デジタル化・AI導入補助金2026は、中小企業・小規模事業者等が業務のデジタル化やAI活用に取り組む際、ソフトウェアやクラウド利用料などの導入費用を支援する制度です。2026年は従来のIT導入補助金から名称が変わり、申請枠は通常枠、インボイス枠、セキュリティ対策推進枠、複数者連携枠などに分かれます。申請はIT導入支援事業者と共同で行い、交付決定後に補助事業を開始する流れです。12
この記事では、2026年版の公式一次資料に基づき、枠ごとの支援内容、対象者要件、申請前の必須手続きと注意点をまとめます。公募要領や各種手引きが準備中の項目は、確定情報だけに絞って解説します。3
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 制度名 | 中小企業デジタル化・AI導入支援事業費補助金(デジタル化・AI導入補助金2026)45 |
| 対象年度/公募回 | 令和8年(2026年) 交付申請(1次締切分〜4次締切分)6 |
| 最終更新日 | 2026年2月3日 |
| 所管/実施機関/事務局 | 中小企業庁(監督)/ 独立行政法人中小企業基盤整備機構(採択・事業主体)/ 中小企業デジタル化・AI導入支援事業事務局(TOPPAN株式会社)27 |
| 補助上限額/補助率 | 通常枠 5万円以上450万円以下 1/2以内(最低賃金近傍は2/3以内)/ インボイス枠 インボイス対応類型 ITツール最大350万円等 3/4以内等/ インボイス枠 電子取引類型 最大350万円 2/3以内(申請者が大企業は1/2以内)/ セキュリティ対策推進枠 5万円以上150万円以下 1/2以内(小規模は2/3以内)/ 複数者連携 交付申請合計上限3000万円等89101112 |
| 申請期間 | 交付申請受付開始 2026年3月30日10時00分(予定)/ 締切日などの詳細は事業スケジュールで確認6 |
| 公式一次資料 | 公式トップページ / 事業スケジュール / 資料ダウンロード / 交付規程 通常枠 2026年1月16日 PDF / 交付規程 インボイス対応類型 2026年1月16日 PDF / 交付規程 電子取引類型 2026年1月16日 PDF |
| 公式一次資料 続き | 交付規程 セキュリティ対策推進枠 2026年1月16日 PDF / 交付規程 複数者連携 2026年1月16日 PDF / IT導入支援事業者登録要領 2026年1月23日 PDF / ITツール登録要領 2026年1月23日 PDF / 事前登録手続きのご案内 2026年1月23日 PDF |
| 免責 | 申請可否や経費判断は、当該年度の募集要領・交付要綱等と事務局の案内で最終確認してください。 |

制度の全体像
制度名と狙い
デジタル化・AI導入補助金2026は、事業のデジタル化やAI活用を進めるために、登録されたITツールの導入等を支援する補助金です。対象となるITツールは、事前に登録され、公式サイト上で公開されているものから選びます。1
通常枠だけでなく、インボイス制度対応の導入を支援する枠や、サイバーセキュリティ対策の導入を支援する枠、複数企業が連携して取り組む枠があります。どの枠で申請するかによって、補助上限額・補助率・対象経費が変わります。23456
なお、2026年2月3日時点で、公式サイトの資料ダウンロードでは公募要領や交付申請の手引き等が準備中のものがあります。手続きに入る前に、資料の公開状況を確認してください。7
IT導入補助金からの名称変更
2026年(令和8年)から、従来のIT導入補助金は「デジタル化・AI導入補助金」に名称変更されました。公式の案内では、2025年度の交付申請実績など、制度上の説明に旧名称が登場する場面があるため、検索や資料確認の際は両方の名称を意識すると混乱が減ります。89
一方で、制度名が似た別制度も存在します。申請を検討するときは、公式サイトの資料ダウンロードと交付規程を組み合わせて制度を同定し、所管や事務局を取り違えないようにしてください。1072
IT導入支援事業者と申請者の役割
交付申請は、申請者(中小企業・小規模事業者等)とIT導入支援事業者が役割分担しながら進めます。申請者は、IT導入支援事業者から申請マイページの招待を受け、申請者情報の入力や必要情報・書類の提出を行います。IT導入支援事業者は、導入するITツール情報や事業計画値などを入力します。11
この分担は、申請書類の準備だけでなく、導入するITツールの適合確認にも関わります。まずは公式のITツール検索で候補を探し、どの枠で対象になり得るかをIT導入支援事業者と一緒に確認しましょう。111
枠ごとの支援内容
枠の一覧
枠の全体像を把握するため、主要な違いを表にまとめます。金額や補助率は枠によって細かく分かれるため、最終的には申請予定枠の交付規程で確認してください。23456
| 申請枠 | 主な目的 | 補助額の上限の考え方 | 補助率の考え方 | 主な対象経費の方向性 |
|---|---|---|---|---|
| 通常枠 | 業務のデジタル化とAI活用を含むITツール導入 | 5万円以上450万円以下の範囲で区分あり | 原則1/2以内、条件により2/3以内 | ソフトウェア、オプション、導入関連の役務 |
| インボイス枠 インボイス対応類型 | インボイス制度対応の会計等の導入 | ITツール最大350万円等、ハードウェアは別上限 | ITツールは3/4以内等、ハードウェアは1/2以内 | ソフトウェア、オプション、役務、ハードウェア |
| インボイス枠 電子取引類型 | 商流単位の受発注等の電子化 | 最大350万円 | 原則2/3以内、大企業申請者は1/2以内 | 役務中心 |
| セキュリティ対策推進枠 | サイバーセキュリティ対策の導入 | 5万円以上150万円以下 | 原則1/2以内、小規模は2/3以内 | サイバーセキュリティお助け隊サービス |
| 複数者連携デジタル化・AI導入枠 | 複数企業が連携して生産性向上 | 交付申請合計上限3000万円等 | 経費区分により2/3以内等 | インボイス対応類型相当、消費動向分析、事務費等 |
| 上の表は方向性の比較です。実際の申請では、導入するITツールの区分や、補助額に応じた追加要件の有無も確認が必要です。 |
通常枠
通常枠の補助額と補助率は、交付規程の別表で区分されています。補助額の区分に応じて、事務局が公募要領等で定める「プロセス要件」が関係する場合があります。2
| 区分 | 補助額 | 補助率 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 通常 | 5万円以上150万円以下 | 1/2以内 | 補助額ごとに必要となるプロセスの要件は、公募要領等で事務局が定める扱い |
| 通常 | 150万円超450万円以下 | 1/2以内 | 同上 |
| 最低賃金近傍の事業者 | 5万円以上150万円以下 | 2/3以内 | 令和6年10月から令和7年9月の間で3か月以上、地域別最低賃金+50円以内で雇用していた従業員数が全従業員の30パーセント以上であることを示した事業者 |
| 最低賃金近傍の事業者 | 150万円超450万円以下 | 2/3以内 | 同上 |
| この補助率の判定は、社内の賃金状況の整理が前提です。資料ダウンロードでは賃金状況報告シート等が案内される予定のため、公開後に該当様式で確認してください。72 |
通常枠の対象経費は、ソフトウェアと導入に必要なオプション、役務の費用が中心です。公式サイトの制度概要では、相談対応等のサポート費用やクラウドサービス利用料なども補助対象として案内されています。12
インボイス枠 インボイス対応類型
インボイス枠のうちインボイス対応類型は、インボイス制度に対応した会計等の導入を支援します。補助額と補助率は、ITツールとハードウェアで扱いが分かれます。3
| 対象 | 補助額 | 補助率 | 補足 |
|---|---|---|---|
| ITツール等 | 50万円以下 | 中小企業 3/4以内 小規模事業者 4/5以内 | 導入するITツール等の費用 |
| ITツール等 | 50万円超350万円以下 | 2/3以内 | 同上 |
| ハードウェア PC・タブレット等 | 10万円以下 | 1/2以内 | 上限は対象区分で異なる |
| ハードウェア レジ・券売機等 | 20万円以下 | 1/2以内 | 同上 |
| インボイス対応類型では、対象経費にハードウェアが含まれる点が通常枠との大きな違いです。導入目的がインボイス対応の範囲に収まるか、IT導入支援事業者と一緒に整理してください。311 |
インボイス枠 電子取引類型
電子取引類型は、受発注等の電子化を商流単位で進める取り組みを支援する枠です。交付規程では、申請者が大企業の場合に補助率が異なる点が示されています。4
| 対象 | 補助額 | 補助率 | 補足 |
|---|---|---|---|
| 役務等 | 350万円以下 | 2/3以内 | 申請者が中小企業・小規模事業者等の場合 |
| 役務等 | 350万円以下 | 1/2以内 | 申請者が大企業の場合 |
| 電子取引類型は、申請者の立場によって補助率が変わります。取引先が関わる枠でもあるため、申請に必要な情報の整理は早めに着手するのが安全です。411 |
セキュリティ対策推進枠
セキュリティ対策推進枠は、サイバーセキュリティお助け隊サービスの導入を支援する枠です。補助額と補助率は次のとおりです。5
| 対象 | 補助額 | 補助率 | 補足 |
|---|---|---|---|
| サイバーセキュリティお助け隊サービス | 5万円以上150万円以下 | 1/2以内 | 原則 |
| サイバーセキュリティお助け隊サービス | 5万円以上150万円以下 | 2/3以内 | 小規模事業者 |
| 全ての申請枠・類型で、交付申請の要件としてGビズIDプライムとSECURITY ACTIONが求められます。セキュリティ枠は特に、セキュリティ対策に関する準備が申請全体の前提になりやすいため、早めに対応してください。125 |
複数者連携デジタル化・AI導入枠
複数者連携デジタル化・AI導入枠は、複数の中小企業・小規模事業者等が連携してITツール等を導入し、生産性の向上を図る取り組みを支援します。補助額と補助率は、経費区分ごとに分かれます。6
| 経費区分 | 補助額の上限 | 補助率 | 概要 |
|---|---|---|---|
| ITツール等の経費 | 交付申請合計額 3000万円以下 | インボイス対応類型の扱いに準じる | インボイス対応類型の要件に属する経費 |
| 消費動向分析経費 | 交付申請合計額 3000万円以下 | 2/3以内 | 専用ITツールの利用に係る経費 |
| 事務費・専門家費 | 200万円以下かつITツール等と消費動向分析経費の合計の10パーセント以内 | 2/3以内 | 事務局経費、専門家経費 |
| 複数者連携枠は、枠名どおり申請フローが一部異なります。公式サイトの申請フロー案内でも、複数者連携枠は別の公募要領で確認するよう案内があり、必要資料が公開された段階で手順を再確認することが重要です。117 |
対象者の判定と基本要件
中小企業の判定基準
中小企業に該当するかは、業種分類と資本金(出資)または従業員数で判断します。公式サイトの「申請の対象となる方」では、主要な業種区分の基準が一覧で示されています。13
| 業種分類 | 資本金の額または出資の総額 | 常時使用する従業員 |
|---|---|---|
| 製造業(ゴム製品製造業を除く) 建設業 運輸業 | 3億円 | 300人 |
| 卸売業 | 1億円 | 100人 |
| サービス業(ソフトウェア業 情報処理サービス業 旅館業を除く) | 5000万円 | 100人 |
| 小売業 | 5000万円 | 50人 |
| ゴム製品製造業(自動車または航空機用タイヤ等を除く) | 3億円 | 900人 |
| ソフトウェア業または情報処理サービス業 | 3億円 | 300人 |
| 旅館業 | 5000万円 | 200人 |
| その他の業種(上記以外) | 3億円 | 300人 |
| 資本金と従業員規模のいずれか一方が基準以下の場合に対象となる扱いです。業種の切り分けや「常時使用する従業員」の定義は、公式サイトの注記も含めて確認してください。13 |
資本金基準がない組織形態の扱い
医療法人や社会福祉法人など、資本金の基準がない組織形態については、従業員数の基準で判断します。13
| 組織形態 | 資本金 | 常時使用する従業員 |
|---|---|---|
| 医療法人 社会福祉法人 | なし | 300人以下 |
| 学校法人 | なし | 300人以下 |
| 商工会 都道府県商工会連合会 商工会議所 | なし | 100人以下 |
| 中小企業支援法に規定する中小企業団体 | なし | 主たる業種に記載の従業員規模 |
| 特別の法律によって設立された組合またはその連合会 | なし | 主たる業種に記載の従業員規模 |
| 財団法人 社団法人(一般 公益) | なし | 主たる業種に記載の従業員規模 |
| 特定非営利法人 | なし | 主たる業種に記載の従業員規模 |
| 公式サイトには申請対象者チェッカーもありますが、結果は参考情報であり、申請要件は交付規程や公募要領で確認する必要があります。132 |
小規模事業者の判定基準
小規模事業者の定義は、業種区分ごとの従業員数で判断します。13
| 区分 | 常時使用する従業員 |
|---|---|
| 商業・サービス業(宿泊業・娯楽業を除く) | 5人以下 |
| サービス業のうち宿泊業・娯楽業 | 20人以下 |
| 製造業その他 | 20人以下 |
| 小規模事業者かどうかは、補助率が変わる枠で影響することがあります。申請枠を決める前に、自社がどちらに該当するかを整理しておきましょう。1335 |
交付対象者の基本要件
交付規程(通常枠)では、交付対象者の要件が複数項目で示されています。2026年2月3日時点で公募要領が準備中のため、少なくとも交付規程で確認できる基本要件を押さえておくと、申請可否の判断がしやすくなります。72
| 区分 | 要件の内容 |
|---|---|
| 要件1 | 中小企業・小規模事業者等であり、登録されたITツールを導入して生産性向上に取り組むこと |
| 要件2 | 日本国内で法人登記等を行い、国内で事業を営むこと |
| 要件3 | 事務局が指定する方法により、必要書類を期限内に提出できること |
| 要件4 | 反社会的勢力との関係がないこと。反社会的勢力から出資等の資金提供を受けている場合も対象外 |
| 要件5 | その他、事務局が不適切と判断する者でないこと |
| 申請で迷う場合は、まず要件2と要件4を自社の状況で確認し、次に要件1の範囲で導入するITツールが対象になり得るかを検討するのが現実的です。21 |
みなし大企業と課税所得による対象外
交付規程(通常枠)では、いわゆる「みなし大企業」として扱われる条件が列挙されています。次のいずれかに該当する場合、中小企業者であっても対象外になります。2
| 判定項目 | 対象外となる条件 |
|---|---|
| 条件1 | 発行済株式総数または出資総額の2分の1以上を同一の大企業が所有している |
| 条件2 | 発行済株式総数または出資総額の3分の2以上を大企業が所有している |
| 条件3 | 大企業の役員または職員を兼ねている者が役員総数の2分の1以上を占めている |
| 条件4 | 発行済株式総数または出資総額の2分の1以上を、条件1から条件3に該当する者が所有している |
| 条件5 | 条件1から条件3に該当する者に、大企業が含まれている |
| 条件6 | 発行済株式総数または出資総額の2分の1以上を同一の大企業が所有する中小企業者が、発行済株式総数または出資総額の2分の1以上を所有している |
| 加えて、直近過去2年の課税所得の年平均額が15億円以上である中小企業者も対象外になります。申請前に、株主構成や役員構成、課税所得の状況を確認しておくと手戻りを減らせます。2 |
事業計画と賃上げ要件
労働生産性の目標
交付規程(通常枠)では、交付申請の際に3年間の事業計画を策定し、労働生産性の向上目標を設定することが求められています。目標の数値要件は次のとおりです。2
| 区分 | 目標の内容 |
|---|---|
| 原則の目標1 | 補助事業終了後1年後の労働生産性を3パーセント以上向上させること |
| 原則の目標2 | 事業計画期間における労働生産性の年平均成長率を3パーセント以上とすること |
| 追加条件 | IT導入補助金2023後期からIT導入補助金2025までのいずれかで交付決定を受けている場合は、上記の目標が4パーセント以上になる |
| 労働生産性の算出方法や、計画の入力項目は交付申請の手引きや公募要領で具体化されます。資料が公開されたら、算出式と入力単位を確認してください。711 |
150万円以上で申請する場合の追加要件
交付規程(通常枠)では、補助額が150万円以上となる申請に対して、賃上げに関する追加要件が定められています。要件は3点あり、いずれも満たす必要があります。2
| 要件 | 内容 |
|---|---|
| 要件A | 補助事業終了後3年間で、給与支給総額の年平均成長率を、事業実施都道府県の最低賃金の直近5年間の年平均成長率以上にすること |
| 要件B | 補助事業終了後3年間で、事業場内最低賃金を事業実施都道府県の地域別最低賃金+30円以上の水準にすること |
| 要件C | 上記の賃金目標を従業員に表明すること |
| この追加要件には、申請時点の状況によって例外となる区分があります。交付規程(通常枠)では、次のいずれかに該当する場合、要件Aから要件Cは適用されません。2 |
| 例外区分 | 内容 |
|---|---|
| 例外1 | 小規模事業者 |
| 例外2 | 補助事業終了後3年間で、給与支給総額の年平均成長率が日本銀行が定める物価安定の目標+1パーセント以上を達成できる見込みの中小企業・小規模事業者等 |
| 例外3 | 事業場内最低賃金を地域別最低賃金+30円以上の水準にすることが既に達成されている中小企業・小規模事業者等 |
| 例外4 | 地域別最低賃金+30円以上の水準にすることが、役員だけの賃金引上げなどの理由で適切ではない中小企業・小規模事業者等 |
| 例外5 | 賃上げが困難と事務局が認めた中小企業・小規模事業者等 |
| 賃上げ要件は、計画の立て方だけでなく、交付後の報告や返還条件にも関わるため、該当しそうな場合は早い段階でIT導入支援事業者と相談してください。211 |
過年度に交付決定を受けた事業者の追加要件
公式の案内では、IT導入補助金2022からIT導入補助金2025のいずれかで交付決定を受けた事業者が再度申請する場合、賃上げに関する追加の申請要件が設定されています。3年間の事業計画を策定し、次の要件を満たすことが求められます。82
| 要件 | 内容 |
|---|---|
| 要件D | 補助事業終了後3年間で、給与支給総額の年平均成長率を日本銀行が定める物価安定の目標+1.5パーセント以上とすること |
| 要件E | 上記の賃金目標を従業員に表明すること |
| ここでも、150万円以上の追加要件と同様の例外区分が設けられています。該当する可能性がある場合は、交付規程と公募要領の公開後に、どの要件が適用されるかを突合してください。27 |
要件未達と返還リスクの考え方
賃上げに関する要件は、申請時の計画だけでなく、交付後の実績で判定されます。公式の案内では、要件を満たせなかった場合や効果報告を提出しなかった場合に、補助金の一部または全額の返還が発生する可能性があることが書かれています。82
返還の判断や計算方法は、交付規程だけでなく、公募要領や手引き、事後手続きの案内で具体化される部分があります。資料が公開されたら、対象となる要件と報告期限を最優先で確認してください。72
対象経費とITツールの選び方
ITツールは登録済みから選ぶ
デジタル化・AI導入補助金2026では、対象となるITツールは事前に登録され、公式サイト上で公開されているものから選定します。導入するITツールの提案や導入支援は、IT導入支援事業者が担います。11114
申請者側は、機能や価格だけでなく、どの申請枠で対象となるツールかを確認する必要があります。例えば、ハードウェアが対象となるのはインボイス対応類型であり、通常枠はソフトウェアと導入関連の役務が中心です。23
枠ごとの対象経費の違い
交付規程の別表に基づき、枠ごとの対象経費の方向性を整理すると次のようになります。23456
| 枠 | 主に対象となる経費区分 |
|---|---|
| 通常枠 | ソフトウェア、役務、ソフトウェアと役務の導入に必要なオプション、導入に係る役務 |
| インボイス枠 インボイス対応類型 | ソフトウェア、オプション、役務、ハードウェア |
| インボイス枠 電子取引類型 | 役務 |
| セキュリティ対策推進枠 | サイバーセキュリティお助け隊サービス |
| 複数者連携デジタル化・AI導入枠 | インボイス対応類型の要件に属する経費、消費動向分析経費、事務費・専門家費 |
| 対象経費は枠ごとに異なり、同じ名称の費目でも扱いが変わる場合があります。導入したい内容を先に決め、その内容に合う枠を当てはめる順序で整理すると、枠の選定ミスが減ります。 |
AI機能の説明で迷う点
公式の案内では、通常枠におけるAI機能に関して、ツールの使い方や効果を事業計画で明確に説明する必要があることが示されています。AI機能をうたう製品は幅が広いため、どの業務プロセスで何を自動化し、どの指標を改善するのかを言語化しておくことが重要です。811
これは制度要件ではありませんが、実務上は、AI機能の有無だけで判断せず、現状の業務フローと導入後の差分を図やメモで整理してからIT導入支援事業者に共有すると、申請書の整合が取りやすくなります。
申請の流れ
申請前に必須の手続き
公式サイトの案内では、全ての申請枠・類型で、交付申請の要件としてGビズIDプライムの取得とSECURITY ACTIONの宣言が必要です。GビズIDプライムの発行にはおおむね2週間、SECURITY ACTIONのアカウントID発行にはおおむね2から3日程度を見込む必要があります。12
申請受付開始が迫ってから準備すると間に合わない可能性があるため、申請を検討し始めた段階で先に着手してください。1215
IT導入支援事業者を選び申請マイページで作業する
申請の大まかな流れは、公式サイトの手続きフローで示されています。申請者は、IT導入支援事業者から申請マイページの招待を受けて申請者情報を入力し、必要情報の入力と書類の提出を行います。IT導入支援事業者は、ITツール情報や事業計画値を入力します。最後に申請者が申請内容を確認し、宣誓のうえ事務局へ提出します。11
| フェーズ | 申請者が行うこと | IT導入支援事業者が行うこと |
|---|---|---|
| 事前準備 | 自社の課題と導入目的を整理し、枠の候補を絞る | 対象となるITツールの候補を提示し、枠との適合を確認 |
| アカウント等 | GビずIDプライム取得、SECURITY ACTION宣言 | 申請に必要な情報の共有を受ける |
| 申請入力 | 申請マイページで申請者情報の入力、必要情報の入力と書類の提出 | ITツール情報と事業計画値等の入力 |
| 提出 | 入力内容の最終確認と宣誓、提出 | 申請支援と整合確認 |
| 申請内容の整合は、申請者とIT導入支援事業者の間で差が出やすい部分です。導入範囲、導入時期、支払方法、賃上げ要件の適用有無などは、早い段階で共通認識を作ると手戻りが減ります。112 |
交付決定後から補助金受領まで
手続きフローでは、審査が完了すると交付決定通知が行われ、交付決定を受けた申請者は補助事業者として補助事業を開始できる流れです。11
交付規程(通常枠)では、補助事業は交付決定日から事務局が別途定める期日までに実施し、補助対象経費はその期間内に支出し、支払を完了させる必要があります。実績報告や効果報告も規定されているため、交付決定後は事務局の案内に沿って期限管理を行ってください。2
オンライン手続きと証拠書類の保存
交付規程(通常枠)では、手続きは電磁的方法により行うことが示されています。また、補助事業者は、補助事業に係る収入・支出を明らかにした帳簿を備え、証拠書類を整理し、事務局が別途定める期間(少なくとも補助事業終了後5年間)保存する必要があります。2
これは制度要件ではありませんが、実務上は、契約書、発注書、請求書、支払証憑、導入完了を示す資料などを、交付決定後から時系列でファイルにまとめておくと、実績報告時の確認が進みやすくなります。
申請を進めるための準備資材
申請前セルフチェック
申請前に確認しやすい項目を、制度要件と関係する範囲でまとめます。未確定の提出書類の種類は公募要領・手引き公開後に確認が必要です。72
| 確認項目 | 確認の目安 | 根拠資料 |
|---|---|---|
| 自社が中小企業または小規模事業者に該当する | 業種と資本金または従業員数で判定 | 申請の対象となる方13 |
| みなし大企業に該当しない | 株主構成・役員構成を確認 | 交付規程 通常枠2 |
| 課税所得の年平均が15億円以上に該当しない | 直近過去2年の課税所得を確認 | 交付規程 通常枠2 |
| GビズIDプライムを取得できている | 未取得なら早めに申請 | 申請を行う前に必要な手続き12 |
| SECURITY ACTIONを宣言できている | 宣言済アカウントIDを把握 | 申請を行う前に必要な手続き12 |
| 導入したいITツールが登録済みである | 公式のITツール検索で確認 | 制度概要 申請フロー111 |
| 賃金関連の状況 | 150万円以上や過年度採択歴の有無 | 交付規程 通常枠 制度概要28 |
| チェック結果で不明点が残る場合は、IT導入支援事業者に相談する前に、該当条文と自社の状況を1枚に整理しておくと、確認が早く進みます。 |
事前にそろえる情報のテンプレ
公募要領や各種手引きが公開されると、入力項目や提出資料が具体化されます。公開前の段階でも、申請マイページで入力しやすい情報を先に整理しておくと準備が進めやすくなります。11
| 項目 | 記入例 | 準備のポイント |
|---|---|---|
| 申請枠 | 通常枠 インボイス枠など | 目的と対象経費から候補を絞る |
| 導入目的 | 会計処理の自動化 受発注の電子化など | 現状の課題と導入後の変化を短文でまとめる |
| 対象業務プロセス | 会計 販売管理 勤怠など | どの部署で使うかまで決める |
| 導入ITツール候補 | ツール名 ベンダー名 | 公式のITツール検索で登録状況を確認する |
| 導入時期 | 交付決定後に着手予定など | 交付決定前の着手は避ける前提で段取りする |
| 賃金関連の状況 | 事業場内最低賃金の水準など | 賃上げ要件の適用有無の判断材料にする |
| このテンプレは制度要件ではありませんが、申請者とIT導入支援事業者の間で認識合わせをする材料として有効です。11 |
タイムラインの目安
以下は、公式が示すアカウント発行の目安期間や、申請フローを踏まえた準備の順序です。制度要件ではありませんが、準備の抜け漏れを減らすために役立ちます。1211
| 時期の目安 | やること | 根拠の考え方 |
|---|---|---|
| 申請検討開始時 | GビズIDプライムの申請とSECURITY ACTIONの宣言 | 発行までに日数がかかるため |
| 申請受付開始の前 | IT導入支援事業者の選定とITツール候補の整理 | 申請は共同作成のため |
| 申請入力の直前 | 事業計画の数値要件と賃上げ要件の適用有無の確認 | 要件によって計画の作り方が変わる |
| 交付決定後 | 契約・発注・支払・導入・実績報告の段取り | 補助事業は交付決定後に開始 |
| タイムラインの起点となる受付開始日や締切日は、事業スケジュールの更新に合わせて変わる可能性があります。公式スケジュールで確認してください。15 |
証憑チェックの観点
交付規程(通常枠)では、帳簿と証拠書類の保存義務が示されています。具体的な提出物は手引きの公開後に確認が必要ですが、少なくとも次の観点で資料を残すことが重要です。27
| 観点 | 残しておきたい情報の例 | 目的 |
|---|---|---|
| 契約と発注 | 契約書 発注書 仕様書 | 導入範囲と金額の根拠 |
| 請求と支払 | 請求書 支払証憑 | 補助対象経費の支払完了の説明 |
| 導入完了 | 導入完了報告 受領書など | 補助事業の実施の説明 |
| 運用と効果 | 導入後の業務指標 体制図など | 効果報告の材料 |
| この表は制度要件ではありませんが、交付決定後に資料を集め直す負担を減らすために、早い段階から時系列で整理することが有効です。 |
よくある質問
Q1. デジタル化・AI導入補助金2026は、以前のIT導入補助金と同じ制度ですか
A. 2026年(令和8年)から名称が変わり、公式案内でも旧名称が併記される場面があります。申請の際は、2026年版の公式サイトと交付規程で対象年度を確認してください。8102
Q2. 申請受付はいつからですか
A. 事業スケジュールでは、交付申請の受付開始が2026年3月30日10時00分予定となっています。締切日は枠や募集回によって変わる可能性があるため、公式サイトの事業スケジュールで確認してください。15
Q3. 申請に必要な手続きは何ですか
A. 全ての申請枠・類型で、GビズIDプライムの取得とSECURITY ACTIONの宣言が交付申請の要件です。発行までの期間目安も公式に案内があるため、早めに着手してください。12
Q4. IT導入支援事業者は自分で選ぶ必要がありますか
A. 交付申請は、申請者とIT導入支援事業者が共同で作成する流れです。申請者は申請マイページの招待を受ける必要があるため、早い段階で支援事業者を選定してください。11
Q5. 対象となるITツールは自由に選べますか
A. 対象ITツールは登録されたものに限られ、公式サイト上で公開されています。導入したい目的に合うツールが登録されているか、公式のITツール検索で確認してください。114
Q6. 通常枠の補助率が2/3になる条件は何ですか
A. 交付規程(通常枠)では、一定の期間において地域別最低賃金+50円以内で雇用していた従業員が全従業員の30パーセント以上であることを示した事業者が、補助率2/3以内の区分になります。該当する場合は賃金状況の整理が必要です。2
Q7. インボイス対応類型でハードウェアも補助対象になりますか
A. インボイス対応類型の交付規程では、ハードウェア(PC・タブレット等、レジ・券売機等)が対象経費に含まれ、上限額と補助率も示されています。通常枠とは扱いが異なるため、枠選択の段階で確認してください。3
Q8. 電子取引類型は大企業でも申請できますか
A. 電子取引類型の交付規程では、申請者が大企業の場合の補助率(1/2以内)が示されています。取引先との関係も含めて準備が必要になるため、該当する場合は早めに要件を確認してください。4
Q9. 150万円以上の申請で賃上げ要件があると聞きました
A. 交付規程(通常枠)では、補助額150万円以上の申請に対し、給与支給総額や事業場内最低賃金、従業員への表明などの要件が定められています。例外区分もあるため、自社がどこに該当するかを確認してください。2
Q10. 過去にIT導入補助金を利用したことがあると不利になりますか
A. 公式案内では、過年度に交付決定を受けた事業者が再度申請する場合、賃上げに関する追加要件が設けられています。不利かどうかは一概に言えませんが、適用される要件を前提に計画を立てる必要があります。82
Q11. みらデジ経営チェックは必須ですか
A. 2026年版の公式サイトでは、申請に必須な手続きとしてGビズIDプライムとSECURITY ACTIONが示されています。別の施策として、IT戦略ナビwithの実施が加点項目として案内されています。申請の必須要件と加点項目を混同しないようにしてください。12
Q12. 実績報告や効果報告に備えて何を残すべきですか
A. 交付規程(通常枠)では、帳簿と証拠書類を整理し、少なくとも補助事業終了後5年間保存する必要があります。具体的な提出物は手引きの公開後に確認しつつ、契約・請求・支払・導入完了を説明できる資料を時系列で整理しておくと安心です。27
出典・参考資料
執筆者:補助金フラッシュ 士業編集部
補助金・助成金の活用法からAI導入、業務の生産性向上まで、中小企業の経営に役立つ情報を士業の専門家チームがわかりやすく解説します。
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