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ブログ|補助金・税制ガイド

LED照明等節電促進助成金をわかりやすく解説

東京都の製造業向けLED照明等節電促進助成金を、令和7年度第3回募集要項など公式一次資料ベースで整理。対象者、補助上限、対象経費、申請手順、審査項目、注意点をまとめた解説です。

補助金フラッシュ 士業編集部公開日: 2026年3月4日
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目次

  • 制度の全体像
  • 支援内容の要点
  • 対象になる事業者と工場
  • 対象設備と対象経費
  • 申請の流れ
  • 審査で見られる点
  • 完了報告と証憑チェック
  • 申請前に使えるセルフチェック
  • 問い合わせ前にまとめるメモ
  • よくある質問
補助金フラッシュ 事業計画

東京都の製造業で、工場の照明や節電設備を更新したいときに確認したいのが、LED照明等節電促進助成金です。2026年3月2日時点では令和7年度分の申請受付は終了していますが、対象になる工場の範囲、事前に必要な節電診断、対象外経費の線引き、交付決定前に着手できない点など、実務で見落としやすい条件が公式資料に細かく出ています。12
とくに、製造業に当たるか、自社の工場と認められるか、見積書と図面と申請書の数量が一致しているかで詰まりやすいため、募集要項だけでなく必要書類集や電子申請マニュアルまで見て準備することが大切です。234
このページでは、2026年3月2日時点で確認できた公的機関の一次資料だけをもとに、制度の要点と申請前に確認したい論点を整理します。12

項目内容
制度名LED照明等節電促進助成金12
対象年度/公募回令和7年度 第3回募集公開版2
最終更新日2026年3月2日
所管/実施機関/事務局東京都 / 公益財団法人東京都中小企業振興公社 / 企画管理部 設備支援課12
補助上限額/補助率上限1,500万円、助成率1/2以内、申請下限額30万円12
申請期間第1回 令和7年5月14日9時〜5月20日17時 / 第2回 令和7年9月10日9時〜9月17日17時 / 第3回 令和8年1月7日9時〜1月14日17時。2026年3月2日時点で申請受付終了12
公式一次資料公募ページ / 募集要項 令和7年度第3回版 PDF / 必要書類 令和7年度版 PDF / 節電診断抜粋 令和7年度版 PDF / 電子申請マニュアル 2025年4月版 PDF / 申請書記入例 令和7年度第3回版 PDF
免責申請可否や経費判断は、当該年度の募集要領・交付要綱等と事務局の案内で最終確認してください。

目次

  • ●制度の全体像
  • 制度の目的
  • まず外したくない前提
  • ●支援内容の要点
  • 金額と支払時期
  • 助成対象期間
  • ●対象になる事業者と工場
  • 申請できる主体
  • 製造業かどうかの見られ方
  • 工場の場所と建物の条件
  • 過去に使った事業者と重複補助の扱い
  • ●対象設備と対象経費
  • 対象設備
  • 助成対象になる費用
  • 対象外になりやすい支出
  • ●申請の流れ
  • 全体の順番
  • 必要書類
  • 電子申請で詰まりやすい点
  • ●審査で見られる点
  • 公式の審査項目
  • 実務上の準備の進め方
  • ●完了報告と証憑チェック
  • 交付決定後に必要なこと
  • 証憑チェック
  • ●申請前に使えるセルフチェック
  • セルフチェック
  • 準備のタイムライン
  • ●問い合わせ前にまとめるメモ
  • 事前メモのひな形
  • ●よくある質問
LED照明等節電促進助成金をわかりやすく解説

制度の全体像

この助成金は、東京都中小企業振興公社が実施する中小企業における危機管理対策促進事業の一つで、製造業を営む中小企業者等が節電のための計画を立て、その計画に必要な設備を自社工場へ導入する費用の一部を支援する制度です。単に照明を新しくする補助ではなく、生産活動を続けながら電気使用量を抑える取組を後押しする位置づけになっています。12

制度の目的

募集要項では、生産コスト上昇の中でも生産活動を継続しながら節電に取り組むことが重要だとして、中小企業者等が行う電力の効率化を図る設備導入を支援し、東京都内の中小企業の振興につなげることを目的にしています。工場で長時間使う照明のLED化を中心に、デマンド監視装置などの節電設備も対象に入っている点が特徴です。1

まず外したくない前提

この制度は、よくある省エネ支援と似て見えても、対象がかなり絞られています。製造業であること、自社の工場であること、節電診断など所定の診断を受けていること、交付決定前に契約や発注をしていないことが大前提です。事務所や倉庫の照明更新を幅広く支援する制度ではありません。31

誤解しやすい点実際の扱い
省エネにつながる設備なら幅広く対象になる対象設備はLED照明器具、デマンド監視装置、進相コンデンサ、インバータです31
工場に隣接する事務所や倉庫ならまとめて対象になる生産や加工を行っていない建物への設置は対象外です1
会社が一度使ったら今後は申請できない令和7年度は、過去に交付を受けていない別の事業所や工場なら対象になります31
交付決定前でも急いで契約すればよい交付決定前の契約、発注、設置は対象外です1

制度の骨格を先に押さえておくと、見積取得や図面作成に入ったあとで大きな手戻りが起きにくくなります。とくに、過去年度の解説で見た内容をそのまま当てはめず、対象年度の公募ページと募集要項で条件を見直すことが重要です。31

支援内容の要点

支援内容はシンプルに見えますが、助成率だけを見て判断すると不足します。下限額、後払い、助成対象期間の短さまで含めて確認しておかないと、資金繰りや工程でずれが出やすくなります。1

金額と支払時期

令和7年度第3回募集要項では、助成限度額は1,500万円、助成率は助成対象経費の2分の1以内です。あわせて、助成金の下限額は30万円とされているため、単純計算では助成対象経費が税抜60万円未満の計画は対象外になります。募集要項のFAQでも、見積総額が60万円を超えていても対象外経費が多いと下限を割ることがあるので注意が必要だと案内されています。1

また、交付決定は支払いの保証ではありません。助成金は事業完了後に公社が内容を確認してから支払われる後払いで、完了検査の結果によっては交付予定額より減額される場合があります。導入前に全額を立て替える前提で資金計画を組む必要があります。1

助成対象期間

助成対象期間は各回とも4か月以内です。しかも、その期間内に発注、契約、実施、支払まで完了しなければなりません。単に工事が終わればよいわけではなく、請求書の支払いまで含めて期間内に収める必要があります。31

募集回申請受付期間交付決定助成対象期間
第1回令和7年5月14日9時〜5月20日17時令和7年7月下旬令和7年8月1日〜11月30日31
第2回令和7年9月10日9時〜9月17日17時令和7年11月下旬令和7年12月1日〜令和8年3月31日31
第3回令和8年1月7日9時〜1月14日17時令和8年3月下旬令和8年4月1日〜7月31日31

2026年3月2日時点では公募ページ上で申請受付終了と案内されています。したがって、今この制度を調べている方は、現行の受付には間に合わない前提で、対象条件や書類の考え方を次回公募の準備に生かす見方が現実的です。3

対象になる事業者と工場

この助成金で最も判断が分かれやすいのは、申請主体よりも、製造業かどうか、自社の工場かどうか、設置する建物が対象かどうかです。自社では工場のつもりでも、募集要項の基準では対象外になる例があります。1

申請できる主体

募集要項では、申請日時点で中小企業者、中小企業団体、個人事業主のいずれかに当たることが必要です。中小企業者については、大企業が実質的に経営に参画していないことも条件に入ります。発行済株式の保有割合や役員兼任の状況まで見られるため、資本関係が複雑な企業は先に確認しておく必要があります。1

製造業かどうかの見られ方

対象業種は日本標準産業分類のE製造業です。さらに、必要な許認可を得た自社工場で生産や加工を行っていること、材料費や労務費を含む製造原価報告書を作成していること、複数事業を営む場合は製造業売上が全社の過半数を占めることが必要です。単に工場を持っているだけでは足りません。1

FAQでは、建設業、鉱業、採石業、砂利採取業、廃棄物処理業、機械修理業、自動車整備業などは対象外とされ、設計や検品検査だけを行い製造を外部委託するファブレス企業も対象外です。自社が製造業に当たると思っていても、実際の事業内容と会計資料の両方で説明できるかを見ておく必要があります。1

確認項目公式資料で求められる内容実務上の確認資料
主たる業種日本標準産業分類のE製造業であること1登記、会社案内、確定申告書、法人事業概況説明書
工場の実態必要な許認可を得た自社工場で生産や加工を行っていること1工場設置認可、現場写真、配置図、会社案内
原価管理製造原価報告書を作成していること1直近の決算書、製造原価報告書
売上構成製造業売上が全社の過半数を占めること1部門別売上資料、補足説明資料

申請書記入例を見ると、申請時には過去3期の売上、経常利益、長期借入金の推移や、その増減要因、今後の見通しまで記載する作りです。単に対象設備の見積を集めるだけでなく、自社の経営状況と設備導入の必要性をあわせて説明する準備が必要になります。4

工場の場所と建物の条件

助成対象場所は、申請日の時点で1年以上稼働し、12か月以上の電気代支払実績がある自社工場です。東京都内の工場が原則ですが、東京都内に本店がある場合に限り、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、神奈川県、山梨県の工場にも設置できます。1

建物単位の判断も重要です。生産や加工を行っている建物に設置するものが対象で、対象可否は棟ごとに判断されます。事務所棟、倉庫棟、食堂、休憩室、従業員寮や社宅のように、生産や加工をまったく行っていない建物への設置は対象外です。外灯や門灯のように建物に直接ついていないものも対象外です。1

さらに、生産や加工を行うエリアが建物の半分未満しかない場合には、工場として認められない可能性があります。検査や包装工程は対象になりますが、原材料や製品の保管、図面作成、研究開発、試作などは生産や加工に含まれません。現場の実情では混在しやすい部分なので、どのエリアに何を設置するのかを平面図で明確にすることが欠かせません。1

過去に使った事業者と重複補助の扱い

令和7年度では、以前にLED照明等節電促進助成金の交付を受けた事業者でも、交付を受けていない別の事業所や工場なら対象になります。ただし、申請時点で過去の採択分について助成額が確定している必要があります。31

一方で、同じ内容や同じ経費で、公社、国、都道府県、区市町村などから重複して補助金や助成金の交付を受けることはできません。併願の結果、両方で交付決定を受けた場合は、いずれか一方を取り下げる必要があります。設備更新に使えそうな他制度がある場合は、どの経費をどちらで使うかを早めに切り分けることが大切です。1

対象設備と対象経費

設備名だけを見ると広く見えますが、実際には仕様や工事範囲に細かな条件があります。とくにLED照明は、器具ごとの交換が前提で、LED管だけの交換は対象になりません。1

対象設備

設備区分対象になる内容外れやすいポイント
LED照明器具LEDモジュール組込のベースライト、ダウンライト、スポットライト、高天井形、シーリング形など。PSE表示または防爆記号表示があるもの。基本的な付帯設備も対象1調光器、スイッチ、誘導灯、非常灯、節電効果が低いと判断される器具は対象外。LED管だけの交換も対象外1
デマンド監視装置電力使用量を監視、予測し、設定値に近づくと警報を出す装置。警報装置や制御装置、監視用PCソフトも対象1単なる電力計測のみの機器やEMSは対象外1
進相コンデンサ力率改善のために導入するもの。稼働に必要な付帯設備も対象1目的や付帯設備の妥当性が説明できないと通りにくい
インバータ周波数、電圧、電流を制御し、動力設備の運転量を制御するもの。必要な付帯設備も対象1キュービクルは対象外1

公式資料は、LED化の対象をかなり限定しています。募集要項のFAQでも、誘導灯や非常灯は節電効果の観点から対象外で、非常灯でも通常用と兼用のタイプだけは対象になると案内しています。現場で一緒に工事したくなる設備でも、対象経費と対象外経費を見積段階で分ける必要があります。1

助成対象になる費用

助成対象経費は、必要最小限の設備購入費と工事費等です。設備購入費は、対象設備そのものの購入費です。LED照明器具は既設の器具を器具ごと交換するものが対象で、既設より大きく出力を増やす部分や、機能を増強する部分、予備品として買うLED電球などは対象外です。1

工事費等は、導入や設置に直接必要な材料費、雑材消耗品費、雑材料費、直接仮設費、労務費、総合試験調整費、立会検査費、設備搬入費、養生費、屋内整理清掃費などが対象です。ただし、結線工事以外の工事や設備増設に係る工事費は対象外です。労務費も東京都の公共工事設計労務単価の上限を超えた部分は対象になりません。1

対象外になりやすい支出

区分対象外になる代表例確認のポイント
建物側の費用建物補修工事、設備増設工事、新設工場や移転先工場のLED化1設備設置そのものに直接必要かを分けて考える
維持管理や付随費保険料、維持管理費、保守費、運営委託費、保証金1導入後に継続発生する費用は外れやすい
管理費や税金消費税、租税公課、共通仮設費、現場管理費、一般管理費、通信費、旅費、官公庁申請費、印紙代、振込手数料1見積書で諸経費一式に混ざりやすい
設備の買い方中古品、リース、割賦販売、汎用性の高い備品、過剰設備、関連会社取引、自社製品のみの購入1購入形態と取引先の関係を事前に点検する
時期と支払方法交付決定前の契約や発注、助成対象期間内に支払未了の経費、現金や手形や電子マネー払い1時期と支払手段の両方を証憑で示せるようにする

対象外経費が見積書に混ざると、見積総額が大きくても助成対象経費が想定より小さくなります。FAQでも、下限額30万円の判定は助成対象経費で見るため、総額だけで安心しないように案内されています。見積依頼の段階で、対象設備、対象工事、対象外工事を行単位で分けてもらうのが安全です。1

申請の流れ

この制度は、診断、エントリー、電子申請、審査、交付決定後の実施、完了報告まで工程が多く、どこか一つ抜けると申請そのものが成立しません。特に、節電診断とGビズIDの準備は時間がかかる工程です。315

全体の順番

段階内容押さえる点
1節電診断または所定の省エネ診断を受ける報告書に導入予定設備が記載されている必要があります15
2ネットクラブ会員登録をする会員登録だけでは申込み完了になりません3
3公社ホームページで申請エントリーを行う各回の期間内に完了が必要です31
4Jグランツで電子申請するGビズIDプライムが必要です31
5審査を受ける必要に応じて現地調査があります1
6交付決定後に発注、契約、設置、支払を行う交付決定前着手は対象外です1
7完了報告と完了検査を受ける原本照合と動作確認があります1
8助成金額確定後に請求し支払いを受ける交付予定額から減額される場合があります1

この流れを見ると、申請前に終えておくべき工程が多いことが分かります。とくに節電診断は、申請から実施まで2〜3週間、診断後から報告書交付まで約1か月かかると案内されています。申請期限から逆算して動かないと、見積がそろっていても診断待ちで間に合わなくなります。15

必要書類

申請書類は、申請主体と、どの診断ルートを使うかで一部変わります。必要書類集を見ると、公社節電診断ルートとクール・ネット東京等ルートで提出書類が分かれています。6

書類主な対象者ポイント
助成金交付申請書全員公社指定様式を使用します16
直近1期分の確定申告書法人または個人事業主法人は決算書類一式、個人は青色申告や白色申告関係書類です16
履歴事項全部証明書または開業届法人または個人事業主法人は3か月以内の証明書、個人は開業届です16
納税証明書全員法人事業税と法人都民税、個人事業税と住民税など主体で異なります16
見積書全員同じメーカー、同一製品について2社以上の相見積が必要です1
仕様書やカタログ全員機種ごとの仕様が分かる資料を出します16
会社案内全員主要製造品や事業概要が分かるものを用意します16
平面図や配置図全員設置前と設置後の両方が必要です16
節電診断報告書等全員公社診断報告書またはクール・ネット東京等の報告書や提案書です16
工程表と回路変更時の図面該当者インバータ、デマンド監視装置、進相コンデンサ設置時などで必要です16
営業に必要な許認可証該当者工場設置認可などが該当します16
建物所有者の承諾書賃貸建物で工事を行う場合貸主の押印がある承諾書が必要です1
直近12か月分の電気使用量と料金資料クール・ネット東京等ルート請求書写しなどを出します16

実務では、見積書、仕様書、配置図、申請書の間で型番や数量がずれることが多く、募集要項でも一致しない場合は再提出になると案内されています。これは制度要件ではありませんが、見積を取ったらすぐに配置図にも同じ記号と数量を振り、申請書の費用明細まで同じ番号で連動させておくと手戻りをかなり減らせます。1

電子申請で詰まりやすい点

電子申請はJグランツのみで、持参、郵送、電子メールなどは受け付けていません。Jグランツを使うにはGビズIDプライムアカウントが必要で、公社公式ページでは取得に2〜3週間かかるので余裕を持つよう案内しています。31

また、公社ページでは、ネットクラブ会員登録だけでは申込みにならない点を明確に注意しています。ネットクラブ会員登録、申請エントリー、公募期間内のJグランツ提出の三つがそろって初めて申請完了です。期限直前にログインしていても、受付時刻を過ぎると申請ボタンが押せなくなる点にも注意が必要です。3

電子申請マニュアルと募集要項では、PDFは指定ファイル名で提出し、白黒印刷でも判別できる内容にすること、Jグランツにアップロードできる1ファイル当たりの容量は16MBであることも示されています。さらに、申請するボタンを押すと以後は修正できません。差戻しがあった場合は修正して再申請できますが、自分の操作で送信してしまった後に自由編集できる仕組みではないので、最後の確認は丁寧に行う必要があります。17

審査で見られる点

この助成金は書類を出せば通る仕組みではありません。募集要項の審査項目を読むと、価格の妥当性と節電効果がかなり重視されていることが分かります。1

公式の審査項目

審査項目見られる内容準備の方向
申請資格資格要件に合っているか1製造業判定、都内事業継続、許認可を先に固める
経営面財務内容、企業概要の妥当性1決算推移の説明や今後の見通しを整理する
導入計画の妥当性期間、資金計画、企業規模との整合14か月で完了できる工程と資金手当を示す
価格妥当性設備や工事が市場価格と比べて妥当か1相見積、単価内訳、過大な諸経費の除外を行う
節電効果省エネ効果と投資回収の見込み1電力量削減と電気代削減の根拠を用意する

申請書記入例を見ると、電力削減効果として年間削減kWhや年間削減電気代を記載する欄があり、売上や利益の増減理由、長期借入金の推移、今後の見通しまで書く構成です。つまり、審査は設備の話だけでは終わらず、会社として無理なく実行できる計画かどうかも見ています。4

実務上の準備の進め方

これは制度要件ではありませんが、審査を意識するなら、見積書の単価と工事項目をできるだけ細かく分けてもらうことが有効です。募集要項の推奨見積書でも、機器設置一式のような大まかな表記は認められず、内容が分かるよう項目ごとに分解するよう示されています。1

また、高演色タイプのLED照明は、FAQで、もともと高演色タイプの蛍光灯が入っている箇所の交換だけが対象とされています。見た目や品質の向上を理由に高価な機種へ広く切り替える計画は、価格妥当性や投資回収の面で説明しにくくなる可能性があります。1

工事人工の見積もりにも注意が必要です。募集要項では、見積時に余裕を持たせた人工数を設定し、実際は少なく済んだ場合、減少分に応じて最終的な助成金確定額が下がる可能性があると注意しています。見積を大きめに出しておけば有利という考え方は通用しません。1

完了報告と証憑チェック

交付決定後も、好きなように進めてよいわけではありません。計画変更には事前承認が必要な場合があり、支払方法や保存資料にも細かな条件があります。1

交付決定後に必要なこと

助成事業に係る支払いは、原則として金融機関や郵便局からの振込払いで、送金口座は普通預金または当座預金に限られます。現金や手形、小切手、電子マネーなどは対象外です。完了後は速やかに完了報告書を提出し、完了検査を受けます。検査では設置と動作の確認に加え、提出書類の原本照合が行われます。1

申請時の計画は原則変更できず、やむを得ず変更する場合も事前承認が必要です。事前承認なしに変更すると、交付決定取消しにつながる可能性があります。工事会社から機種変更や工程変更の提案が出ても、まず事務局へ確認する姿勢が必要です。1

証憑チェック

確認書類見られる内容保管のポイント
見積書単価、数量、対象外費用の混在有無採用見積と相見積の両方を保管1
契約書、注文書、注文請書交付決定後の発注か日付順に一式そろえる1
仕様書、カタログ申請した機種との一致型番が見える形で保存1
納品書や検収書実際に納品と検収が完了したか工事完了報告と合わせて保管1
請求書、振込控、通帳等助成対象期間内に支払済みか振込先と金額が分かる資料を残す1
工事写真、工事日報実施内容と設置場所の確認着工前後が比較できるようにする1

助成事業が終わったあとも、設置した設備の利用状況について5年間報告を求められる場合があります。取得した財産は、完了年度の翌年度から5年間、売却や廃棄などの処分が原則できません。やむを得ない場合は事前に処分承認申請書を提出し、承認を受ける必要があります。関係書類も完了年度の終了後、翌年度から5年間保存が必要です。1

申請前に使えるセルフチェック

ここからは、準備の順番を整理しやすいように、申請前の確認表と準備の目安をまとめます。後半は制度要件そのものではなく、公式資料の工程から逆算した実務上の進め方です。315

セルフチェック

確認項目確認できていれば前進しやすい状態
主たる事業日本標準産業分類のE製造業で説明できる
工場実態自社所有または賃貸借契約のある工場で、生産や加工を行っている
稼働年数申請日時点で1年以上稼働し、12か月以上の電気料金実績がある
所在地条件工場所在地が東京都内、または東京都内本店があり対象7県内にある
診断要件公社節電診断または所定の省エネ診断の報告書を準備できる
設備内容LED器具交換か、対象設備4区分のいずれかで説明できる
見積条件同一製品の相見積を2社以上から取り、型番と数量がそろっている
図面整合申請書、見積書、配置図の数量と型番が一致している
支払計画交付決定後に発注、契約、設置、支払を4か月以内に完了できる
資金繰り後払いでも問題なく立替できる

この表で空欄が多い場合、急いで申請画面を開くより、まず制度適合性の確認に時間を使ったほうが結果的に早く進みます。特に、工場の許認可と、建物単位でどこまで対象になるかは、後回しにすると図面と見積のやり直しが起きやすい論点です。1

準備のタイムライン

目安進めたいこと理由
申請を考え始めた直後GビズIDプライムの準備、対象工場の適合確認GビズID取得に2〜3週間かかるためです31
その次節電診断または対象診断の申込み診断実施まで2〜3週間、報告書交付まで約1か月かかります15
診断待ちの間見積取得、仕様確認、配置図作成、許認可確認診断後すぐ申請へ移れるようにするためです16
申請前申請書の財務説明、事業所一覧、過去利用状況の整理申請書に経営面の記載欄があるためです4
申請直前ファイル名、容量、白黒判読性、数量整合の最終確認電子申請後は自分では修正できないためです17
交付決定後発注、契約、設置、支払、証憑回収を工程表通りに進行4か月以内に完了しないと対象外になり得るためです1

これは制度要件ではありませんが、現実的には、診断とGビズIDを先に動かし、そのあとで見積や図面を詰める順番が最も事故が少ない進め方です。逆に、見積だけ先に取って締切直前に診断を申し込むと、資料がそろっていても申請まで届かないことがあります。315

問い合わせ前にまとめるメモ

事務局へ問い合わせる前に、最低限の情報を一枚にまとめておくと確認が速く進みます。申請可否を電話で断定してもらうというより、どの要件を確認すべきかを揃えて話すイメージです。問い合わせ先は東京都中小企業振興公社 企画管理部 設備支援課、電話番号は03-3251-7889、受付時間は9時から12時、13時から17時です。3

事前メモのひな形

項目書いておきたい内容
会社名と本店所在地東京都内の本店または支店の所在地
工場所在地対象にしたい工場の住所と建物の所有形態
主たる事業日本標準産業分類上の業種、主要製造品、売上構成
工場の状況稼働開始時期、電気料金の支払実績月数
予定設備LED照明、デマンド監視装置、進相コンデンサ、インバータの別
診断ルート公社節電診断か、クール・ネット東京等か
許認可工場設置認可の有無、不要確認の有無
過去利用本助成金の利用歴、利用済み工場か別工場か
他制度同一経費で検討中の補助金の有無
スケジュールいつ頃工事したいか、4か月で完了できそうか

これは制度要件ではありませんが、事務局とのやり取りでは、制度名だけを伝えても判断材料が足りません。工場の場所、建物の使い方、設備の種類、診断の有無まで一度で出せるようにしておくと、確認がかなり進めやすくなります。31

よくある質問

Q1. 製造業なら、事務所の照明もまとめて申請できますか。
A. 事務所だけの建物は対象外です。生産や加工を行っている建物が前提で、棟ごとに判断されます。事務所、食堂、休憩室なども、生産や加工を行っている建物内で、対象となる範囲に含まれるかを個別に見ます。事務所棟や倉庫棟、寮や社宅は対象外です。1

Q2. 倉庫の照明は対象になりますか。
A. 生産や加工を全く行っていない倉庫棟への設置は対象外です。また、同じ棟の中でも、保管だけに使うエリアは対象外になりやすいので、配置図で生産や加工エリアとの違いを明確にする必要があります。1

Q3. LED管だけ交換すれば対象になりますか。
A. 対象になりません。LED照明は器具ごとの交換が前提で、LED管のみの交換はFAQで対象外とされています。1

Q4. 誘導灯や非常灯も一緒に申請できますか。
A. 誘導灯と非常灯は原則対象外です。ただし、非常灯でも通常用との兼用タイプは対象になる扱いです。見積書では対象分と対象外分を分けて記載してもらうほうが安全です。1

Q5. 半年前に取得した工場でも申請できますか。
A. できません。対象工場は、申請日時点で1年以上稼働し、12か月以上の電気料金支払実績が必要です。FAQでも、半年では1年間の電気使用状況を確認できないため対象外と案内しています。1

Q6. 以前この助成金を使った会社はもう申請できませんか。
A. 令和7年度では、過去に交付を受けていない別の事業所や工場なら対象です。会社単位で永久に1回限りという扱いではありません。ただし、過去採択分の助成額が確定している必要があります。31

Q7. リースや割賦で設備を入れたいのですが対象ですか。
A. 対象外です。FAQでも、リースや割賦での設置は対象にならないと示されています。購入形態は初期の見積相談段階で確認しておく必要があります。1

Q8. 交付決定前に契約だけ先に済ませてもよいですか。
A. できません。交付決定前に契約、発注、設置した器具は対象外です。工事会社から先行契約を勧められても、そのまま進めないよう注意が必要です。1

Q9. ネットクラブ会員登録だけで申請したことになりますか。
A. なりません。公社ページでは、ネットクラブ会員登録だけでは申込みにならないと明記しています。会員登録の後に申請エントリーを行い、そのうえでJグランツから電子申請を完了する必要があります。3

Q10. 申請は代理人に任せられますか。
A. 公社ページでは、代理人による申請は受け付けできないと案内しています。申請主体自身で準備し、電子申請も本人側で管理する前提です。3

Q11. Jグランツで送信したあとに内容を直せますか。
A. 自分で送信を完了すると、その後は修正できません。電子申請マニュアルでは、一時保存中であれば編集できますが、申請するボタンを押すと以後は修正できないと案内しています。事務局から差戻しがあった場合のみ、指示に従って修正し再申請できます。7

Q12. どんな資料不備が起きやすいですか。
A. 公式資料から見ると、見積書、仕様書、配置図、申請書の型番や数量の不一致、必要書類の添付漏れ、許認可確認不足、電気料金資料の不足が起きやすいです。電子申請マニュアルでも、必須資料がないと申請できず、不備があると差戻し対象になると案内しています。167

Q13. 高演色タイプのLED照明は使えますか。
A. FAQでは、既に高演色タイプの蛍光灯がついている箇所の交換に限って対象になると案内しています。一般的に高価になりやすいため、価格妥当性と投資回収の説明が重要になります。1

Q14. 工場設置認可が必要か分からないときはどうすればよいですか。
A. FAQでは、工場所在地の区市町村の環境部門窓口へ確認するよう案内しています。認可が不要と言われた場合でも、確認先の部署名と担当者名を記した書類を添付する必要があります。1

申請受付は終了していますが、次回公募に向けて先に固めておきたい論点はかなりはっきりしています。製造業判定、自社工場判定、節電診断、見積と図面の一致、交付決定前着手の禁止、後払いへの資金対応の六つを先に押さえておくと、次年度の公募が出たときにも準備を流用しやすくなります。31

出典・参考資料

  1. 令和7年度 中小企業における危機管理対策促進事業 LED照明等節電促進助成金 募集要項 第3回募集 PDF ↩

  2. LED照明等節電促進助成金 チラシ 令和7年度版 PDF ↩

  3. LED照明等節電促進助成金 公式ページ 東京都中小企業振興公社 ↩

  4. LED照明等節電促進助成金 交付申請書 記入例 令和7年度第3回版 PDF ↩

  5. LED照明等節電促進助成金 募集要項 10節電診断 抜粋版 PDF ↩

  6. LED照明等節電促進助成金 必要書類編 令和7年度版 PDF ↩

  7. LED照明等節電促進助成金 電子申請マニュアル PDF ↩

執筆者:補助金フラッシュ 士業編集部

補助金・助成金の活用法からAI導入、業務の生産性向上まで、中小企業の経営に役立つ情報を士業の専門家チームがわかりやすく解説します。

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執筆者
補助金フラッシュ 士業編集部
公開日: 2026年3月4日

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