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Go-Tech事業の令和8年度公募の概要と申請方法

Go-Tech事業の令和8年度公募について、対象者、補助上限額、補助率、対象経費、e-Rad申請手順、審査の見方を公式資料ベースで解説します。

補助金フラッシュ 士業編集部公開日: 2026年5月13日
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目次

  • Go-Tech事業の全体像
  • 令和8年度公募の受付状況
  • 補助上限額と補助率
  • 申請できる共同体の要件
  • 中小企業者等の確認
  • 対象となる研究開発
  • 成長目標と賃金に関する要件
  • 補助対象経費
  • 補助対象外となる経費
  • 申請方法
  • 審査で見られる観点
  • 令和8年度公募の主な変更点
  • 共同体パートナーの探し方
  • 採択後に始まる手続き
  • 申請前セルフチェック
  • 必要書類と準備資料
  • 申請準備タイムライン
  • 申請書に入れたい記述の型
  • 証憑チェック
  • よくある質問
  • まとめ
補助金フラッシュ 事業計画

Go-Tech事業は、中小企業者等が大学や公設試等と連携して行う研究開発、試作品開発、その後の事業化に向けた取組を支援する国の補助事業です。
令和8年度公募では、通常枠に加えて大型研究開発枠が設けられ、補助上限額、共同体の組み方、e-Radでの提出手続きが重要な確認事項になります。2026年5月12日時点では、令和8年度公募の受付期間は終了していますが、制度の仕組みを理解しておくと次回以降の準備にも役立ちます。
この記事では、令和8年度の公式公募資料をもとに、Go-Tech事業の対象者、補助金額、対象経費、申請方法、採択に向けて確認したいポイントを解説します。

項目内容
制度名(正式名称)成長型中小企業等研究開発支援事業。通称はGo-Tech事業。旧サポイン事業、旧サビサポ事業の流れを引き継ぐ研究開発支援事業です。
対象年度/公募回令和8年度予算公募
最終更新日2026年5月12日
所管/実施機関/事務局経済産業省 中小企業庁。申請相談は、主たる研究等実施機関の研究実施場所を所管する経済産業局等が窓口になります。
補助上限額/補助率通常枠は単年度4,500万円以下、2年度合計7,500万円以下、3年度合計9,750万円以下。大型研究開発枠は単年度1億円以下、2年度合計2億円以下、3年度合計3億円以下。中小企業者等は原則2/3以内、大学や公設試等に該当するA機関及びB機関は定額です。
申請期間2026年2月16日から2026年4月17日17時まで。2026年5月12日時点では受付終了です。
公式一次資料公募ページ 2026年3月27日更新 公式ページ / 公募要領 令和8年2月版 PDF / e-Rad申請手順 令和8年2月版 PDF / 大型研究開発枠申請資料 2026年2月版 PDF / 人件費計算実施細則 令和8年3月版 PDF / FAQ 令和8年3月12日更新 PDF
免責申請可否や経費判断は、当該年度の募集要領・交付要綱等と事務局の案内で最終確認してください。

目次

  • ●Go-Tech事業の全体像
  • 旧サポイン事業と旧サビサポ事業からの流れ
  • 制度の狙い
  • ●令和8年度公募の受付状況
  • 相談対応とe-Rad登録の注意点
  • 採択予定件数
  • ●補助上限額と補助率
  • 通常枠の補助上限額
  • 大型研究開発枠の補助上限額
  • 補助率
  • ●申請できる共同体の要件
  • 共同体に必要な基本構成
  • 主たる研究等実施機関
  • 総括研究代表者と副総括研究代表者
  • A機関とB機関
  • ●中小企業者等の確認
  • 主な中小企業者の範囲
  • みなし大企業の確認
  • ●対象となる研究開発
  • 対象分野
  • 事業化までの道筋
  • ●成長目標と賃金に関する要件
  • 付加価値額と給与支給総額
  • 賃金引上げ加点との関係
  • ●補助対象経費
  • 経費区分の全体像
  • 人件費の計算
  • 外注費と委託費の上限
  • ●補助対象外となる経費
  • 対象外経費の確認表
  • ●申請方法
  • 申請の大まかな流れ
  • 提出書類の構成
  • ●審査で見られる観点
  • 技術面の見方
  • 事業化面の見方
  • 政策面の見方
  • ●令和8年度公募の主な変更点
  • 出資獲得枠から大型研究開発枠へ
  • 大学や公設試等の補助率
  • ●共同体パートナーの探し方
  • Go-Techナビの活用
  • 採択事例の見方
  • ●採択後に始まる手続き
  • 年度ごとの交付と評価
  • ●申請前セルフチェック
  • ●必要書類と準備資料
  • 主たる研究等実施機関が準備する資料
  • 事業管理機関が準備する資料
  • ●申請準備タイムライン
  • ●申請書に入れたい記述の型
  • 技術課題の書き方
  • 事業化計画の書き方
  • ●証憑チェック
  • ●よくある質問
  • ●まとめ
Go-Tech事業の令和8年度公募の概要と申請方法

Go-Tech事業の全体像

Go-Tech事業は、ものづくり基盤技術やサービスの高度化に向けた研究開発を、中小企業者等と大学、公設試等の連携によって進めるための補助事業です。中小企業庁の公募ページでは、中小企業者等が大学や公設試等と連携して行う研究開発と、その成果の事業化に向けた取組を最大3年間支援する制度として案内されています。令和8年度公募の申請は、府省共通研究開発管理システムであるe-Radのみで受け付けられました。1

旧サポイン事業と旧サビサポ事業からの流れ

Go-Tech事業は、令和4年度から旧サポイン事業と旧サビサポ事業を統合した形で実施されています。Go-Techナビでは、旧サポイン事業と旧サビサポ事業を発展的に統合し、中小企業等が大学、公設試等と連携して行う研究開発と試作品開発等を支援する事業として説明しています。2

旧サポイン事業は、戦略的基盤技術高度化支援事業の略称として使われてきました。旧サビサポ事業は、商業・サービス競争力強化連携支援事業として、サービス分野の高度化に関係する取組を支援してきた制度です。Go-Tech事業では、ものづくり基盤技術だけでなく、IoTやAI等の先端技術を活用した高度なサービス開発も対象に含まれます。

制度の狙い

令和8年度公募要領では、Go-Tech事業の目的として、特定ものづくり基盤技術及びサービスの高度化等に関する指針に基づく研究開発、試作品開発等を支援し、中小企業者等の国際競争力の強化を図ることが掲げられています。対象となるのは、情報処理、精密加工、立体造形等の12分野の特定ものづくり基盤技術に関する研究開発や、IoT、AI等を活用した高度なサービスの研究開発です。3

このため、Go-Tech事業は単なる設備投資の補助金ではありません。公募要領では、生産を目的とした設備備品の導入や営利活動そのものを補助する事業ではないことも示されています。事業計画では、研究開発としての新規性、技術課題、試作品開発の内容、事業化までの道筋を一体で説明する必要があります。3

令和8年度公募の受付状況

令和8年度公募の申請期間は、2026年2月16日から2026年4月17日17時まででした。申請はe-Radでのみ受け付けられ、持参、郵送、FAX、電子メールによる提出は認められていません。2026年5月12日時点では、この公募の受付は終了しています。13

相談対応とe-Rad登録の注意点

公募要領では、相談対応の期間も公募期間と同じく2026年2月16日から2026年4月17日までとされています。相談対応時間は、祝日を除く月曜日から金曜日の10時から12時、13時30分から17時です。17時以降の相談は受け付けられないため、締切直前に確認事項が残ると対応が間に合わない可能性があります。3

e-Radへの登録には数日を要する場合があり、2週間以上の余裕をもって手続きを行うよう公募要領で案内されています。e-Rad申請手順の資料でも、事業管理機関が研究機関として登録されていない場合、研究機関登録に通常2週間程度かかる場合があると説明されています。34

採択予定件数

中小企業庁の令和8年度公募ページでは、採択想定件数として、通常枠が120件程度、大型研究開発枠が5件程度と案内されています。採択予定件数は、審査や予算状況によって変わることがあるため、申請検討時には当該年度の公募ページと公募要領を確認する必要があります。1

採択案件は、中小企業庁のウェブサイトで公表される取扱いです。公募要領では、採択発表時に研究開発計画名、研究開発計画の概要、事業管理機関名、研究等実施機関名、連携する大学や公設試等の名称などが公表対象になることも案内されています。3

補助上限額と補助率

Go-Tech事業の補助金額は、通常枠と大型研究開発枠で大きく異なります。いずれの枠でも、補助事業期間は2年度または3年度です。1年度だけの計画ではなく、研究開発と事業化準備を複数年度で進める前提の制度です。3

通常枠の補助上限額

通常枠の補助上限額は、単年度あたり4,500万円以下です。2年度の合計では7,500万円以下、3年度の合計では9,750万円以下となります。単年度の上限額があるため、2年度計画の2年目に大きく増額して総額だけを満たすような計画は認められません。FAQでも、2年度目に単年度上限額を超える申請はできないと説明されています。35

区分補助事業期間補助上限額
通常枠単年度4,500万円以下
通常枠2年度合計7,500万円以下
通常枠3年度合計9,750万円以下

通常枠は、初めてGo-Tech事業を検討する企業にとって基本となる枠です。大学や公設試等との連携、技術課題の明確化、事業化計画の妥当性を確認しながら、必要な研究開発費を年度ごとに積み上げる必要があります。

大型研究開発枠の補助上限額

大型研究開発枠の補助上限額は、単年度あたり1億円以下です。2年度の合計では2億円以下、3年度の合計では3億円以下となります。通常枠より大きな研究開発費を申請できる一方で、主たる研究等実施機関に関する追加要件があります。36

区分補助事業期間補助上限額
大型研究開発枠単年度1億円以下
大型研究開発枠2年度合計2億円以下
大型研究開発枠3年度合計3億円以下

大型研究開発枠では、主たる研究等実施機関が直近3年間に継続して研究開発を行っており、少なくとも1年は年間1億円以上の研究開発費を支出していることを示す必要があります。財務諸表、税務申告書類、または公認会計士や税理士による確認資料を用いて、研究開発費の実績を説明する仕組みです。6

補助率

補助率は、中小企業者等が原則2/3以内です。ただし、直近過去3年分の課税所得の年平均額が15億円を超える中小企業者等とNPO法人については、補助率が1/2以内となります。大学や公設試等に該当するA機関及びB機関は定額です。3

対象者区分補助率
中小企業者等2/3以内
課税所得15億円超の中小企業者等1/2以内
NPO法人1/2以内
A機関及びB機関定額

さらに、共同体全体で見た場合、中小企業者等が受け取る補助金額は、補助金総額の2/3以上である必要があります。FAQでは、この2/3以上の要件は各年度だけでなく、事業終了時の合計で満たす考え方が示されています。35

申請できる共同体の要件

Go-Tech事業は、単独申請ができません。中小企業者等を中心とした共同体を組み、事業管理機関がe-Radで申請します。共同体には、研究開発を実施する機関と、事業を管理する機関が必要です。3

共同体に必要な基本構成

公募要領では、共同体の構成員として、研究等実施機関と事業管理機関を置くことが求められています。事業管理機関は、研究等実施機関を兼ねることができます。ただし、事業管理機関兼研究等実施機関の1者とアドバイザー1者だけで構成される共同体は申請要件を満たしません。3

構成員役割主な確認点
主たる研究等実施機関研究開発の中核を担う中小企業者等中小企業者等であることが必要です。共同体の中心として技術課題、試作品開発、事業化を進めます。
従たる研究等実施機関主たる研究等実施機関の取組を補完する研究開発を行う機関中小企業者等、A機関、B機関が該当します。役割分担が明確である必要があります。
事業管理機関計画全体の運営、管理、経理、調整を担う機関申請主体としてe-Radで提出します。補助金の交付や精算にも関わります。
アドバイザー研究開発や事業化に助言する機関や企業等補助金を受ける立場ではなく、助言や評価などを担います。

令和8年度公募では、通常枠と大型研究開発枠のいずれでも、大学や公設試等に該当するA機関が、従たる研究等実施機関またはアドバイザーとして参画する必要があります。共同研究の形だけを整えるのではなく、大学や公設試等が研究開発上どの課題を担当し、どの成果物に責任を持つのかを申請書で説明することが重要です。3

主たる研究等実施機関

主たる研究等実施機関は、共同体の中核として研究開発を行う中小企業者等です。Go-Tech事業では、中小企業者等が主役であり、大学や公設試等は研究開発の補完や高度化に関わる位置づけです。公募要領では、主たる研究等実施機関が中小企業者等であることが求められています。3

同一の中小企業者等が、令和8年度公募で複数の共同体の研究等実施機関として参加することはできません。継続中のGo-Tech事業に研究等実施機関として参加している場合も、新たな共同体の研究等実施機関として申請することはできない取扱いです。ただし、アドバイザーとしての参加は可能です。3

総括研究代表者と副総括研究代表者

共同体には、総括研究代表者と副総括研究代表者を置きます。公募要領では、総括研究代表者または副総括研究代表者のいずれかが、主たる研究等実施機関の研究員であることが必要です。3

この要件は、研究開発の意思決定を中小企業者等が担うために重要です。研究テーマの専門性を大学や公設試等が補完する場合でも、事業化の責任を持つ中小企業側が研究開発の方向性を理解し、顧客課題、製品仕様、量産やサービス提供までの見通しを説明できる体制が求められます。

A機関とB機関

A機関には、大学、高等専門学校、大学共同利用機関、国立研究開発法人、試験研究を行う独立行政法人、地方独立行政法人、公設試験研究機関、公益社団法人、公益財団法人などが含まれます。B機関には、承認または認定を受けた技術移転機関、第三セクター、一定の要件を満たす一般社団法人や一般財団法人などが含まれます。3

区分主な該当機関Go-Tech事業での位置づけ
A機関大学、高等専門学校、国立研究開発法人、公設試験研究機関、公益法人など令和8年度公募では、通常枠と大型研究開発枠のいずれでも参画が必要です。
B機関承認または認定TLO、第三セクター、一定の一般社団法人や一般財団法人など研究開発や事業管理の補完機能を担う場合があります。
大企業原則としてアドバイザーとしての参加A機関またはB機関に該当する場合を除き、補助金を受ける研究等実施機関にはなれません。

FAQでは、企業が設立した大学がA機関に該当しないこと、社会福祉法人はA機関に該当しないこと、農業協同組合は中小企業者等に該当しないことなど、具体的な判断例も示されています。共同体の構成で迷う場合は、早めに所管の経済産業局等へ確認しましょう。5

中小企業者等の確認

Go-Tech事業の主たる研究等実施機関になるためには、中小企業者等に該当する必要があります。中小企業者等の判定では、業種ごとの資本金または従業員数の基準を確認します。FAQでは、資本金基準または従業員基準のいずれか一方を満たせば、中小企業者等として扱われると説明されています。5

主な中小企業者の範囲

公募要領では、中小企業者等の範囲が別表で示されています。代表的な会社及び個人の範囲は次のとおりです。資本金と従業員数の基準は、業種によって異なります。3

業種区分資本金の基準常時使用する従業員数の基準
製造業、建設業、運輸業、その他の業種3億円以下300人以下
卸売業1億円以下100人以下
サービス業5,000万円以下100人以下
小売業5,000万円以下50人以下

公募要領では、会社や個人だけでなく、一定の組合、連合会、企業組合、協業組合、商工組合、特定非営利活動法人なども中小企業者等の範囲として扱われます。NPO法人は対象になり得ますが、補助率は1/2以内です。対象可否の判断では、法人形態、業種、資本金、従業員数、みなし大企業への該当有無を組み合わせて確認する必要があります。3

みなし大企業の確認

公募要領では、みなし大企業に該当する中小企業者は対象外です。みなし大企業の判定は、資本関係や役員構成を確認して行います。大企業からの出資割合、複数の大企業による出資、役員の兼任状況などが関係します。3

この確認は、申請直前ではなく共同体づくりの段階で行うことが重要です。大企業と共同開発を行っている場合でも、大企業が補助金を受ける側に入れるとは限りません。大企業は、A機関またはB機関に該当する場合を除き、アドバイザーとしての参加が基本になります。3

対象となる研究開発

Go-Tech事業の対象は、高度化指針に基づく研究開発です。高度化指針は、中小企業の特定ものづくり基盤技術及びサービスの高度化等に関する指針を指します。中小企業庁は、特定ものづくり基盤技術やサービスの高度化に関する考え方を公式ページで公開しています。78

対象分野

e-Rad申請手順では、技術分野として、デザイン開発、情報処理、精密加工、製造環境、接合・実装、立体造形、表面処理、機械制御、複合・新機能材料、材料製造プロセス、バイオ、測定計測、サービスの分野が示されています。研究開発計画では、自社のテーマがどの技術分野に該当し、どの高度化課題を解決するのかを明確にする必要があります。4

技術分野の例申請書で説明したい観点
情報処理データ処理、AI、IoT、制御、予測、可視化などが、どの顧客課題を解決するかを説明します。
精密加工加工精度、歩留まり、耐久性、コスト、量産性など、既存技術との違いを説明します。
接合・実装異種材料接合、強度、信頼性、検査方法、量産工程への展開を説明します。
バイオ分析、検出、培養、評価、医療や食品などでの実用化課題を説明します。
サービスIoTやAI等を活用したサービス高度化の仕組みと、利用者価値を説明します。

研究開発を伴わない販路開拓だけの事業は対象になりません。公募要領では、研究開発を伴わない販路開拓のみの事業は補助対象外であり、研究開発の本質的な部分を従たる研究等実施機関以外へ外注する事業も対象にならない扱いです。3

事業化までの道筋

Go-Tech事業では、研究開発だけで終わらない計画が求められます。公募要領では、研究開発期間終了後1年以内に、川下製造業者等による性能評価を受けることを想定した計画や、研究開発期間終了後5年以内に事業化するための取組が求められます。3

ここでいう川下製造業者等とは、研究成果を実際に使う顧客、取引先、導入候補企業などを想定できます。申請書では、研究成果の評価者、評価方法、評価時期、事業化後の販売先、想定単価、販売数量、収益見込みを、できるだけ具体的に示すことが重要です。

成長目標と賃金に関する要件

令和8年度公募要領では、補助事業終了後5年以内の成長目標が示されています。主たる研究等実施機関は、付加価値額の増加、1人当たり給与支給総額の増加、事業場内最低賃金の水準について、一定の目標を満たす計画を作る必要があります。3

付加価値額と給与支給総額

付加価値額は、営業利益、人件費、減価償却費の合計です。補助事業終了後5年以内に、主たる研究等実施機関の付加価値額を15%以上増加させる計画が求められます。年率平均では3.0%以上です。また、1人当たり給与支給総額も、補助事業終了後5年以内に15%以上増加させる計画が必要です。3

成長目標要件
付加価値額補助事業終了後5年以内に15%以上増加。年率平均3.0%以上。
1人当たり給与支給総額補助事業終了後5年以内に15%以上増加。年率平均3.0%以上。
事業場内最低賃金補助事業終了年度の翌年度以降、毎年、地域別最低賃金より30円以上高い水準。

1人当たり給与支給総額には、賃金や賞与などが含まれます。一方で、役員報酬、福利厚生費、法定福利費、退職手当などは扱いが異なります。申請書の数値を作る際には、給与支給総額の定義を公募要領で確認し、決算書や賃金台帳との整合を取ることが必要です。3

賃金引上げ加点との関係

公募要領では、過去の中小企業庁関連補助金で賃金引上げ加点を受けながら要件を達成できなかった場合、一定期間、中小企業庁の補助金申請で大幅な減点を受ける取扱いが案内されています。Go-Tech事業も対象となる補助金の一つです。3

賃金目標は、採択を意識して高く書けばよい項目ではありません。研究成果が売上や利益にどうつながり、どの時期に賃金原資を確保できるのかを現実的に見積もる必要があります。これは制度要件ではありませんが、実務上は、財務担当者、人事担当者、研究開発責任者が同じ前提で数値を確認しておくと、申請後の説明がしやすくなります。

補助対象経費

補助対象経費は、事業のために必要であり、補助事業の経費として明確に区分でき、証拠書類で支出を確認できるものに限られます。公募要領では、物品費、人件費、旅費、その他経費、委託費、間接経費が対象経費として示されています。3

経費区分の全体像

経費区分主な内容申請時の注意点
物品費機械装置、備品、土木・建設工事費、保守・改造修理費、消耗品費など研究開発に直接必要なものに限ります。生産目的や営利活動のための設備は対象外です。
人件費・補助員人件費・謝金研究員、管理員、補助員、委員会やアドバイザーへの謝金など研究開発に直接従事した時間を根拠に計算します。
旅費国内外の出張にかかる旅費組織の旅費規程に基づき、研究開発や事業化に必要な出張であることを示します。
その他外注費、印刷製本費、運搬費、クラウドサービス利用費、技術導入費、通訳翻訳費、知的財産権関連経費、マーケティング調査費、賃貸借費など研究開発との関係、費用の妥当性、支払証憑を確認します。
委託費研究開発の一部を委託する費用研究開発の本質的な部分を、従たる研究等実施機関以外へ委託する計画は対象になりません。
間接経費直接経費に対して一定割合で計上できる経費直接経費の30%を上限に計上できます。

間接経費は、物品費、人件費・補助員人件費・謝金、旅費、その他の直接経費に対して30%を上限に計上できます。FAQでは、間接経費を計上しないことも可能であり、計上する場合はe-Radで使用実績を報告する必要があると説明されています。35

人件費の計算

人件費は、原則として時間単価と直接従事時間を用いて計算します。令和8年度の人件費計算実施細則では、人件費を時間単価に直接作業時間数を乗じて算出する方法が示されています。直接作業時間は、補助事業従事日誌によって証明し、就業規則等に照らして適正な時間である必要があります。9

健保等級ルールを使う場合でも、法定福利費の事業主負担分は時間単価に含まれません。役員や日給制、時給制の従業員などは、健保等級ルールの対象外になる場合があります。研究開発担当者の人件費を計上する場合は、雇用形態、給与体系、従事日誌、研究内容の記録をそろえることが重要です。9

外注費と委託費の上限

公募要領では、その他のうち外注費と委託費の合計について、各年度における補助対象経費総額の2分の1未満とする制限があります。研究開発の大部分を外部に任せる計画では、共同体が研究開発を行う事業としての説明が難しくなります。3

委託費には、一般管理費の上限もあります。委託先の直接経費に対して、一般管理費は10%以内の範囲で計上できます。委託先の選定理由、委託内容、成果物、金額の妥当性を明確にしておく必要があります。3

補助対象外となる経費

Go-Tech事業では、研究開発に関連して見える支出でも、対象外になるものがあります。公募要領では、交付決定前に発注、購入、契約等を行った経費、販売を目的とした製品や商品の生産経費、事務所家賃、通信費、飲食費、汎用性の高い物品などが対象外として挙げられています。3

対象外経費の確認表

対象外となる経費の例確認したい理由
交付決定前に発注、購入、契約等を行ったもの補助事業は交付決定後に着手するのが原則です。
販売を目的とした製品や商品の生産経費研究開発や試作品開発ではなく、営利活動に該当する可能性があります。
事務所等の家賃、保証金、敷金、仲介手数料、光熱水費通常の事業運営費とみなされやすい経費です。
電話代、インターネット利用料金等の通信費一般的な通信費は対象外です。
文房具などの事務用品、雑誌購読料、新聞代、団体会費研究開発に直接必要な経費として認められにくい支出です。
飲食、娯楽、接待等の費用公的資金の用途として認められません。
不動産の購入費研究開発の経費ではなく資産取得に該当します。
PC、プリンター、自動車など汎用性が高いもの目的外使用が可能なものは、原則として対象外です。
中古品の購入費価格設定の妥当性を示しにくく、原則として対象外です。

公募要領では、税務申告や決算書作成のために税理士、公認会計士等へ支払う費用、訴訟対応のための弁護士費用、収入印紙、振込手数料、公租公課、還付制度のある海外付加価値税、借入金や割賦販売の利息なども対象外として扱われます。経費判断で迷う場合は、採択後の交付申請や経理処理の段階で確認が必要です。3

申請方法

令和8年度公募の申請は、e-Radのみで受け付けられました。紙媒体、郵送、持参、FAX、電子メールでの提出は認められていません。申請を行うのは事業管理機関です。34

申請の大まかな流れ

Go-Techナビでは、申請の流れとして、研究開発計画の検討、実施体制の構築、e-Radへの登録、申請書類の作成、電子申請の順で準備することが案内されています。共同体を組む制度であるため、書類作成の前に、役割分担と経費配分を固める必要があります。10

段階主な作業詰まりやすい点
研究テーマの確認高度化指針との関係、技術課題、研究開発内容を確認します。単なる設備導入や販路開拓に見える計画は対象外になりやすいです。
共同体の構築主たる研究等実施機関、従たる研究等実施機関、事業管理機関、アドバイザーを決めます。A機関の参画、総括研究代表者と副総括研究代表者の要件を確認します。
e-Rad登録事業管理機関の研究機関登録、研究者登録を行います。登録に時間がかかるため、締切直前では間に合わない可能性があります。
申請書類作成研究開発内容、事業計画、経費明細、資金計画などを作成します。過年度様式を使うと審査対象にならない場合があります。
e-Rad提出必要書類をアップロードし、確認・実行を行います。確認・実行を押さないと登録が完了しません。

e-Rad申請手順では、申請後のステータスが配分機関処理中になっていることを確認するよう案内されています。締切までに提出できていない場合は、審査対象になりません。4

提出書類の構成

e-Rad申請手順では、提出書類を複数のファイルに分けてアップロードする方法が説明されています。令和8年度公募では、PDF、Word、Excel形式の資料を使い分ける形です。4

ファイル区分主な内容注意点
PDFファイル様式1、様式2、類似計画等状況説明書、必要に応じた経営デザインシート、法人番号確認資料、機関概要、大型研究開発枠の証明資料など通しページ番号を付け、必要書類を一つにまとめます。
Wordファイル研究開発内容等説明書指定様式で研究開発の内容を記載します。
Excelファイル事業計画書、年度ごとの経費明細表、資金計画表、大型研究開発枠の様式など金額、年度、経費区分、補助率の整合を確認します。

提出様式は年度ごとに変わる可能性があります。公募要領では、過年度の様式や指定以外の様式を使った場合、審査に必要な情報が不足しているとして審査対象にならない場合があると案内されています。3

審査で見られる観点

Go-Tech事業の採択審査は、外部有識者等で構成される採択審査委員会により行われます。審査は非公開で、必要に応じてヒアリングが行われる場合があります。大型研究開発枠では、対面またはリモートによる説明が必要になる場合があり、該当する機関には個別に連絡されます。3

技術面の見方

技術面では、研究開発課題の明確さ、技術的新規性、既存技術との差異、研究開発方法の妥当性、共同体の研究能力などが見られます。Go-Tech事業は研究開発支援であるため、単に新しい機械を買う計画ではなく、どの技術課題をどの方法で解決し、どの性能指標を達成するのかを説明する必要があります。

観点申請書で確認したい内容
課題の明確性現状技術では何ができず、顧客や業界がどの課題を抱えているかを示します。
新規性既存技術、既存製品、競合研究との差を説明します。
実現可能性研究体制、実験方法、評価方法、スケジュールの妥当性を示します。
連携の必要性大学や公設試等が担う研究内容と、中小企業者等が担う開発内容の関係を説明します。

制度上の義務ではありませんが、実務上は、特許文献、学術論文、競合製品、顧客ヒアリング、試験データを用いて、新規性と市場性を同時に説明できる状態にしておくと、申請書の一貫性が高まります。

事業化面の見方

事業化面では、研究成果をどのように製品化、サービス化し、売上や利益につなげるのかが重要です。公募要領では、補助事業期間終了後5年以内の事業化を目指す取組が求められています。3

事業化計画では、販売先、導入先、価格、数量、販売チャネル、量産体制、知的財産の扱い、規制対応、認証、性能評価などを確認します。特に、川下製造業者等からの評価をいつ受けるのか、評価結果をどのように製品仕様へ反映するのかを具体的に書くことが重要です。

政策面の見方

政策面では、高度化指針との整合、中小企業者等の成長への寄与、国際競争力の強化、地域経済への波及効果などが関係します。研究テーマが高度な技術であっても、制度の目的と結び付いていなければ、Go-Tech事業の対象として説明しにくくなります。38

申請書では、技術分野名を書くだけでは不十分です。高度化指針のどの方向性に関係し、どの産業のどの工程やサービスを高度化するのかを、研究内容と事業化計画の両方で示しましょう。

令和8年度公募の主な変更点

中小企業庁は、令和8年度公募の事前予告で、従来の出資獲得枠を大型研究開発枠へ改編すること、大学や公設試等の補助率を定額にすること、収益納付に関する規定を撤廃することを案内しています。11

出資獲得枠から大型研究開発枠へ

令和8年度公募では、出資獲得枠に代わって大型研究開発枠が設けられました。大型研究開発枠は、補助上限額が大きい一方で、主たる研究等実施機関に研究開発投資実績が求められます。直近3年間に継続して研究開発を行い、そのうち少なくとも1年で年間1億円以上の研究開発費を支出していることを示す必要があります。6

このため、大型研究開発枠を検討する企業は、研究開発費の会計処理と証明資料を早い段階で確認する必要があります。財務諸表に研究開発費が明確に出ていない場合でも、税務申告書類や公認会計士、税理士による確認資料を使って説明する方法があります。6

大学や公設試等の補助率

令和8年度採択案件から、大学や公設試等に該当するA機関及びB機関の補助率は定額です。従来の取扱いから変わった点として、共同体の経費配分を検討する際に注意が必要です。311

ただし、中小企業者等が受け取る補助金額が、共同体全体の補助金総額の2/3以上であることは引き続き重要です。大学や公設試等に多くの経費を配分しすぎると、この要件に抵触する可能性があります。3

共同体パートナーの探し方

Go-Tech事業では、共同体の構築が申請準備の大きな山場です。単独申請ができず、大学や公設試等のA機関の参画が必要であるため、自社だけで研究開発計画を完成させることはできません。3

Go-Techナビの活用

中小企業庁が運営するGo-Techナビでは、事業管理機関や研究等実施機関を検索できます。事業管理機関検索では、主たる支援地域、所在地、支援実績のある技術分野などで候補を探せます。研究等実施機関検索では、研究分野や所在地をもとに連携候補を探すことができます。127

探す相手確認したい内容準備しておく情報
事業管理機関補助金管理、共同体運営、経理処理、研究開発支援の実績研究テーマ、共同体候補、予算規模、申請予定枠
大学や公設試等技術課題に合う研究設備、専門研究者、評価方法技術課題、求める評価、試作品仕様、共同研究の範囲
アドバイザー市場評価、顧客評価、事業化支援、規制や認証の助言想定顧客、販売先候補、性能評価の観点、事業化スケジュール

FAQでは、経済産業局が個別に事業管理機関を紹介するわけではなく、Go-Techナビなどを活用して候補を探すことが案内されています。候補先へ連絡する前に、研究開発の目的、現状の課題、必要な技術、期待する役割を1枚程度にまとめておくと、相談が進めやすくなります。5

採択事例の見方

Go-Techナビでは、過去の研究開発事例も公開されています。例えば、患者にも医師にも使いやすい手術器具のための異種金属接合技術の開発や、食中毒リスクの低減を目指した刺身提供に関する研究開発事例などが掲載されています。1314

事例を見るときは、テーマ名だけを真似るのではなく、技術課題、共同体の役割分担、評価方法、事業化先の想定を確認しましょう。自社のテーマが同じ業界でなくても、研究開発計画の組み立て方や共同体の作り方の参考になります。

採択後に始まる手続き

Go-Tech事業では、採択が決まってもすぐに補助金が支払われるわけではありません。採択後に交付申請を行い、交付決定を受けてから補助事業を開始します。支払いは原則として精算払いです。FAQでも、概算払いが申請時に保証されるものではないと説明されています。35

年度ごとの交付と評価

公募要領では、補助金の交付決定は年度ごとに行われる仕組みです。2年度または3年度の研究開発計画で採択された場合でも、各年度の事業実施、経費処理、中間評価などを経て次年度の継続が判断されます。年度後半には外部有識者等による中間評価が行われ、評価が著しく低い場合は、計画変更、補助額の縮小、事業中止を求められることがあります。3

採択後の段階主な対応
交付申請採択後、補助対象経費や実施内容を精査して交付申請を行います。
交付決定交付決定後に、補助対象となる発注や契約を進めます。
事業実施研究開発、試作品開発、評価、経費処理、証憑整理を行います。
中間評価年度後半に外部有識者等の評価を受けます。
実績報告と精算年度ごとに実績報告を行い、補助金額の確定後に支払いを受けます。
最終評価最終年度の翌年度に外部有識者等による評価を受けます。

会計書類や証拠書類は、補助事業終了年度の終了後5年間保存する必要があります。研究日誌、従事日誌、見積書、発注書、契約書、納品書、検収書、請求書、支払証明などを、共同体全体で整理しておくことが重要です。3

申請前セルフチェック

申請前には、制度の対象に入るか、共同体が組めているか、経費が妥当か、e-Radで提出できるかを確認します。次の表は、申請準備の初期段階で使う確認表です。これは制度要件そのものを簡略化したものではなく、公式資料を確認する前の実務上の入口として使うものです。

確認項目確認内容主な根拠
研究開発性単なる設備導入や販路開拓ではなく、研究開発や試作品開発を含むか公募要領
高度化指針との関係対象となる技術分野やサービス高度化に関係するか公募要領、高度化指針
共同体中小企業者等を中心に、研究等実施機関と事業管理機関を含む体制か公募要領
A機関の参画大学や公設試等に該当するA機関が従たる研究等実施機関またはアドバイザーとして参加するか公募要領
補助上限額通常枠または大型研究開発枠の単年度上限と総額上限を超えていないか公募要領
中小企業者等の補助金割合共同体全体の補助金総額のうち、中小企業者等が2/3以上を受け取るか公募要領、FAQ
成長目標付加価値額、給与支給総額、事業場内最低賃金の目標を説明できるか公募要領
e-Rad登録事業管理機関の研究機関登録と研究者登録が完了しているかe-Rad申請手順
提出様式当該年度の指定様式を使っているか公募要領、e-Rad申請手順

この表だけで申請可否を判断するのは避けてください。Go-Tech事業は、対象者、共同体、経費、研究開発内容、成長目標のすべてがそろって初めて申請の土台ができます。判断に迷う項目は、公募要領とFAQを確認し、必要に応じて所管の経済産業局等へ相談しましょう。

必要書類と準備資料

提出書類は指定様式に基づき作成しますが、申請書を作るためには、共同体内で多くの裏付け資料を準備する必要があります。ここでは、公式の提出様式と合わせて、実務上そろえておきたい資料を整理します。

主たる研究等実施機関が準備する資料

資料目的
会社概要、事業内容、主要製品やサービスの資料企業の技術力、事業基盤、研究成果の事業化先を説明します。
直近の決算書、研究開発費の資料経営状況や大型研究開発枠の要件確認に使います。
研究テーマの技術資料技術課題、既存技術との差、研究方法、評価指標を説明します。
想定顧客や川下企業の情報市場ニーズ、評価先、事業化後の販売見込みを説明します。
賃金や付加価値額の試算資料成長目標の根拠を示します。

これらの資料は、すべてをそのまま提出するとは限りません。しかし、申請書の記述に根拠を持たせるためには必要です。特に大型研究開発枠では、研究開発費の実績を裏付ける資料が重要になります。6

事業管理機関が準備する資料

資料目的
機関概要、管理体制の資料補助事業の管理能力、経理処理能力を示します。
e-Rad登録情報申請主体として電子申請を行うために必要です。
共同体内の役割分担表研究開発、経理、進捗管理、成果普及の責任を示します。
経費配分表中小企業者等の補助金割合、年度別経費、補助率を確認します。
交付規程や精算管理の準備資料採択後の補助金支払いと精算に備えます。

事業管理機関は、申請書を提出するだけの窓口ではありません。共同体内の調整、国との連絡、補助金の交付、経費精算、成果普及などを担います。公募要領でも、事業管理機関には十分な管理能力と経理的基礎が必要とされています。3

申請準備タイムライン

Go-Tech事業の申請では、研究開発テーマの検討と共同体づくりに時間がかかります。e-Rad登録にも時間を要するため、公募開始後に初めて準備を始めると、申請書の品質を高める時間が不足しやすくなります。

時期の目安準備内容成果物
公募前または公募初期研究テーマ、高度化指針との関係、共同体候補を確認します。研究テーマメモ、技術課題メモ、連携候補リスト
公募開始直後事業管理機関、大学や公設試等、アドバイザーとの役割分担を決めます。共同体構成案、役割分担表
締切の1か月以上前e-Rad登録、研究開発内容、経費明細、資金計画を固めます。e-Rad登録、申請書ドラフト、経費表
締切の2週間以上前共同体内レビュー、数値整合、添付書類確認を行います。修正版申請書、添付資料一覧
締切前e-Radへアップロードし、確認・実行を行います。提出完了、ステータス確認

これは制度上の期限ではなく、実務上の準備目安です。公式資料では、e-Rad登録に時間を要する場合があるため余裕をもって準備するよう案内されています。締切日当日は、システム入力、ファイル差し替え、共同体内の最終承認に時間がかかることを前提に動きましょう。34

申請書に入れたい記述の型

申請書では、研究開発の専門性と事業化の現実性を同時に伝える必要があります。ここでは、制度要件ではなく、実務上使いやすい記述の型を示します。実際の申請では、当該年度の様式に合わせて表現してください。

技術課題の書き方

項目書き方の例
現状の課題現在の加工方法では、寸法精度と処理速度を同時に満たせず、量産時の歩留まりが低下している。
研究開発で解く課題新たな加工条件と評価手法を確立し、目標精度と処理時間を同時に満たす試作品を開発する。
既存技術との差既存装置では対応できない材料条件に対し、接合条件、制御方法、検査方法を組み合わせて性能を高める。
評価方法大学または公設試等が強度、耐久性、再現性を評価し、川下企業が実使用条件で性能を確認する。

技術課題は、抽象的な表現だけでは伝わりません。数値目標を使える場合は、精度、強度、時間、コスト、歩留まり、耐久性などを示し、研究開発後にどの指標で成功を判断するのかを明確にしましょう。

事業化計画の書き方

項目書き方の例
顧客課題川下企業では、既存工程の不良率が高く、品質保証コストが増加している。
導入価値本研究成果により、不良率低減、検査時間短縮、材料ロス削減が期待できる。
販売計画補助事業終了後、評価先企業での実証を経て、主要顧客向けに販売を開始する。
収益見込み想定単価、販売数量、導入時期を置き、5年以内の売上と付加価値額への寄与を試算する。

これは制度要件ではありませんが、事業化計画を作る際は、研究成果が市場で使われるまでの障害も書いておくと計画の現実性が伝わります。規制、認証、量産委託、知的財産、顧客評価、販売体制など、事業化に必要な工程を洗い出しておきましょう。

証憑チェック

補助金は、採択後の経費処理が重要です。Go-Tech事業では、交付決定前に発注や契約をした経費は対象外です。また、支払いは原則として精算払いであるため、補助金が入金される前に資金繰りを確保する必要があります。35

証憑確認内容
見積書単価、数量、仕様、見積先、見積日を確認します。50万円以上の取得では、複数見積が必要になる場合があります。
発注書または契約書交付決定後の日付になっているか、契約内容が研究開発と一致しているかを確認します。
納品書納品日、納品物、数量を確認します。補助事業期間内に納品されている必要があります。
検収記録研究開発に使用できる状態で受領したことを確認します。
請求書請求金額、消費税、支払先、内訳を確認します。
支払証明振込記録などで支払いが完了したことを確認します。
従事日誌人件費を計上する場合、研究開発に直接従事した時間を記録します。

証憑は、採択後に急いで整えるものではありません。申請段階から、経費区分、発注予定時期、支払予定時期、検収方法、保管担当者を決めておくと、採択後の交付申請や実績報告が進めやすくなります。

よくある質問

Q1. Go-Tech事業はどのような補助金ですか。
A. 中小企業者等が大学や公設試等と連携して行う研究開発、試作品開発、事業化に向けた取組を支援する補助事業です。補助事業期間は2年度または3年度で、令和8年度公募では通常枠と大型研究開発枠が設けられました。13

Q2. 令和8年度公募はまだ申請できますか。
A. 令和8年度公募の申請期間は2026年2月16日から2026年4月17日17時まででした。2026年5月12日時点では受付終了です。次回以降を検討する場合も、令和8年度の公募要領は制度理解の参考になりますが、申請時には当該年度の資料を確認してください。1

Q3. 単独申請はできますか。
A. 単独申請はできません。中小企業者等を中心とした共同体を組み、研究等実施機関と事業管理機関を含む体制で申請します。事業管理機関が研究等実施機関を兼ねることはできますが、事業管理機関兼研究等実施機関の1者とアドバイザー1者だけの構成は要件を満たしません。3

Q4. 大学や公設試等の参加は必要ですか。
A. 令和8年度公募では、通常枠と大型研究開発枠のいずれでも、大学や公設試等に該当するA機関が、従たる研究等実施機関またはアドバイザーとして参加する必要があります。3

Q5. 事業管理機関は何をする機関ですか。
A. 事業管理機関は、補助事業の運営管理、共同体内の調整、国との連絡、補助金の交付や精算、成果普及などを担います。e-Radで申請を行う主体も事業管理機関です。34

Q6. 通常枠と大型研究開発枠の違いは何ですか。
A. 主な違いは補助上限額と主たる研究等実施機関の要件です。通常枠は単年度4,500万円以下、3年度合計9,750万円以下です。大型研究開発枠は単年度1億円以下、3年度合計3億円以下ですが、主たる研究等実施機関に直近3年間の研究開発実績と、少なくとも1年の年間1億円以上の研究開発費実績が求められます。36

Q7. 補助率は全員2/3ですか。
A. 中小企業者等は原則2/3以内ですが、課税所得15億円超の中小企業者等とNPO法人は1/2以内です。A機関及びB機関は定額です。また、中小企業者等が受け取る補助金額が、共同体全体の補助金総額の2/3以上である必要があります。3

Q8. 設備購入は対象になりますか。
A. 研究開発に直接必要な機械装置や備品は対象になり得ます。ただし、生産目的の設備、営利活動のための設備、汎用性が高く目的外使用が可能なPCや自動車などは原則として対象外です。交付決定前に発注や契約をしたものも対象外です。3

Q9. 研究開発を外注してもよいですか。
A. 外注費や委託費は対象経費に含まれますが、研究開発の本質的な部分を従たる研究等実施機関以外へ外注する事業は対象になりません。また、外注費と委託費の合計には、各年度の補助対象経費総額に対する上限があります。3

Q10. e-Rad登録は誰が行いますか。
A. 申請時にe-Radで提出するのは事業管理機関です。FAQでは、申請時にe-Rad登録が必要なのは事業管理機関であると説明されています。ただし、採択後は共同体の各機関がe-Radでの手続きに関わる場面があります。45

Q11. 交付決定前に発注しても補助対象になりますか。
A. 交付決定前に発注、購入、契約等を行った経費は、原則として補助対象外です。研究開発に必要な物品であっても、時期を誤ると対象外になるため、採択後の交付決定前に契約や発注を進めないよう注意が必要です。3

Q12. 補助金は先に受け取れますか。
A. 補助金は原則として精算払いです。FAQでも、概算払いが申請時に保証されるものではないと説明されています。採択後も、発注、納品、検収、支払い、実績報告、補助金額確定を経て入金されるため、資金繰りを事前に確認する必要があります。5

Q13. 採択率はどのくらいですか。
A. 令和8年度公募ページでは、通常枠120件程度、大型研究開発枠5件程度の採択想定件数が案内されています。申請件数や採択率は年度ごとに変わるため、過去の採択率だけで判断せず、研究開発内容、共同体、事業化計画、経費計画を当該年度の資料に合わせて準備しましょう。1

Q14. パートナーが見つからない場合はどうすればよいですか。
A. Go-Techナビの事業管理機関検索や研究等実施機関検索を使って、支援地域、所在地、技術分野から候補を探せます。経済産業局が個別に機関を紹介するわけではないため、研究テーマ、技術課題、期待する役割をまとめて候補先へ相談しましょう。5127

Q15. 申請前に最初に確認すべきことは何ですか。
A. 最初に確認すべきことは、自社のテーマが研究開発を伴い、高度化指針に関係し、中小企業者等を中心とした共同体で実施できるかです。次に、大学や公設試等のA機関の参画、事業管理機関、補助上限額、補助率、成長目標、e-Rad登録の準備状況を確認しましょう。34

まとめ

Go-Tech事業は、中小企業者等が大学や公設試等と連携して、技術課題の解決と事業化を目指す研究開発型の補助事業です。令和8年度公募では、通常枠と大型研究開発枠があり、補助上限額、補助率、共同体要件、A機関の参画、e-Rad申請、成長目標が重要な確認事項になります。

特に注意したいのは、単独申請ができないこと、研究開発を伴わない販路開拓だけでは対象にならないこと、交付決定前の発注や契約は対象外になること、補助金は原則として精算払いであることです。申請を検討する場合は、研究テーマの高度化指針との関係、共同体の役割分担、経費の妥当性、事業化までの道筋を早めに確認しましょう。

令和8年度公募は2026年4月17日17時で受付終了です。次回以降の申請を検討する場合も、当該年度の公募要領、e-Rad申請手順、FAQ、様式を確認し、年度違いの情報をそのまま使わないことが重要です。

出典・参考資料

  1. 令和8年度予算 成長型中小企業等研究開発支援事業の公募を開始します 中小企業庁 公式ページ ↩

  2. Go-Tech事業とは Go-Techナビ 中小企業庁 ↩

  3. 令和8年度 成長型中小企業等研究開発支援事業 Go-Tech事業 公募要領 PDF ↩

  4. 府省共通研究開発管理システム e-Rad を通じた成長型中小企業等研究開発支援事業の申請について PDF ↩

  5. 令和8年度 成長型中小企業等研究開発支援事業 Go-Tech事業 FAQ集 関東経済産業局 PDF ↩

  6. 大型研究開発枠に申請するにあたって PDF ↩

  7. Go-Techナビ 研究等実施機関を探す 中小企業庁 ↩

  8. 中小企業の特定ものづくり基盤技術及びサービスの高度化等に関する指針 中小企業庁 ↩

  9. 成長型中小企業等研究開発支援事業における人件費の計算に係る実施細則 健保等級ルール PDF ↩

  10. Go-Tech事業 申請手続きの流れ Go-Techナビ 中小企業庁 ↩

  11. 令和8年度予算 成長型中小企業等研究開発支援事業の公募に係る事前予告 中小企業庁 公式ページ ↩

  12. Go-Techナビ 事業管理機関を探す 中小企業庁 ↩

  13. 患者にも医師にも優しい手術器具のための異種金属接合技術を開発 Go-Techナビ 中小企業庁 ↩

  14. 食中毒リスクのない安心安全かつ新鮮な刺身を提供したい Go-Techナビ 中小企業庁 ↩

執筆者:補助金フラッシュ 士業編集部

補助金・助成金の活用法からAI導入、業務の生産性向上まで、中小企業の経営に役立つ情報を士業の専門家チームがわかりやすく解説します。

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執筆者
補助金フラッシュ 士業編集部
公開日: 2026年5月13日

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