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働き方改革推進支援助成金 要点と申請実務

令和7年度の働き方改革推進支援助成金を公式一次資料で整理。コース別の対象要件、補助率と上限額、申請期限、jGrants申請、事前準備と対象外経費の注意点をまとめます。

補助金フラッシュ 士業編集部公開日: 2026年2月3日
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目次

  • 制度の全体像
  • 令和7年度の公募状況と令和8年度の扱い
  • 対象となる事業主
  • 支給対象となる取組と対象外になりやすいもの
  • 補助率と上限額の決まり方
  • 申請の流れ
  • コース選びの考え方
  • 対象経費の考え方
  • 申請前に準備しておきたいこと
  • 申請で詰まりやすいポイント
  • 証憑チェック
  • 問い合わせ前にまとめておくとよい情報
  • 業種別課題対応コースの位置付け
  • 勤務間インターバル導入コースの考え方
  • 次年度に備える差分確認の手順
  • よくある質問
補助金フラッシュ 事業計画

働き方改革推進支援助成金は、中小企業などが時間外労働の削減や年次有給休暇の取得促進に取り組む際、研修や外部専門家の活用、労務管理用の機器導入等に要した経費の一部を支援する制度です。1
令和7年度は、成果目標の達成状況に応じて定まる上限額と、対象経費に補助率を掛けた額のうち低い方が支給額の基準になりました。1
申請窓口は都道府県労働局で、郵送や持参のほか、jGrantsによる電子申請も選べます。1
令和8年度の交付要綱や申請マニュアル等が未公表の間は、令和7年度の公式資料を根拠に準備を進め、最新の公募情報が出た時点で差分確認する進め方が安全です。2

項目内容
制度名(正式名称)働き方改革推進支援助成金
対象年度/公募回(次回公募が予定の場合は次回)令和7年度(2025年度)。交付申請の受付期限は2025年11月28日(必着)で終了しました。令和8年度は交付要綱・支給要領・申請マニュアル等の公表待ちです(2026年2月3日現在)。2
最終更新日2026年2月3日
所管/実施機関/事務局所管:厚生労働省。申請窓口:所在地を管轄する都道府県労働局 雇用環境・均等部(室)。1
補助上限額/補助率(類型差があれば併記)コースと成果目標で異なります。例:労働時間短縮・年休促進支援コースは補助率3/4(要件により4/5)で、成果目標ごとに上限額が設定されます。団体推進コースは対象経費等の範囲内で上限500万円(要件により上限1,000万円)です。13
申請期間(開始/締切)※一次資料で確認できた場合のみ令和7年度:2025年4月1日から受付開始、2025年11月28日(必着)まで。13
公式一次資料(PDF/Word)のリンク集(募集要綱/手引き/FAQ/様式 等)労働時間短縮・年休促進支援コース 令和7年度 公式ページ HTML / 交付申請マニュアル 2025年度 PDF / 交付要綱 2025年度 PDF / 支給要領 2025年度 PDF / よくあるご質問 PDF
公式一次資料(PDF/Word)のリンク集 続き勤務間インターバル導入コース 令和7年度 公式ページ HTML / 交付申請マニュアル 2025年度 PDF / 交付要綱 2025年度 PDF / 支給要領 2025年度 PDF / よくあるご質問 PDF
公式一次資料(PDF/Word)のリンク集 続き2業種別課題対応コース 令和7年度 公式ページ HTML / 交付申請マニュアル 2025年度 PDF / 団体推進コース 令和7年度 公式ページ HTML / jGrants 公式案内 HTML
免責申請可否や経費判断は、当該年度の募集要領・交付要綱等と事務局の案内で最終確認してください。

目次

  • ●制度の全体像
  • 働き方改革推進支援助成金が支援すること
  • 主なコース
  • ●令和7年度の公募状況と令和8年度の扱い
  • 令和7年度の受付期間
  • 令和8年度は公式資料の公表待ち
  • ●対象となる事業主
  • 労働時間短縮・年休促進支援コースの基本要件
  • 中小企業事業主の範囲
  • コースごとの対象の違い
  • 団体推進コースの申請主体
  • ●支給対象となる取組と対象外になりやすいもの
  • 労働時間短縮・年休促進支援コースで対象となる取組
  • 団体推進コースで対象となる取組
  • ●補助率と上限額の決まり方
  • 共通する考え方
  • 労働時間短縮・年休促進支援コースの成果目標と上限額
  • 勤務間インターバル導入コースの上限額
  • 団体推進コースの支給額と上限
  • ●申請の流れ
  • 申請窓口と申請方法
  • 大まかな手続きの順番
  • 令和7年度のタイムライン例
  • ●コース選びの考え方
  • まず成果目標から逆算する
  • 団体推進コースは申請主体の要件が最優先
  • ●対象経費の考え方
  • 対象経費は取組に要した経費が基本
  • 取組から経費を整理する例
  • ●申請前に準備しておきたいこと
  • 公式要件に直結する事前点検
  • これは制度要件ではないが準備すると安心なもの
  • 相談メモのテンプレート例
  • ●申請で詰まりやすいポイント
  • 上限額の勘違い
  • 対象外になりやすい設備の混入
  • 受付終了のリスク
  • 団体推進コースは収入の整理が鍵
  • ●証憑チェック
  • ●問い合わせ前にまとめておくとよい情報
  • ●業種別課題対応コースの位置付け
  • ●勤務間インターバル導入コースの考え方
  • ●次年度に備える差分確認の手順
  • ●よくある質問
働き方改革推進支援助成金 要点と申請実務

制度の全体像

働き方改革推進支援助成金が支援すること

本助成金は、時間外労働の削減や年休取得促進など、労働時間等の設定の改善に向けた取組を後押しする制度です。1
支給対象となる取組として、研修や外部専門家の活用、就業規則等の整備、労務管理用のソフトウェアや機器の導入などが例示されています。1

申請は事業所の所在地を管轄する都道府県労働局が受け付けます。持参や郵送に加えて、jGrantsによる電子申請も選べます。1
電子申請ではGビズIDのアカウントが必要です。取得に時間がかかることがあるため、早めの手配が実務上の安心材料になります。12

主なコース

令和7年度の公式ページでは、少なくとも次のコースが案内されています。1345
コース名が似ているため、まずは自社の目的と申請主体が一致するコースを決めることが、取り違えを防ぐ近道です。

コース申請主体の中心主な狙い成果目標の例(公式ページの要旨)
労働時間短縮・年休促進支援コース中小企業事業主残業削減、年休取得促進の環境整備36協定の上限設定、年休の計画的付与の新規導入、時間単位年休と特別休暇の新規導入1
勤務間インターバル導入コース中小企業事業主勤務間インターバル制度の導入や拡大休息時間9時間以上の導入など(導入区分と時間数で上限が変動)3
業種別課題対応コース特定業種の中小企業事業主業界固有の課題に応じた働き方改革36協定の上限設定、勤務間インターバル導入、週休2日制推進等(成果目標が複数)4
団体推進コース事業主団体や共同事業主団体単位で傘下企業等の改善を後押し構成事業主の2分の1以上が取組や取組結果を活用すること5

令和7年度の公募状況と令和8年度の扱い

令和7年度の受付期間

令和7年度は、交付申請の受付を2025年4月1日から開始し、2025年11月28日(必着)まで受け付ける旨が公式ページに記載されています。15
ただし本助成金は予算の制約があるため、期限前に予告なく受付を締め切る場合があります。15

制度を使う可能性がある場合は、まず公式ページで現在の受付状況を確認してください。とくに年度末や締切直前は、受付終了の情報が出ている可能性があります。1

令和8年度は公式資料の公表待ち

令和8年度の内容について、交付要綱・支給要領・申請マニュアル等が公表されるまで案内できる情報がない旨を、労働局の案内ページが示しています。6
年度が変わるとコース構成や上限額、要件が変わることがあるため、令和8年度での申請を考える場合は、公式資料が公表された時点で次の順に確認すると安全です。

確認するもの確認のねらい確認先の例
交付要綱制度全体の根拠と基本ルールの確認各コースの公式ページから入手13
支給要領支給額や支給要件、運用上の注意点の確認各コースの公式ページから入手78
交付申請マニュアル提出書類、記載例、手続きの流れの確認各コースの公式ページから入手910

対象となる事業主

労働時間短縮・年休促進支援コースの基本要件

労働時間短縮・年休促進支援コースの支給対象事業主は、原則として次の要件を満たす中小企業事業主です。1

要件の区分公式ページで示される要点実務上の確認ポイント
労災保険労働者災害補償保険の適用事業主であること適用の有無と労働保険番号が確認できる資料を用意
中小企業事業主中小企業事業主の範囲に該当すること資本要件または労働者数要件のどちらで該当するか整理
年次有給休暇の扱い年5日の年次有給休暇取得に向け、就業規則等を整備していること就業規則や年休管理に関する社内ルールを点検
成果目標の前提選択する成果目標に応じて、改善の余地がある状態であること36協定の設定状況、就業規則への制度記載の有無などを確認

成果目標の前提は選択内容で変わります。たとえば成果目標に36協定の上限設定を選ぶ場合は、事業実施前の36協定が月60時間を超える区分に該当するかどうかが分岐点です。1
成果目標が新規導入を前提にするものもあるため、すでに同種の制度を導入している場合は、対象になるかどうかをマニュアルで確認してください。9

中小企業事業主の範囲

中小企業事業主は、業種ごとに資本要件または常時使用する労働者数要件のいずれかを満たす事業主です。1
公式ページに示される区分は次のとおりです。1

業種A 資本または出資額B 常時使用する労働者
小売業(飲食店を含む)5,000万円以下50人以下
サービス業5,000万円以下100人以下
卸売業1億円以下100人以下
その他の業種3億円以下300人以下

医業に従事する医師が勤務する病院、診療所、介護老人保健施設、介護医療院は、常時使用する労働者数が300人以下の場合に中小企業事業主に該当します。1
この特例の扱いは、事業の実態や法人形態によって確認点が変わることがあるため、該当しそうな場合は提出先の労働局に事前相談すると手戻りを減らせます。1

コースごとの対象の違い

コース間の取り違えは、申請主体が会社なのか団体なのか、そして求める成果目標が何かの二点で起きやすいです。15
次の表で、自社の目的と申請主体を一度照合してください。

確認軸中小企業が申請するコース団体が申請するコース
会社単位で残業削減や年休促進を進めたい労働時間短縮・年休促進支援コース1該当しません
会社単位で勤務間インターバルを導入したい勤務間インターバル導入コース3該当しません
特定業種で追加の成果目標を狙いたい業種別課題対応コース4該当しません
傘下企業向けに団体として改善事業を実施したい該当しません団体推進コース5

団体推進コースの申請主体

団体推進コースの支給対象となる事業主団体等は、事業主を構成員とする団体またはその連合団体であり、構成事業主数が3以上、1年以上の活動実績、構成事業主の2分の1以上が中小企業事業主であることが要件です。5
また、団体推進コースは共同事業主も対象になり、労災保険適用であること、構成事業主の5分の1以上が中小企業事業主であること等が要件として示されています。5
共同事業主の対象となり得る業種として、建設業、自動車運転業務、医療機関(病院・診療所等)、砂糖製造業が挙げられています。5

支給対象となる取組と対象外になりやすいもの

労働時間短縮・年休促進支援コースで対象となる取組

労働時間短縮・年休促進支援コースの支給対象となる取組は、公式ページに9項目で示されています。1
取組の選定は、成果目標の達成に直結するかどうかを軸に考えると整理しやすいです。

番号支給対象となる取組(公式ページの項目名)補足(公式ページの要旨)
1労務管理担当者に対する研修業務研修等を含む1
2労働者に対する研修業務研修等を含む1
3外部専門家によるコンサルティング制度整備や運用改善の助言等
4就業規則・労使協定等の作成・変更制度導入に伴う規程整備等
5人材確保に向けた取組求人等、確保策
6労務管理用ソフトウェアの導入・更新勤怠管理等
7労務管理用機器の導入・更新打刻機器等
8デジタル式運行記録計の導入・更新運送業などで想定
9労働能率の増進に資する設備・機器等の導入・更新生産性向上目的の設備等

パソコン、タブレット、スマートフォンの購入は、原則として対象になりません。1
一方で、長時間労働恒常化要件に該当する場合に限り、パソコン等の購入が認められることがあります。要件確認は交付申請マニュアルで行ってください。19

団体推進コースで対象となる取組

団体推進コースは、団体が改善事業の取組を行い、構成事業主の2分の1以上に対してその取組または取組結果を活用することを成果目標として掲げています。5
支給対象となる取組は、公式ページに10項目で示されています。5

番号支給対象となる取組(公式ページの項目名)例として想定される活動の方向性
1市場調査の事業実態把握、課題の見える化
2新ビジネスモデル開発、実験の事業実証、試行
3材料費、水光熱費、在庫等の費用の低減実験の事業共同化、効率化
4取引先等との調整の事業適正な納期等に向けた調整
5展示会開催及び出展の事業販路開拓
6好事例の収集、普及啓発の事業好事例展開
7セミナーの開催等の事業教育、周知
8巡回指導、相談窓口設置等の事業伴走支援
9構成事業主が共同で利用する設備・機器の導入・更新の事業共同利用設備
10人材確保に向けた取組の事業採用活動等

団体推進コースは、対象経費の合計額や収入控除後の額との比較で支給額を決めるため、売上や参加費などの収入が生じる企画は計画段階で整理しておくことが重要です。5

補助率と上限額の決まり方

共通する考え方

労働時間短縮・年休促進支援コースでは、助成額は対象経費に補助率を掛けた額です。補助率は3/4で、常時使用する労働者数30人以下で一定の取組を行い、かつ設備投資等が30万円を超える場合は4/5です。1
上限額は、選択した成果目標と賃金の引上げの達成状況に応じて定まります。支給額は、上限額と計算額の低い方です。1

この構造を先に理解しておくと、見積金額だけで支給額を判断してしまうミスを避けられます。たとえば対象経費が大きくても、成果目標ごとの上限額が支給額の上限になります。1

労働時間短縮・年休促進支援コースの成果目標と上限額

成果目標は、次の3つから1つ以上選択します。1

成果目標内容(公式ページの要旨)上限額(公式ページの記載)
成果目標136協定の時間外・休日労働時間数を縮減事業実施前と事業実施後の区分で変動(下表)
成果目標2年次有給休暇の計画的付与制度を新規導入25万円1
成果目標3時間単位年休と、指針に規定される特別休暇の規定を新規導入25万円1

成果目標1の上限額は、事業実施前の36協定の区分と、事業実施後に目指す区分の組合せで決まります。1

事業実施前の区分事業実施後 月60時間以下事業実施後 月60時間超から月80時間以下
月80時間を超える設定150万円100万円
月60時間を超え月80時間以下の設定50万円該当なし

賃金の引上げを成果目標に加える場合、常時使用する労働者数が30人以下かどうかで上限額が分かれます。引き上げ人数は最大30人までです。1

常時使用する労働者数賃上げ率3パーセント以上賃上げ率5パーセント以上賃上げ率7パーセント以上
30人を超える人数×10万円(上限100万円)人数×18万円(上限180万円)人数×30万円(上限300万円)
30人以下人数×20万円(上限200万円)人数×30万円(上限300万円)人数×40万円(上限400万円)

勤務間インターバル導入コースの上限額

勤務間インターバル導入コースは、勤務終了後から次の勤務開始までの休息時間を確保する制度を導入・拡大する取組を支援します。3
助成額は対象経費に補助率を掛けた額で、上限額は導入区分と休息時間数で変わります。3

導入区分導入する休息時間数上限額
新規導入9時間以上11時間未満100万円3
新規導入11時間以上120万円3
適用範囲の拡大または時間延長9時間以上11時間未満50万円3
適用範囲の拡大または時間延長11時間以上60万円3

勤務間インターバル導入コースにも、賃金の引上げを成果目標に加える枠があります。適用の可否と上限額は公式ページと申請マニュアルで確認してください。310

団体推進コースの支給額と上限

団体推進コースは、支給対象となる取組に要した経費を支給する仕組みで、支給額は次のいずれか低い方の額です。5

比較する額内容(公式ページの要旨)
対象経費の合計額支給対象となる取組の実施に要した経費の合計
総事業費から収入額を控除した額試作品販売など収入が発生する場合を想定5
上限額原則500万円。要件により上限1,000万円5

上限1,000万円は、都道府県単位または複数都道府県単位で構成する事業主団体等で構成事業主が10以上などの要件が示されています。また、取組や取組結果を全ての構成事業主が活用する場合など、条件が追加されています。5

申請の流れ

申請窓口と申請方法

交付申請書類等の提出先は、所在地を管轄する都道府県労働局の雇用環境・均等部(室)です。15
窓口への持参だけでなく、郵送やjGrantsによる電子申請も受け付けます。15
jGrantsで申請する場合は、GビズIDのアカウントを取得してから手続きを進めます。12

大まかな手続きの順番

公式ページでは交付申請書や支給申請書などの様式が示されており、交付申請と支給申請の二段階があることが分かります。5
コースによって提出書類の詳細は異なるため、実際の作業は交付申請マニュアルの提出書類一覧に沿って進めてください。91011

段階やること制度要件としての位置付け
交付申請コースと成果目標、取組内容、経費計画をまとめて提出必須(様式と提出書類はマニュアルで確認)
交付決定後の取組実施計画に沿って研修、規程整備、機器導入等を実施必須(事業実施期間内に完了)
支給申請成果目標の達成状況と経費支出を整理し、支給申請書等を提出必須

労働時間短縮・年休促進支援コースの事業実施期間は、交付決定の日から当該交付決定日の属する年度の1月30日までです。1
団体推進コースの事業実施期間は、交付決定の日から当該交付決定の属する年度の2月13日までです。5

令和7年度のタイムライン例

ここでは、令和7年度に公式ページで示される受付期間と事業実施期間をもとに、作業の見通しを立てるためのタイムライン例を示します。15
これは制度要件そのものではなく、計画の立て方の参考です。具体的な提出期限や提出物は、コース別マニュアルに合わせてください。9

時期の目安やること根拠となる一次資料
4月から申請準備コース選定、成果目標の確定、取組内容と経費の整理公式ページの成果目標と支給対象となる取組1
4月1日から受付開始交付申請書類の提出公式ページの受付開始日1
受付期間中交付申請の提出と補正対応受付期限と予算による前倒し終了の注意1
交付決定後計画に沿って取組を実施事業実施期間の規定15
年度末までに支給申請の準備と提出様式とマニュアルで確認910

コース選びの考え方

まず成果目標から逆算する

働き方改革推進支援助成金は、成果目標の達成を前提に取組を組み立てる制度です。15
そのため、設備やツールを先に決めるよりも、達成したい成果目標を決めてから支給対象となる取組を選ぶ方が、申請書の整合が取りやすくなります。

達成したいこと検討しやすいコース公式ページで確認するポイント
36協定の上限を下げて残業を削減したい労働時間短縮・年休促進支援コース事業実施前の36協定区分と、達成後の目標区分1
年休の計画的付与を新しく導入したい労働時間短縮・年休促進支援コース成果目標2の要件と上限額25万円1
時間単位年休や特別休暇を新しく導入したい労働時間短縮・年休促進支援コース成果目標3の要件と上限額25万円1
勤務間インターバルを導入または拡大したい勤務間インターバル導入コース導入区分と休息時間数の上限額3
業界団体として傘下企業の改善事業を行いたい団体推進コース取組の範囲、成果目標、支給額の決まり方5

団体推進コースは申請主体の要件が最優先

団体推進コースは、会社単体ではなく事業主団体等や共同事業主が申請主体です。5
成果目標や取組内容を作り込む前に、申請主体の要件を満たすかどうかを先に確定させてください。5
この順番を逆にすると、計画が固まった後に申請主体要件で止まりやすくなります。

対象経費の考え方

対象経費は取組に要した経費が基本

労働時間短縮・年休促進支援コースでは、成果目標の達成に向けて取り組んだ場合に、支給対象となる取組の実施に要した経費の一部を助成します。1
団体推進コースでも、成果目標の達成に向けて取り組んだ場合に、支給対象となる取組の実施に要した経費を支給します。5

一方で、パソコン、タブレット、スマートフォンの購入は原則対象外です。1
経費の可否は支給要領や交付申請マニュアルに具体的な考え方が示されるため、判断が難しい場合は、支給要領の該当箇所まで当たり、必要なら労働局に確認してください。78

取組から経費を整理する例

次の表は、支給対象となる取組から経費を整理するための例です。これは制度要件ではなく、申請書の作業を進めるための整理方法です。
最終的な対象経費の範囲は、必ず支給要領と申請マニュアルで確認してください。79

支給対象となる取組経費整理の観点(例)注意点
研修(担当者・労働者)講師、教材、会場、eラーニング等研修の目的が成果目標に結び付くか説明が必要になりやすい
外部専門家コンサル専門家への委託費成果目標達成との関係が説明できる範囲で計画
規程の作成・変更就業規則や労使協定の整備に関する費用社内周知や施行日の整理も併せて検討
労務管理ソフトや機器勤怠管理や労務管理の効率化に資する導入費パソコン等は原則対象外1
生産性向上設備労働能率の増進に資する設備の導入・更新単なる快適化目的は説明が難しくなりやすい

申請前に準備しておきたいこと

公式要件に直結する事前点検

公式ページから読み取れる範囲でも、事前点検の優先度が高い項目があります。1
次の表は、要件確認の入口として使える観点です。

点検項目なぜ重要か確認する一次資料
労災保険の適用支給対象事業主の前提コース公式ページ13
中小企業事業主の範囲申請対象かどうかの分岐点コース公式ページの基準表1
年5日の年次有給休暇に向けた整備基本要件に含まれる労働時間短縮・年休促進支援コース公式ページ1
成果目標の前提条件達成可能な目標設定が必要各コースの成果目標欄13

これは制度要件ではないが準備すると安心なもの

ここから先は制度要件ではありませんが、申請の手戻りを減らす観点で準備しておくと有効なものです。
要件や提出書類は年度とコースで変わるため、最終判断は申請マニュアルに従ってください。91011

準備物使いどころ備考
現状の労働時間データ目標設定の根拠として整理しやすい36協定の区分判断にも役立つ
導入予定機器やサービスの比較資料見積や選定理由の説明に使える金額だけでなく効果を言語化
社内の担当体制メモ申請書作成や実施管理の分担に必要団体推進コースは団体内の役割分担も重要
相談メモのひな形労働局に確認する論点を固定できる次のテンプレート例を参照

相談メモのテンプレート例

これは制度要件ではありませんが、問い合わせ前に論点を整理しておくと、確認が早く終わりやすくなります。

項目記入例
申請コース労働時間短縮・年休促進支援コース
成果目標成果目標1と成果目標2
事業実施前の状況36協定は月80時間超の設定、年休の計画的付与は未導入
取組内容就業規則改定、研修、勤怠管理システム導入
確認したい点機器が支給対象となる取組6に該当するか、成果目標の前提条件を満たすか

申請で詰まりやすいポイント

上限額の勘違い

上限額は成果目標ごとに設定され、選択した目標の上限額を積み上げた額が上限の枠になります。1
一方、実際の支給額は対象経費に補助率を掛けた計算結果との比較で決まります。1
見積の合計が上限額に届かない場合、上限額いっぱいの支給にはなりません。

対象外になりやすい設備の混入

パソコンやタブレット等は原則対象外です。1
機器購入を中心に検討する場合は、対象外に該当しないか、長時間労働恒常化要件の適用があるかを、計画段階で必ず確認してください。19

受付終了のリスク

受付期限が記載されていても、予算の制約により期限前に受付を締め切る場合があります。15
これは制度要件ではありませんが、締切間際に動くほど、このリスクの影響を受けやすくなります。申請する可能性があるなら、まず提出先の労働局に現時点の受付状況を確認すると安全です。1

団体推進コースは収入の整理が鍵

団体推進コースでは、総事業費から収入額を控除した額と比較して支給額を決める要素があります。5
たとえば試作品販売や参加費徴収など、収入が発生する形の事業は、収入額の取り扱いを計画段階で整理しておくと、支給申請時の説明がしやすくなります。5

証憑チェック

取組を実施した事実と支出を説明できる資料は、支給申請で重要になります。これは制度要件ではありませんが、証憑が揃っているかどうかで手戻りの量が変わります。
支給申請時に何が必要かはコース別の申請マニュアルの提出書類一覧で確認し、準備はその一覧に合わせて行ってください。910

観点確認するものの例よくある抜け
取組の実施研修の実施記録、専門家の報告書、規程の施行日が分かる資料実施日や対象者が不明確
導入や更新納品書、検収記録、導入設定の完了が分かる資料検収日が事業実施期間外
支払い請求書、振込控え、領収書など支払日が曖昧、名義不一致

問い合わせ前にまとめておくとよい情報

都道府県労働局は、交付申請書類等の提出先であり、制度の運用面の案内も行います。15
問い合わせの前に次の情報を整理しておくと、確認が早く終わりやすくなります。これは制度要件ではありませんが、事前準備として有効です。

整理する情報理由
申請したいコース名と成果目標コース違いの相談を防ぐ
事業場の所在地と管轄労働局窓口の特定に必要
事業実施前の状況成果目標の前提条件の確認に必要
導入予定の取組と経費の概要対象経費の該当性を確認しやすい

業種別課題対応コースの位置付け

業種別課題対応コースは、業界の特性に応じて成果目標が複数用意されている点が特徴です。4
労働時間短縮・年休促進支援コースと同じ成果目標が含まれる一方で、週休2日制の推進、医師の働き方改革推進、砂糖製造業の勤務割表の整備など、業種に応じた成果目標も示されています。4
自社が対象業種に該当する場合は、どの成果目標が選べるか、選んだ成果目標の前提条件を満たすかを、公式ページと交付申請マニュアルで突き合わせてください。411

また、成果目標1から4について2年度連続で交付申請する場合の要件が公式ページに示されています。たとえば成果目標1を連続申請する場合は、現在有効な36協定の適用開始日から起算して12か月を経過していることが要件です。4
連続申請を視野に入れる場合は、36協定の適用開始日や過去の申請履歴を早い段階で整理しておくと、要件確認が速く終わります。これは制度要件ではありませんが、実務上は有効です。

勤務間インターバル導入コースの考え方

勤務間インターバル導入コースは、休息時間の確保に焦点を当てたコースで、導入区分と休息時間数で上限額が分かれます。3
新規導入と、適用範囲の拡大または時間延長では上限額が異なるため、現状の制度がどの状態に当たるかを最初に整理してください。3
制度の状態が曖昧なまま申請書を作ると、導入区分の説明が通りにくくなりやすいです。

勤務間インターバルの導入は、就業規則や労使協定等の整備を伴うことが多く、支給対象となる取組の中でも規程整備や研修、労務管理の見直しがセットになりやすい領域です。どの取組を組み合わせるかは、交付申請マニュアルで提出書類と記載例を確認しながら決めてください。10

次年度に備える差分確認の手順

令和8年度の公式資料が公表されたら、令和7年度の情報をそのまま当てはめず、差分確認を行ってください。6
差分確認で見落としが起きやすい項目を、次の表にまとめます。

差分確認の観点見落としが起きやすい理由確認する一次資料
コース構成新設や統合があると取り違えが起きる公式ページと交付要綱
上限額と補助率数字が変わると資金計画が崩れる支給要領と公式ページ
申請期限と事業実施期間締切や終期の変更で間に合わなくなる公式ページとマニュアル
対象外経費の扱いPC等の例外要件が変わる可能性がある支給要領とマニュアル

よくある質問

Q1. 令和8年度の公募要領や申請マニュアルはどこで確認できますか
A. 令和8年度の内容は、交付要綱・支給要領・申請マニュアル等の公表待ちで、未公表の間は案内できる情報がない旨が労働局の案内ページに掲載されています。まずは厚生労働省の公式ページと、提出先となる労働局の案内で、資料の公開有無を確認してください。6

Q2. 申請の提出先はどこですか
A. 交付申請書類等の提出は、所在地を管轄する都道府県労働局の雇用環境・均等部(室)です。15

Q3. 郵送や電子申請は使えますか
A. 窓口への持参のほか、郵送やjGrantsによる電子申請でも受け付けます。jGrantsを利用するには、GビズIDのプライムアカウントまたはメンバーアカウントが必要です。152

Q4. 申請の受付はいつまでですか
A. 令和7年度は、交付申請の受付が2025年11月28日(必着)までと公式ページに記載されています。ただし予算の制約により、期限前に受付を締め切る場合があります。15

Q5. 労働時間短縮・年休促進支援コースの成果目標は何ですか
A. 成果目標は、36協定の上限設定、年次有給休暇の計画的付与制度の新規導入、時間単位年休と特別休暇の規定の新規導入の3つから1つ以上を選択します。1

Q6. 労働時間短縮・年休促進支援コースの上限額はいくらですか
A. 上限額は選択した成果目標の達成状況で決まります。成果目標1は事業実施前後の36協定区分で150万円、100万円、50万円に分かれ、成果目標2と3はそれぞれ25万円です。賃金の引上げを成果目標に加える場合は、賃上げ率と引き上げ人数等で上限が決まります。1

Q7. 勤務間インターバル導入コースの上限額はいくらですか
A. 新規導入か、適用範囲の拡大または時間延長かで分かれ、休息時間数が9時間以上11時間未満か11時間以上かで上限額が変わります。具体的には100万円、120万円、50万円、60万円の区分です。3

Q8. パソコンの購入は対象経費になりますか
A. パソコン、タブレット、スマートフォンの購入は原則として対象になりません。長時間労働恒常化要件に該当する場合に限り、パソコン等の購入が認められることがあります。要件は交付申請マニュアルで確認してください。19

Q9. 団体推進コースの支給上限はどのように決まりますか
A. 支給額は、対象経費の合計額、総事業費から収入額を控除した額、上限額のいずれか低い方の額です。上限額は原則500万円で、要件により上限1,000万円です。5

Q10. 団体推進コースの成果目標は何ですか
A. 団体が改善事業の取組を行い、構成事業主の2分の1以上に対してその取組または取組結果を活用することが成果目標です。5

Q11. 団体推進コースの事業実施期間はいつまでですか
A. 交付決定の日から当該交付決定の属する年度の2月13日までの間に取組を実施してください。5

Q12. 労働時間短縮・年休促進支援コースの事業実施期間はいつまでですか
A. 交付決定の日から当該交付決定日の属する年度の1月30日までに取組を実施してください。1

Q13. 団体推進コースは会社1社だけでも申請できますか
A. 団体推進コースの支給対象となる事業主団体等は、構成事業主数が3以上であることが要件です。共同事業主の場合も、構成事業主に関する要件が示されています。申請主体の形が条件を満たすかは公式ページで確認してください。5

Q14. 交付申請マニュアルはどれを見ればよいですか
A. コースごとに交付申請マニュアルが用意されています。コース名が一致するマニュアルを選び、提出書類一覧と記載例を確認してから申請書作成に入ると手戻りを減らせます。91011

出典・参考資料

  1. 厚生労働省 働き方改革推進支援助成金 労働時間短縮 年休促進支援コース 令和7年度 公式ページ HTML ↩

  2. デジタル庁 補助金の電子申請サービス jGrants 公式案内ページ HTML ↩

  3. 厚生労働省 働き方改革推進支援助成金 勤務間インターバル導入コース 令和7年度 公式ページ HTML ↩

  4. 厚生労働省 働き方改革推進支援助成金 業種別課題対応コース 令和7年度 公式ページ HTML ↩

  5. 厚生労働省 働き方改革推進支援助成金 団体推進コース 令和7年度 公式ページ HTML ↩

  6. 山口労働局 令和8年度の働き方改革推進支援助成金に関する案内ページ HTML ↩

  7. 労働時間短縮 年休促進支援コース 支給要領 2025年度 PDF ↩

  8. 勤務間インターバル導入コース 支給要領 2025年度 PDF ↩

  9. 労働時間短縮 年休促進支援コース 交付申請マニュアル 2025年度 PDF ↩

  10. 勤務間インターバル導入コース 交付申請マニュアル 2025年度 PDF ↩

  11. 業種別課題対応コース 交付申請マニュアル 2025年度 PDF ↩

執筆者:補助金フラッシュ 士業編集部

補助金・助成金の活用法からAI導入、業務の生産性向上まで、中小企業の経営に役立つ情報を士業の専門家チームがわかりやすく解説します。

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執筆者
補助金フラッシュ 士業編集部
公開日: 2026年2月3日

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