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BCP実践促進助成金の申請ポイント

東京都のBCP実践促進助成金を、令和7年度第3回募集の公式資料で整理。補助率と上限額、単独型と連携型の違い、対象経費、必要書類、審査の見られ方、準備の進め方をまとめました。

補助金フラッシュ 士業編集部公開日: 2026年3月20日更新日: 2026年4月24日
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目次

  • 制度の全体像
  • 支援内容
  • 対象者と申請要件
  • 対象経費
  • 申請の流れと必要書類
  • 審査で見られる点
  • 実務上の進め方
  • よくある質問
補助金フラッシュ 事業計画

東京都のBCP実践促進助成金は、策定済みのBCPを実行に移すための物品や設備の導入を後押しする制度です。現時点で公社ページに掲載されている公式一次資料は令和7年度第3回募集分で、公社ページでは申請受付終了と案内されています。
これから備える場合は、次回公募の有無を待つだけでなく、BCP本文、数量根拠、見積、設置場所資料を先にそろえておくと動きやすくなります。単独型と連携型で入口の要件が異なるため、最初に区分を誤らないことが重要です。123

項目内容
制度名中小企業における危機管理対策促進事業 BCP実践促進助成金12
対象年度/公募回令和7年度 第3回募集123
最終更新日2026年3月18日
所管/実施機関/事務局公益財団法人東京都中小企業振興公社 / 企画管理部 設備支援課1
補助上限額/補助率単独型は中小企業者1/2以内、小規模企業者2/3以内。連携型は1/2以内。助成限度額は1,500万円で、申請下限額は10万円。基幹システムのクラウド化は1,500万円の内数で上限450万円です。123
申請期間第1回は令和7年5月14日9時から5月20日17時、第2回は令和7年9月10日9時から9月17日17時、第3回は令和8年1月7日9時から1月14日17時です。公社ページでは申請受付終了と案内されています。123
公式一次資料公募ページ 2026年3月確認 HTML / 募集要項 単独型 令和7年度第3回 PDF / 募集要項 連携型 令和7年度第3回 PDF / 必要書類編 令和7年度 PDF / 対象物品設備編 令和7年度 PDF / 電子申請マニュアル 2025年4月10日版 PDF / 小規模企業者確認書 令和7年度 Word
免責申請可否や経費判断は、当該年度の募集要領・交付要綱等と事務局の案内で最終確認してください。

目次

  • ●制度の全体像
  • 現時点の公募状況
  • 単独型と連携型の違い
  • 過年度情報と差が出やすい点
  • ●支援内容
  • 補助率と上限額の見方
  • 助成対象期間とスケジュール
  • 助成対象経費の上限ルール
  • ●対象者と申請要件
  • 単独型の対象者
  • 連携型の対象者
  • 都内要件と対象場所
  • 対象外になりやすい事業者
  • ●対象経費
  • 対象になりやすい経費
  • 対象外になりやすい経費
  • クラウド化と耐震診断の注意点
  • ●申請の流れと必要書類
  • 申請の全体フロー
  • エントリーと電子申請の進め方
  • 必要書類の考え方
  • BCP本文で揃えておきたいもの
  • 証憑の残し方
  • ●審査で見られる点
  • 公式資料で示された審査の視点
  • 通りにくくなりやすい申請
  • BCP支援事業を先に使う考え方
  • ●実務上の進め方
  • 準備の順番
  • 問い合わせ前にそろえるメモ
  • 提出前のセルフチェック
  • ●よくある質問
BCP実践促進助成金の申請ポイント

制度の全体像

現時点の公募状況

公社の公式ページでは、BCP実践促進助成金の申請受付終了が表示されています。記事の根拠にしている一次資料も、令和7年度第3回募集の募集要項と関連資料です。したがって、ここで確認する数値や手順は、令和7年度第3回募集を基準に読むのが安全です。123

この助成金の目的は、自然災害や感染症などの不測の事態に備え、策定したBCPを実際に動かすための物品や設備の導入を支援することです。加えて、災害時に停止すると業務継続へ大きな影響が出る基幹システムについては、防災力を高めるためのクラウド化も助成対象に含まれます。12

支援の考え方は、被災中でも平時と同じ営業を続けるための投資ではなく、被災後に早く通常業務へ戻るための最低限必要な対策を支えるものです。この前提を外すと、数量やスペックが過大とみなされやすくなります。募集要項でも、事業継続のための必要最低限の物品を申請するよう求めています。24

単独型と連携型の違い

令和7年度の制度は、単独型と連携型の二つに分かれています。単独型は1事業者が単独で使う設備や物品を対象にする枠です。連携型は、複数事業者で共用する設備や物品を想定した枠で、前提となる認定も別です。ここを取り違えると、準備した書類がそのまま使えなくなります。123

区分主な前提使い方助成率
単独型公社のBCP策定支援事業による支援を受けている、または事業継続力強化計画の認定を受けていること。いずれの場合もBCPの作成が必要です。1251事業者が単独で使用中小企業者1/2以内、小規模企業者2/3以内12
連携型連携事業継続力強化計画の認定を受け、その内容に基づくBCPを作成していること。135複数事業者間で共用1/2以内13

この制度を読み解くときは、まず設備の使い方から逆算すると整理しやすくなります。自社だけで使うなら単独型、グループ会社や関連会社を含めて共用するなら連携型を検討する流れです。連携型の募集要項では、共用を想定しない設備は単独型で申請するよう案内されています。3

過年度情報と差が出やすい点

過年度の解説を見ていると、単独型は公社のBCP支援を受けた企業向けという理解で止まりやすいのですが、令和7年度の単独型は事業継続力強化計画の認定でも申請ルートに入れます。現行の入口を確認するなら、公社の公募ページと募集要項の両方を見ておくのが確実です。125

また、単独型には小規模企業者向けの2/3以内という助成率がありますが、連携型は1/2以内です。支援率だけを見て単独型に寄せるのではなく、設備の使用実態とBCPの組み方に合わせて選ぶ必要があります。123

支援内容

補助率と上限額の見方

この助成金の金額条件は比較的わかりやすく、上限額は単独型も連携型も1,500万円です。申請下限額は10万円で、単独型のみ小規模企業者の助成率が上がります。基幹システムのクラウド化を申請する場合も1,500万円の枠内で扱われ、クラウド化部分の上限は450万円です。123

区分助成率助成限度額申請下限額主な注意点
単独型 中小企業者1/2以内1,500万円10万円クラウド化の助成額上限450万円を含む12
単独型 小規模企業者2/3以内1,500万円10万円小規模企業者の確認書と証明資料が追加で必要26
連携型1/2以内1,500万円10万円複数事業者で共用する場合の枠13

数字だけを見ると大きな枠に見えますが、募集要項では数量やスペックが過剰でないかも審査対象です。上限いっぱいを狙うより、BCPに書いたリスクと対策に対して必要最小限の構成をつくるほうが通しやすくなります。2

助成対象期間とスケジュール

助成対象期間は各回とも4か月以内です。重要なのは、発注、契約、実施または購入、支払または決済を助成対象期間内に完了する必要がある点です。見積の取得だけ先に進めておき、発注と支払のタイミングは交付決定後の対象期間に収める考え方が基本になります。123

回申請エントリーと電子申請受付期間交付決定助成対象期間
第1回令和7年5月14日9時から5月20日17時令和7年7月下旬令和7年8月1日から11月30日12
第2回令和7年9月10日9時から9月17日17時令和7年11月下旬令和7年12月1日から令和8年3月31日12
第3回令和8年1月7日9時から1月14日17時令和8年3月下旬令和8年4月1日から7月31日123

公社ページには、予算の執行状況によって申請受付を早期終了する場合があるとも書かれています。締切日ぎりぎりまで待つ進め方より、必要書類がそろった段階で出せる状態にしておくほうが安全です。12

助成対象経費の上限ルール

対象経費の中でも見落としやすいのが、物品・設備購入費の品目数上限と、備蓄品の上限です。募集要項では、物品・設備購入費の助成対象となる品目数は合計20品目までとされています。さらに、非常用・防災用備蓄品リストにある備蓄品の合算金額は、助成対象場所の従業員と役員の人数に3万円を掛けた額が上限です。24

このため、備蓄品を幅広く入れすぎると、必要数量の説明が薄くなるうえに金額上限にも当たりやすくなります。備蓄品だけでなく、安否確認、バックアップ、止水対策、電源確保など、BCPの弱点をどこで補うかを決めてから品目を絞るほうが組み立てやすくなります。24

対象者と申請要件

単独型の対象者

単独型で申請できるのは、申請日時点で中小企業者、中小企業団体、個人事業主、小規模企業者に当てはまる事業者です。法人の場合は東京都内に登記簿上の本店または支店があること、個人の場合は開業届を提出して東京都内で営業していることが必要です。あわせて、東京都内で実質的に1年以上事業を行っていることも求められます。2

申請の入口となるBCP要件は二つあります。ひとつは、公社のBCP策定支援事業による支援を受けていることです。もうひとつは、中小企業庁の事業継続力強化計画の認定を受けていることです。どちらのルートでも、申請時には助成金で導入する物品や設備の必要性がわかるBCP本体の提出が必要になります。1275

小規模企業者の判定は、資本金ではなく常時使用する労働者数で見ます。商業とサービス業は5人以下、製造業とその他は20人以下です。募集要項では、ソフトウェア業と情報処理サービス業はこの助成金では製造業・その他の基準で扱うとしています。26

連携型の対象者

連携型は、連携事業継続力強化計画の認定を受けた事業者間で策定したBCPを前提にする枠です。代表者は認定時と同一であり、参加者も認定時に連携へ参加している必要があります。設備を共用する場合の受け皿として用意されているので、単独型より入口が狭い一方、共用設備を正面から申請できる点が大きな違いです。135

グループ会社や関連会社との共用を予定しているのに単独型で進めてしまうと、募集要項の想定から外れます。倉庫や複数拠点で共同利用する災害対策設備、連携先と共用する安否確認基盤などは、どちらの型に当てはまるかを最初に確認しておくと後戻りを防げます。3

都内要件と対象場所

助成対象場所は原則として東京都内の事業所ですが、東京都内に本店を有する場合は、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、神奈川県、山梨県の事業所への設置も可能です。これは過年度資料でも見かける論点ですが、令和7年度の募集要項でも確認できます。2

ただし、設置場所は自社が単独で占有している必要があります。会社施設以外の個人宅などへの設置はできません。発電機やソーラーパネル、クラウド利用でも、使用場所や保管場所がわかる平面図の提出が求められます。26

対象外になりやすい事業者

公社ページでは、特定非営利活動法人、財団法人、社団法人、学校法人、宗教法人、社会福祉法人、医療法人、政治・経済団体は対象外と案内しています。募集要項ではさらに、金融業と保険業のうち保険媒介代理業を除く業種、農林水産業、反社会的勢力に関係する事業者、公的資金の助成先として適切でないと判断される業態なども要件から外れます。12

同一内容の経費で、国や自治体などから重複して助成を受けていないことも条件です。過去に本助成金の交付を受けていないこと、各種報告書の提出遅れがないこと、税や公社への債務に滞納がないことも確認されます。申請前のセルフチェックでは、設備の妥当性よりも先に、この入口条件で落ちないかを見るのが近道です。2

確認項目見ておきたい内容根拠資料
都内要件法人は都内に本店または支店登記、個人は都内で営業。都内で実質的に1年以上事業を行っていること。募集要項 単独型2
BCP要件公社のBCP策定支援事業の利用、または事業継続力強化計画の認定。連携型は連携事業継続力強化計画の認定。公募ページ、募集要項1235
重複受給同一内容の経費で他制度と重複して交付を受けていないこと。募集要項 単独型2
許認可営業に必要な許認可を取得していること。募集要項 単独型、必要書類編26
実態確認登記だけでなく、ホームページ、名刺、看板、電話応対、雇用状況などから総合判断。募集要項 単独型2

この表のうち、特に見落としやすいのは実態確認です。都内に登記があっても、都内で実質的に事業を行っているかは別の論点として見られます。所在地証明だけで安心せず、会社案内やホームページの記載も整えておくと説明しやすくなります。26

対象経費

対象になりやすい経費

対象経費の中心は、BCPで定めたリスクに対する防災と減災のための基本的な物品、器具、設備です。公社ページと対象物品設備編では、従業員用の備蓄品、発電機やポータブル電源、安否確認システム、感染症対策の物品、土のうや止水板、転倒防止装置、NASやクラウドによるバックアップ、基幹システムのクラウド化、耐震診断などが例示されています。14

区分対象になりやすい例主な注意点
従業員用の備蓄品保存水、非常食、簡易トイレ、防災セット、救急箱、マスク、アルコールスプレーなど14従業員と役員分が基本。来客用や周辺住民向けは対象外。備蓄品全体の金額上限あり。24
電源確保発電機、ポータブル電源、UPS、可搬式ソーラーパネル24平常時の売電や節電に使うもの、可搬式でないものは対象外。必要電力量の根拠が必要。24
安否確認安否確認システム、サブスクリプション型サービス14自社の緊急対応に必要な範囲であること。24
水害対策土のう、止水板、水防板14ハザードマップの添付が必要。浸水地域外なら必要理由の説明が要ります。46
転倒防止制震や免震ラック、飛散防止フィルム、転倒防止装置14防犯フィルムなど用途が異なるものは対象外です。4
バックアップNAS、クラウドサービスによるデータバックアップ14NASは通信機能を備えた機器が対象。ストレージサーバー、ファイルサーバー、予備機は対象外。4
基幹システムのクラウド化会計、人事、販売、生産、物流などの基幹業務のクラウド化12単なるクラウド保存や一般的な事務ソフト利用は対象外。開発費と端末費も対象外。2
耐震診断自社所有建物の耐震診断、技術評定費用14昭和56年5月31日以前建築の建物で、技術評定を実施するものに限ります。24

対象物品設備編は、電話で個別製品の可否判断は行わないという前提で作られています。つまり、製品名だけで決めるより、なぜその機器が必要かをBCPと数量根拠で説明できるかが大切です。同等性能の市場価格から大きく外れていないかも見られるため、製品選定の理由も残しておくと後で役立ちます。24

対象外になりやすい経費

募集要項では、対象外経費もかなり細かく示されています。建物や構築物の建築、増築、改築、改修、土木工事、保険料、自社社員の人件費、維持管理費、保守費、運営委託費、通信費、ドキュメント作成費、教育費、導入支援費、開発費、契約保証金、消費税、撤去費、中古品、リース、割賦などは対象外です。2

さらに、汎用性が高い備品も外されます。たとえばパソコン、スマートフォン、タブレット、日常使いできるモバイルバッテリー、金庫、冷蔵庫、テレビ、扇風機、電気ストーブなどは対象外です。ここは実務上の誤解が多いので、申請書を作る前に一度切り分けておくと迷いにくくなります。2

対象外になりやすい項目代表例判断のポイント
建物工事全般増築、改築、改修、井戸掘削、LAN配線工事など2建物側の工事は広く対象外です。
維持運用費保守契約、運用サポート、通信費2導入後のランニングのうち、対象になるのは一部クラウド利用料に限られます。
開発と導入支援開発費、設計費、教育費、導入支援費2クラウド申請でも自社仕様への開発は対象外です。
撤去と更新既存設備の撤去費、移設費、処分費、中古品、リース2新規導入の対象部分だけで組みます。
汎用品PC、スマホ、タブレット、日常利用可能なモバイルバッテリー2災害対応専用品かどうかではなく、日常汎用性の高さでも外れます。

この表にある対象外経費は、見積書の中に紛れ込みやすい項目です。たとえば工事一式の見積で、対象部分と対象外部分が分かれていないと審査で説明しにくくなります。見積段階から品目ごと、工程ごとに分けてもらうほうが後の修正が少なくなります。26

クラウド化と耐震診断の注意点

クラウド関係は便利ですが、助成対象になる範囲は狭めです。基幹システムのクラウド化は、会計、人事、生産、物流、販売などの企業の根幹業務に関わるシステムが対象で、単なる文書管理や一般的な顧客管理ツール、表計算や文書作成ソフトの利用は対象外です。専用業務システムの開発も対象外で、助成対象はクラウドサービスの初期費用と利用料です。2

バックアップ目的のNASやクラウド利用も対象にはなりますが、NASは通信機能付きの機器が対象で、ストレージサーバーやファイルサーバー、予備機は外れます。ここは製品名よりも、構成図や仕様書で何をする機器なのかがわかるようにしておくことが大切です。仕様書やカタログの該当箇所にマーキングを求めているのも、そのためです。246

耐震診断はさらに条件が明確です。申請者が所有する建物であること、昭和56年5月31日以前に建築された建物であること、技術評定を実施する耐震診断であることが要件です。建物の一部だけの診断、アスベスト調査、危険物施設などの診断は対象外です。24

申請の流れと必要書類

申請の全体フロー

公社ページの流れでは、講座の受講など、申請エントリー、申請、審査会、交付決定、事業実施、完了報告、完了検査、助成金確定、助成金請求、助成金支払の順に進みます。助成金は後払いです。交付決定が出ても全額支払いの保証ではなく、完了報告と完了検査を経て確定します。12

段階申請者が行うこと押さえたい論点
入口確認単独型か連携型かを決め、BCP要件ルートを確定する公社支援か認定取得かで必要資料が変わります。1235
申請エントリー公社ページからエントリーするネットクラブ会員登録だけでは申込み完了になりません。1
電子申請Jグランツで申請書類を提出する郵送、持参、メールでは受け付けません。12
審査必要に応じ現地調査もあり経営面、BCPの中身、設備の必要性が見られます。2
交付後の実施対象期間内に発注、設置、支払を終える契約や支払の時点管理が重要です。12
完了報告と検査証憑と原本をそろえて検査へ備える原本照合があるため、最初から保管方法を決めておくと楽です。2

この流れでつまずきやすいのは、申請前の準備を後回しにしてしまうことです。BCP本文、仕様書、見積、平面図、納税証明書など、別々の窓口で取る資料が多いため、締切前の数日で一気にそろえるのは現実的ではありません。26

エントリーと電子申請の進め方

申請には公社ページ上での申請エントリーと、Jグランツでの電子申請の両方が必要です。Jグランツを使うにはGビズIDプライムアカウントが必要で、公社ページでは発行まで2週間から3週間ほどかかるため、余裕を持って事前登録するよう案内しています。1

募集要項でも、GビズIDプライムの取得が完了していない場合は申請受付できないとしています。受付期間の最終時刻を過ぎると、ログインしていても申請ボタンは押せません。締切日の午前中に出せばよいだろうという進め方は避けたほうが安全です。12

また、申請書類の連絡担当者は、申請事業者の役員または従業員に限られます。販売業者、社外顧問、経営コンサルタントは連絡担当者にできません。申請者自身が内容を理解し、差戻しが来たときにすぐ対応できる体制を取ることが前提になっています。2

必要書類の考え方

必要書類は申請者の属性や申請内容で変わりますが、共通して重要なのは、申請書、確定申告書類、登記簿または開業届、納税証明書、仕様書やカタログ、会社案内、BCP、設置場所資料です。単独型で小規模企業者として申請する場合は確認書と労働保険料関係の資料が追加されます。事業継続力強化計画の認定ルートで申請する場合は、認定申請書と認定通知書も要ります。26

書類区分主な内容誰に必要か
申請書公社指定様式の助成金交付申請書全申請者26
申告書類直近1期分の確定申告書一式。法人は別表と決算書類、個人は所得税申告書と決算関係資料全申請者26
所在確認法人は履歴事項全部証明書、個人は開業届全申請者26
納税証明法人事業税と都民税、個人は個人事業税または所得税と住民税全申請者26
仕様資料仕様書、カタログ、商品案内、ハザードマップなど全申請者26
会社案内事業概要と沿革がわかる資料全申請者26
BCP助成対象物品の必要性が読み取れるBCP本体全申請者26
設置場所資料平面図など、保管場所や使用場所がわかる資料全申請者26
認定資料事業継続力強化計画の認定申請書と認定通知書認定ルートで申請する場合26
小規模資料小規模企業者確認書、労働保険料等基礎賃金等の報告など小規模企業者区分で申請する場合26

追加書類も重要です。1基30万円以上の機器や物品、工事費を伴う機器や物品、クラウドサービス導入費用を購入する場合は、採用見積と相見積の提出が必要です。2日以上かかる設置作業や工事がある場合は工程表と設計図書類、自社所有でない建物で工事を行う場合は建物所有者の承諾書も必要になります。6

BCP本文で揃えておきたいもの

BCPの提出では、申請する物品や設備が必要であることが読み取れるように、該当箇所へマーカーを入れることが求められています。導入する設備の一覧だけでは足りず、なぜその数量なのか、なぜその性能なのかまで説明できる必要があります。必要数量の算出根拠がBCPにない場合は、記入例を参考に別途作成して提出する扱いです。26

BCPに入れておきたい要素見られる理由
基本方針経営者がどう事業継続に向き合うかを確認するため2
想定リスク地震、風水害、感染症など、どのリスクに備えるかを明確にするため2
緊急時対応安否確認、避難場所、取引先連絡など初動の現実性を見るため2
役割分担対策本部の設置基準や担当の動きを確認するため2
重要業務と復旧時間どの業務をどこまで優先するのかを見るため2
発動条件と解除条件BCPをいつ動かし、いつ戻すのかを判断できるようにするため2
訓練と改善作って終わりではなく、運用の見込みがあるかを見るため2
必要物資の品名と個数と設置場所助成金で導入する物品がBCPに紐づいているかを見るため26
数量と必要理由過大申請でないかを判断するため26
緊急対応フローチャート初動対応が現実的かを見るため2

この表にある項目は、BCPの厚みを競うためのものではありません。審査では、BCPの内容が具体的か、設備導入がそのBCPの実践に効果があるかが見られます。設備先行で考えると説明が薄くなるので、BCPから先に固めるほうが全体の整合を取りやすくなります。2

証憑の残し方

これは申請時の要件そのものではありませんが、実務上は完了報告を見越して証憑を残しておくと安心です。募集要項では、見積書、契約書、注文書、注文請書、仕様書、納品書や検収書、請求書、振込控、通帳や当座勘定照合表、工事写真帳、工事日報、工事完了報告書などが主な確認書類として挙げられています。完了検査では原本照合があるため、最初からひとつの案件フォルダへまとめておくと後で慌てません。2

管理したい資料残す理由実務上の置き方
見積書と相見積価格の妥当性と採用理由の説明に使う見積日順に保存し、採用見積がわかるよう印を付ける
注文書と契約書発注日と契約内容の確認に使う対象期間に入っているかが見えるようにする
納品書と検収書導入完了の確認に使う品名と数量が申請内容と一致するか確認する
請求書と振込記録支払完了の証明に使う通帳や入出金明細とセットで保管する
工事写真と工事日報工事を伴う場合の実施確認に使う設置前後がわかる写真を残す
アカウント一覧複数ライセンス導入時の確認に使うクラウド利用は契約内容とあわせて管理する

制度上の義務ではありませんが、証憑の名称を申請書の費目番号とそろえて保存すると、完了報告での照合がかなり楽になります。たとえば、01見積、02注文、03納品、04請求、05振込、06写真のように整理しておく方法です。2

審査で見られる点

公式資料で示された審査の視点

募集要項では、審査は四つの観点から総合判断するとしています。申請資格、経営面、BCPの内容の妥当性、設備導入の必要性と妥当性です。必要に応じて現地調査を行う場合もあります。2

審査項目見られる内容申請側で意識したいこと
申請資格要件に合致しているか都内要件、認定要件、重複受給の有無を先に確認する2
経営面財務内容、企業概要の妥当性決算書と会社案内の整合を取る26
BCPの妥当性想定リスクの分析、必要項目の記載BCP本文を助成対象設備とつなげて書く2
設備導入の必要性と妥当性最低限必要か、数量やスペックが過剰でないか、市場価格と比べて高額でないか、設置場所が適切か見積比較、数量根拠、設置場所図面をそろえる26

審査項目を見ると、採否は設備の良し悪しだけで決まりません。BCPの中身、会社の状況、価格の妥当性、設置場所まで一体で評価されます。申請書だけきれいに整えても、BCP本文や見積の説明が弱いと通りにくくなります。2

通りにくくなりやすい申請

募集要項の注意書きやFAQから逆算すると、通りにくくなりやすい申請にはいくつか共通点があります。市場価格から大きく外れた価格、被災中でも平時と同じ営業を行うことを前提にした設備構成、予備機の計上、クラウド化なのに開発費や端末費まで含めた見積、BCP本文に物品の必要性が書かれていない申請です。234

また、他社と共用する前提なのに単独型で出してしまうケース、同一または極めて類似した内容の申請が他社から出ているケースも注意が必要です。数量根拠が曖昧なまま見積額だけ大きくなると、必要性より過大性が先に目立ってしまいます。23

BCP支援事業を先に使う考え方

これから次回公募へ備えるなら、公社のBCP策定講座とBCP策定コンサルティングAも有力な入口です。令和7年度の支援事業は募集終了ですが、ページでは令和8年度は決まり次第公表すると案内しています。講座は無料で、初めてBCPをつくる都内中小企業向けです。7

これは助成金の申請要件ではありませんが、BCPを自社で一から整えるのが難しい場合には有効です。特に、優先業務、復旧目標時間、必要物資、緊急時体制が薄い状態だと、助成金の申請書より先にBCP本文でつまずきやすいためです。27

実務上の進め方

準備の順番

ここからは制度要件と混同しない形で、準備しやすい順番を整理します。公式資料に書かれている手続と必要書類を前提にすると、先に設備候補を集めるより、BCPの論点を固めてから見積へ進むほうが手戻りが少なくなります。126

時期の目安進めることできあがるもの
最初の1週単独型か連携型か、認定ルートか公社支援ルートかを決める申請区分と入口条件の確定
次の1週想定リスク、優先業務、復旧時間、必要物資をBCPへ落とす申請に使うBCPの骨子
その次の1週候補設備の仕様確認、設置場所の確認、ハザードマップ確認品目案と設置場所案
その次の1週見積取得、数量根拠の整理、平面図への落とし込み採用見積、相見積、平面図
申請直前納税証明書、登記、認定書類などを回収し、Jグランツ提出用に整理する提出データ一式

これは制度上の義務ではありませんが、見積を取る前にBCPの必要物資を確定させると、数量説明がかなり楽になります。逆に、先に見積を集めると、BCPの記載が見積の後追いになりやすく、説得力が落ちます。26

問い合わせ前にそろえるメモ

公社へ問い合わせる前に、自社で整理しておくと話が早い項目をまとめました。問い合わせ先は企画管理部設備支援課で、受付時間も公式ページに掲載されています。1

項目確認しておきたい内容自社記入欄
申請区分単独型か連携型か
BCP要件ルート公社支援か事業継続力強化計画認定か
想定リスク地震、風水害、感染症など
優先業務止まると困る業務は何か
導入予定品目機種名、数量、設置場所
数量根拠従業員数、必要電力量、浸水想定など
見積状況採用見積、相見積の取得状況
工事有無工事日数、建物所有者承諾の要否
許認可必要な業種許認可の有無
希望時期どの回を想定するか

制度上の義務ではありませんが、このメモがあると、問い合わせの答えをそのまま申請書へ反映しやすくなります。特に、数量根拠と設置場所の説明は後から追加しにくいので、先に文章化しておくと便利です。

提出前のセルフチェック

提出前の最終確認は、作業漏れの発見より、整合が取れているかを見るために行います。BCP、申請書、見積、平面図、会社案内の五つが同じ内容を指しているかを確認するだけでも、差戻しの原因をかなり減らせます。268

確認項目見たいポイントチェック
区分の一致単独型か連携型かが全資料でそろっているか
BCPとの一致申請設備がBCP本文に書かれているか
数量根拠個数や容量の理由を説明できるか
価格の妥当性同等製品と比べて高額すぎないか
見積要件相見積が必要な案件で不足がないか
設置場所平面図で保管場所や使用場所がわかるか
許認可業種に必要な許認可の写しを付けたか
認定資料認定ルートなら申請書と認定通知書の両方があるか
小規模資料2/3で申請するなら確認書と証明書類があるか
提出方法Jグランツ提出、エントリー完了、GビズID取得が済んでいるか

これは制度上の義務ではありませんが、セルフチェック表に日付と確認者名を入れておくと、社内での確認漏れが減ります。連絡担当者を社内の役員または従業員に限る制度なので、社内で共有しやすい形にしておく意味もあります。2

よくある質問

Q1. いま申請できますか。
A. 公社ページでは申請受付終了と案内されています。この記事の基準資料も令和7年度第3回募集分です。今後の募集有無は公社ページの更新を確認してください。123

Q2. BCPがまだ完成していなくても申請できますか。
A. 難しいです。申請時には、助成対象物品が必要であることを読み取れるBCPの提出が必要です。必要数量や必要理由がBCPにない場合は、算出根拠の追加作成も必要になります。26

Q3. 単独型は公社の講座を受けていないと申請できませんか。
A. 令和7年度の単独型は、公社のBCP策定支援事業による支援のほか、事業継続力強化計画の認定でも申請ルートに入れます。どちらでもBCP本体は必要です。125

Q4. 複数の会社で一緒に使う設備は単独型で出せますか。
A. 共用を想定するなら連携型の検討が必要です。連携型は連携事業継続力強化計画の認定を前提にしており、単独型は1事業者が単独で使う設備が基本です。13

Q5. 小規模企業者かどうかは資本金で決まりますか。
A. 小規模企業者の判定は、この助成金では常時使用する労働者数で見ます。商業とサービス業は5人以下、製造業とその他は20人以下です。小規模区分で申請する場合は確認書と証明資料の提出が必要です。26

Q6. パソコンやタブレットは対象になりますか。
A. 募集要項では、パソコン、スマートフォン、タブレット、日常使い可能なモバイルバッテリーなどは汎用性が高い備品として対象外です。2

Q7. クラウドサービスなら何でも対象になりますか。
A. いいえ。バックアップ目的のクラウド利用や、基幹システムのクラウド化のうち条件を満たすものが対象です。単なる文書作成ソフトや一般的なクラウドアプリの利用、開発費、端末費は対象外です。24

Q8. 30万円以上の機器は何が追加で必要ですか。
A. 1基30万円以上の機器や物品、工事費を伴う機器や物品、クラウドサービス導入費用では、採用見積と相見積の提出が必要です。相見積が出せない場合は理由書の提出が必要になります。6

Q9. 交付決定前に契約してしまっても大丈夫ですか。
A. 対象になりません。募集要項のFAQでは、交付決定前に契約、発注、設置した器具は助成対象外です。対象期間内に発注、実施、支払まで終える必要があります。2

Q10. 東京都外の拠点へも設置できますか。
A. 原則は東京都内の事業所ですが、東京都内に本店がある場合は、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、神奈川県、山梨県の事業所への設置が可能です。2

Q11. 申請の連絡担当者を外部コンサルタントにできますか。
A. できません。募集要項では、申請書類の連絡担当者は申請事業者の役員または従業員に限るとしています。販売業者や社外顧問、経営コンサルタントは担当者にできません。2

Q12. 申請書を出せばそのまま受理されますか。
A. 受理ではありません。公社が書類一式に不備がないことを確認した時点で正式受付になります。受付期間後に差戻しがあり、期限までに補正できないと申請を辞退した扱いになることがあります。28

Q13. 完了報告でどんな書類を見られますか。
A. 主な確認書類として、見積書、契約書、注文書、仕様書、納品書や検収書、請求書、振込控、通帳や入出金が確認できる資料、工事写真帳、工事日報などが示されています。原本照合もあるため、申請時から整理しておくほうが安心です。2

Q14. 助成金はいつ入金されますか。
A. 後払いです。交付決定後に事業を実施し、完了報告と完了検査を経て助成金額が確定し、その後に請求と支払の流れへ進みます。12

Q15. 採択後に設備内容を変えられますか。
A. 原則として、申請時の事業計画は変更できません。やむを得ない事情で変更が必要な場合は、公社の事前承認が必要です。事前承認なしで変更すると、交付決定の取消しにつながる場合があります。2

公社の資料を通してみると、この助成金は書類枚数の多さよりも、BCP、設備、数量、価格、設置場所がひとつの筋でつながっているかが問われる制度です。入口条件を満たしていても、BCPに設備の必要性が書かれていない、見積の価格差を説明できない、平面図が曖昧というだけで全体の説得力が落ちます。26

次回公募へ備えるなら、まずは単独型か連携型かを決め、BCP本文の整備と見積の取り方をそろえるところから始めるのが現実的です。公社のBCP策定支援事業や、中小企業庁の事業継続力強化計画の制度もあわせて見ながら、自社の入口条件を固めていきましょう。175

出典・参考資料

  1. BCP実践促進助成金 公募ページ 東京都中小企業振興公社 ↩

  2. 令和7年度 BCP実践促進助成金 募集要項 第3回募集 単独型 PDF ↩

  3. 令和7年度 BCP実践促進助成金 募集要項 第3回募集 連携型 PDF ↩

  4. 令和7年度 BCP実践促進助成金 対象物品設備編 PDF ↩

  5. 事業継続力強化計画 中小企業庁 ↩

  6. 令和7年度 BCP実践促進助成金 必要書類編 PDF ↩

  7. BCP策定講座とBCP策定コンサルティングA 令和7年度 東京都中小企業振興公社 ↩

  8. BCP実践促進助成金 電子申請マニュアル PDF ↩

執筆者:補助金フラッシュ 士業編集部

補助金・助成金の活用法からAI導入、業務の生産性向上まで、中小企業の経営に役立つ情報を士業の専門家チームがわかりやすく解説します。

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執筆者
補助金フラッシュ 士業編集部
公開日: 2026年3月20日
更新日: 2026年4月24日

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