よろず支援拠点のオンライン相談、電話相談はどこまで使えるのか?

補助金フラッシュ 士業編集部

起業直後や少人数の会社だと、相談相手がいないのに、決めることだけは増えていきます。そんなときに候補になるのが、よろず支援拠点です。オンライン相談を用意している拠点があり、遠隔でも無料で経営の壁打ちができます。
この記事では、遠隔で使う手順と注意点を、実務の目線でまとめます。

遠隔で相談したいとき、最初に確認することは?

全国に拠点があり、予約は電話やメールでも受け付けている

よろず支援拠点は全国47都道府県に設置されており、全国本部サイトでは電話、メール、FAXなどで相談予約を受け付ける旨が案内されています。1 まずは自分が相談する拠点の公式ページを見つけ、予約方法と相談方法(来訪、オンライン、電話など)を確認してください。全国本部サイトには拠点一覧への導線もあるため、最初の入口として使いやすいです。1 ここが揃うだけで、連絡の往復が減り、相談の中身に時間を使えるようになります。あわせて留意事項も読み、対応できない依頼(代筆や操作代行など)があることを把握しておくと、相談の持ち込み方を間違えにくいです。2

電話相談は全国一律ではない

意外に多い落とし穴が、全国共通ではありませんという点を見落とすことです。大阪府よろず支援拠点は、来訪またはオンラインを基本とし、原則として電話による相談は行わないと明記しています。2 一方で、大分県よろず支援拠点の案内には相談形態として電話が含まれています。3 つまり、電話は予約の入口として使う拠点もあれば、相談手段として用意する拠点もあります。遠隔で使いたいほど忙しいときほど、先に公式ページを見て電話相談の可否を確かめるほうが早道です。

よろず支援拠点に何を相談できるのか?

ワンストップ相談窓口として、専門家と支援機関をつなぐ

よろず支援拠点は、売上拡大や経営改善、創業、資金繰り、労務、事業承継など幅広い経営課題に対して、専任スタッフが支援を提供するワンストップ(窓口が一本で済む)の経営相談窓口と整理されています。4 相談内容に応じて適切な支援機関の紹介や、支援機関どうしの連携を調整する役割も含まれます。4 全国本部サイトでも、チーフコーディネーターを中心に丁寧にヒアリングし、対話の中で解決のヒントを探し、相談内容に応じて実現可能な解決策を提案する流れが説明されています。5 ここでいう調整とは、単なる紹介ではなく、課題に合わせて支援の順番や組み合わせを考えることです。たとえば資金繰りの見直し、販路の作り直し、社内の役割分担の整理が絡むと、どこから手を付けるかで結果が変わります。よろず支援拠点は、その最初の地図を作る場として使えます。

何度でも無料だが、代行作業は頼めない

全国本部の案内では、何度でも無料で相談でき、予約方法やヒアリングから提案、フォローアップまでの流れが説明されています。5 ただし、無料だからこそ、できることとできないことを早めに擦り合わせるのが大切です。大阪府よろず支援拠点の留意事項には、よろず支援拠点事業が国の施策として関係機関が連携して運営していることも示されています。2 そのうえで、補助金等の事業計画書の代筆、ITツールの操作代行、申請手続きの代行などには対応できない旨も挙げられています。2 よろず支援拠点は答えを渡す場所ではなく、道筋を一緒に作る場所です。

また、相談は時間予約制で運用されることがあり、拠点によっては1回60分までといった枠が示されています。26 無料で回数制限がない一方、時間は有限です。遠隔相談では、最初の10分で論点をそろえ、残りで打ち手の候補を出し、最後に次回までの作業を決める、という配分を意識すると成果が出やすくなります。

ここまでで、遠隔でも使えるが、まず拠点の運用を知る必要があることが分かりました。次は、オンライン相談で成果を出しやすくする準備に絞ります。

オンライン相談の前に、準備しておきたいこと

相談の目的を一文にして、材料を最小限にする

オンライン相談で一番もったいないのは、状況説明だけで時間が終わることです。事前に相談の目的を一文にし、必要な材料を絞っておくと、短い時間でも議論が前に進みます。準備は難しくありません。次の四つをメモにしておくだけで、話が整理されます。

  • 相談の目的(例:3か月で売上を伸ばすための打ち手を絞りたい)
  • 現状の数字(売上、粗利、客数など、ざっくりで可)
  • 既に試したことと結果
  • 相談後に自分が動ける範囲(予算、時間、人手)

この四点があると、担当者は打ち手の優先順位を付けやすくなります。たとえば集客がテーマでも、ただ売上を伸ばしたいと言うだけだと、広告、SNS、紹介、値付け、商品設計など論点が散ります。ここで、単価を上げたいのか、客数を増やしたいのか、リピートを増やしたいのかまで絞ると、打ち手の候補が一気に現実的になります。さらに、相談で欲しいのは答えそのものより、選択肢と判断基準です。たとえば値上げなら、どの顧客に、どの順番で、どう説明するかまで落とすと、次回までの宿題が具体的になります。WebページやSNSの相談でも、画面をたくさん見せるより、直近の反応が分かる画面を一枚だけ用意するほうが、論点がぶれにくいです。

オンラインのやり取りで起きやすいズレを防ぐ

オンライン相談は、拠点側からミーティング用のリンクが送られ、当日はリンクから参加する流れが案内されています。7 拠点によってはZoomアプリを最新版にしておくよう求めており、準備不足だと開始時刻に手間取ります。7 相談時間そのものが短いほど、この数分が痛いので、前日までに接続テストを済ませると安心です。資料を事前に送れる場合は、相談の冒頭で画面共有に使うファイルを先に開いておくと、会話が途切れません。

また、高知県よろず支援拠点の案内では、WEB相談はインターネット接続環境があればどこからでも利用でき、スマートフォンからも相談できるとされています。6 一方で、和歌山県よろず支援拠点はスマートフォン接続だとスムーズにならない場合がある旨も示しています。7 資料を見ながら相談したいなら、できるだけPCを選ぶのが安全です。加えて、WEB相談は2回目以降の相談で有効に使えると案内している拠点もあります。6 初回の遠隔相談は、現状整理と次回までの宿題づくりに寄せると満足度が上がります。2

電話相談で時間を無駄にしない進め方

予約電話で伝える三つの情報

電話は、遠隔相談の入口として便利です。全国本部サイトでも電話で相談予約を受け付ける旨が示されています。1 ただし電話は、相手の画面が見えない分、説明が長くなると要点がぼやけます。ここでのコツは、予約の電話は短くすることです。最初の電話では、次の三つだけ伝えるのが実務的です。

  • 相談したいテーマと、今困っている場面(例:値上げを出したいが断られそう)
  • 希望する相談方法(来訪、オンライン、電話)と希望日時
  • 連絡先と、事前に送れる資料の有無

この三点が揃うと、拠点側は担当者の選定や事前確認がしやすくなります。たとえばWebやSNSが論点なら、事前にURLやスクリーンショットを送れるかで、当日の進め方が変わります。電話で論点整理まで進めるより、予約枠の中で落ち着いて話すほうが、結果として早く前に進みます。忙しいときは、電話がつながりやすい時間帯や折り返し方法を伝え、必要ならメールでの連絡に切り替えられるかも確認すると、日程調整が短く済みます。

電話相談が向くテーマ、向かないテーマ

電話相談そのものを受け付けている拠点もあります。大分県よろず支援拠点の案内では、相談形態に電話が含まれています。3 電話が向くのは、論点が一つで、短時間で方向性を決めたいテーマです。たとえば次回までに何を用意すべきか、提出書類の読み方の確認、相談先をどこにするかの切り分けなどは電話でも進みます。話した内容を後で整理しやすいように、最後に要点を復唱し、必要ならメールで確認するのも有効です。

一方、数字表を見ながらの資金繰り改善や、Webページの改善案のように画面共有が重要なテーマは、オンラインのほうが進めやすいことが多いです。加えて、拠点によっては電話相談を行わず、予約以外の電話での相談や問い合わせには対応できないとしています。2 ここは不親切というより、時間予約制で公平に支援するための運用です。電話でできる範囲を見誤らないことが、遠隔活用のコツになります。

安心して使うために、知っておきたい注意点は?

秘密保持のイメージを整理する

よろず支援拠点は公的な窓口で、相談内容は秘密厳守と案内されることが多い一方、実際の取り扱いは拠点の留意事項で確認する必要があります。大阪府よろず支援拠点は、営業秘密や個人情報の取り扱いについて関連法令を遵守するとしつつ、相談内容(個人情報を含む)が事業の遂行や調査分析のために関係機関や全国のよろず支援拠点で共有される場合があること、匿名化した上で委託先に提供、利活用され得ることを明記しています。2 これは外部に公開するという意味ではありませんが、相談の性質に合わせて情報の出し方を選ぶ視点は持っておくと安心です。渡す情報は必要最小限にする、気になる点は冒頭で確認する、この二つで迷いが減ります。

相談後に行動まで落とす

よろず支援拠点の強みは、無料で繰り返し相談できる点にあります。5 一回で完璧な答えを取りに行くより、短いサイクルで前進させるほうが向いています。相談が終わったら、決まったことを一枚にまとめ、次回までにやる作業を二つに絞ってください。たとえば値付けの見直しなら、競合価格を10件集める、見積書の書き方を一種類に統一する、のように行動に落ちる形にします。次回の予約を入れられるなら、その場で入れてしまうと忘れにくいです。次回は何を見ながら話すかを先に決めておくと、60分の枠でも議論が深まります。小さく動いた結果を次回に持ち込むと、相談は一気に具体化します。

遠隔でも、相談の入り口は思ったより近くにあります。電話相談の有無だけ先に確認し、オンライン相談の準備を整えたうえで申し込む。それだけで、無料の支援を意思決定に変えやすくなります。迷ったら、現状整理だけでも予約し、次回から論点を深掘りする形にすると動き出しやすいです。

  1. 全国47都道府県に設置され、電話・メール・FAX等で相談予約を受け付ける旨と拠点一覧への導線が示されている。よろず支援拠点全国本部

  2. 来訪またはオンラインを基本とし原則電話相談を行わないこと、時間予約制であること、対応できない依頼の例、相談内容の共有範囲などの留意事項が示されている。大阪府よろず支援拠点

  3. 相談予約ページで希望の相談形態に電話が含まれることが示され、無料の経営相談所として案内されている。大分県よろず支援拠点

  4. よろず支援拠点がワンストップの経営相談窓口であり、専門的なアドバイスや課題解決の総合調整などの役割を持つことが整理されている。近畿経済産業局

  5. 何度でも無料で相談でき、予約方法やヒアリングから提案、フォローアップまでの流れが説明されている。よろず支援拠点全国本部

  6. WEB相談が案内され、1回60分まで、同じ相談で何回でも利用できること、スマートフォンからも相談できることなどが記載されている。高知県よろず支援拠点

  7. オンライン相談の手順(電話やメールフォームで予約し、リンク送付後に参加)やZoomアプリ準備、スマホでは不安定な場合がある点が案内されている。和歌山県よろず支援拠点

執筆者:補助金フラッシュ 士業編集部

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