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コールドチェーンを支える冷凍冷蔵機器の脱フロン・脱炭素化推進事業について解説

脱フロン補助金として探される環境省の自然冷媒導入支援を、令和7年度第2次公募の公式資料で整理。補助率と上限額、対象者、対象経費、審査基準、申請の流れ、過年度との差分までまとめた解説です。

補助金フラッシュ 士業編集部公開日: 2026年3月4日
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目次

  • 制度の全体像
  • 支援内容と補助率
  • 対象者と基本要件
  • 対象経費と対象外経費
  • 審査で見られるポイント
  • 申請の流れと手続きの考え方
  • 実務で詰まりやすいポイント
  • 必要書類と準備の順番
  • よくある質問
  • まとめ
補助金フラッシュ 事業計画

コールドチェーンを支える冷凍冷蔵機器の脱フロン・脱炭素化推進事業 では、冷凍冷蔵倉庫、食品製造工場、食品小売店舗を対象に、自然冷媒機器の導入を支援しています。補助率は原則3分の1以下で、条件を満たす先進的な中小企業は2分の1以下、上限は1事業者当たり5億円、フランチャイズ形態のコンビニエンスストアは2億5千万円です。
この記事では、令和7年度の公募要領やFAQをもとに説明していきます。1234

項目内容
制度名令和7年度二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金 コールドチェーンを支える冷凍冷蔵機器の脱フロン・脱炭素化推進事業3
対象年度/公募回令和7年度第2次公募を基準に整理。第2次公募は複数年度事業のみ235
最終更新日2026年3月2日
所管/実施機関/事務局環境省 地球環境局 地球温暖化対策課フロン対策室 / 一般財団法人日本冷媒・環境保全機構 / JRECO事業支援センター125
補助上限額/補助率原則1事業者当たり5億円、フランチャイズ形態のコンビニエンスストアは2億5千万円。補助率は原則3分の1以下で、先進的な中小企業は2分の1以下346
申請期間令和7年9月12日から令和7年10月10日17時必着。JRECOの公募ページでは令和7年度分の追加公募は行わない案内も掲載235
公式一次資料公募ページ / 公募要領 2025年9月改訂 PDF / FAQ 2025年9月公募掲載 PDF / 審査基準 2025年9月公募掲載 PDF / 交付規程 2025年9月公募掲載 PDF / 事業実施フロー 2025年9月公募掲載 PDF
免責申請可否や経費判断は、当該年度の募集要領・交付要綱等と事務局の案内で最終確認してください。

目次

  • ●制度の全体像
  • 書籍で見かける旧称と現行名の違い
  • 今回の解説で基準にする年度
  • ●支援内容と補助率
  • 補助率と上限額
  • 申請期間と事業期間
  • ●対象者と基本要件
  • 申請できる主体
  • 対象施設と対象設備
  • 大企業と先進的な中小企業の扱い
  • ●対象経費と対象外経費
  • 補助対象に入る費目
  • 対象外になりやすい費目
  • ●審査で見られるポイント
  • 最初に落とされないための必須条件
  • 配点項目の見方
  • ●申請の流れと手続きの考え方
  • 応募から交付決定まで
  • 交付決定後から補助金支払まで
  • ●実務で詰まりやすいポイント
  • 見積書と経費区分
  • リースを使う場合
  • 交付決定前にできることとできないこと
  • 自社調達や支払方法の注意
  • ●必要書類と準備の順番
  • 応募段階でそろえる資料
  • 準備の順番
  • 問い合わせ前にまとめておくメモ
  • ●よくある質問
  • ●まとめ
コールドチェーンを支える冷凍冷蔵機器の脱フロン・脱炭素化推進事業について解説

制度の全体像

書籍で見かける旧称と現行名の違い

過年度の公募要領では、脱フロン・低炭素社会の早期実現のための省エネ型自然冷媒機器導入加速化事業 という名称が使われていました。令和7年度の公募要領では、コールドチェーンを支える冷凍冷蔵機器の脱フロン・脱炭素化推進事業 という名称です。どちらも、冷凍冷蔵倉庫、食品製造工場、食品小売店舗を対象に、自然冷媒機器の導入を支援する枠組みで、執行団体は一般財団法人日本冷媒・環境保全機構です。申請判断に使うなら、過年度資料ではなく令和7年度の公式資料を基準にしてください。12

数字も同じではありません。たとえば、令和元年度の公募要領では、フランチャイズ形態のコンビニエンスストアの上限額は 1億7千万円 でしたが、令和7年度の公募要領とFAQでは 2億5千万円 です。書籍や古い解説で見た数字をそのまま使うと、資金計画や社内稟議の前提がずれるおそれがあります。132

今回の解説で基準にする年度

令和7年度は、第1次公募と第2次公募が実施されました。環境省の報道発表では、第2次公募は複数年度事業だけを対象にしており、公募期間は令和7年9月12日から同年10月10日17時必着です。JRECOの公募ページでは、令和7年度は単年度事業と複数年度事業の交付先が決まり、追加公募は行わない案内が出ています。45

一方で、環境省の令和8年度予算案の資料には、同名事業が 令和5年度から令和9年度 の事業として掲載されています。事業概要の一枚資料では、補助率は原則3分の1、対象は民間事業者・団体や地方公共団体等と案内されています。次年度の継続方針は見えますが、実際の応募条件や様式は年度ごとに出る公募要領で確認する必要があります。6

支援内容と補助率

補助率と上限額

令和7年度公募要領の別表第1とFAQをもとに、実務で迷いやすい区分を表にまとめると次のとおりです。13

区分大企業中小企業先進的な中小企業上限額
冷凍冷蔵倉庫・食品製造工場3分の1以下3分の1以下2分の1以下5億円
食品小売店舗のうちコンビニエンスストア以外の新店舗3分の1以下3分の1以下2分の1以下5億円
食品小売店舗のうちコンビニエンスストア以外の更新店舗工事費以外は3分の1以下、工事費は2分の13分の1以下2分の1以下5億円
食品小売店舗のうちフランチャイズ形態のコンビニエンスストア3分の1以下3分の1以下2分の1以下2億5千万円

この表でまず押さえたいのは、先進的な中小企業の2分の1以下は自動適用ではない ことです。公募要領では、大企業に求める条件に合致し、なおかつ採択審査時の得点順で中小企業の上位20パーセント以内に入った場合に限って、先進的な中小企業として扱います。通常の中小企業だから2分の1と考えると誤ります。137

もう一点大切なのが、上限額は同一年度の同一事業者への交付額合計に効く ことです。複数申請ができても、上限が案件ごとに別々に積み上がるわけではありません。コンビニエンスストアは一般の食品小売店舗とは別に2億5千万円上限なので、複数店舗の横持ち申請を考える事業者ほど、早い段階で年間合計額を試算しておく必要があります。137

地方公共団体その他の区分は、原則として補助率3分の1です。食品小売店舗の更新店舗の工事費に対しては2分の1の扱いがありますが、民間企業と同じように区分ごとの前提整理が必要です。自社がどの区分で見られるのか分からないときは、応募前にJRECOへ確認した方が安全です。1

申請期間と事業期間

令和7年度のスケジュールは、第1次と第2次で分かれています。公募要領と実施フローを照らすと、次の理解が実務上わかりやすいです。18910115

区分公募受付対象事業期間
令和7年度第1次公募2025年4月15日から2025年5月19日17時必着単年度事業と複数年度事業単年度は交付決定日以降から2026年2月27日まで。複数年度は2027年2月26日まで可
令和7年度第2次公募2025年9月12日から2025年10月10日17時必着複数年度事業のみ初年度の交付決定日以降から2027年2月26日まで

令和7年度は、第2次公募が複数年度事業に限られました。したがって、単年度で急ぎの更新を想定していた事業者と、2か年で大型案件を進めたい事業者では、見ておくべき資料が少し異なります。制度の骨格は共通ですが、スケジュール感と事業完了の扱いは複数年度の方が重くなります。18910115

また、JRECOの公募ページには、令和7年度は追加公募を行わない案内があります。今後の再募集や次年度公募を待つ場合でも、令和7年度の資料を読んで、必要書類と審査の考え方を先に理解しておく意味は大きいです。4

対象者と基本要件

申請できる主体

令和7年度公募要領で、補助金の交付を申請できる者として挙がっているのは、民間企業、地方公共団体、個人事業主、その他環境大臣の承認を得て機構が適当と認める者 です。まずは自社がこのどれに当たるかを整理してください。13

民間企業の中小企業判定は、中小企業基本法に準じます。公募要領に出ている主な基準は次のとおりです。1

業種分類資本金の額または出資の総額常時使用する従業員数
製造業その他3億円以下300人以下
卸売業1億円以下100人以下
サービス業5千万円以下100人以下
小売業5千万円以下50人以下

この判定は、補助率だけでなく、審査加点や先進的な中小企業の可否にも関わります。特にグループ会社や持株比率が複雑な会社は、社内の総務や経理だけで判断せず、株主構成や役員構成を含めて確認した方が安全です。13

対象施設と対象設備

対象施設は、冷凍冷蔵倉庫、食品製造工場、食品小売店舗 です。FAQでは、冷凍冷蔵倉庫は生鮮品や加工品などを常時低温域で保管する倉庫、食品製造工場は食品とその原材料・冷却材を製造加工する工場、食品小売店舗はコンビニエンスストアとそれ以外の食品小売店舗に分かれると説明しています。13

対象となる設備は、フロン類ではなく、アンモニア、二酸化炭素、空気、水などの自然界に存在する物質を冷媒に使った 脱炭素型自然冷媒機器 です。単に自然冷媒を使っていればよいのではなく、同等能力のフロン機器と比べてエネルギー起源二酸化炭素の排出が少ないことが前提です。実用化に至っていないと判断される技術は対象外です。1

FAQで見落としやすいのが、申請単位はエネルギー管理を一体で行う事業所単位 という点です。同一事業者が複数事業所に申請する場合も、同一事業所内に複数施設がある場合も、事業所単位で申請します。さらに、同一事業所で冷凍冷蔵倉庫、食品製造工場、食品小売店舗を併せて導入する場合は、それぞれ分けて申請します。3

施設区分FAQの説明申請時の注意
冷凍冷蔵倉庫生鮮品や加工品などを常時低温域で保管する倉庫事業所単位で申請
食品製造工場食品と原材料・冷却材を製造加工する工場事業所単位で申請
食品小売店舗コンビニエンスストアとそれ以外の食品小売店舗他区分と同居していても区分ごとに分けて申請

この区分の切り分けは、後のCO2削減計算や比較対象設備の設定にも影響します。最初に施設区分を誤ると、見積書の取り方から申請書の記載までまとめて直しになるので、申請準備の初日に決めておくべき項目です。3

大企業と先進的な中小企業の扱い

大企業は申請自体はできますが、条件が付きます。公募要領と審査基準では、企業としての自然冷媒機器への転換目標を設定し、交付決定時までに外部公表していることを求めています。冷凍冷蔵倉庫と食品製造工場では、交付決定年度以降に新設または更新で導入する主要冷凍冷蔵機器の100パーセントを自然冷媒機器にする目標、食品小売店舗では、新店舗と冷凍機更新を伴う全面改装店舗のうち少なくとも1台以上自然冷媒機器を導入する店舗割合を50パーセント以上にする目標が必要です。加えて、2030年と2040年を目指す既設機器を含めた転換目標の公表も必要です。17

先進的な中小企業も、この大企業向け条件に合致したうえで、審査得点が中小企業の上位20パーセント以内に入ることが必要です。つまり、単なる企業規模だけではなく、転換方針の公開、再エネや省エネへの取組、審査得点 がそろって初めて2分の1以下の補助率が見えてきます。137

さらに注意したいのが、大企業資本下の中小企業 です。公募要領とFAQでは、次の3つのいずれかに当たる中小企業を大企業資本下の中小企業として扱います。13

判定ポイント扱い
同一の大企業が株式または出資の2分の1超を保有大企業資本下の中小企業
複数の大企業が株式または出資の3分の2超を保有大企業資本下の中小企業
大企業の役職員兼任者が役員総数の2分の1超大企業資本下の中小企業

この区分に入る企業は、先進的な中小企業での申請はできません。中小企業という社内認識のまま補助率2分の1を見込んでしまうと、想定した自己負担額が崩れるため、資本関係の確認は早めに終わらせるべきです。13

対象経費と対象外経費

補助対象に入る費目

FAQと公募要領の別表第2を合わせてみると、補助対象経費は大きく 工事費、設備費、業務費、事務費 に分かれます。事業を行うために直接必要で、その事業で使われたことを証明できる経費に限られます。13

費目主な内容実務上の見方
工事費本工事費、付帯工事費、機械器具費、測量及試験費など機器更新に伴う工事一式のうち、補助対象と対象外を分けて整理する
設備費冷凍機、冷却クーラー、冷却塔、ポンプ、熱交換器、受液器、計測機器、配管材料、電気・計装材料、保温材料など機器本体と周辺の必要部材を含めて整理する
業務費事業に直接必要な業務委託や計算業務などCO2削減効果の裏付け資料と整合させる
事務費補助事業の実施に必要な事務関連費金額の妥当性と根拠資料が必要

FAQでは、補助対象設備の機器基礎は対象 とされています。また、自然冷媒機器を設置するために必要な安全設備も対象で、事例としてアンモニア冷凍機用の除害装置が挙がっています。安全対策が必要な案件では、対象設備本体だけでなく安全設備まで一体で整理して見積を取るのが基本です。37

ただし、対象経費の範囲は区分ごとの差があります。大企業の冷凍冷蔵倉庫は 設備費のみ、食品小売店舗のうちフランチャイズ形態のコンビニエンスストアも 設備費のみ です。工事費まで入る前提で試算すると自己負担が大きくずれるため、倉庫の大企業案件とコンビニ案件は特に注意してください。13

対象外になりやすい費目

FAQには、対象外経費の例が比較的はっきり書かれています。申請で落とし穴になりやすい項目を、意味ごとに並べ替えると次のとおりです。3

対象外になりやすい項目例
建物や建物付帯設備建物、躯体、照明、換気、空調、電源
断熱材や周辺構造物プレハブ冷凍冷蔵保管庫の断熱パネル類、フリーザー設備の断熱ケーシング
製造そのものに関わる設備ベルトコンベヤー、加工機器など
余裕を見た設備将来用設備、予備機
非常時や仮設用の設備非常用発電機、仮設物
撤去や処分既存施設の撤去費、廃棄物の処分費用
オプション品事業に必要な経費に当たらないオプション工事や購入費
支払関連振込手数料
その他消費税、自然冷媒の空調設備機器

ここで最も実務に効くのは、補助対象工事と対象外工事を同じ契約で出してもよいが、費用区分を見積書、発注書、契約書、請求書で明示する必要がある というFAQの考え方です。つまり、契約を分けなくてもよいケースはありますが、区分が曖昧なままでは証憑で詰まります。見積段階から、補助対象、対象外、共通費の按分ロジックを業者とすり合わせておくのが重要です。3

さらに、公募要領では、この事業で導入する設備について 国の他の補助金を受けていないこと を基本要件に置いています。自治体補助や他制度との併用を考える場合も、その補助がどういう仕組みか、国費の重複にならないかを早めに確認してください。1

審査で見られるポイント

最初に落とされないための必須条件

審査基準には、まず 必要条件 が置かれています。応募申請書や実施計画書に記入漏れがないこと、必要な添付書類がそろっていること、導入前後の比較ができる系統図や配置図、機器表、CO2削減効果計算の根拠資料、安全対策の概要などがあることが求められます。7

公募要領の本文でも、事業内容、事業効果、経費内訳、資金調達計画が明確な根拠に基づいて示されていること、設置場所が確定していること、事業期間内に完了できる工程であること、導入効果を把握して外部へ周知する計画があること、高圧ガス保安法などの関係法令を守ることが条件です。安全性評価を行った機器であることまで求めているので、技術仕様の確認を後回しにする案件は通りにくいです。17

この制度は、数字だけ合わせても通るものではありません。場所、設備、比較対象、工程、証憑、効果把握の方法 が一つの線でつながっているかを見られます。提出前の社内レビューでは、営業資料のような説明より、図面と数値のつながりを重点的に確認した方が効果的です。7

配点項目の見方

審査基準で公開されている評価項目と配点は、申請方針を決めるうえでかなり重要です。点の大きい順に並べると次のようになります。7

評価項目配点見られる内容
費用対効果50パーセント補助対象範囲の経費総額を基準にした効率性、削減効果計算の妥当性
特定フロン機器からの更新10パーセントCFCやHCFCを使った既設機器からの更新か
更新案件10パーセント新設ではなく既設フロン機器からの更新か
別置型ショーケースからの更新7パーセント食品小売店舗で系統全体の更新か
高水準の省エネや再エネ活用の取組7パーセント倉庫のデマンドレスポンスや自家発電再エネ、工場の排熱利用、小売の扉付きショーケースなど
中小企業への該当5パーセント中小企業かどうか
電子申請への対応3パーセントjGrantsで申請しているか
再エネ活用の取組3パーセント再エネ電力購入、蓄電池、再エネ100宣言、RE100など
温室効果ガス排出削減目標の設定2パーセント2050年またはそれ以前のカーボンニュートラル目標の公表
デコ活への参加1パーセントデコ活応援団参画やデコ活宣言
エコ・ファースト認定1パーセント認定の有無
脱炭素先行地域への該当1パーセント導入事業所が脱炭素先行地域にあるか

この配点を見ると、最も重いのは 費用対効果 です。つまり、設備が先進的かどうかだけではなく、削減量の説明と対象範囲の経費整理が合っているかが大きく響きます。補助対象外工事を多く抱える案件で区分が曖昧だと、単に証憑で困るだけでなく、費用対効果の見え方も悪くなります。37

また、審査基準には、有効容積5万立方メートル以上の冷凍冷蔵倉庫で、新築、改築または増築に伴い大企業が導入するもの以外を優先する と書かれています。大型の新築倉庫案件は、制度の対象外ではなくても、優先順位の面では不利に働く可能性があります。大規模案件ほど、なぜこの年度でこの設備なのかを丁寧に説明した方がよい理由です。7

申請の流れと手続きの考え方

応募から交付決定まで

実施フローとFAQを合わせると、申請の流れは次の順序で理解すると分かりやすいです。381011

段階何をするか注意点
公募確認公募要領、審査基準、FAQ、様式を読む施設区分と対象経費の切り分けを先に決める
応募申請様式1、別紙1、別紙2と添付資料を提出jGrants、郵送等、持参の方法がある
審査委員会で要件適合性や費用対効果などを審査応募しただけでは採択されない
採択内示採択内示または不採択の通知を受ける採択内示は交付決定ではない
交付申請採択条件を反映して交付申請書を提出別紙2の様式は応募時と異なる
交付決定交付決定通知書を受けるここから発注や契約に進む

FAQでは、応募申請を締め切った後、交付決定まで約2か月ほど を要するとしています。また、採択内示メールは交付決定ではなく、交付申請書の内容確認後に交付決定通知書が出ます。採択内示を受けた時点で工事に入ってしまうのは危険です。3

提出方法については、FAQで jGrantsによる電子申請、郵送等、持ち込み の3通りが案内されています。jGrantsを使う場合は、登録日時が提出日時になるため、締切直前の登録混雑も見込む必要があります。審査基準では電子申請そのものに加点があるので、社内で対応できるなら電子申請も有力です。37

交付決定後から補助金支払まで

交付決定後の基本ルールは明快です。FAQでは、業者決定までは交付決定前でも可能 ですが、発注と契約は交付決定日以降 に行う必要があります。交付決定日前に発注や契約をしたものは補助対象外です。先行工事が必要な事情があっても、補助事業とは別契約にした方がよいと案内されています。3

事業が進んだら、必要に応じて変更や遅延の申請、遂行状況報告を出し、完了後は実績報告へ進みます。JRECOが書類審査や必要に応じた現地調査を行い、交付額の通知後に請求書を提出し、その後 おおむね1か月程度で補助金支払 という流れです。FAQでは、遅くとも3月末日までに支払い完了と書かれています。3128

複数年度事業はもう少し複雑です。実施フローでは、1年目の事業終了後に年度終了実績報告書を出して概算払い、2年目に全体完了後の完了実績報告書を出して精算払いという形です。大型案件で2か年を使う場合は、単年度案件より証憑と進捗管理の負荷が高くなります。811

完了後も終わりではありません。FAQでは、取得財産等管理台帳の整備、CO2排出目標達成、事業終了後3年間の事業報告、5年間の帳簿と証拠書類保存 などの義務を挙げています。補助金の入金が終点ではなく、その後の管理まで含めて事業だと考える必要があります。312

実務で詰まりやすいポイント

見積書と経費区分

FAQでは、応募申請段階で経費内訳の根拠となる見積書の添付が必要ですが、詳細な見積の取得が難しい場合は 概算見積書でも申請可能 としています。ただし、有効期限内のものを付ける必要があります。まだ正式発注前だからといって、口頭見積だけで進めるのは危険です。3

また、補助対象工事と対象外工事を同時発注すること自体は可能ですが、費用区分を見積書、発注書、契約書、請求書などで明示しなければなりません。制度要件ではありませんが、実務上は 見積取得の最初の依頼文に、補助対象と対象外を分けた内訳提出を求める一文を入れておく と後の修正がかなり減ります。3

リースを使う場合

リースの活用は可能です。審査基準では、対象設備を保有するリース事業者を代表事業者、対象設備を利用する事業者を共同申請者とする共同申請を前提に、途中解約が原則できないこと、補助金相当額がリース料低減に充てられる特約などがあること、日本国内に設置する契約であること、関連会社間契約でないことなど、細かな条件を置いています。7

公募要領では、1申請の中で自己購入とリース契約を混在させることはできず、複数のリース会社を使った申請もできません。制度要件ではありませんが、リース案件は通常案件より契約書と覚書の整合確認に時間がかかるので、申請書の作成と並行してリース会社にも公募要領を共有しておくと手戻りを減らせます。17

交付決定前にできることとできないこと

FAQの表現をそのまま実務に置き換えると、計画立案、見積取得、業者決定までは交付決定前でもよいが、発注と契約は交付決定後 です。ここを誤ると、もっとも大きい金額の部分が補助対象外になります。3

制度要件ではありませんが、申請前にやっておくと安心なのは、旧設備と新設備の比較表を社内で一枚にまとめることです。冷媒の種類、能力、電力、運転時間、CO2削減計算の前提、対象外工事の有無を一度に見られるようにしておくと、申請書、見積書、メーカー資料の不一致に気づきやすくなります。17

自社調達や支払方法の注意

FAQでは、自社製品の調達が補助対象経費に入る場合、利益等排除 の対象になると明記しています。自社調達で行った設計、工事、物品購入などは、利益相当分を除いた製造原価が補助対象経費の実績額になります。社内工事部門を持つ会社は特に見落としやすい点です。3

支払方法は、銀行振込が原則で、手形払いは認められていません。合算振込も絶対に不可ではありませんが、それぞれの金額の明細証明が必要になります。制度要件ではありませんが、補助案件は 単独振込 に寄せた方が証憑が分かりやすく、実績報告の負担も小さくなります。3

必要書類と準備の順番

応募段階でそろえる資料

審査基準とFAQを見ると、応募段階で必要になる書類は思ったより多いです。主要なものを表にすると次のとおりです。37

書類役割詰まりやすい点
応募申請書 様式1申請者情報の整理法人番号や基本情報の記載漏れ
実施計画書 別紙1事業内容、効果、工程、体制の説明施設区分、比較対象、効果把握の書き方
経費内訳 別紙2費目ごとの金額整理補助対象と対象外の混在
概略系統図導入前後比較旧設備と新設備の対応関係が分かりにくい
配置図設置場所の特定対象事業所の範囲が曖昧
導入前後の機器表能力や台数、動力の比較メーカー資料と数字がずれる
CO2削減効果計算の根拠資料算定の裏付けカタログや仕様書との整合不足
安全対策の概要安全性の確認アンモニア機器などで対策の説明不足
リース関係書類リース案件の条件確認補助金相当額の反映方法が不明確
工程表期間内完了の確認発注、納入、工事、検査の順序が甘い

紙で応募する場合は、正本1部と電子データを保存した電子媒体1部の提出が必要です。jGrantsで応募する場合は電子データ登録が基本ですが、JRECOから参考用として紙の送付を求められる場合があります。書類の控えは返却されない前提で、自社でも必ず保存してください。13

準備の順番

申請準備は、思いついた資料から集めるより、順番を決めた方が早く進みます。公式資料の要求事項に沿って並べると、次の流れが実務的です。137

順番やること先に決める理由
1施設区分と申請単位を確定する区分がずれると様式、図面、見積が全部ずれる
2旧設備と新設備の比較条件を決めるCO2削減計算の土台になる
3対象経費と対象外経費の境界を決める見積依頼の出し方が変わる
4工程と資金計画を固める期間内完了と実施体制の説明に必要
5審査加点要素を確認するjGrants、再エネ、目標公表などは後付けしにくい
6添付資料をそろえる図面、カタログ、安全対策資料は取り寄せに時間がかかる

制度要件ではありませんが、申請準備の初週で 社内担当者、設備業者、メーカー、経理、リース会社の連絡線を一本化 しておくと、数字の食い違いが減ります。特にこの制度は、CO2削減計算の根拠資料と見積の整合が求められるため、設備担当だけで完結しにくいです。37

問い合わせ前にまとめておくメモ

問い合わせをするときは、単に申請できますかと聞くより、最低限の前提をそろえてから聞いた方が回答が早くなります。制度要件ではありませんが、次の表を埋めてから問い合わせると実務が進みやすいです。413

項目事前にまとめる内容
施設区分冷凍冷蔵倉庫、食品製造工場、食品小売店舗のどれか
申請単位どの事業所で申請するか
既設機の情報冷媒種類、台数、能力、更新か新設か
導入予定機自然冷媒の種類、能力、導入台数
経費区分工事費、設備費、対象外工事の有無
契約方式自己購入かリースか
スケジュール発注予定、工事予定、完了予定
資本関係中小企業判定、大企業資本下かどうか
社外公表情報温室効果ガス目標、自然冷媒転換目標、再エネの取組
他制度利用他の国補助金や自治体補助との関係

このメモがあると、問い合わせ結果をそのまま社内共有しやすくなります。特に、設備担当がJRECOへ確認し、その内容を経理や役員へ伝える場面では、口頭だけよりずっと伝達ミスが減ります。43

よくある質問

Q1. いま申請できますか
A. 令和7年度の公募ページでは、単年度事業と複数年度事業の交付先が決まり、追加公募は行わない案内が掲載されています。次回公募を待つ場合でも、公募ページと環境省の案内を継続的に確認してください。4

Q2. 脱フロン補助金という名前で見たのですが、今の正式名称は何ですか
A. 令和元年度の公募要領では、脱フロン・低炭素社会の早期実現のための省エネ型自然冷媒機器導入加速化事業という名称でした。令和7年度の正式名称は、コールドチェーンを支える冷凍冷蔵機器の脱フロン・脱炭素化推進事業です。12

Q3. 書籍で見たコンビニの上限額が1億7千万円でした。今も同じですか
A. 同じではありません。令和元年度の公募要領では1億7千万円、令和7年度の公募要領とFAQでは2億5千万円です。過年度資料の数字をそのまま使わないようにしてください。132

Q4. 先進的な中小企業なら必ず補助率2分の1になりますか
A. 自動ではありません。大企業に求める条件に合致し、かつ中小企業の審査得点順で上位20パーセント以内に入る必要があります。137

Q5. 同じ事業所に倉庫と食品工場がある場合は一つの申請で出せますか
A. FAQでは、同一事業所で冷凍冷蔵倉庫、食品製造工場、食品小売店舗を併せて導入する場合、それぞれ分けて申請するよう案内しています。3

Q6. 自然冷媒の空調機やエアコンは対象になりますか
A. FAQでは、本事業で空調設備機器は対象にならないと案内しています。冷凍冷蔵用途かどうかの切り分けが重要です。3

Q7. 自然冷媒機器に付随する安全設備は対象ですか
A. 対象です。FAQでは、アンモニア冷凍機用の除害装置などを例示しています。3

Q8. 交付決定前に発注や契約をしてもよいですか
A. できません。業者決定までは可能ですが、発注と契約は交付決定日以降に行う必要があります。交付決定日前の発注や契約は補助対象外です。312

Q9. 1社からしか見積を取れない場合でも申請できますか
A. 可能性はありますが、FAQでは、競争原理による選定が原則であり、著しく困難または不適当な場合は業者選定理由書などで具体的に説明する必要があるとしています。3

Q10. リースを使った申請はできますか
A. できます。FAQではファイナンスリースであれば可能とし、審査基準ではリース事業者を代表事業者、設備利用者を共同申請者とすることなどの条件を置いています。37

Q11. 交付決定までどれくらいかかりますか
A. FAQでは、応募申請締切後、交付決定まで約2か月ほどの期間を要するとしています。採択内示が先に来て、その後に交付申請を経て交付決定通知書が出ます。3

Q12. 補助金はいつ入金されますか
A. FAQでは、交付額通知後に精算払または概算払請求書を提出し、その後1か月程度で支払うと案内しています。遅くとも3月末日までに支払い完了という説明です。3

Q13. 補助事業が終わった後にも義務はありますか
A. あります。FAQでは、取得財産等管理台帳の整備、CO2排出目標の達成、事業終了後3年間の事業報告、5年間の帳簿と証拠書類保存などを案内しています。312

Q14. 電子申請は必須ですか
A. 必須ではありません。FAQではjGrants、郵送等、持参の方法を案内しています。ただし、審査基準ではjGrantsによる電子申請に加点があります。37

Q15. 次年度の見通しはどう考えればよいですか
A. 環境省の令和8年度予算案資料には同名事業が掲載されています。ただし、実際の応募条件や締切は年度ごとの公募要領で確認する必要があります。6

まとめ

脱フロン補助金として探される制度を今の申請実務に引き直すと、基準にすべきなのは 令和7年度のコールドチェーンを支える冷凍冷蔵機器の脱フロン・脱炭素化推進事業 の公式資料です。特に、補助率、コンビニ上限額、先進的な中小企業の扱い、対象外経費、交付決定前の発注禁止は、過年度資料と混同しやすいポイントです。次年度公募を待つ場合でも、JRECOの公募ページ、公募要領、FAQ、審査基準を先に読み、社内の前提整理を済ませておくと準備がかなり進みます。64137

出典・参考資料

  1. JRECO 令和7年度 二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金 公募要領 2025年9月改訂 PDF ↩

  2. JRECO 2019年度 脱フロン・低炭素社会の早期実現のための省エネ型自然冷媒機器導入加速化事業 公募要領 改正令和元年9月版 PDF ↩

  3. JRECO 環境省補助事業 コールドチェーンを支える冷凍冷蔵機器の脱フロン・脱炭素化推進事業 よくあるご質問 2025年9月公募掲載 PDF ↩

  4. JRECO 政府補助金事業 環境省 令和7年度 コールドチェーンを支える冷凍冷蔵機器の脱フロン・脱炭素化推進事業 公募ページ ↩

  5. 環境省 コールドチェーンを支える冷凍冷蔵機器の脱フロン・脱炭素化推進事業補助金の第二次公募について ↩

  6. 環境省 令和8年度予算案 コールドチェーンを支える冷凍冷蔵機器の脱フロン・脱炭素化推進事業 PDF ↩

  7. JRECO コールドチェーンを支える冷凍冷蔵機器の脱フロン・脱炭素化推進事業 審査基準 2025年9月公募掲載 PDF ↩

  8. JRECO 令和7年度 環境省補助 複数年度事業 事業実施フロー 第2次 2025年9月公募掲載 PDF ↩

  9. JRECO 令和7年度 二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金 公募要領 2025年4月版 PDF ↩

  10. JRECO 令和7年度 環境省補助 単年度事業 事業実施フロー 2025年4月版 PDF ↩

  11. JRECO 令和7年度 環境省補助 複数年度事業 事業実施フロー 2025年4月版 PDF ↩

  12. JRECO 令和7年度 二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金 交付規程 2025年9月公募掲載 PDF ↩

執筆者:補助金フラッシュ 士業編集部

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執筆者
補助金フラッシュ 士業編集部
公開日: 2026年3月4日

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