、支払、必要がある場合の源泉所得税納付までが、この助成対象期間内にすべて完了しているかどうかが重要です。どれか1つでも期間外にはみ出すと、その経費は対象外になり得ます。12

お金の受け取り方

この助成事業は交付決定後すぐに入金される仕組みではありません。交付決定の後、事業を進め、各期終了時または事業完了時に実績報告書と帳票類を出し、完了検査を受け、その後に助成金額が確定します。請求書と印鑑証明書を提出してから、指定口座へ振り込まれる流れです。

募集要項では助成金は一括の後払いだと案内しているため、申請時点で自己資金またはつなぎ資金の見込みを持っておくことが大切です。2

アドバイザー支援の位置づけ

公募ページでは知財戦略アドバイザー等による知財戦略の策定から実施までの支援を3か年にわたり行うと案内しています。募集要項でも、外国出願や侵害対応等に精通した専門アドバイザーが企業を訪問し、進捗や今後の対応方針について無料相談に応じること、知財戦略のブラッシュアップを含む密着支援を行うことが書かれています。

助成金だけを見て終わらせず、海外でどの権利をどの順番で固めるか、侵害リスクにどう備えるかまで相談できるのが、この制度の特徴です。12

対象者と申請要件

申請できる主体

募集要項では、申請主体を中小企業者と中小企業団体に分けています。中小企業者には会社と個人事業者が入り、中小企業団体には中小企業等協同組合法等に基づく組合や一定の団体が入ります。いずれも大企業が実質的に経営に参画していないことが条件です。

大企業が単独で議決権や出資の2分の1以上を持つ場合や、複数の大企業で3分の2以上を持つ場合などは対象外になるおそれがあります。2

業種資本金または従業員数の基準
製造業 ソフトウェア業 情報処理サービス業 建設業 運輸業 その他資本金3億円以下 または 従業員300人以下
卸売業資本金1億円以下 または 従業員100人以下
サービス業資本金5,000万円以下 または 従業員100人以下
小売業資本金5,000万円以下 または 従業員50人以下

この表に当てはまっていても、大企業の実質支配があると対象外になる場合があります。逆に、資本金と従業員数のどちらか一方で基準を満たせばよいので、自社の決算書と雇用状況の両方を見て判定してください。

パートやアルバイトの扱いはFAQにも説明があり、解雇予告が必要な人員は従業員に含みます。2

東京都内で実質的に事業を行っていること

会社と団体は、令和7年4月1日時点で都内に登記簿上の本店または支店、主たる事務所が必要です。加えて、1年以上にわたり都内の事業所で実質的に事業を行っていること、または事業期間が1年未満でも東京都内で創業し、都内で実質的に事業を行っていることが求められます。

個人事業者は、同じ基準日時点で東京都内に開業届出があり、やはり実質的に都内で事業を行っている必要があります。

募集要項は、単に建物があるだけでは足りず、申請書、ホームページ、看板、電話対応、雇用状況などを総合して判断すると示しています。2

既存事業で表彰や助成や支援を受けていること

この助成事業の最大の関門がここです。令和2年4月1日から令和7年3月31日までの間に、募集要項で列挙された対象事業のいずれかにおいて、技術や製品が優れたものであると認められ、表彰、助成、支援を受けていることが必要です。

令和7年度募集要項の一覧は1番から37番まであり、東京都の認定制度も、公社の助成事業も入っています。しかも、事業ごとに必要な到達点が違います。認定で足りるものもあれば、助成額が確定していることまで求めるものもあります。2

区分代表的な対象事業の例申請時に確認したいこと
東京都の認定や表彰経営革新計画 東京都トライアル発注認定制度 東京ビジネスデザインアワード承認や認定や受賞の事実を示す書面があるか
公社の助成事業外国特許出願費用助成事業 TOKYO地域資源等活用推進事業 新製品新技術開発助成事業助成額が確定した通知書を受けているか
知財系の支援事業知財戦略導入支援事業 知的財産活用製品化支援助成事業 スタートアップ知的財産支援助成事業対象事業ごとに指定される修了や支援実績の書面があるか

大切なのは、対象事業名だけで判断しないことです。同じ事業でも、申請資格になる条件が細かく付いている場合があります。自社が持っている通知書や表彰状の発行日、通知の種類、事業名の正式表記を募集要項の一覧と照らして確認してください。2

権利化済みの技術や製品であること

公募ページでは、対象となる技術や製品に係る特許権、実用新案権、意匠権が国内外のいずれかで、すでに権利化されていることを要件に置いています。募集要項でも、技術や製品に係る特許権、実用新案権、意匠権が国内外のいずれかに既に権利化されていることが必要です。

ここは対象経費の品目と混同しやすい部分です。対象経費の一覧には商標や著作権も入っていますが、申請資格の入口にあるのは、基礎となる技術や製品に係る特許、実用新案、意匠の権利化です。入口の条件と、採択後に使える経費メニューは、同じではありません。12

世界規模の事業展開計画があること

公募ページは概ね3か国または3地域以上での事業展開計画を例示しています。募集要項でも、世界規模での事業展開の計画を有し、その計画に基づいて海外での知的財産の権利取得や維持、活用等を推進しようとしていることが必要です。

したがって、単発の外国出願だけを目的にするより、どの国でどの権利を取り、どこで販売やライセンスや提携を進めるのかまで、一続きの計画として示せる企業の方が相性がよい制度です。12

申請できない主なケース

募集要項では、同一内容で他の公的助成を受けている場合、公社の他助成金に同一内容で併願している場合、税の滞納がある場合、東京都や公社への債務支払が滞っている場合、過去5年に不正事故がある場合などを外しています。また、民事再生や会社更生の申立て等で継続性が不確実な状態も対象外です。

さらに、風俗関連業、ギャンブル業、賭博等、社会通念上適切でないと判断される業態や、連鎖販売取引、送り付け商法、催眠商法、霊感商法なども対象に入りません。2

対象経費

対象経費の全体像

経費区分主な内容具体例
権利取得等費用外国での権利取得や維持に関する費用特許の出願料 特許料 審査請求料 翻訳費用 国内代理人費用 現地代理人費用 中間処理費用
意匠 商標 実用新案 著作権関係費用外国での出願 登録 維持 活用に関わる費用意匠の登録料 商標の審判請求料 実用新案の翻訳費用 著作権の登録料
知財トラブル対策費用侵害や模倣への備えと対応知財訴訟特約付き保険 無効調査 鑑定費用 専門家意見書 展示会での模倣品撤去 税関差止の代理人費用
先行調査費用他社知財調査他社特許等の調査を代理人へ依頼する費用

令和7年度募集要項の対象経費は広めですが、何でも入るわけではありません。必要最小限であること、発注または契約、実施、支払が期間内に完了していること、助成事業者自身が直接支出したこと、証憑で確認できること、この4点がそろって初めて助成対象経費になります。2

権利取得等費用で見落としやすい点

特許だけでなく、意匠、商標、実用新案、著作権まで経費区分に入っています。とはいえ、申請資格の入口で求められる権利化済みの権利と、採択後に使える費目は別です。

たとえば、基礎技術についてすでに特許や意匠で権利化している企業が、その海外展開の中で商標や著作権の費用を組み込むことはあり得ます。

一方で、入口条件を満たさないまま商標だけで申請する形は、この助成事業の想定から外れやすいと考えた方がよいでしょう。12

知財トラブル対策費用の範囲

知財トラブル対策費用には、紛争に備える費用としての知財訴訟特約付き保険、他社特許の無効調査、鑑定費用、専門家意見書や見解書の作成費用、展示会における模倣品撤去のための代理人委託費用、税関での差止申請に関する代理人費用などが入ります。

ただし、訴訟そのものに要する費用は対象外です。侵害リスクへの備えまで含められるのは魅力ですが、実際の裁判費用まで見込める制度ではない点に注意してください。12

先行調査費用の位置づけ

先行調査費用としては、他社知財調査費用の代理人費用が対象です。海外で出願や販売を進める前に、既存権利との衝突を減らすための調査に使えるため、権利取得だけでなく、事業展開の安全性を高める役割があります。

制度上の義務ではありませんが、対象国の選定や出願順を考えるうえでも、先行調査は計画全体の精度を上げる材料になります。2

対象外になりやすい経費

対象外になりやすい例理由
助成事業に直接関係のない経費制度目的と無関係だから
契約書 注文書 完了報告書 請求書 振込控 通帳等がそろわない経費証憑不備になるから
交付申請書に書いていない事項に関する経費申請内容との不整合になるから
現金 手形 小切手で払った経費口座振込原則に合わないから
ポイント取得や利用を伴う支払い分実支払額が不明確になるから
親会社 子会社 グループ企業 親族会社との取引関連当事者取引として除外されるから
共同出願人同士の取引第三者性を欠くから
国内消費税 国内向け振込手数料助成対象外経費だから
一般的な市場価格より著しく高額な経費必要最小限を超えるから
知財トラブル対策における訴訟費用明示的に除外されているから
維持年金など助成期間外を対象とする経費期間要件を満たさないから

この表のほかにも、支払額の一部が後で払い戻されるような取引、帳票上の金額と実際の負担額が一致しない取引、発注から支払までの一連の流れが期間内に終わっていない取引は外れます。

特に、現地代理人費用や翻訳費用は請求書、振込控、通帳、完了資料のつながりが崩れると認められにくいため、契約時点から証拠の残し方を決めておくと安心です。2

申請の流れと注意点

申請前に済ませたい準備

公募ページと募集要項の両方が、jGrantsでの電子申請と紙の提出の両方が必要だと案内しています。GビズIDプライムアカウントの発行には約2週間から3週間かかるため、受付直前に動くと間に合わないことがあります。

申請前には、対象事業の支援実績を示す書面、権利化済みを示す登録証や登録原簿、海外展開計画、税務書類、申請書の作成担当者の連絡先まで先にそろえておくのが現実的です。123

電子申請と紙提出の両方が必要

令和7年度公募では、申請受付期間は6月16日から7月15日17時まででした。期限内にjGrants側の申請を済ませ、あわせて紙の申請書類も記録が残る方法で発送する必要があります。持参、普通郵便、FAX、電子メールでの提出は受け付けません。

紙書類は、助成金交付申請書を日本語で作成し、A4片面印刷、クリップ止め、添付資料は原則A4で両面可、ホチキス止め不可という体裁まで指定されています。123

審査の進み方

審査は一次審査の書類審査、二次審査の面接審査の順です。必要に応じて申請者への訪問やヒアリングを行う場合もあります。審査の視点は、資格審査、経理審査、事業審査の3本立てで、事業審査では技術や製品の卓越性と将来性、事業戦略の妥当性と実現性、知財戦略の妥当性と実現性が見られます。

単に外国出願件数が多いことより、どの知財をどう事業化へ結び付けるかが重要だと読めます。2

問い合わせ先

項目内容
窓口東京都知的財産総合センター グローバルニッチトップ助成金担当
住所〒110-0016 東京都台東区台東1-3-5 反町商事ビル1階
電話03-3832-3656
メールchizai-josei@tokyo-kosha.or.jp
受付の目安平日9時から17時

募集要項でも公募ページでも、問い合わせ先は東京都知的財産総合センターです。申請前相談も受け付けており、助成金の申請有無にかかわらず知財全般の無料相談を使えます。

制度要件ではありませんが、対象事業の証明書類や対象経費の線引きに迷う場合は、書類を作り込み過ぎる前に相談予約を入れる方が無駄が少なくなります。12

交付決定後から支払いまでの流れ

令和7年度募集要項の流れ図では、交付決定予定は令和7年12月上旬ごろとされています。交付決定後は、申請内容と決定通知書に沿って事業を完了し、完了後15日以内に実績報告書と必要帳票を提出します。

その後、東京都内の事業所または公社指定場所で完了検査を受け、助成対象期間内に外国での権利取得や維持が完了したこと、支払い済みであること、原本がそろっていることを確認してから金額が確定します。2

必要書類の整理

共通で準備する書類

区分主な書類補足
申請書グローバルニッチトップ助成金交付申請書3部提出
税務関係直近2期分の確定申告書類の写し創業2年未満は直近1期分で可 未決算は残高証明書等が必要
支援実績証明対象事業で表彰 助成 支援を受けたことを示す書面事業ごとに必要書面が異なる
権利関係特許権 実用新案権 意匠権の登録証または登録原簿の写しと登録公報の写し基礎となる技術や製品に対応するもの
技術資料製品 技術のパンフレットや説明資料申請テーマとの対応が分かるもの
追加資料見積書など審査に必要な場合は追加提出を求められる

募集要項は、書類の中に日本語以外のものがある場合は日本語訳を添付するよう求めています。さらに、申請時に必要な資料は上表だけで終わりではなく、申請額の根拠確認のための見積書などを追加で求めることがあるため、依頼が来てもすぐ出せるように控えをまとめておくとスムーズです。2

法人が追加で準備する書類

法人は、履歴事項全部証明書の原本が必要です。現在事項全部証明書は不可で、提出日時点で発行後3か月以内でなければなりません。あわせて、直近の法人事業税と法人都民税の納税証明書の原本、直近2期分の確定申告書類一式を用意します。

子会社が申請者で、親会社が中小企業であることを示す必要がある場合には、親会社の登記簿や業種、従業員数が分かる書類の写しも要ります。2

個人事業主が追加で準備する書類

個人事業主は、東京都内の開業届出書の写しが必要です。個人事業税の納税証明書と、代表者の住民税納税証明書も求められます。個人事業税が課税されない場合は、所得税納税証明書その1が必要です。

FAQでは、事業税が非課税の人について都税事務所で非課税証明書が発行されること、個人事業者で非課税の場合は税務署発行の所得税納税証明書その1が必要になることまで案内しています。2

該当する場合に追加で必要な書類

共同出願の場合は、対象となる発明の特定、権利の持分、外国出願費用の負担割合が書かれた共同出願契約書が必要です。契約書に基礎出願番号がなく、対象発明の特定ができない場合や、持分や費用割合が書かれていない場合は、その契約を原契約とする覚書等を申請時までに締結し、提出しなければなりません。

また、国際調査報告書や国際予備審査報告書を受領済みなら、その写しも求められる場合があります。2

書類づくりで詰まりやすい点

募集要項の巻末には、マイナンバーが記載された書類は受領できないので黒塗りにすること、開業届を紛失した場合は税務署で開示請求を行い提出済の証明を受けること、その証明書の発行に数か月かかる場合があることまで書かれています。制度上の義務ではありませんが、個人事業主は開業届の所在確認を最優先にすると準備が止まりにくくなります。

法人でも、登記簿の種類や発行日要件で差し戻されやすいため、取得前に要件を見直してください。2

採択後に気を付けたい実務

実績報告と完了検査

実績報告は、助成事業が完了したとき、または各期が終了したときに、完了後15日以内に出します。提出するのは実績報告書だけではありません。契約書または注文書と注文請書、完了報告書類、請求書、振込控、通帳、必要がある場合の源泉所得税納付書類など、支出の流れを一つずつつなげる帳票が必要です。

完了検査では、権利取得や維持の完了と、実際の支払いが終わっていることを、原本照合を含めて確認します。2

証憑管理で外しやすいポイント

募集要項は、帳票間に矛盾がないこと、発注から支払まで助成事業者名義で一貫していること、振込先が請求書と整合することを求めています。振込は原則として金融機関からの口座振込で、現金、手形、小切手は対象外です。

クレジットカード払いは例外的に認めますが、助成事業者名義のカードであること、月次利用明細で確認できること、口座引落しが助成対象期間内に完了していること、分割的に定額返済する方式ではないことが条件です。2

変更や中止の手続き

交付決定後に事業内容を著しく変更する場合や中止する場合は、所定の手続きが必要です。特に重要なのは、交付申請書に書いた発明の変更や出願国の追加はできない点です。出願国の削減は変更扱いに含まれませんが、増やすことは認められません。

採択後に国数を広げたい計画が出やすい制度だからこそ、申請時点で対象国の優先順位を詰めておくことが重要になります。2

完了後の義務

項目内容
活用状況報告助成事業完了日の属する会計年度の終了後 その翌年度から5年間 毎年度提出
帳簿書類の保存助成事業完了日の属する会計年度の翌年度から5年間保存
権利譲渡の制限完了後5年以内に助成で取得した権利を譲渡するときは承認申請が必要 返納を求められる場合あり
調査完了検査とは別に現地調査や報告依頼を受ける場合あり
取消しと返還要件違反や不正があれば交付決定取消し 返還 公表の可能性あり

活用状況報告は、権利化できたかどうかにかかわらず提出が必要です。採択時だけでなく、完了後も数年間続く事務があるため、担当者の異動や退職を見越して、保管場所、報告時期、権利情報の管理方法を社内で引き継げる形にしておくと後で困りにくくなります。24

実務上の注意点

資金繰りは先に確認する

これは制度要件ではありませんが、実務上は最初に見ておきたい点です。助成金は一括後払いなので、翻訳費用、国内外代理人費用、審査請求料、維持費用などを先に自社で負担できるかが重要です。

特に複数国へ同時に進める計画では、採択されても支払いタイミングが先行するため、社内稟議や金融機関との相談を早めに済ませておく方が無理が出にくくなります。2

申請前相談を活用する

公募ページは、専門知識を有する知財アドバイザーや弁理士、弁護士による無料相談を案内しています。助成金の内容や申請書類の確認を相談できるため、対象経費の切り分け、支援実績の証明書類の当て方、共同出願契約書の書きぶりに迷う企業には相性がよい窓口です。

制度上の義務ではありませんが、疑問点を相談記録として残しておくと、社内説明にも使いやすくなります。12

申請窓口になる人を決めておく

募集要項では、交付決定後の知財センターとの事務連絡や検査対応は、申請者本人で行うよう求めています。弁理士事務所等の代理人による知財センターとの事務連絡や検査対応は控えるよう案内があります。

したがって、外部専門家に任せきりにはできません。社内に、権利情報、契約、支払、進捗を横断して把握する担当者を置くことが、結果として書類の抜け漏れを減らします。2

申請前のセルフチェック

確認項目確認内容
対象事業実績令和2年4月1日から令和7年3月31日までの間に 指定事業で表彰 助成 支援を受けたか
証明書類対象事業ごとに必要な通知書 認定書 表彰状 助成金確定通知書などを保有しているか
権利化対象技術や製品に係る特許権 実用新案権 意匠権が国内外のどこかで権利化済みか
海外計画概ね3か国または3地域以上を見据えた事業展開計画があるか
都内事業実態東京都内で実質的に事業を行っていることを説明できるか
税務書類納税証明書 確定申告書 登記簿または開業届を期限内にそろえられるか
電子申請GビズIDプライムを取得済みか 申請期間にjGrantsへアクセスできるか
支払方法対象経費の支払を自社名義で行い 振込控や通帳を残せるか
共同出願持分と費用負担割合を書いた契約書を提出できるか
資金繰り後払いまでの資金負担に耐えられるか

この表で空欄が多い場合は、申請書本文に進む前に不足資料の回収を優先してください。特に、支援実績の証明書類と権利化の証明書類が曖昧なままでは、話が前に進みにくくなります。12

準備のタイムライン

時期の目安主な作業確認したいこと
受付開始の1か月以上前GビズIDプライム取得発行に2週間から3週間かかるため早めに動く
受付開始の1か月前支援実績の証明書類と権利資料の回収通知書の名称 発行日 申請テーマとの対応関係を確認
受付開始の3週間前申請書の骨子作成対象国 出願順 侵害対策 先行調査の位置づけを固める
受付開始の2週間前見積取得と経費の切り分け助成対象外の費用が混ざっていないかを見る
受付開始の1週間前紙書類の体裁確認A4 片面 クリップ止め 提出部数 連絡先を見直す
申請期間中jGrants申請と紙提出両方を期限内に完了する
交付決定後契約 実施 支払の証憑管理助成事業者名義で一貫しているかを追う
各期終了時または完了時実績報告と完了検査対応完了後15日以内の提出と原本照合に備える

後半の行は採択後の流れですが、申請前から見えていた方が失敗しにくい部分です。制度要件ではありませんが、申請時点で帳票の保管方法まで決めておくと、採択後の運用が安定します。123

事務局に確認するときの整理メモ

項目自社で整理しておきたい内容
対象事業実績どの事業で いつ どの通知書を受けたか
申請テーマどの技術や製品を基礎にするか
権利化状況国内外のどの権利が登録済みか 登録番号は何か
海外展開先対象国 地域の候補と優先順位
予定経費出願 維持 翻訳 代理人 侵害対応 先行調査の見込み額
共同出願の有無持分 費用負担割合 契約書の有無
支払予定者誰の名義で契約し 誰の口座から支払うか
税務書類登記簿 開業届 納税証明書 確定申告書の取得状況
相談したい論点対象経費の線引き 既存事業証明の適否 出願人名義の扱いなど

このメモを作ってから問い合わせると、回答の精度が上がりやすくなります。特に、対象事業実績の証明書類と、基礎出願または登録権利とのつながりは、口頭だけでは伝わりにくい部分です。12

よくある質問

Q1. この助成事業は都内中小企業なら誰でも使えますか。
A. いいえ。都内中小企業であることに加え、指定された既存事業で表彰、助成、支援を受けていること、対象技術や製品に係る特許権、実用新案権、意匠権がすでに権利化されていること、世界規模の事業展開計画があることなど、複数の条件を満たす必要があります。12

Q2. 個人事業主でも申請できますか。
A. 申請できます。募集要項は個人事業者を対象に含めています。ただし、令和7年4月1日時点で東京都内に開業届出があり、都内で実質的に事業を行っていることが必要です。納税証明書の種類も法人と異なるため、早めに確認してください。2

Q3. 一般社団法人や医療法人でも申請できますか。
A. FAQでは、一般社団法人、一般財団法人、医療法人、学校法人、宗教法人等は申請できないと案内しています。自社の法人形態が迷う場合は、申請前相談で確認すると安全です。2

Q4. 他の公的助成金と同時に応募できますか。
A. FAQでは、同一の技術や製品に係る特許権等を対象として他の公的機関の助成金に併願申請すること自体は可能だと案内しています。ただし、同一の技術や製品に係る特許権等を対象として両方から助成を受けることはできず、両方に採択された場合は一方を辞退する扱いです。2

Q5. 過去にこの助成事業で採択されたことがあります。もう一度申請できますか。
A. FAQでは、過年度とは別の技術や製品に係る特許権等であれば申請できるとしています。過年度と同一の技術や製品に係る特許権等なら申請できません。2

Q6. 共同出願でも対象になりますか。
A. 対象になります。ただし、対象発明の特定、権利の持分、外国出願費用の負担割合が書かれた共同出願契約書が必要です。記載が不足している場合は、その内容を補う覚書等を申請時までに整える必要があります。2

Q7. 基礎出願の出願人と助成金申請者が違っていても申請できますか。
A. 申請自体は可能ですが、助成対象になるには、助成金申請者が外国出願の出願人に含まれている必要があります。すでに外国出願済みなら、申請時までに名義変更や持分譲渡の契約や協定を整え、出願国の所管庁への手続書類も添付する必要があります。2

Q8. 日本国内への出願は対象になりますか。
A. なりません。FAQでは、日本国内への出願も、PCT出願での日本への国内移行も対象外だと案内しています。この制度は海外での権利取得、維持、活用を主な対象にした助成事業です。2

Q9. 事業税が課税されていない場合はどうなりますか。
A. FAQでは、課税されていない場合は都税事務所で非課税の証明書が発行されると案内しています。個人事業者で事業税が非課税の人は、税務署発行の所得税納税証明書その1の原本も必要です。2

Q10. 直近の確定申告書がまだできていません。
A. FAQでは、助成金申請時に直近の確定申告書類が間に合わない場合、その前の期の確定申告書類を提出すると案内しています。決算月変更などで変則的な事情があるときは、関連する複数期の資料が必要になる場合があります。2

Q11. 決算期が12か月に満たない期があります。
A. FAQでは、決算対象期間の合計が24か月以上になるように、複数期の決算報告書を提出するよう案内しています。単年度だけでは事業実態を示しにくい場合があるためです。2

Q12. 交付決定後すぐに助成金は入りますか。
A. すぐには入りません。交付決定の後に事業を実施し、実績報告と完了検査を経て金額が確定し、請求書提出後に支払われます。募集要項は一括後払いだと案内しています。2

Q13. 採択後に出願国を追加できますか。
A. できません。募集要項は、交付申請書に記載した発明の変更や出願国の追加は認めていません。出願国の削減は変更扱いに含まれませんが、追加はできないため、申請段階で優先国をよく詰めておく必要があります。2

Q14. 活用状況報告は何年間必要ですか。
A. 助成事業が完了した日の属する会計年度の終了後、その翌年度から5年間、毎年度の終了ごとに提出が必要です。権利化の成否にかかわらず提出が求められます。24

まとめ

グローバルニッチトップ助成事業は、海外での知財取得や維持の費用を補う制度でありながら、実際にはそれより一段深い助成事業です。東京都や公社の既存支援を踏まえ、すでに権利化した技術や製品を世界展開へつなぐ企業を対象にしており、補助率1/2以内、上限1,000万円、3期通算という枠の中で、権利取得、維持、侵害対策、先行調査、伴走支援までを組み合わせて使います。12

申請の成否を分けやすいのは、対象事業実績の証明、基礎となる権利化の証明、海外展開計画の具体性、そして採択後を見据えた証憑管理です。制度要件に当たる部分は募集要項で確認し、迷いやすい経費区分や書類の当て方は申請前相談で早めに潰していくと進めやすくなります。123

出典・参考資料

  1. グローバルニッチトップ助成事業 令和7年度 公募ページ 2025年7月15日更新 HTML ↩

  2. 令和7年度 グローバルニッチトップ助成金 募集要項 2025年5月1日版 PDF ↩

  3. 東京都知財戦略導入助成事業 電子申請マニュアル Ver2.0 2025年5月16日版 PDF ↩

  4. グローバルニッチトップ助成金 活用状況報告書 2026年2月版 Word ↩

執筆者:補助金フラッシュ 士業編集部

補助金・助成金の活用法からAI導入、業務の生産性向上まで、中小企業の経営に役立つ情報を士業の専門家チームがわかりやすく解説します。

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執筆者
補助金フラッシュ 士業編集部
公開日: 2026年3月20日

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