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情報バリアフリー役務提供事業推進助成金の申請ガイド

情報通信研究機構の情報バリアフリー役務提供事業推進助成金(令和八年度)を一次資料で解説。対象事業、上限額、対象経費、申請書類、審査観点、精算払いの注意点と手続きを整理。

補助金フラッシュ 士業編集部公開日: 2026年3月4日
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目次

  • 制度の全体像
  • 支援内容と上限額
  • 申請できる事業者の考え方
  • 対象となる事業の範囲
  • 対象経費と経理のルール
  • 申請から交付までの流れ
  • 採択審査で伝えるべき内容の作り方
  • 申請で詰まりやすい実務ポイント
  • 似た名称の制度との取り違えに注意
  • 申請書類セルフチェック
  • 申請時と採択後に必要になる書類
  • 提出時のメール作成とファイル整理
  • よくある質問
  • 次にやること
補助金フラッシュ 事業計画

情報バリアフリー役務提供事業推進助成金は、身体障害者が通信や放送を利用しやすくなる役務の提供や開発を支援する助成金です。1申請では、支援したい利用者像とニーズを客観資料で示し、年度末までに実行できる計画と経費根拠をそろえることが重要です。1
一方で、助成金は精算払いが原則で、経理証拠書類の不足や期間外の支出は、そのまま減額や不交付につながります。12
本稿は令和8年度の公募案内と経理資料をもとに、対象事業、上限額、対象経費、申請の流れを実務目線で整理します。312

項目内容
制度名(正式名称)情報バリアフリー役務提供事業推進助成金
対象年度/公募回令和8年度公募
最終更新日2026年2月25日
所管/実施機関/事務局実施機関/事務局:国立研究開発法人 情報通信研究機構(NICT) デプロイメント推進部門 情報バリアフリー推進室 / 関係機関:総務省
補助上限額/補助率(類型差)同一事業の初回助成:助成対象経費の3分の2または2,000万円のいずれか低い額、2回目以降:助成対象経費の2分の1または1,500万円のいずれか低い額
申請期間(開始/締切)エントリー:令和8年1月19日〜2月12日正午 / 申請受付:令和8年2月13日〜3月13日17時必着
公式一次資料(PDF/Word)のリンク集公募ページ 令和8年度 公式 / 公募案内 令和8年度 PDF / 公募案内 別添 令和8年度 PDF / 助成金交付要綱 PDF / 申請書類 様式 Word / 申請書類チェックシート Excel / 事務経理処理事項書 PDF / 事務経理処理マニュアル PDF
免責申請可否や経費判断は、当該年度の募集要領・交付要綱等と事務局の案内で最終確認してください。

目次

  • ●制度の全体像
  • 何を支援する助成金か
  • 対象となる身体障害の範囲
  • 役務と開発の考え方
  • ●支援内容と上限額
  • 補助率と上限額
  • 助成対象期間
  • 助成回数と新規と継続の区分
  • 精算払いと資金繰りの注意
  • ●申請できる事業者の考え方
  • 民間企業は中小企業が基本
  • みなし大企業に該当しないか
  • 遂行能力と管理体制も審査対象
  • ●対象となる事業の範囲
  • 対象事業の基本要件
  • 採択評価で見られるポイント
  • ニーズを客観資料で示すことが重要
  • 自立化に向けた取組計画
  • 新規事業と継続事業の切り分け
  • ●対象経費と経理のルール
  • 助成対象となる費目
  • 期間内に発生し支払った経費が基本
  • 証拠書類がそろわない経費は交付されない
  • 終了間際の納品は対象外になりやすい
  • 消費税等の扱い
  • 計画変更と費目配分変更のルール
  • 実績報告と検査
  • ●申請から交付までの流れ
  • エントリーで事前相談につなげる
  • 申請受付期間と締切
  • 提出方法はメールと郵送と電子申請
  • 申請に必要な書類の全体像
  • 審査と交付決定
  • 助成終了後の義務
  • ●採択審査で伝えるべき内容の作り方
  • 申請書で迷いにくい整理軸
  • ニーズ資料を集める順番
  • 技術説明は最適性と運用まで書く
  • 自立化計画は三年の目線を入れる
  • ●申請で詰まりやすい実務ポイント
  • 申請準備のタイムラインの作り方
  • 積算根拠は見積と労務費の説明が要点
  • 経理証拠書類は申請時点から運用を決める
  • 申請書類は返却されない
  • 採択後に公表される情報がある
  • ●似た名称の制度との取り違えに注意
  • ●申請書類セルフチェック
  • ●申請時と採択後に必要になる書類
  • 申請時の書類
  • 採択後に重要になる書類
  • 証拠書類のそろえ方の例
  • ●提出時のメール作成とファイル整理
  • 電子メール提出の件名と宛先
  • ファイル名の付け方の例
  • ●よくある質問
  • ●次にやること
  • 申請準備を進める最短ルート
情報バリアフリー役務提供事業推進助成金の申請ガイド

制度の全体像

何を支援する助成金か

この助成金は、身体障害者のための通信・放送役務の提供、またはこれまで実施されていない身体障害者のための通信・放送役務の開発に必要な資金について、NICTが予算の範囲内で助成を行うものです。1 役務の提供だけでなく、役務提供に必要な実証を含む開発も対象に含まれます。1

対象となる身体障害の範囲

公募案内では、身体障害者として、視覚障害、聴覚又は平衡機能の障害、音声機能、言語機能又はそしゃく機能の障害、肢体不自由、内部障害のある者を挙げています。1 申請書では、支援したい利用者像がこの範囲と整合しているかを、事業内容の説明と合わせて丁寧に示す必要があります。1

役務と開発の考え方

公募案内では、助成対象をICTを利活用した役務の提供又は開発とし、開発には役務提供のために必要な実証なども含めています。1 別添資料では、例としてコミュニケーション確保、情報アクセス、映像視聴や芸術鑑賞、行動などを支援する役務を挙げています。2
このため、単なる研究や試作にとどまらず、身体障害者が実際に利用できる形で役務を提供するまでの道筋が重要になります。12

支援内容と上限額

補助率と上限額

助成金の上限と助成率は、同一事業として初めて助成を受けるかどうかで変わります。13

区分助成率上限額備考
同一事業の初回助成助成対象経費の3分の22,000万円以前助成を受けた事業と異なる内容であれば、同一事業者でも別事業として扱うことがある1
同一事業の2回目以降助成対象経費の2分の11,500万円予算額や助成対象事業数により、さらに低減することがある1

上表の上限額は、助成対象経費に助成率を掛けた額と比較し、低い方が適用されます。13
また、助成金額の計算では端数処理が行われます。具体の取り扱いは交付要綱と事務・経理資料で確認してください。34

助成対象期間

助成対象期間は、助成金交付決定通知書に記載する期間で、助成開始の日からその年度末の3月31日までの予定です。4 公募案内でも、助成対象経費は交付決定日から年度末日までに発生し支出された経費が基本であることを示しています。1

交付決定後に事業を開始する前提のため、申請時点では、交付決定日が未定であることを踏まえた計画と積算が求められます。1

助成回数と新規と継続の区分

同一の助成対象事業に対して助成金を交付できる回数は合計3回までです。1 また、開発段階と提供段階は異なる事業であり、提供しながら高度化する場合は同一事業です。1

この区分は、初回助成の助成率や、過去の成果の示し方に影響します。過年度にNICTの助成を受けたことがある場合は、支援対象の範囲と事業の位置づけを早めに整理しておくと安心です。15

精算払いと資金繰りの注意

助成金の支払いは、原則として、事業を計画どおり実施した証拠となる実績報告書と経理証拠書類をもとに行う精算払いです。14 つまり、事業期間中は自己資金や別の資金で支出し、年度末の実績報告後に交付額が確定してから入金される流れになります。4

これは制度上の要件ではありませんが、資金繰り面では、支払サイトや立替負担を見込んだ資金計画を早めに作っておくことが有効です。実務では、見積や契約の前に、支払いタイミングと必要運転資金を確認することで、年度末の実績報告まで走り切りやすくなります。46

申請できる事業者の考え方

民間企業は中小企業が基本

公募案内は、事業の実施主体が民間企業である場合、基本的には中小企業を対象とする、としています。1 中小企業に該当するかは、別紙の業種別基準で確認します。どちらか一方の基準を満たせば中小企業として対象になります。1

主たる業種資本金基準従業員基準
製造業、建設業、運輸業等3億円以下300人以下
ゴム製品製造業の特例3億円以下900人以下
小売業5,000万円以下50人以下
サービス業(特例除く)5,000万円以下100人以下
ソフトウェア業、情報処理サービス業3億円以下300人以下
旅館業5,000万円以下200人以下
卸売業1億円以下100人以下

常時使用する従業員数には、事業主、法人の役員、臨時の従業員を含めない、と注記があります。1 自社がどの業種に該当するか迷う場合は、事業内容と主たる売上の実態を踏まえ、早めに事務局へ確認するのが安全です。17

みなし大企業に該当しないか

別紙では、みなし大企業に該当する法人は対象外としています。1 具体例として、発行済株式等の過半が同一の大企業に所有されている法人、3分の2以上が複数の大企業に所有されている法人、大企業の役員や職員を兼ねる者が役員総数の過半を占める法人などを挙げています。1

資本関係や役員構成は申請者概要資料の整合にも関わるため、株主等一覧表を作る段階で一度棚卸ししておくと、申請直前の手戻りを減らせます。18

遂行能力と管理体制も審査対象

採択評価の基準には、事業を的確に遂行する能力、自己のみでは資金調達が困難であること、自己負担分の調達能力、経理その他の事務の管理体制と処理能力などが含まれます。1
事業内容だけでなく、実行体制とお金の回し方、経理処理の確実性まで含めて申請書に落とし込む必要があります。16

対象となる事業の範囲

対象事業の基本要件

対象となるのは、身体障害者の利便増進に著しく寄与するICTを利活用した役務の提供又は開発を行う事業です。1 公募案内は、身体障害者向けに役務を提供する事業であることを必要条件として挙げています。1

別添資料では、駅や空港、商業施設等での利用課題に対応する視覚障害者向けインターホン機能のスマホアプリ、スポーツやイベント会場でのリアルタイム実況可視化環境など、具体的な支援例を紹介しています。2 過去の助成案件一覧でも、歩行支援アプリ、会話可視化サービス、情報保障サービスなどが掲載されています。5

採択評価で見られるポイント

採択評価は、NICTが設置する評価委員会による評価結果をもとに、NICTが助成対象事業と助成金額を決定します。原則としてヒアリングが行われます。17
申請書で押さえるべき観点を、公式の採択基準に沿って整理します。1

観点評価の要点申請書で示す材料の例
有益性提供又は開発する役務が身体障害者の利便増進に大きく寄与する利用シーン、利用者の課題、解決後の変化、代替手段との違い
波及性ニーズが高く効果が全国的に広く及ぶニーズの根拠資料、想定利用者数、展開先、提供体制
技術の適格性役務内容に照らし最適な技術を使用する技術選定理由、既存技術との比較、運用要件、セキュリティや保守の考え方
資金面自己のみでは資金調達が困難だが自己負担分を調達できる資金計画、自己負担の出所、収支見込み、資金繰りの見通し
管理体制経理その他の事務を適切に管理できる担当体制、発注や検収のルール、証拠書類の整理方法

上表の材料の例は書き方のヒントです。制度上の提出資料は公募案内と申請様式で確認してください。18

ニーズを客観資料で示すことが重要

波及性の観点では、ニーズについて具体的かつ客観的に説明し、その根拠を示す資料を添付することが求められます。1 公募案内の必要書類でも、利用者のニーズが高いことを具体的・客観的に説明する資料の添付を求めています。1

実務上は、当事者団体や支援機関へのヒアリング記録、利用者アンケート、既存サービスの利用ログ、現場観察メモなど、再確認できる形でまとめると説得力が出ます。これは制度上の義務ではありませんが、ヒアリングで説明しやすくなるため、資料の作り込みに早めに着手してください。17

自立化に向けた取組計画

採択基準では、当面は自己のみでは資金調達が困難でも、助成開始から3年程度を目途に自立化に向けた取組計画が必要であることを示しています。継続申請の場合は取組実績の提示も求めています。1

また、公募案内の必要書類には、自立化に向けた具体的な取り組みを説明する資料の添付が含まれます。1

ここでいう自立化は、助成終了後も役務提供を継続できる状態を指します。料金体系、提供先の確保、運用コスト、サポート体制などを、年度内の実施計画と整合させて示すことが重要です。1

新規事業と継続事業の切り分け

助成金額の区分では、以前助成を受けた事業と異なる内容であれば、同一事業者が行う事業でも別の事業とみなす場合がある、としています。1

また、開発段階と提供段階は異なる事業、提供しながら高度化する場合は同一事業という説明です。1

判断に迷う場合は、申請書の事業名称、事業の概要、成果物と提供形態が、過去の助成事業とどこが同じでどこが違うのかを一度文章化し、事務局へ確認することが安全です。175

対象経費と経理のルール

助成対象となる費目

助成対象経費は、助成対象期間内に発生し支出された、事業の実施に必要な経費です。1
経費の費目は、労務費、外注費・委託費、消耗品費、諸経費、旅費・交通費です。26

費目例注意点の要旨
労務費事業に従事する人件費体制表や単価根拠などの説明資料を求める1
外注費・委託費開発委託、調査委託、制作委託仕様と成果物、検収を説明できる形にする6
消耗品費事業のための消耗品事業との直接性と使用実態が必要4
諸経費文献購入、PCやサーバーやクラウドの賃借料、運送費など機構が認めた経費に限る24
旅費・交通費事業に直接必要な旅費や交通費出張目的と成果物との関係を説明できるようにする2

費目の解釈や具体的な計上方法は、事務・経理処理事項書と経理マニュアルで確認してください。46

期間内に発生し支払った経費が基本

検査では、当該助成事業に直接必要な経費か、助成期間中に発生し支払が行われた経費か、他の資金と混同していないかなどが確認されます。4

この前提があるため、見積や契約、発注、納品、検収、請求、支払の流れが助成対象期間と整合していることが重要です。6

証拠書類がそろわない経費は交付されない

経理マニュアルは、助成対象経費の内容を証明するために、見積、仕様、契約、発注、納品、検収、請求、支払を確認できる証拠書類の写しを実績報告書に添付する必要がある、としています。6 明確な証拠書類の写しが添付されない場合は、その経費に関する助成金は交付されません。6

支払を証するものは、第三者に対して支払ったことを客観的に証明する証憑であり、領収書や銀行が発行した振込明細表などを挙げています。企業内部の振込依頼書は含まれない点に注意が必要です。6

終了間際の納品は対象外になりやすい

経理マニュアルは、助成対象期間の終了まで1か月以内に納入された資材等は、原則として助成対象経費として認められない、としています。6
年度末に近い時期に納品される物品や作業は、事業に適切に活用されているかの説明が難しくなるためです。6

実務上は、外注や購入がある場合ほど、納期から逆算して発注時期を早めに設定し、検収までを年度内に終える計画にするとリスクを下げられます。6

消費税等の扱い

経理マニュアルは、消費税及び地方消費税を助成対象費用計上の対象外とし、助成対象経費から消費税等を控除した額で計上するよう求めています。6

見積が税込表示の場合は、税抜への換算方法と端数処理ルールを社内基準と合わせて整理しておくと、実績報告時の差分が減ります。6

計画変更と費目配分変更のルール

事務・経理処理事項書は、申請書の記載事項に従って事業を実施する必要があることを示し、内容を変更する場合は事前に相談し、内容に応じて変更承認申請または変更届が必要であるとしています。4

また、助成金総額の20パーセントを超える費目配分の変更など、一定の変更は事前承認が必要です。承認前に執行することはできません。4

経理マニュアルでも、交付決定された経費以外は助成対象として認められず、計画変更に係る経費は承認日以降が助成対象になる、としています。6 計画や見積が動きやすい事業ほど、変更の可能性を織り込んだスケジュールと、早めの相談が重要です。46

実績報告と検査

年度末または事業終了時には、実績報告書と、使用した経費に係る経理的証拠書類、成果に関する報告書類等を作成して提出する必要があります。電子化して提出することも認めています。4

また、年度末に終了する場合は、1月末までの経費処理をまとめた中間版実績報告書を提出し、NICTが内容チェックを行ったうえで、3月31日までに正式版を提出する流れを示しています。4

助成金の交付は、実績報告書の審査と必要に応じた実地調査等を経て、助成金額を確定してから行われます。4 実績報告の段階で説明資料の提出を求められることもあるため、申請時点から証拠書類を整理する運用を作っておくと、年度末の負荷が下がります。46

申請から交付までの流れ

エントリーで事前相談につなげる

エントリー期間は、令和8年1月19日から2月12日正午までです。Microsoft Formsで必要事項を回答します。17 エントリーを行うと、NICT担当者から制度説明や申請書作成の助言を得られる、と案内されています。17 なお、エントリーしない事業者の申請も受理します。1

申請受付期間と締切

申請受付期間は、令和8年2月13日から3月13日17時必着です。17 期限を超えて届く申請は郵送を含め受理しないため、締切日だけでなく到着時刻を意識した提出が必要です。17

申請書類に不備があった場合でも、応募期間中であれば差し替えや修正に応じる、としています。機構から連絡があった場合は速やかに対応することが求められます。1

提出方法はメールと郵送と電子申請

提出方法は、電子メール・郵送、または補助金申請システムJグランツのいずれかです。17 電子メール提出では、件名を「令和8年度情報バリアフリー役務提供事業推進助成金申請」として送付するよう指定があります。17

郵送の場合は、封筒表面に「情報バリアフリー役務提供事業推進助成金申請書在中」と朱書きするよう案内しています。7 Jグランツで申請する場合は、gBizIDプライムが必要です。179

提出先は、NICTデプロイメント推進部門 情報バリアフリー推進室です。電子メールと住所が公募案内に掲載されています。17

申請に必要な書類の全体像

申請書類は、交付申請書(様式第1)と複数の添付書類で構成されます。18 公募案内が示す主な提出物を、目的別に整理します。1

書類区分主な書類目的の要旨
申請書本体交付申請書(様式第1)事業名、概要、経費と申請額、実施期間などの申請情報をまとめる1
申請者情報申請者概要説明書、株主等一覧表、経営状況表、財務諸表3期分申請者の体制と経営状況、資本関係を示す1
事業内容助成対象事業総括表、事業の内容等説明書、説明図誰のどんな課題をどのように解決し、どのように提供するかを示す1
経費関係助成対象経費等説明書、積算根拠、見積や単価根拠、労務費単価の根拠資料費目ごとの必要性と金額の妥当性、単価の根拠を示す1
補足資料ニーズの根拠資料、年度内計画と成果、役務提供開始時期、自立化の取組資料採択基準のうち特に波及性と自立化を裏づける1

資料サイズは原則A4判で、提出した申請書類一式の保存も求めています。1 また、交付決定時に公表される事業名になるため、事業名称は平易にするよう注意があります。1

審査と交付決定

助成対象事業は、外部有識者で構成する評価委員会がヒアリングを行って評価した結果を基に、NICTが決定します。7 交付決定の時期は、令和8年6月末の予定として案内されています。7

交付決定後は、決定通知日から助成事業として実施し、実績と成果を報告し、助成金額の確定後に交付される流れです。24 別添資料では、NICTが確定額を総務省へ報告し、総務省の承認後に交付される手続も示しています。2

助成終了後の義務

助成終了年度の翌年度以降5年間、毎会計年度終了後3か月以内に、過去1年間の事業成果報告書、財務諸表、助成事業に係る年度ごとの収支が分かる資料を作成し提出する必要があります。1

また、助成事業によって相当の利益を得ていると認められるとき、助成金の全部または一部に相当する金額の納付を求める場合があります。1

助成終了後には評価委員会による事後評価を行い、その結果をウェブサイトで公表する、としています。1 翌年度に開催する成果発表会で成果発表を求める案内もあります。1

採択審査で伝えるべき内容の作り方

申請書で迷いにくい整理軸

申請書の記述は、採択基準と提出資料を結びつけると迷いにくくなります。公募案内が求める要点を、文章の骨格に落とします。1

整理軸書く内容の例読み手が確認したいこと
利用者と課題誰がどこで何に困っているか対象者と課題が具体的か、支援対象に合うか
解決策役務の提供内容または開発内容有益性と技術の妥当性が説明できているか
波及の道筋全国的な展開や提供体制ニーズ根拠と普及計画が整合しているか
実施計画年度内のマイルストーンと成果年度末までに完了できるか、成果が測れるか
資金計画自己負担分、資金繰り、自立化資金面の説明が合理的か、継続性があるか
経理運用発注から支払までの管理証拠書類をそろえられる体制があるか

この整理は制度要件ではありませんが、ヒアリングでも説明しやすくなるため、早い段階で文章の型を決めておくことが有効です。17

ニーズ資料を集める順番

ニーズ資料は、波及性の根拠として提出が求められます。1 集め方は事業によって異なりますが、実務では次の順番で進めると迷いにくくなります。まず、支援対象者の課題を利用シーンごとに分解し、次に既存手段で解決できない点を整理します。そのうえで、当事者や支援者の声、現場データ、既存利用実績などを、再確認できる形でまとめます。1

技術説明は最適性と運用まで書く

技術の適格性では、技術の進展や普及状況を踏まえ、役務の内容に最適な技術を使うことが評価対象です。1 単に技術要素を列挙するだけではなく、選定理由、運用条件、保守や障害時対応、利用端末の要件、個人情報やセキュリティの考え方まで含めると、実装の現実性が伝わります。1

自立化計画は三年の目線を入れる

採択基準は、自立化に向けた取組計画を求めています。1 ここでは、助成期間が終わったあとにどの資金で運用するかが焦点になります。料金収入、自治体や企業との契約、寄付や助成の組み合わせなど、現実的な収入源と費用構造を示し、3年程度の目線で段階的に自立に近づく道筋を具体化してください。1

申請で詰まりやすい実務ポイント

申請準備のタイムラインの作り方

申請期間は約1か月ですが、必要書類には財務諸表やニーズ資料、積算根拠まで含まれます。1 実務上は、締切から逆算して準備を組むことが重要です。次の表は、一般的な準備順序の例です。これは制度要件ではありません。1

時期の目安作業成果物の例
エントリー前後事業の対象者と課題の確定利用シーン整理メモ、支援対象の整理
申請受付開始前ニーズ資料の収集と要約ヒアリング記録、アンケート集計、根拠資料
申請受付開始直後年度内計画の確定計画表、提供開始時期、成果指標
申請受付中盤積算と見積取得積算表、見積書、労務費単価根拠、体制表
申請受付終盤申請書類の整合と体裁確認様式一式、ページ制限の確認、チェックシート

表の順序は一例ですが、先に事業の骨格を固めてから見積を取ると、積算根拠がぶれにくくなります。1

積算根拠は見積と労務費の説明が要点

公募案内は、積算表の各品目の内訳の根拠資料として、見積書または単価の根拠を示す資料を求めています。労務費についても、体制表や担当者ごとの費用見込など、単価と時間の根拠資料を求めています。1 この部分は、ヒアリングで質問が出やすい項目です。外注の仕様と成果物、労務の作業範囲が、年度内計画と一致しているかを点検してください。16

経理証拠書類は申請時点から運用を決める

実績報告では、見積から支払までを確認できる証拠書類の写しが必要です。6 年度末にまとめて集めようとすると漏れが起きやすいため、実務では、発注単位で証拠書類の保管場所と担当者を決め、検収の記録を残す運用が有効です。これは制度要件ではありませんが、確定検査の負担を減らせます。46

申請書類は返却されない

受理した申請書類は返却しないため、提出した申請書類一式を保存しておくよう求めています。1 また、郵送の場合は未着や遅延のリスクを踏まえ、書留郵便の利用を勧めています。1 提出後の問い合わせに備えて、提出版のPDFを固定し、差し替え時は版管理するなど、社内の運用ルールを作っておくと混乱を防げます。1

採択後に公表される情報がある

助成対象事業となった場合、申請書に記載した申請者名や所在地、事業名称等を公表することがある、としています。1 公表を前提に、外部に出して問題ない表現に整えることも、申請書作成の一部として扱うと安全です。1

似た名称の制度との取り違えに注意

本助成金は、過年度の制度名で情報が流通していることがあります。令和7年度の公募案内では、情報バリアフリー通信・放送役務提供・開発推進助成金の名称を変更したものだと注記しています。10 検索時や社内共有時は、対象年度と制度名、実施機関がNICTであることをセットで確認してください。111

また、NICTには、字幕番組や手話番組制作、生放送字幕番組、手話翻訳映像提供など、別の助成メニューもあります。5
支援対象や提出書類が異なるため、該当メニューの公募ページに掲載の対象年度資料を取得し、混同しないことが重要です。115

申請書類セルフチェック

公募ページでは、申請書類チェックシートが提供されています。提出前に公式チェックシートを使うと、形式不備を減らせます。12 ここでは、申請前に確認しておきたいポイントを、公式資料に沿って整理します。16

チェック観点確認内容根拠となる一次資料
対象事業の適合身体障害者向けの役務提供または開発になっている公募案内1、別添2
ニーズ根拠ニーズを具体的かつ客観的に説明できる資料を添付している公募案内1
年度内計画年度末までに完了できる実施計画と成果を示している公募案内1
自立化計画助成開始から3年程度を見据えた取組計画がある公募案内1
助成区分同一事業の初回か2回目以降かを整理し、助成率の前提が一致している公募案内1
中小企業要件民間企業の場合、中小企業定義とみなし大企業に該当しないことを確認公募案内 別紙1
経費の直接性事業に直接必要な経費のみを積算している事務・経理処理事項書4
期間要件交付決定日から年度末までに発生し支払う前提になっている公募案内1、経理マニュアル6
証拠書類見積から支払までの証拠書類を残す運用を決めている経理マニュアル6
消費税税抜で計上する前提になっている経理マニュアル6

上の表は確認の観点を整理したものです。最終的には、公式チェックシートと様式の注意事項に沿って、提出物の不足がないかを確認してください。812

申請時と採択後に必要になる書類

申請時の書類

申請時点で必要な書類は、公募案内に列挙されています。財務諸表は3期分の提出が求められます。1 提出前に、様式のページ制限や記入漏れの確認を行い、必要に応じて応募期間内に差し替えできるよう余裕を持って準備してください。1

採択後に重要になる書類

採択後は、経理証拠書類と成果の記録が重要になります。実績報告では、経費に係る経理的証拠書類と成果報告書類等が必要です。4 また、支払を客観的に証明する外部証憑の考え方や、証拠書類の範囲は経理マニュアルで詳細に説明しています。6

証拠書類のそろえ方の例

経理マニュアルは、見積、仕様、契約、発注、納品、検収、請求、支払を確認できる証拠書類の写しを求めています。6 実務上は、次のように発注単位でひとまとまりにして保存すると、年度末の実績報告で迷いにくくなります。これは制度要件ではありません。6

工程保存するものの例不足しやすい点
見積と仕様見積書、仕様書、比較資料仕様と成果物の対応が曖昧
契約と発注契約書、発注書、注文メール発注日が助成期間外
納品と検収納品書、検収書、受領記録検収記録が残っていない
請求と支払請求書、振込明細、領収書内部書類のみで外部証憑がない6

表は例ですが、どの工程の記録が欠けても交付額に影響するため、事業開始時点から保存ルールを決めておくことが重要です。6

提出時のメール作成とファイル整理

電子メール提出の件名と宛先

電子メールで提出する場合、件名は「令和8年度情報バリアフリー役務提供事業推進助成金申請」とする指定があります。17 宛先は公募案内に記載の提出先へ送付します。17

これは制度要件ではありませんが、メール本文には、申請者名、担当者名、電話番号、添付ファイル数、差し替えの有無を簡潔に書くと、事務局側の確認が進みやすくなります。1

ファイル名の付け方の例

提出物が多いため、実務ではファイル名に規則を作ると混乱を防げます。これは制度要件ではありません。1

対象例狙い
申請書本体01_様式1_交付申請書法人名.pdf本体を見失わない
添付書類02添付1_助成対象事業総括表.pdf添付の順序を固定する
ニーズ資料03_ニーズ根拠資料要約.pdf評価観点に直結する資料を前に出す
積算根拠04積算根拠_見積一式.pdf経費説明の確認をしやすくする

提出形式の指定やファイル分割の可否は、事務局の案内に従ってください。17

よくある質問

Q1. 役務提供と開発はどちらが対象ですか。
A. 対象は、身体障害者の利便増進に大きく寄与するICTを利活用した役務の提供、または役務の開発です。開発には役務提供のために必要な実証なども含まれます。1

Q2. 身体障害者の範囲はどこまでですか。
A. 公募案内では、視覚障害、聴覚又は平衡機能の障害、音声機能、言語機能又はそしゃく機能の障害、肢体不自由、内部障害のある者を挙げています。1

Q3. 民間企業は中小企業でないと申請できませんか。
A. 公募案内は、民間企業の場合は基本的に中小企業を対象とする、としています。中小企業の定義は業種別に資本金基準と従業員基準があり、どちらか一方を満たせば対象になります。みなし大企業は対象外です。1

Q4. 以前NICTの助成を受けました。同じ会社でも初回助成として扱われますか。
A. 公募案内は、以前助成を受けた事業と異なる内容であれば、同一事業者が行う事業でも別の事業とみなす場合がある、としています。初回助成の扱いは事業の同一性の判断に依存するため、過去事業との違いを整理したうえで事務局へ確認してください。17

Q5. 開発段階と提供段階は同一事業ですか。
A. 公募案内は、役務を開発する段階の事業と開発を終えて役務を提供する段階の事業は異なる事業とし、役務提供を行いながら高度化を図るものは同一事業としています。1

Q6. エントリーは必須ですか。
A. エントリーしない事業者の申請も受理します。エントリーすると制度説明や申請書作成の助言を得られるため、迷っている段階でも活用する価値があります。17

Q7. 申請はどの方法で提出できますか。
A. 電子メール・郵送、またはJグランツで申請できます。電子メール提出では件名指定があり、郵送の場合は封筒への朱書き指定があります。17

Q8. Jグランツで申請するには何が必要ですか。
A. 公募案内は、Jグランツ申請にはgBizIDプライムが必要だと案内しています。アカウント取得に時間がかかる場合があるため、早めの準備が必要です。19

Q9. 助成金は前払いですか。
A. 原則として、実績報告書と経理証拠書類をもとに精算払いで支払われます。実績報告に基づき助成金額を確定してから交付されます。14

Q10. 消費税は助成対象になりますか。
A. 経理マニュアルは、消費税及び地方消費税を助成対象外とし、税抜額で計上するよう求めています。6

Q11. 証拠書類はどこまで必要ですか。
A. 経理マニュアルは、見積、仕様、契約、発注、納品、検収、請求、支払を確認できる証拠書類の写しを実績報告書に添付する必要がある、としています。証拠書類が不足すると、その経費に対する助成金は交付されません。6

Q12. 助成終了後の報告義務はありますか。
A. 助成終了年度の翌年度以降5年間、毎会計年度終了後3か月以内に事業成果報告書や財務諸表などの提出が必要です。相当の利益があると認められるときは、納付を求める場合があります。1

次にやること

申請準備を進める最短ルート

まずは公募案内と別添資料を読み、事業が身体障害者向けの役務提供または開発に該当することを確認します。次に、ニーズ根拠資料と年度内計画、自立化計画を並行して作り、見積と労務費根拠をそろえます。最後に、公式チェックシートで体裁不備を潰し、締切までに提出します。1212

助成金は、採択後の経理運用と実績報告で差が出やすい助成金です。申請段階から証拠書類の運用を決め、年度末の実績報告まで見据えた計画にすることが、安全な申請につながります。46

出典・参考資料

  1. 情報バリアフリー役務提供事業推進助成金 公募案内 令和8年度 PDF ↩

  2. 情報バリアフリー役務提供事業推進助成金 公募案内 別添 令和8年度 PDF ↩

  3. 情報バリアフリー役務提供事業推進助成金 助成金交付要綱 PDF ↩

  4. 情報バリアフリー役務提供事業推進助成金 事務・経理処理事項書 PDF ↩

  5. これまでの助成案件一覧 情報バリアフリー事業助成 NICT ↩

  6. 情報バリアフリー役務提供事業推進助成金 事務・経理処理マニュアル 令和8年度版 PDF ↩

  7. 令和8年度 情報バリアフリー役務提供事業推進助成金の公募について NICT 2026年1月15日 ↩

  8. 情報バリアフリー役務提供事業推進助成金 申請書類 様式 Word ↩

  9. 補助金申請システム Jグランツ 公式サイト ↩

  10. 情報バリアフリー役務提供事業推進助成金 公募案内 令和7年度 PDF 名称変更の注記あり ↩

  11. 情報バリアフリー役務提供事業推進助成金 公募ページ 令和8年度 NICT ↩

  12. 情報バリアフリー役務提供事業推進助成金 申請書類チェックシート Excel ↩

執筆者:補助金フラッシュ 士業編集部

補助金・助成金の活用法からAI導入、業務の生産性向上まで、中小企業の経営に役立つ情報を士業の専門家チームがわかりやすく解説します。

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執筆者
補助金フラッシュ 士業編集部
公開日: 2026年3月4日

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