ものづくり補助金は、中小企業者等の生産性向上や持続的な賃上げに向けて、革新的な新製品・新サービスの開発や海外需要開拓に必要な設備投資等を支援する制度です。第22次公募では、補助上限額と補助率、対象者の範囲、基本要件、対象経費、申請手続の注意点が公募要領で示されています。過年度の解説記事や早い時期の情報と数字が異なることがあるため、対象公募回の一次資料で確認することが重要です。
この記事では、第22次公募の公募要領を基に、対象者、基本要件、対象経費、申請の流れを実務の順番で整理します。申請前に確認すべき落とし穴や、準備で詰まりやすいポイントも併せてまとめます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 制度名 | ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金(通称 ものづくり補助金)1 |
| 対象年度/公募回 | 令和6年度補正予算 第22次締切1 |
| 最終更新日 | 2026年2月3日 |
| 所管/実施機関/事務局 | 所管 中小企業庁 / 実施機関 独立行政法人中小企業基盤整備機構 / 事務局 ものづくり補助金事務局(全国中小企業団体中央会)12 |
| 補助上限額/補助率 | 製品・サービス高付加価値化枠:750万円〜2,500万円(従業員数で区分、補助下限額100万円)補助率 中小企業1/2 小規模企業者等と再生事業者2/31 |
| 補助上限額/補助率 | グローバル枠:3,000万円(補助下限額100万円)補助率 中小企業1/2 小規模企業者等2/31 |
| 補助上限額/補助率 | 特例:大幅な賃上げで補助上限額を最大100万円〜1,000万円引上げ 最低賃金引上げ特例で補助率2/31 |
| 申請期間 | 公募開始 2025年10月24日、電子申請受付 2025年12月26日17:00、申請締切 2026年1月30日17:001 |
| 公式一次資料(PDF/Word) | 公募要領ページ 公式ページ / 公募要領 2025年12月25日版 PDF / 公募要領概要版 2025年12月9日版 PDF / よくあるご質問 2025年8月12日版 PDF / 公募スケジュール 公式ページ |
| 公式一次資料(PDF/Word) | 参考様式 事業計画書記載項目 2025年12月8日版 DOCX / 参考様式 労働者名簿 2025年12月12日版 XLSX / CAGR算出ツール 2025年3月14日版 XLSX |
| 公式一次資料(PDF/Word) | 電子申請 公式ページ / 補助事業の手引き 21次締切 2026年1月26日版 PDF |
| 免責 | 申請可否や経費判断は、当該年度の募集要領・交付要綱等と事務局の案内で最終確認してください。 |

制度の全体像
ものづくり補助金が支援する取り組み
第22次公募で補助対象となるのは、革新的な新製品・新サービス開発や、海外事業の実施によって国内の生産性を高める取り組みです。単に機械装置やシステムを導入するだけで、新製品・新サービスの開発を伴わない内容は補助対象事業に該当しません。製品・サービス高付加価値化枠では、既存製品や既存サービスの生産プロセスだけを改善・向上する事業は対象外です。1
一次資料は、公式サイトの公募要領ページに集約されています。計画書作成や経費判断で迷う場合は、まずこのページから該当する版のPDFと様式を入手し、該当箇所を確認してください。2
一方で、補助対象経費は設備投資だけに限られず、技術導入、外注、専門家、クラウド、原材料、知的財産権関連など幅広い費目が用意されています。とはいえ、機械装置・システム構築費が必須であり、単価50万円以上の設備投資を含める必要があります。1
第22次公募で押さえるべき日程と期限
第22次公募は、公募開始が2025年10月24日、電子申請の受付開始が2025年12月26日17:00、申請締切が2026年1月30日17:00です。採択公表は2026年4月下旬頃の予定で、公募スケジュールは変更となる場合があります。13
さらに第22次公募は予算措置の関係で、補助事業の実施期限や補助金支払いまでの期限が固定されています。実績報告書の提出期限は2026年12月25日、補助金の額の確定は2027年1月20日、補助金の請求から支払いまでの期限は2027年1月29日です。これらの期限に間に合わないと、交付決定の取消しにつながる可能性があります。1
似た制度との取り違えを防ぐ
ものづくり補助金は、設備投資を含む革新的な開発に焦点を当てた制度です。名称が近い制度として、中小企業省力化投資補助金や事業再構築促進補助金などがあり、目的と要件が異なります。補助対象経費や申請要件が似て見えても、所管、対象者、基本要件、対象経費の上限設定が異なるため、対象制度の公募要領で確認してください。1
支援内容と類型
製品サービス高付加価値化枠の支援内容
製品・サービス高付加価値化枠は、革新的な新製品・新サービス開発の取り組みに必要な設備・システム投資等を支援します。補助上限額は従業員数により区分され、補助下限額は100万円です。補助率は中小企業が1/2、小規模企業者等および再生事業者が2/3です。1
| 従業員数 | 補助上限額 | 補助率 |
|---|---|---|
| 1〜5人 | 750万円 | 中小企業1/2 小規模企業者等と再生事業者2/3 |
| 6〜20人 | 1,000万円 | 中小企業1/2 小規模企業者等と再生事業者2/3 |
| 21〜50人 | 1,500万円 | 中小企業1/2 小規模企業者等と再生事業者2/3 |
| 51人以上 | 2,500万円 | 中小企業1/2 小規模企業者等と再生事業者2/3 |
支援内容の要点を把握するには、概要版も有用です。概要版で全体像を押さえ、詳細は公募要領本文で該当箇所を確認してください。41
グローバル枠の支援内容
グローバル枠は、海外事業を実施し、国内の生産性を高める取り組みに必要な設備・システム投資等を支援します。海外事業には、海外への直接投資、海外市場開拓(輸出)、インバウンド対応、海外企業との共同事業が含まれます。補助上限額は3,000万円で、補助下限額は100万円です。補助率は中小企業1/2、小規模企業者等2/3です。1
グローバル枠は、共通の補助対象経費に加えて、海外市場開拓(輸出)に関する事業に限り、海外旅費、通訳・翻訳費、広告宣伝・販売促進費が追加で計上できます。各費目には上限割合や上限金額があるため、後段で詳しく確認します。1
特例措置の位置づけ
第22次公募には、要件を満たす場合に支援内容が上乗せされる特例措置があります。重要なのは、特例同士の併用可否や、そもそも適用対象にならない申請者区分がある点です。特例を使うつもりで計画を組む場合は、要件未達の返還まで含めて理解しておく必要があります。1
| 特例の名称 | 上乗せ内容 | 併用に関する主な制約 |
|---|---|---|
| 大幅な賃上げに係る補助上限額引上げの特例 | 従業員数に応じて、各補助対象事業枠の補助上限額を最大100万円〜1,000万円引上げ | 各申請枠の補助上限額に達していない場合は適用不可。再生事業者と最低賃金引上げ特例の申請者も適用不可1 |
| 最低賃金引上げに係る補助率引上げの特例 | 補助率を2/3へ引上げ | 小規模企業者等、再生事業者、大幅賃上げ特例の申請者は適用不可。適用する場合は基本要件③を除外1 |
よくある質問で補助率や経費の扱いを確認したい場合は、FAQも併せて参照してください。FAQは公募回をまたいで共通の論点が多い一方、数値や期限は公募要領が優先されます。51
補助対象事業の対象外に当たる典型パターン
製品サービス高付加価値化枠で対象外になりやすい考え方
製品・サービス高付加価値化枠では、革新的な新製品・新サービス開発が補助対象であり、既存の製品・サービスの生産等のプロセスについて改善・向上を図るだけの事業は補助対象外です。同業の中小企業者等で既に相当程度普及している新製品・新サービスの開発も該当しません。1
このため、事業計画書では、誰に対してどんな新しい価値を提供するのか、自社の技術力等をどう活かすのか、導入設備と開発内容がどう結び付くのかを、具体的に説明する必要があります。設備投資の説明だけで終わると、補助対象事業の要件を満たさないと判断されるリスクが高まります。1
公募要領で列挙される補助対象外の事業
第22次公募では、補助対象外となる事業が列挙されています。該当すると判断されると不採択となり、採択決定後に判明した場合でも補助対象外になり、採択決定取消しまたは交付決定取消しになります。1
| 類型 | 補助対象外となる事業の例 |
|---|---|
| 目的不一致 | 公募要領の目的に沿わない事業 |
| 外注依存 | 主たる課題の解決そのものを他者へ外注または委託する事業、主たる部分を外注し企画だけを行う事業 |
| 労働を伴わない | 実質的に労働を伴わない事業、資産運用的性格の強い事業(例 無人駐車場運営で機械装置の購入のみ) |
| 長期貸与 | 購入設備を自ら使用せず、特定の第三者に長期間貸与させる事業 |
| 解雇で要件達成 | 主として従業員の解雇を通じて要件達成を図る事業 |
| 公序良俗と法令 | 公序良俗に反する事業、法令違反または違反のおそれがある事業、消費者保護の観点で不適切な事業、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律第2条各項の営業に関する事業 |
| 経費上限超過 | 補助対象経費の各区分等に設定されている上限を超える補助金を計上する事業 |
| 事業計画の重複 | 同一法人等が同一公募で複数申請する事業、他者と同一または類似した内容の事業を含む重複申請 |
| 二重受給 | 国庫や公的制度からの二重受給となる事業(他補助金等と同一の補助対象経費を含む、診療報酬や介護報酬、固定価格買い取り制度等との重複を含む等) |
| 遂行困難 | 提出計画とスケジュール等から事務局が遂行困難と判断する事業(極端に開発期間の短いシステム構築等) |
| その他 | 申請要件を満たさない事業 |
事業計画の重複は特に注意が必要です。同一法人等による複数申請に加えて、他者と同一または類似した内容の事業を故意または重過失で申請した場合、次回以降の公募申請が制限される扱いがあります。支援を受ける場合でも内容の独自性確認を怠らないでください。1
補助対象者と申請主体
申請者に共通する前提条件
補助対象者は、日本国内に本社と補助事業の実施場所(工場や店舗等)を有し、応募申請時点で常時使用する従業員数が1人以上で、AからEのいずれかに該当する者に限られます。補助事業の実施場所は、補助対象経費となる機械装置等を設置する場所、または格納や保管等により主として管理を行う場所です。申請時点で建設中、あるいは土地だけ確保して建設予定の場合は対象外です。1
常時使用する従業員の数は、中小企業基本法上の常時使用する従業員で、労働基準法第20条の解雇予告を必要とする者を指します。日雇労働者、2か月以内の期間を定めて使用される者、季節的業務に4か月以内の期間を定めて使用される者、試用期間中の者は含みません。代表取締役等の従業員に当てはまらない者が含まれていると判明した場合、採択取消し等の対象になります。1
A 中小企業者の定義
中小企業者は、中小企業等経営強化法第2条第1項各号に規定する中小企業者で、下表に該当する会社・個人、または組合・連合会等です。該当しない組合等や財団法人、社団法人、医療法人、法人格のない任意団体は対象外です。1
| 業種 | 中小企業者の定義(会社または個人) |
|---|---|
| 製造業 建設業 運輸業 旅行業 その他 | 資本金の額または出資の総額が3億円以下の会社 並びに 常時使用する従業員の数が300人以下の会社または個人 |
| ゴム製品製造業(自動車または航空機用タイヤ及びチューブ製造業 並びに 工業用ベルト製造業を除く) | 資本金の額または出資の総額が3億円以下の会社 並びに 常時使用する従業員の数が900人以下の会社または個人 |
| 卸売業 | 資本金の額または出資の総額が1億円以下の会社 並びに 常時使用する従業員の数が100人以下の会社または個人 |
| サービス業 | 資本金の額または出資の総額が5,000万円以下の会社 並びに 常時使用する従業員の数が100人以下の会社または個人 |
| ソフトウェア業または情報処理サービス業 | 資本金の額または出資の総額が3億円以下の会社 並びに 常時使用する従業員の数が300人以下の会社または個人 |
| 旅館業 | 資本金の額または出資の総額が5,000万円以下の会社 並びに 常時使用する従業員の数が200人以下の会社または個人 |
| 小売業 | 資本金の額または出資の総額が5,000万円以下の会社 並びに 常時使用する従業員の数が50人以下の会社または個人 |
組合または連合会として対象になる類型もあります。企業組合、協業組合、事業協同組合等のほか、商店街振興組合、生活衛生同業組合、酒造組合、酒販組合、内航海運組合、技術研究組合などが列挙されています。生活衛生同業組合等や酒造組合等では、直接または間接の構成員の3分の2以上が一定の資本金額や従業員数以下であるなどの条件があります。1
B 小規模企業者 小規模事業者の定義
小規模企業者・小規模事業者は、下表に該当する会社または個人です。補助率は2/3ですが、補助金交付候補者として採択された後から交付決定まで、または交付決定後から補助事業実施期間終了日までの間に定義から外れた場合、補助率は1/2になります。1
| 業種 | 小規模企業者等の定義(会社または個人) |
|---|---|
| 製造業 その他 | 常時使用する従業員の数が20人以下 |
| 商業 サービス業 | 常時使用する従業員の数が5人以下 |
| 宿泊業 娯楽業 | 常時使用する従業員の数が20人以下 |
小規模企業者等で申請する場合は、申請時点だけでなく、採択後から事業完了までに従業員数が増える可能性も見据えて、補助率の変動リスクも含めて資金計画を作ることが重要です。1
C 特定事業者の一部とD NPOとE 社会福祉法人
特定事業者の一部は、中小企業等経営強化法第2条第5項の特定事業者の一部に該当する者で、従業員数上限と資本金10億円未満の条件が業種ごとに示されています。組合・連合会についても、構成員の条件が列挙されています。1
特定非営利活動法人は、特定非営利活動促進法上のNPO法人で、広く中小企業一般の振興・発展に直結し得る活動を行うこと、従業員数300人以下、収益事業を行うこと、認定特定非営利活動法人ではないことなどの要件をすべて満たす必要があります。社会福祉法人は、社会福祉法上の社会福祉法人で、従業員数300人以下などの要件が示されています。1
基本要件と達成後の報告
基本要件の全体像
第22次公募の基本要件は4つです。賃上げと最低賃金の要件は未達の場合に返還が必要になるケースがあるため、特に慎重に扱う必要があります。1
| 基本要件 | 要件の内容 |
|---|---|
| 基本要件① 付加価値額の増加 | 補助事業終了後3〜5年の事業計画期間で、付加価値額の年平均成長率が3.0パーセント以上増加する計画 |
| 基本要件② 賃金の増加 | 補助事業終了後3〜5年の事業計画期間で、給与支給総額の年平均成長率が2.0パーセント以上増加する計画 もしくは 従業員と役員それぞれの1人あたり給与支給総額の年平均成長率が2.0パーセント以上増加する計画 |
| 基本要件③ 事業所内最低賃金水準 | 補助事業終了後3〜5年の事業計画期間で、事業所内最低賃金が毎年、事業実施都道府県の地域別最低賃金より30円以上高い水準 |
| 基本要件④ 行動計画の公表 | 従業員数21人以上の場合、次世代育成支援対策推進法の一般事業主行動計画を策定し、公表する |
付加価値額は、営業利益、人件費、減価償却費を足したものです。給与支給総額は、従業員に支払った給与等の合計を指します。賃金の増加はどちらの方式で計画するかにより、後段の返還計算の考え方も変わります。1
大幅賃上げ特例の要件
大幅賃上げに係る補助上限額引上げの特例を申請する場合は、基本要件②と③に加えて、給与支給総額と事業所内最低賃金の上乗せ要件があります。給与支給総額は年平均成長率6.0パーセント以上増加、事業所内最低賃金は地域別最低賃金より50円以上高い水準が必要です。どちらか一方でも未達の場合、補助上限額引上げ分の返還が必要になります。1
特例の補助上限引上げ額は、従業員数に応じて最大100万円、250万円、1,000万円、1,000万円です。引上げ対象は各補助対象事業枠の補助上限額で、上限額に達していない場合や、再生事業者、最低賃金引上げ特例の申請者は適用できません。1
最低賃金引上げ特例の要件
最低賃金引上げに係る補助率引上げの特例は、所定の賃金水準の事業者が最低賃金の引上げに取り組む場合に、補助率を2/3へ引上げる特例です。小規模企業者等、再生事業者、大幅賃上げ特例の申請者は適用できません。1
対象になるための賃金水準として、2024年10月から2025年9月までの間に、主たる実施場所で雇用する全従業員のうち、地域別最低賃金以上かつ2025年度地域別最低賃金(改定後)未満で雇用している従業員が30パーセント以上である月が、3か月以上あることが求められます。特例を適用する場合、基本要件から基本要件③が除かれます。1
返還が必要になるケースと算式
公募要領では、未達の場合に補助金の返還が必要になる計算式が示されています。要件未達のリスクを軽視すると、資金繰り計画が破綻する可能性があるため、返還条項は最初に確認することが重要です。1
| 返還が関係する要件 | 返還額の考え方 |
|---|---|
| 基本要件② 賃金の増加が未達 | 補助金交付額を上限として、補助事業終了後3〜5年の事業計画期間のうち未達成年度の給与支給総額等の増加率を基に返還額を算定 |
| 基本要件③ 事業所内最低賃金水準が未達 | 補助金交付額を上限として、補助事業終了後3〜5年の事業計画期間のうち未達成年度の事業所内最低賃金の差額を基に返還額を算定 |
| 大幅賃上げ特例の上乗せ要件が未達 | 補助上限額引上げ額を上限として、未達成年度の状況により返還額を算定 |
返還額の算式は条文どおりに読む必要があります。例えば、給与支給総額基準で基本要件②を設定した場合は、補助金交付額に対して、未達成年度の給与支給総額等の増加率を用いて返還額を算定します。1人あたり給与支給総額基準で設定した場合は、従業員と役員それぞれの1人あたり給与支給総額の増加率を用います。1
また、基本要件①の付加価値額増加が未達で、かつ事業計画期間のほとんどの年が営業利益赤字だった場合など、返還を求めない扱いが定められているケースがあります。再生事業者についての扱いも含め、該当可能性がある場合は公募要領の返還条項を確認してください。1
グローバル枠で追加になる要件
海外事業の4類型と考え方
グローバル枠の海外事業は、海外への直接投資、海外市場開拓(輸出)、インバウンド対応、海外企業との共同事業の4類型です。海外への直接投資に関する事業では、日本国内のほかに海外にも補助事業の実施場所を有していることが必要です。1
海外市場開拓(輸出)の場合は、販路開拓に関連する費目が追加される一方で、マーケティング市場調査は補助対象外です。輸出向けの広告物作成や展示会出展を計画する場合は、補助事業実施期間内に広告が使用・掲載されること、展示会が開催されることなどの条件も満たす必要があります。1
計画書で説明すべき海外要素
グローバル枠で審査上の説明が必要になるのは、国内の生産性向上とのつながりです。海外展開のための機械導入やプロモーションが、国内拠点の付加価値額や賃金水準の改善にどう結びつくのかを、基本要件の指標とセットで説明することが欠かせません。1
これは制度要件ではありませんが、海外事業の説明で迷う場合は、国内で何が変わるのかを先に書き、次に海外側の取り組みがその変化をどう生むのかを順番に整理すると、計画書の整合が取りやすくなります。
補助対象経費の全体像
経費計上の前提ルール
補助対象経費には前提ルールがあります。機械装置・システム構築費は必須で、単価50万円以上(税抜)の設備投資を行う必要があります。さらに、補助対象経費(税抜)は、事業に要する経費(税込)の3分の2以上であることが必要です。1
第22次公募では、機械装置・システム構築費以外の経費区分の合計額は、500万円(税抜)以内です。グローバル枠は1,000万円(税抜)以内です。1
補助対象経費は、交付決定日以降に発注し、補助事業実施期間内に支払いを行ったことを確認できるものに限られます。支払いは補助事業者名義の銀行振込の実績で確認し、原則として現金払いとクレジットカード払いは不可です。振込代行サービス等を使った代行払いや、手形払い等で実績が確認できないものも認められません。1
補助対象経費の区分と上限
補助対象経費の区分と定義、上限の考え方は次のとおりです。制度要件の部分は公募要領の表記に合わせています。1
| 費目 | 内容 | 上限などの条件 | 主な注意点 |
|---|---|---|---|
| 機械装置・システム構築費 | ① 専ら本事業のために使用される機械・装置、工具・器具(測定工具・検査工具等)の購入、製作、借用。② 専ら本事業のために使用される専用ソフトウェア・情報システムの購入・構築、借用。③ ①または②と一体で行う改良・修繕または据付け | 単価50万円(税抜)以上の設備投資を行うことが必須 | 防災性能に優れた生産設備等を含めることは可能。自社で機械装置を製作する場合の部品購入も本費目。借用は交付決定後に契約し、補助事業実施期間分のみ対象。改良・修繕は機能向上や耐久性向上を目的とするもの。据付けは軽微なものに限り、整備工事や基礎工事は含まない。生産性向上を伴うセキュリティ向上に資する設備やソフトウェア等は対象になり得る。購入設備を担保に借入する場合は事務局への事前申請が必要で、担保権実行時は国庫納付が必要。3者以上の中古品流通事業者から型式や年式が記載された相見積もりを取得している場合は中古設備も対象。グローバル枠の海外直接投資で海外子会社が主たる実施主体となる場合に限り、契約を締結して海外子会社へ貸与することも可能だが、貸与価格が市場価格から乖離する場合は税制上の検討が必要になる場合がある |
| 運搬費 | 運搬料、宅配・郵送料等 | 特段の金額上限は公募要領の定義に従う | 購入時の機械装置の運搬料は機械装置・システム構築費に含める |
| 技術導入費 | 本事業の実施に必要な知的財産権等の導入に要する経費 | 補助対象経費総額(税抜)の3分の1 | 知的財産権等を他者から取得する場合は書面契約が必要。技術導入費の支出先に専門家経費や外注費を併せて支払うことはできない |
| 知的財産権等関連経費 | 新製品・新サービスの事業化に必要となる特許権等の取得に要する弁理士の手続代行費用、外国特許出願の翻訳料等 | 補助対象経費総額(税抜)の3分の1 | 成果に係る発明等でないものは対象外。補助事業実施期間内に出願手続が完了していない場合は対象外。日本の特許庁に納付する手数料等、拒絶査定に対する審判請求や訴訟費用は対象外。国際規格認証の取得に係る経費は対象。知的財産権の権利は事業者に帰属 |
| 外注費 | 新製品・新サービスの開発に必要な加工、設計、検査等の一部を外注する場合の経費 | 補助対象経費総額(税抜)の2分の1 | 外注先が機械装置等の設備を購入する費用は対象外(グローバル枠の海外直接投資で海外子会社へ外注する場合を除く)。外注先との書面契約が必要。機械装置等の製作を外注する場合は機械装置・システム構築費に計上(グローバル枠の海外子会社外注を除く)。過去1年間に本補助事業を実施した事業者を外注先にすることはできない。外注先に技術導入費や専門家経費を併せて支払うことはできない。サイバーセキュリティ対策としての侵入テストや脆弱性診断、JC-STARラベル取得時の評価の外注費も対象になり得るが、市販ウイルスソフトの購入費は対象外。グローバル枠の海外直接投資で海外子会社が主たる実施主体となる場合に限り、経費総額の過半を海外子会社に外注することも可能だが、価格乖離がある場合は税制上の検討が必要になる場合がある |
| 専門家経費 | 本事業の実施のために依頼した専門家に支払われる経費 | 補助対象経費総額(税抜)の2分の1 | 学識経験者、兼業・副業、フリーランス等の専門家へのコンサルティング業務や国内旅費等が対象になり得る。謝金単価は大学教授等1日5万円以下、大学准教授等1日4万円以下(消費税抜)。国内旅費は全国中小企業団体中央会の旅費基準に従う。専門家の海外旅費はグローバル枠の海外市場開拓(輸出)に関する事業のみで、海外旅費に計上。専門家経費の支出対象者に技術導入費や外注費を併せて支出することはできない。申請時に活用した事業計画書作成支援者は専門家経費の補助対象外 |
| クラウドサービス利用費 | クラウドサービスの利用に関する経費 | 公募要領の定義に従う | 専ら本事業のために利用するクラウドサービスやWEBプラットフォームの利用費に限る。他事業と共有する場合は対象外。サーバー領域の利用費やサーバー上のサービス利用費等が対象で、サーバー購入費やサーバー自体のレンタル費は対象外。契約期間が補助事業実施期間を超える場合は按分等で期間分のみ対象。ルータ使用料、プロバイダ契約料、通信料等の最低限の付帯費用は対象になり得るが、パソコン等の本体費用は対象外 |
| 原材料費 | 試作品の開発に必要な原材料および副資材の購入費 | 公募要領の定義に従う | 数量は必要最小限とし、補助事業実施期間終了日までに使い切ることが原則。終了日時点で未使用残存品は対象外。原材料費を計上する場合は受払簿を作成し、受払いを明確にし、仕損じ品やテストピース等を保管し、困難な場合は写真で代用可能 |
| 海外旅費 | 海外事業の拡大・強化等を目的とした海外渡航および宿泊等の経費 | グローバル枠の海外市場開拓(輸出)のみ。補助対象経費総額(税抜)の5分の1 | 旅費基準に従う。本事業と無関係な海外旅費は対象外。国内乗り継ぎの費用は対象。交付申請時に海外渡航計画の申請が必要。1回の渡航で事業者3名まで(専門家と通訳者の同行は事業者3名に加え2名まで)で、1人あたり最大50万円(税抜・補助対象経費に補助率を乗じた補助金額としての金額) |
| 通訳・翻訳費 | 事業遂行に必要な通訳および翻訳の経費 | グローバル枠の海外市場開拓(輸出)のみ。補助対象経費総額(税抜)の5分の1 | 翻訳は広告宣伝・販売促進に必要な翻訳のみ対象で、契約書翻訳は対象外。最大30万円(税抜・補助対象経費に補助率を乗じた補助金額としての金額) |
| 広告宣伝・販売促進費 | 海外展開に必要な広告作成、媒体掲載、展示会出展等のブランディングやプロモーションの経費 | グローバル枠の海外市場開拓(輸出)のみ。補助対象経費総額(税抜)の2分の1 | 本事業以外の製品や会社全体のPR広告は対象外。補助事業実施期間内に広告が使用・掲載され、展示会が開催される必要がある。交付決定後の発注・契約が前提。マーケティング市場調査は対象外 |
上限割合は、補助対象経費総額(税抜)を分母として計算します。計画段階で上限を超える配分になっていないかを先に検算し、必要に応じて機械装置・システム構築費と他費目のバランスを調整してください。1
補助対象外となる経費の一覧
補助対象外となる経費も公募要領で列挙されています。採択決定後であっても、該当が判明した時点で補助対象外になります。1
| 補助対象外となる経費 | 補足 |
|---|---|
| 補助事業実施期間中の販売を目的とした製品・サービス等の生産に係る機械装置・システム構築費以外の諸経費 | 試作品の原材料費は対象。グローバル枠の海外市場開拓(輸出)でのテスト販売は原材料費以外も対象になり得るが、別紙5を確認 |
| 工場建屋、構築物、簡易建物の取得費用と組み立て用部材の取得費用 | ビニールハウス、コンテナ、ドームハウス等 |
| 再生エネルギーの発電設備と一体不可分の附属設備 | 太陽光発電のソーラーパネルなど |
| 設置場所の整備工事や基礎工事に要する費用 | 据付けの範囲と混同しない |
| 事務所等の家賃、保証金、敷金、仲介手数料、水道光熱費等 | 固定費は原則対象外 |
| 通信費 | クラウドサービス利用費に含まれる付帯費用は除く |
| 商品券等の金券 | — |
| 事務用品等の消耗品、雑誌購読料、新聞代、団体等の会費 | — |
| 飲食、奢侈、娯楽、接待等の費用 | — |
| 不動産の購入費、自動車等車両の購入費・修理費・車検費用 | — |
| 税理士等への税務申告や決算書作成費用、訴訟等の弁護士費用 | — |
| 収入印紙 | — |
| 振込等手数料、両替手数料 | 代引手数料を含む |
| 公租公課 | 消費税等 |
| 各種保険料 | — |
| 借入金などの支払利息および遅延損害金 | — |
| 報告書等の事務局提出書類の作成・申請に係る費用 | — |
| 汎用性があり目的外使用になり得るものの購入費 | 補助事業のみに使用することが明らかなものは除く。例 事務用PC等 |
| 価格設定の適正性が明確でない中古品の購入費 | 3者以上の中古品流通業者から型式や年式が記載された同等品の相見積もり取得等を除く |
| 事業に係る自社の人件費 | ソフトウェア開発等 |
| 同一代表者・役員を含む事業者、資本関係がある事業者への支払い | 親族等が経営する企業を相見積もり先とすることも不可 |
| 社会通念上不適切と認められる経費 | 上記以外 |
対象外経費は、交付申請や実績報告の段階で否認されるだけでなく、計画段階で該当すると判断されると採択に影響します。迷う場合は、費目の定義と対象外一覧の両方を突き合わせて確認してください。1
見積取得と支払いでの注意点
採択後の交付申請では、発注先の選定にあたり入手価格の妥当性を証明できる見積書が必要です。単価50万円(税抜)以上の物件等は、原則として2者以上から同一条件の見積りを取る必要があります。2者以上が困難な場合は随意契約先の対象とする理由書が必要です。1
これは制度要件ではありませんが、申請準備の段階で複数の見積を揃えておくと、採択後に交付申請で慌てずに済みます。価格妥当性の説明が弱いと、交付申請の差し戻しにつながり、事業実施期間を圧迫することがあります。
申請の流れと審査で落ちやすいポイント
公募スケジュールと申請締切直前のリスク
第22次公募の申請締切は2026年1月30日17:00です。締切直前は申請が集中し、時間を要して締切に間に合わない可能性があるため、余裕をもって申請するよう注意喚起があります。1
第22次公募では電子申請受付が公募開始から遅れて2025年12月26日17:00開始です。受付開始直後は操作に慣れる時間も必要になるため、締切だけでなく受付開始日も確認してください。1
電子申請とGビズIDの準備
申請は電子申請システムで受け付けます。申請にはGビズIDプライムアカウントが必要で、発行に一定期間を要します。公募要領にはGビズIDヘルプデスクの連絡先も記載されています。1
GビズIDの取得が間に合わないと、どれだけ計画書を作り込んでも申請できません。これは制度要件ではありませんが、申請を検討した時点で最優先で着手してください。
申請は申請者自身が行う必要がある
公募要領では、申請内容は申請者自身が内容を理解し確認したうえで、申請者自身が申請するよう求めています。電子申請システムには代理申請の委任関係を管理する機能がなく、正当な事由なく申請者自身による申請と認められない場合は不採択になります。1
外部支援を受けること自体は否定されていませんが、支援の実態を申告しないと虚偽として扱われる場合があります。支援を受けた場合は、事業計画書作成支援者の名称、支援内容、報酬、契約期間を申請システムへ入力する必要があります。1
事業計画書はシステム入力と5ページ以内のPDFがセット
事業計画書は、本文を電子申請システムへ入力し、その補足となる図や画像に番号を振って本文と連携させ、A4サイズ5ページ以内のPDFにまとめて提出します。5枚を超えるPDFや、本文をシステムに入力せずPDFで添付する方法は審査対象になりません。空白ページも1枚としてカウントされるため、PDF化の段階で空白が入っていないか確認が必要です。1
また、事業内容に直接関係のない不必要な個人情報(社長や従業員、顧客の顔写真等)は掲載しないよう注意があります。添付ファイルはPDF形式でアップロードし、パスワード設定等により内容確認ができない場合は審査対象になりません。1
事業計画書の記載項目を整理するための参考様式も公開されています。書面審査の観点を網羅するためにも、参考様式を使って抜け漏れをチェックする方法が現実的です。6
申請準備を進めるための実務ツール
締切から逆算したタイムライン
第22次公募は、電子申請受付が2025年12月26日17:00開始、申請締切が2026年1月30日17:00です。締切直前は申請が集中し、締切に間に合わない可能性があるため、余裕をもって申請するよう注意があります。1
これは制度要件ではありませんが、作業が止まりやすい順に、締切から逆算して準備を区切ると進めやすくなります。
| 目安の時期 | 主な作業 | つまずきやすい点 |
|---|---|---|
| 締切の8週間前 | GビズIDプライム取得の手続、申請枠の選定、設備投資候補の洗い出し | GビズIDが間に合わないと申請できない |
| 締切の6週間前 | 相見積もりの依頼、補助対象外の経費と事業に該当しないかの確認 | 対象外経費の混入で計画の組み直しが発生 |
| 締切の4週間前 | 事業計画書の骨子作成、付加価値と賃金の数値計算、特例の要否判断 | 返還リスクを織り込まない数値計画になりやすい |
| 締切の2週間前 | 申請システム入力の下書き確定、補足PDFの図表づくり、PDF化の手順確認 | PDFが5ページを超える、空白ページ混入、パスワード設定で審査対象外 |
| 締切の1週間前 | 添付ファイルの最終チェック、申請システムでの入力とアップロードのリハーサル | 締切直前のシステム混雑で提出が間に合わない |
| 締切前日まで | 最終提出 | 提出後の修正可否や差し替えルールは公募回ごとに確認が必要 |
タイムラインはあくまで目安ですが、GビズIDと見積取得、PDF整形の3点は遅れやすい工程です。ここを先に固めると、計画書の中身に時間を使いやすくなります。
公式テンプレートとツール
ものづくり補助金では、計画書作成や数値計算に使える参考様式やツールが公開されています。提出要否は公募要領と申請システムの案内に従ってください。17
主体別に揃えておくと進めやすい基礎資料
提出書類の詳細は公募要領の提出書類の章で確認が必要です。ここでは制度要件の断定を避けつつ、申請システム入力や計画作成に参照しやすい基礎資料を主体別にまとめます。
| 申請者の類型 | 準備しておくと進めやすい基礎資料 | 使いどころ |
|---|---|---|
| 会社 | 直近の決算書、役員と従業員の一覧、設備導入場所の情報 | 財務の現状整理、賃金計画、実施場所要件の確認 |
| 個人事業主 | 確定申告書控え、事業用口座情報、従業員の雇用状況 | 収支の現状整理、支払い実績の管理、従業員数の確認 |
| 組合 連合会 | 組織の定款や規約、構成員の状況、意思決定の記録 | 対象者要件の確認、意思決定と事業実施体制の説明 |
| NPO法人 | 定款、事業報告書、収益事業の状況、従業員数の情報 | 対象者要件の確認、事業の公益性と収益事業の整理 |
| 社会福祉法人 | 定款、事業報告書、従業員数の情報、実施場所の情報 | 対象者要件の確認、実施体制の整理 |
これは制度要件ではありませんが、資料が揃っていると計画書の根拠が明確になり、申請システム入力も迷いにくくなります。
セルフチェック表
申請前の確認は、要件と実行可能性を混同しないことがポイントです。次の表で、申請判断に直結する論点から順に確認してください。
| チェック項目 | 確認の観点 | 確認の目安 |
|---|---|---|
| 補助対象事業枠の適合 | 高付加価値化枠かグローバル枠か | 新製品・新サービス開発が核か、海外事業を含むか |
| 設備投資の条件 | 単価50万円(税抜)以上の設備投資があるか | 機械装置・システム構築費が必須 |
| 基本要件の達成可能性 | 付加価値、賃金、最低賃金、行動計画 | 返還リスクを織り込んだ計画になっているか |
| 対象経費の上限 | 各費目の上限割合と合計上限 | 外注費や知財費などの上限超過がないか |
| 対象外事業と二重受給 | 補助対象外事業に該当しないか | 他補助金との同一経費の重複がないか |
| 締切までの準備 | GビズID、見積、計画書、PDF化 | 締切直前の混雑リスクを回避できるか |
セルフチェックを終えた段階で疑義が残る場合は、事務局への確認も検討してください。問い合わせの際は、申請枠、従業員数、設備投資の内容と金額、特例の有無、他補助金の申請状況など、判断に必要な情報を先に整理しておくと回答を得やすくなります。
申請作業で準備しておくとよい資料
提出書類の詳細は公募要領の提出書類の章で確認が必要です。ここでは制度要件の断定を避けつつ、申請作業で準備しておくと工程が止まりにくい資料を整理します。
| 資料 | 用途 | 備考 |
|---|---|---|
| 事業計画書の本文メモ | 申請システム入力の下書き | 参考様式の記載項目に沿って整理すると抜けにくい6 |
| A4 5ページ以内の補足PDF | 図表や画像の添付 | 5ページ超過、空白ページ混入、パスワード設定は避ける1 |
| 見積書 | 価格妥当性の説明 | 単価50万円以上は原則2者以上の同一条件見積り1 |
| 従業員数の根拠資料 | 従業員数区分や小規模判定 | 労働者名簿の参考様式が公開されている8 |
| 賃上げと最低賃金の計画メモ | 基本要件と特例判断 | CAGR算出ツール等で数値整合を確認できる9 |
| 海外事業の根拠資料 | グローバル枠の説明補強 | 輸出なら渡航計画、広告物の使用時期なども要確認1 |
必要資料は申請者区分や特例の有無で増減します。最終的には公募要領と申請システムの案内に沿って、提出ファイル名や形式も含めて整合させてください。17
証憑チェックの実務ポイント
交付決定後の支払い確認は、銀行振込の実績で行うことが原則です。現金払いやクレジットカード払いは原則不可で、振込代行サービスや手形払いなど実績が確認できないものは認められません。1
これは制度要件ではありませんが、交付決定後に発注から検収、支払い、保管までの証憑をそろえるため、次のように書類の置き場所と命名ルールを統一しておくと混乱を減らせます。
| 証憑の種類 | 確認されるポイント | 保管のコツ |
|---|---|---|
| 契約書 発注書 | 交付決定後に発注したか | 発注日が分かる形で整理 |
| 請求書 納品書 検収書 | 納品と検収の証明 | 検収日と担当者が追えるようにする |
| 銀行振込の控え 通帳 | 支払い実績 | 補助事業者名義の支払いに統一 |
| 見積書 | 価格妥当性 | 単価50万円以上は2者以上、理由書の要否も確認 |
| 受払簿と残存品記録 | 原材料費の管理 | 受払簿と写真の突合ができるようにする |
補助事業の手続きは、採択後に交付申請、実績報告、額の確定、請求、支払いという流れで進みます。採択後の手続きを見据える場合は、補助事業の手引きも確認してください。10
よくある質問
Q1. 製品サービス高付加価値化枠で既存製品の工程改善だけを行う計画は申請できますか
A. 既存の製品・サービスの生産等のプロセスについて改善・向上を図る事業は補助対象外です。新製品・新サービス開発が核になっているかを計画書で説明する必要があります。1
Q2. 設備投資は必要ですか
A. 機械装置・システム構築費が必須で、単価50万円(税抜)以上の設備投資を行うことが必要です。1
Q3. 支払いをクレジットカードで行っても補助対象になりますか
A. 支払いは補助事業者名義の銀行振込で確認することが原則で、現金払いやクレジットカード払いは原則不可です。やむを得ず少額を現金やクレジットカードで支払う場合は事前に事務局へ相談するよう記載があります。1
Q4. 申請書類は紙で提出できますか
A. 申請は電子申請システムで受け付けます。17
Q5. 代理で申請してもよいですか
A. 申請内容は申請者自身が内容を理解して確認したうえで、申請者自身が申請する必要があります。正当な事由なく申請者自身による申請と認められない場合は不採択になります。1
Q6. 事業計画書はPDFを添付すれば足りますか
A. 本文は申請システムに入力し、補足となる図や画像等をA4サイズ5ページ以内のPDFにまとめて提出します。本文を入力せずPDFだけ添付すると審査対象になりません。1
Q7. 事業計画書のページ数を増やして情報量を多くすることはできますか
A. 補足PDFはA4サイズ5ページ以内です。5枚を超えるPDFは審査対象になりません。空白ページも1枚としてカウントされます。1
Q8. 他の補助金と同じ経費を計上できますか
A. 国庫や公的制度からの二重受給となる事業は補助対象外です。他補助金等と同一の補助対象経費を含む場合は不採択になります。1
Q9. 小規模企業者等に該当すると補助率は2/3になりますか
A. 申請時点で小規模企業者等に該当しても、採択後から交付決定まで、または交付決定後から事業完了までの間に定義から外れた場合は補助率が1/2になります。1
Q10. 最低賃金引上げ特例を使うと何が変わりますか
A. 条件を満たす場合、補助率が2/3になります。小規模企業者等、再生事業者、大幅賃上げ特例の申請者は適用できません。適用する場合は基本要件③が除かれます。1
Q11. 建物の取得や基礎工事は補助対象になりますか
A. 工場建屋や構築物、簡易建物の取得費用、設置場所の整備工事や基礎工事は補助対象外です。1
Q12. グローバル枠の輸出で海外旅費を計上できますか
A. 海外市場開拓(輸出)に関する事業のみ、海外旅費が補助対象になります。補助対象経費総額の5分の1という上限割合があり、交付申請時に海外渡航計画の申請が必要です。1
出典・参考資料
執筆者:補助金フラッシュ 士業編集部
補助金・助成金の活用法からAI導入、業務の生産性向上まで、中小企業の経営に役立つ情報を士業の専門家チームがわかりやすく解説します。
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