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新エネルギー等のシーズ発掘・事業化に向けた技術研究開発事業 NEDO助成金ガイド

NEDOの新エネシーズ発掘事業を一次資料で整理。新エネ中小スタートアップ支援制度と未来型新エネ実証制度の要件、補助率・上限、申請手順、経費判断の注意点を解説します。

補助金フラッシュ 士業編集部公開日: 2026年2月18日
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目次

  • 制度の全体像
  • 支援内容と助成条件
  • 対象者と応募要件
  • 対象経費と経費判断のポイント
  • 申請の流れとスケジュール
  • 採択審査で見られるポイント
  • フェーズ選択と提案書の組み立て方
  • 受理されない不備を減らすための注意点
  • よくある質問
  • 申請準備に使えるチェック表
補助金フラッシュ 事業計画

NEDOの新エネルギー等のシーズ発掘・事業化に向けた技術研究開発事業は、再生可能エネルギーの普及や脱炭素化に資する技術シーズを、研究開発の段階に応じて支援する助成事業です。公募は新エネ中小・スタートアップ支援制度と未来型新エネ実証制度の2制度に分かれ、対象者やフェーズにより助成率と上限額が変わります。申請の成否は、募集要領だけでなく、交付規程や事務処理マニュアルに沿った体制と証憑管理まで見据えて準備できるかで差が出ます。123
この記事では、2026年度は公募予告段階の情報が中心のため、直近で公募要領が公開されている2025年度の一次資料を基に、対象要件、助成内容、申請手順、経費判断のポイントをまとめます。4

項目内容
制度名(正式名称)新エネルギー等のシーズ発掘・事業化に向けた技術研究開発事業
対象年度/公募回(同定キー)2025年度 新エネ中小・スタートアップ支援制度 第2回公募 / 2025年度 未来型新エネ実証制度
最終更新日2026年2月18日
所管/実施機関/事務局国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)
補助上限額/補助率(類型差があれば併記)新エネ中小・スタートアップ支援制度 社会課題解決枠フェーズA 1,250万円以内 助成率8/10以内(NEDO負担1,000万円以内)
補助上限額/補助率(類型差があれば併記)新エネ中小・スタートアップ支援制度 社会課題解決枠フェーズB 6,250万円以内 助成率8/10以内(NEDO負担5,000万円以内)
補助上限額/補助率(類型差があれば併記)新エネ中小・スタートアップ支援制度 フェーズC 2.25億円以内 助成率2/3以内(NEDO負担1.5億円以内)
補助上限額/補助率(類型差があれば併記)新エネ中小・スタートアップ支援制度 新市場開拓枠フェーズα 1,500万円以内 助成率2/3以内(NEDO負担1,000万円以内)
補助上限額/補助率(類型差があれば併記)新エネ中小・スタートアップ支援制度 新市場開拓枠フェーズβ 1.05億円以内 助成率2/3以内(NEDO負担7,000万円以内)
補助上限額/補助率(類型差があれば併記)未来型新エネ実証制度 6億円以内(中小企業は4.5億円以内) 助成率1/2以内(中小企業は2/3以内、NEDO負担3億円以内)
申請期間(開始/締切)2025年10月8日〜2025年11月25日 正午
公式一次資料(PDF/Word)のリンク集新エネ中小公募ページ 2025年10月 HTML / 公募要領 2025年10月 PDF / 公募質問集 2025年10月 PDF / 研究開発課題一覧表 2025年度 PDF
公式一次資料(PDF/Word)のリンク集未来型新エネ実証制度 公募ページ 2025年10月 HTML / 公募要領 2025年10月 PDF
公式一次資料(PDF/Word)のリンク集課題設定型産業技術開発費助成金交付規程 2025年10月 PDF / 助成事業事務処理マニュアル必携版 2025年4月 PDF / 助成事業事務処理マニュアル詳細版 2025年4月 PDF
免責申請可否や経費判断は、当該年度の募集要領・交付要綱等と事務局の案内で最終確認してください。

目次

  • ●制度の全体像
  • この事業が支援する範囲
  • 二つの支援制度の違い
  • 2026年度の情報の位置づけ
  • ●支援内容と助成条件
  • 新エネ中小・スタートアップ支援制度のフェーズ
  • ステージゲートと評価のタイミング
  • 未来型新エネ実証制度の支援内容
  • 採択後に条件変更や減額が起こる場面
  • ●対象者と応募要件
  • 共通して押さえるべき基本条件
  • 新エネ中小・スタートアップ支援制度の対象者
  • フェーズ別の追加要件
  • 未来型新エネ実証制度の応募要件
  • ●対象経費と経費判断のポイント
  • 助成対象費用の考え方
  • 共同研究費で落とし穴になりやすい条件
  • 50万円以上の購入や外注で事前手続きが必要になるケース
  • 土木建築工事や施設整備の扱い
  • 労務費の時間単位管理と証憑
  • 制度要件ではないが実務上準備しておくと安心な証憑セット
  • ●申請の流れとスケジュール
  • 応募前にやることを順番に並べる
  • 提出方法と締切の考え方
  • 審査から交付決定までの見通し
  • 採択後の手続きで必要になる資料
  • ●採択審査で見られるポイント
  • 二段階審査と加点要素
  • フェーズAとBとαとβで重視される観点
  • フェーズCで重視される観点
  • 未来型新エネ実証制度で重視される観点
  • ●フェーズ選択と提案書の組み立て方
  • どのフェーズで応募するかを決めるための考え方
  • 提案書の骨子テンプレ
  • 積算で説得力を落とさないための整理方法
  • ●受理されない不備を減らすための注意点
  • ●よくある質問
  • ●申請準備に使えるチェック表
  • 提出書類を漏らさないための最小セット
  • 問い合わせ前に揃えると話が早い情報
新エネルギー等のシーズ発掘・事業化に向けた技術研究開発事業 NEDO助成金ガイド

制度の全体像

この事業が支援する範囲

本事業は、再生可能エネルギーの導入促進や主力電源化に資する研究開発を、公募により支援する枠組みです。対象分野は、太陽光、風力、中小水力、バイオマス、再生可能エネルギー熱利用、その他未利用エネルギーなどの再エネ分野に加え、水素・燃料電池、蓄電池、エネルギーマネジメントシステムなど再エネ普及やエネルギー源の多様化に資する新規技術が含まれます。1

一方で、制度の要件や数値は年度や公募回で更新されます。申請準備では、必ず対象年度の公募要領と交付規程を起点に、申請主体やフェーズが一致している資料だけを参照してください。123

二つの支援制度の違い

同じ事業名の中に、次の2制度があります。目的は共通でも、対象者と研究開発の段階が異なるため、最初にどちらの制度で応募するかを決めることが重要です。12

区分新エネ中小・スタートアップ支援制度未来型新エネ実証制度
主な対象中小企業等(フェーズによりスタートアップ要件あり)中小企業および大企業
主な段階技術シーズのFSから基盤研究、実用化研究開発政策的意義が高い分野に絞った実証事業
公募で使う資料の中心公募要領と研究開発課題一覧表公募要領と技術実証課題一覧表
審査の特徴フェーズ別の技術審査と事業化審査、加点要素あり二段階審査、地元合意や実証場確保など実装前提
この表は制度の切り分けに使うための要約です。最終的な判断は公募要領で確認してください。12

2026年度の情報の位置づけ

NEDOは2026年度の公募について予告を公表していますが、申請書式や条件の細部は公募開始時に公募要領で確定します。2026年度で応募予定の場合でも、手続きと準備の考え方は共通するため、まずは直近年度の公募要領で求められる記載項目や体制要件を把握しておくと、準備が進めやすくなります。412

支援内容と助成条件

新エネ中小・スタートアップ支援制度のフェーズ

新エネ中小・スタートアップ支援制度は、研究開発の段階に応じて5つのフェーズが用意されています。どのフェーズからでも開始でき、通算で最大8年以内の実用化を目指す流れです。1

フェーズ枠主な内容事業期間助成対象費用の上限助成率NEDO負担上限
フェーズA社会課題解決枠FS1年以内1,250万円8/10以内1,000万円
フェーズB社会課題解決枠基盤研究2年以内6,250万円8/10以内5,000万円
フェーズC共通実用化研究開発2年以内2.25億円2/3以内1.5億円
フェーズα新市場開拓枠FS1年以内1,500万円2/3以内1,000万円
フェーズβ新市場開拓枠基盤研究2年以内1.05億円2/3以内7,000万円
ここで示した上限額と助成率は、2025年度第2回公募要領に基づく数値です。1

なお、福島イノベーション・コースト構想の対象地域で実施する研究開発については、NEDO負担額の上限が別途設定されています。フェーズAとフェーズαは1,500万円以内、フェーズBは7,500万円以内、フェーズβは1.05億円以内、フェーズCは2億円以内です。1

ステージゲートと評価のタイミング

フェーズ移行にはステージゲート審査が関係します。特にフェーズAからフェーズB、フェーズαからフェーズβへの移行は原則としてステージゲート審査が必要です。フェーズBまたはフェーズβからフェーズCへの移行は、任意でステージゲート審査を受けられます。1

また、フェーズCは事業期間中に外部有識者による評価を行う現地中間技術委員会が予定されており、評価コメントを踏まえて改善対応を求められる場合があります。事業終了後には、終了事業者事後評価の対象となるケースがあります。1

未来型新エネ実証制度の支援内容

未来型新エネ実証制度は、再生可能エネルギーの大量導入に関する課題の解決に資する実証事業を対象にします。事業期間は原則3年以内で、地元合意を形成するための事前準備が必要な場合は最大1年の事前準備期間を設ける扱いがあります。52

区分助成対象費用の上限助成率NEDO負担上限事業期間
中小企業4.5億円2/3以内3億円以内原則3年以内
中小企業以外6億円1/2以内3億円以内原則3年以内
制度の要件や対象課題は技術実証課題一覧表と公募要領で確認してください。52

採択後に条件変更や減額が起こる場面

採択されても、交付決定額は審査結果や予算制約により提案額から減額される場合があります。共同研究費の比率や、費目ごとの妥当性が説明できない積算は、交付決定段階で調整が入りやすいため、提案時点から根拠資料を整理しておくことが重要です。12

対象者と応募要件

共通して押さえるべき基本条件

両制度とも、提案分野がNEDOが設定する課題に合致していることが大前提です。新エネ中小・スタートアップ支援制度は研究開発課題一覧表、未来型新エネ実証制度は技術実証課題一覧表に沿って、テーマの適合性を確認してください。12

また、未来型新エネ実証制度は国内で登記されている企業であることや、主たる技術開発拠点を国内で確保できることが応募要件に含まれます。共同提案の場合は代表提案者を定めます。2

新エネ中小・スタートアップ支援制度の対象者

新エネ中小・スタートアップ支援制度の応募主体は中小企業等です。中小企業基本法の資本金基準と従業員基準を満たすことが基本で、一般財団法人、公益財団法人、一般社団法人、公益社団法人、NPO法人は中小企業等に含まれません。共同提案の場合、全ての事業者が中小企業等である必要があります。1

さらに、一定の資本関係や役員構成などによりみなし大企業に該当する場合、対象外になることがあります。資本関係が複雑な場合は、早い段階で自社の判定資料を準備し、公募要領の定義に沿って確認してください。1

業種資本金の額または出資総額常時使用する従業員数
製造業その他3億円以下300人以下
卸売業1億円以下100人以下
小売業5千万円以下50人以下
サービス業5千万円以下100人以下
この表は公募要領に掲載の基準のうち、業種別の上限を抜き出したものです。最終判断は公募要領の定義と注記で確認してください。1

フェーズ別の追加要件

フェーズごとに、体制要件や提出資料が追加されます。ここを落とすと受理されない可能性があるため、応募前にチェック表で確認してください。1

フェーズ追加で満たす必要がある要件の例主な提出資料の例
社会課題解決枠フェーズA学術機関等を共同研究先として実施体制に加える。役割分担を明確にする。課題一覧表のテーマに合致させる。共同研究体制の記載、提案書、チェックリスト
社会課題解決枠フェーズB実施体制に学術機関等を含める。課題一覧表のテーマに合致させる。指導協力者の記載、提案書、チェックリスト
フェーズC事業期間終了後3年以内の事業化を達成可能な具体性、法規制対応策、知財戦略、基礎となる技術の確立事業化計画、知財戦略、根拠データ
新市場開拓枠フェーズαVC等からの出資を得ていることを示す資料、または出資検討意向確認書の提出出資理由確認書、投資契約書写し、意向確認書など
新市場開拓枠フェーズβ出資の証明資料、または採択後30日以内に出資証明書類を提出できる出資意向及び理由確認書出資理由確認書、投資契約書写し、出資意向及び理由確認書
要件の文言と期限は公募要領の該当箇所で必ず確認してください。1

未来型新エネ実証制度の応募要件

未来型新エネ実証制度は、事業期間終了後1年以内での事業化を目指す具体性が求められます。法的規制等がある場合の対応策、知財戦略、実証研究を実施する場の確保も応募要件に含まれます。地域共生や地元合意が必要な案件は、実証研究開発の実施前に行う地元合意形成の事前準備期間に相当する計画書の提出が必要です。2

また、本制度では事業の一部を委託することは認められていません。外注や委託の可否は費目と作業内容で判断が分かれるため、提案前に公募要領の制約を確認してください。2

対象経費と経費判断のポイント

助成対象費用の考え方

新エネ中小・スタートアップ支援制度では、助成対象費用は交付規程の経費項目に従い、機械装置等費、労務費、その他経費、共同研究費が対象です。本事業以外でも使用するものは助成対象外です。13

費目内容の例判断で迷いやすい点
機械装置等費土木建築工事費、機械装置等製作購入費、保守改造修理費施設整備が研究開発に必要最小限か、改造部分が明確か
労務費研究員費、補助員費時間単位での単価算定と実績管理、研究従事の根拠
その他経費消耗品費、旅費、外注費、諸経費研究開発要素のある作業を外注していないか
共同研究費国内の共同研究先が行う研究開発に必要な経費共同研究費の比率、間接経費率、契約条項
この表は費目の全体像を掴むための要約です。実際の計上は公募要領と交付規程で確認してください。13

共同研究費で落とし穴になりやすい条件

共同研究費を計上する場合、交付申請書にあらかじめ記載する必要があります。共同研究費の総額は、交付決定通知書に記載される助成金総額の50%未満である必要があります。12

また、学術機関等における共同研究費は交付規程に基づき定額助成となり、助成率に関わらずNEDOが100%負担する扱いがあります。一方で、一般財団法人や一般社団法人等を共同研究先として登録する場合、フェーズに応じた助成率が適用されます。1

間接経費率の上限は、大学や国研等は直接経費の30%、それ以外の学術機関等は10%で、学術機関等以外の共同研究機関は間接経費を計上できません。共同研究契約書に記載すべき条項や、取得財産の扱いも定めがあるため、契約書ドラフト段階から公募要領の記載に合わせて整備してください。1

50万円以上の購入や外注で事前手続きが必要になるケース

新エネ中小・スタートアップ支援制度では、機械装置等製作購入費や諸経費のうち外注費や消耗品費などで、税抜50万円以上の物品購入または外注を行う場合、発注前に必要理由書をNEDOに提出する運用があります。金額が境界線付近の場合も、後から差し戻しになりやすいため、見積作成の段階で該当有無を確認してください。1

土木建築工事や施設整備の扱い

土木建築工事費は助成対象が限定されます。特殊な環境を必要としない施設整備は対象外、クリーンルームは必要最小限、プラントを覆う建物は原則対象外など、具体的な留意点があります。撤去費は原則認められず、必要な場合はNEDOと相談する扱いです。設備投資が大きい提案ほど、研究開発に直接必要な範囲を言語化し、代替案と比較した妥当性を説明できるようにしてください。1

労務費の時間単位管理と証憑

労務費は時間単位で計上する扱いがあり、単価は健保等級などに基づくルールで算出します。研究員区分のうち時間単位で請求できるものを選択する必要がある点も重要です。人件費の比率が高い提案は、誰が何をいつまでに行うかを工程表と整合させ、実績管理の運用まで含めて説明すると審査側の不安を減らせます。1

制度要件ではないが実務上準備しておくと安心な証憑セット

これは制度要件そのものではありませんが、助成事業では支出の妥当性を後から説明できる状態が必要です。契約と発注、検収、支払、作業実績が一本の線でつながるように、証憑の保管ルールを社内で統一してください。詳細は助成事業事務処理マニュアルで確認できます。67

場面残しやすい証憑の例不備になりやすい例
物品購入見積、発注書、納品書、検収記録、請求書、振込控検収日が事業期間外、支払証跡が不明
外注見積、契約書、仕様書、成果物、検収記録、請求書研究開発要素のある業務を外注、成果物が曖昧
旅費出張命令、行程表、領収書、報告書学会参加の目的が不明、旅費規程がない
労務費作業記録、工数集計、単価根拠資料研究従事の根拠がなく按分が説明できない
この表は一般的に整備しやすい形を示した例です。実際の運用は交付規程とマニュアル、担当者の指示に合わせてください。36

申請の流れとスケジュール

応募前にやることを順番に並べる

公募締切直前に詰まりやすいのが、e-Rad登録と提出ファイルの整形です。未来型新エネ実証制度の公募要領では、e-Rad登録が応募の前提で、研究機関登録に日数を要する場合があるため2週間以上の余裕を持って手続きを行うよう求めています。2

新エネ中小・スタートアップ支援制度でも、提出書類にe-Rad応募内容提案書が含まれます。共同提案や共同研究がある場合は、分担者情報の登録方針を早めに決めておく必要があります。1

準備項目目安の着手時期ここで決めること
応募制度の選択公募開始直後新エネ中小か未来型実証か、フェーズはどこか
課題適合の確認公募開始直後課題一覧表のどの項目に該当するか
体制の確定締切の3〜6週間前共同提案者、共同研究先、役割分担
e-Radの登録締切の4週間前研究機関ID、研究者情報、分担者登録
積算と根拠整理締切の3〜4週間前費目ごとの必要性、見積取得、共同研究費内訳
提出ファイルの整形締切の1週間前指定のファイル名、PDF分割、zip化、再提出手順
この表の時期は制度要件ではなく、遅延を避けるための実務上の目安です。12

提出方法と締切の考え方

両制度とも、提出はWeb入力フォームから必要情報の入力と書類アップロードを行います。郵送やメール等の提出は受け付けません。アップロードの操作途中で締切を過ぎると受理されないため、締切日に作業を集中させないことが重要です。12

提出書類はzipファイルにまとめるなど、公募要領の指示に従います。受付期間内であれば再提出が可能で、同一提案者から複数提出があった場合は最後の提出分が有効になる扱いがあります。2

審査から交付決定までの見通し

公募要領に記載の予定スケジュールは、年度内の審査実務を見積もるうえで重要です。未来型新エネ実証制度は外部有識者による採択審査委員会が2026年1月上旬から下旬、契約助成審査委員会が2月中旬、助成先決定が2月下旬の予定です。2

新エネ中小・スタートアップ支援制度は採択審査委員会が2026年1月上旬から下旬、契約助成審査委員会が2月上旬、助成先決定が2月中旬、交付決定通知の発出が4月上旬の予定です。1

区分公募開始公募締切外部審査NEDO内審査助成先決定交付決定通知
新エネ中小2025年10月8日2025年11月25日 正午2026年1月上旬〜下旬2026年2月上旬2026年2月中旬2026年4月上旬
未来型実証2025年10月8日2025年11月25日 正午2026年1月上旬〜下旬2026年2月中旬2026年2月下旬公募要領で確認
交付決定通知の時期は制度により扱いが異なるため、必ず公募要領の該当箇所で確認してください。12

採択後の手続きで必要になる資料

採択後は、交付規程に沿って交付申請書等を作成し、交付決定を受けてから事業を進めます。事務処理はNEDOが提示する事務処理マニュアルに基づいて行うことが要件に含まれます。136

この段階で差し戻しになりやすいのは、積算の根拠が薄い項目、共同研究費の内訳が説明できない項目、取得財産の扱いが契約書に反映されていない項目です。採択をゴールにせず、交付申請と精算まで一気通貫で説明できる資料の束を作っておくことが重要です。1

採択審査で見られるポイント

二段階審査と加点要素

新エネ中小・スタートアップ支援制度は、外部有識者による採択審査委員会と、NEDO内の契約助成審査委員会の二段階で審査します。必要に応じて財務状況のヒアリングや追加資料、プレゼンテーションを求められる場合があります。1

採択審査では、福島イノベーション・コースト構想の対象地域での実施で貢献度が見込まれる提案、賃上げを表明した企業、ワークライフバランス等推進企業の認定を受けた企業に加点する扱いがあります。共同提案の場合、賃上げの加点対象は代表提案者が表明した場合に限られます。1

フェーズAとBとαとβで重視される観点

フェーズA、フェーズB、フェーズα、フェーズβは、技術審査と事業化審査の両面で総合的に審査します。解決すべき技術課題の記載がない提案や、市場ニーズと競合ビジネスの説明がない提案は、他の項目の結果にかかわらず採択しない扱いです。1

技術審査では、従来技術や競合技術に対する優位性と独自性、目標の定量性、技術課題の明確さ、科学的根拠に基づく解決方法、波及効果の大きさ、実施計画と費用の妥当性が問われます。波及効果は再エネ導入量、CO2削減量、市場創出効果など定量で示すことが求められます。1

事業化審査では、市場ニーズと競合の具体性、事業化時期とマイルストーン、ビジネスフォーメーションと役割分担、事業化計画の実現可能性、知財戦略の具体性、投じた助成金に対する収益性が評価されます。新市場開拓枠のαとβは、ターゲット市場の規模や短期間で高収益が望める収益モデルも審査対象です。1

フェーズCで重視される観点

フェーズCは、基礎的な検討が十分か、実用化研究開発の目標と最終製品の性能仕様が合理的根拠に基づき定量的に設定されているかが問われます。加えて、事業期間終了後3年以内の事業化を達成可能な内容であるかが技術審査の項目に入ります。1

事業化審査では、市場ニーズに基づく優位性、収益性、必要な特許やノウハウの保有または確実なライセンス、事業化までのマイルストーンと社外体制を含む役割分担、法規制対応、知財戦略の具体性が評価されます。1

未来型新エネ実証制度で重視される観点

未来型新エネ実証制度も、採択審査委員会と契約助成審査委員会の二段階で審査します。契約助成審査委員会では、目標の合致、方法と内容、経済性に加え、実績、体制、設備、経営基盤など遂行能力が評価対象です。2

実証事業は現地要件が大きく、実証研究を実施する場の確保や、地域共生や地元合意が必要な案件の事前準備計画が応募要件に含まれます。書類上の整合だけでなく、関係者調整の実現可能性を示す資料をそろえてください。2

フェーズ選択と提案書の組み立て方

どのフェーズで応募するかを決めるための考え方

フェーズ選択は、今ある技術の成熟度と、事業化までの距離で決めます。公募要領はフェーズごとに審査基準が異なるため、背伸びして上位フェーズに応募するよりも、現状の根拠データに見合うフェーズを選び、ステージゲートで段階的に深める方が整合しやすくなります。1

次の表は、要件の取り違えを防ぐための目安です。最終的には、フェーズごとの応募要件に合致するかを公募要領で確認してください。1

現状の状態選びやすいフェーズ提案書で強調すべき点不足しがちな情報
アイデアと初期仮説が中心で、実験データが限定的フェーズAまたはフェーズα解決すべき課題と仮説、検証方法、FSの到達点検証の定量目標、比較対象の定義
基礎データがあり、技術課題の切り分けができているフェーズBまたはフェーズβ技術課題の優先順位、実験計画、学術機関等との役割分担スケールアップ時のリスク整理
試作や実証に近い段階で、事業化計画が具体的フェーズC3年以内の事業化根拠、規制対応、知財と量産化ロードマップ顧客候補と導入計画、収益モデルの妥当性
この表は制度要件ではなく、フェーズ選びの考え方を整理するための補助資料です。1

提案書の骨子テンプレ

新エネ中小・スタートアップ支援制度の提案書は、技術内容だけでなく、事業化の道筋と波及効果を定量で示すことが重要です。特にフェーズAとBとαとβは、技術課題の記載と市場ニーズの記載がない提案を採択しない扱いがあるため、最初にこの2点が伝わる構成にしてください。1

ここでは、書き漏れを減らすための骨子テンプレを示します。これは制度要件ではありませんが、審査基準に沿って情報を並べ替える際に有効です。1

章立て最低限入れる内容審査観点との関係
背景と課題政策課題と現場課題、解決すべき技術課題を一文で定義技術課題の明確さ、政策的意義
技術の独自性従来技術や競合技術との比較、優位性の根拠データ優位性、独自性、科学的根拠
目標と検証方法定量目標、評価指標、検証条件、失敗時の分岐目標の定量性、解決方法の妥当性
実施計画工程表、マイルストーン、体制と役割分担実施計画の妥当性、遂行能力
事業化計画顧客像、競合、価格と収益モデル、事業化時期市場ニーズ、収益性、実現可能性
知財と規制特許方針、秘密情報管理、必要な法規制対応知財戦略、法規制対応策
波及効果導入量、CO2削減、市場創出などの定量見積波及効果の大きさ
この表の項目名は例です。実際の提出書式やページ制約は公募要領と様式で確認してください。18

積算で説得力を落とさないための整理方法

積算は、審査で計画の妥当性と経済性に直結します。機器購入や外注を含む場合は、何を買い、何を成果物として受け取り、なぜ自社で実施できないのかを説明できるように、仕様と成果物の定義を先に固めることが重要です。12

また、新エネ中小・スタートアップ支援制度は税抜50万円以上の購入や外注で発注前の必要理由書提出が必要になる場合があります。採択後の手続きで止まらないように、提案時点から対象候補を洗い出し、相見積の取得方針と発注スケジュールまで整理しておくと安全です。1

受理されない不備を減らすための注意点

応募段階での不備は、審査以前に受理されない原因になります。特に提出書類の不足や形式不備は取り返しがつかないため、チェックリストの運用を徹底してください。12

不備になりやすい点起きやすい理由予防策
必須書類の欠落フェーズごとに提出物が違う提出書類一覧を自社用に転記し二重チェックする
市場ニーズの説明不足技術説明に偏る市場規模、競合、顧客像を提案書の前半で示す
技術課題の未記載課題設定が曖昧解決すべき課題を一文で定義し検証計画と結ぶ
VC資料の不足αとβの条件を見落とす出資証明か意向確認書かを早期に確定する
共同研究費が50%以上外部比率が高い共同研究の範囲を見直し内訳と根拠を整理する
締切直前のアップロード回線混雑とzip作成で遅れる締切2日前までに提出し再提出で更新する
この表は典型例です。最終判断は公募要領の提出方法と提出書類の章で確認してください。12

よくある質問

Q1. 新エネ中小・スタートアップ支援制度と未来型新エネ実証制度は、同時に応募できますか。
A. 応募可否は公募要領の条件に従います。研究課題や費目が重複すると不合理な重複と判断され、採択されない場合があります。応募前に自社の他資金の状況を整理し、提案内容の重複がないことを説明できるようにしてください。1

Q2. 新エネ中小・スタートアップ支援制度はフェーズAから始めないといけませんか。
A. どのフェーズからでも事業を開始できます。既に基盤技術が確立している場合はフェーズCからの提案も可能です。ただしフェーズごとに応募要件と審査基準が異なるため、実績と計画の粒度をフェーズに合わせて書き分けてください。1

Q3. 社会課題解決枠のフェーズAとBは、学術機関との連携が必須ですか。
A. フェーズAは学術機関等を共同研究先として実施体制に加えることが要件です。フェーズBも実施体制に学術機関等を含める要件があります。共同研究先との役割分担が曖昧だと審査で不利になるため、技術課題の切り分けを提案書に明確に書いてください。1

Q4. 新市場開拓枠のフェーズαとβで、VC関連資料は何が必要ですか。
A. フェーズαとβは、出資を得ていることを示す資料や意向確認書など、いずれかの提出が必要です。フェーズβは採択後30日以内に出資証明書類の提出を求める扱いがあります。VC側の社内決裁に時間がかかる場合があるため、早めに調整してください。1

Q5. 共同提案や共同研究はできますか。
A. できます。共同提案の場合は代表提案者を定めます。共同研究費を計上する場合は交付申請書に記載が必要で、共同研究費の総額は助成金総額の50%未満という条件があります。12

Q6. 未来型新エネ実証制度は大企業も応募できますか。
A. 中小企業および大企業を対象としています。助成率や上限額は中小企業かどうかで異なります。自社の区分は公募要領の定義に従って確認してください。5

Q7. 未来型新エネ実証制度は、事業期間終了後いつまでに事業化を目指す必要がありますか。
A. 事業期間終了後1年以内での事業化を目指す具体的内容が応募要件に入ります。マイルストーンと体制を含めて、1年で到達できる根拠を提案書に落とし込んでください。2

Q8. 地元合意が必要な案件の扱いはどうなりますか。
A. 地域共生や地元合意が必要な案件は、実証研究開発実施前に行う地元合意形成のための事前準備期間に相当する計画書の提出が必要です。地元合意の見込みが立たない場合は、実証事業の支援を行わない扱いもあるため、関係者整理を早期に進めてください。2

Q9. 外注や委託はどこまで認められますか。
A. 新エネ中小・スタートアップ支援制度では外注費が費目としてありますが、研究開発要素がある業務は外注できません。未来型新エネ実証制度は事業の一部を委託することを認めない扱いです。作業の切り分けを誤ると経費不認定の原因になるため、作業仕様と成果物を明確にしてください。12

Q10. 50万円以上の購入や外注は何か追加の手続きがありますか。
A. 新エネ中小・スタートアップ支援制度では、税抜50万円以上の購入や外注は発注前に必要理由書を提出する運用があります。見積段階で該当有無を判断し、事前に担当者と相談できる状態にしておくことが重要です。1

Q11. 提出は郵送でも可能ですか。
A. 両制度とも、指定のWeb入力フォームから提出します。郵送やメール等は受け付けません。締切時刻までにアップロード完了が必要なので、余裕を持って提出してください。12

Q12. 締切後に修正したい場合はどうなりますか。
A. 受付期間内であれば再提出が可能です。複数提出があった場合は最後の提出分が有効になります。締切後は受け付けられないため、締切前に最終版を確定させてください。2

Q13. 審査ではどんな点が原因で即不採択になりますか。
A. 新エネ中小・スタートアップ支援制度では、技術課題の記載がない提案や、市場ニーズと競合ビジネスの説明がない提案は、他項目の結果にかかわらず採択しない扱いです。最初の数ページで要点が伝わる構成にしてください。1

Q14. 賃上げや認定制度の資料は必須ですか。
A. 賃上げ表明やワークライフバランス等推進企業の認定は、該当する場合に提出する任意資料として扱われ、採択審査で加点する要素に含まれます。代表提案者が条件を満たすかを確認し、該当する場合は提出漏れがないようにしてください。1

Q15. 採択後にまず何をする必要がありますか。
A. 交付規程に沿って交付申請書等を作成し、交付決定を受けてから事業を開始します。事務処理は事務処理マニュアルに基づき行うことが要件に含まれるため、採択前から経理と研究の役割分担を決めておくとスムーズです。136

申請準備に使えるチェック表

申請準備では、制度要件の確認と、社内の実務フローの整備を同時に進めることが重要です。以下は、提出直前に見落としが出やすい項目をまとめたチェック表です。12

確認項目新エネ中小未来型実証確認する資料
課題一覧表との適合必要必要新エネ中小は研究開発課題一覧表、未来型は技術実証課題一覧表
応募主体の区分中小企業等のみ中小企業または大企業各公募要領の応募要件
学術機関の連携フェーズAとBで要件要件ではないが実証場は必要新エネ中小の応募要件
VC資料フェーズαとβで要件要件ではない新エネ中小の応募要件
事業化の目標時期フェーズCで3年以内終了後1年以内各公募要領の応募要件
共同研究費50%未満条件あり条件あり各公募要領の提出時留意事項
提出方式Webフォーム、zipWebフォーム、zip各公募要領の提出方法
e-Rad提出書類に含む登録が必要各公募要領のe-Rad項目
この表は要点をまとめたものです。最終的な適合判断は公募要領本文で確認してください。12

提出書類を漏らさないための最小セット

提出書類はフェーズや制度で変わりますが、共通して漏れが起きやすいのは財務関連と証明書類です。新エネ中小・スタートアップ支援制度では、直近3年度分の財務諸表、履歴事項全部証明書、e-Rad応募内容提案書が提出書類に含まれます。新市場開拓枠はこれに加えてVC関連資料が必須です。1

未来型新エネ実証制度でも、応募要件と提出書類を公募要領で確認し、zip化前にチェックリストで漏れを潰してください。2

問い合わせ前に揃えると話が早い情報

問い合わせは、手続きの解釈や経費判断で迷ったときに有効ですが、前提情報が揃っていないと回答が得られにくくなります。次の情報を整理してから問い合わせると、やり取りが短くなります。5

整理しておく情報具体例
応募制度とフェーズ新エネ中小のフェーズA、未来型実証など
課題適合の根拠課題一覧表の該当番号と要旨
実施体制代表提案者、共同提案者、共同研究先、役割分担
予算の論点迷っている費目、金額、必要性、代替案
スケジュール交付決定後の発注時期、実証場所の確保時期
この表は問い合わせを円滑にするための実務上の整理例です。最終判断は事務局の案内に従ってください。5

出典・参考資料

  1. 2025年度第2回 新エネ中小・スタートアップ支援制度 公募要領 2025年10月 PDF ↩

  2. 2025年度 未来型新エネ実証制度 公募要領 2025年10月 PDF ↩

  3. 課題設定型産業技術開発費助成金交付規程 PDF ↩

  4. 2026年度 新エネルギー等のシーズ発掘・事業化に向けた技術研究開発事業 公募予告 2025年12月 HTML ↩

  5. 2025年度 未来型新エネ実証制度 公募ページ 2025年10月 HTML ↩

  6. 課題設定型産業技術開発費助成事業 事務処理マニュアル 必携版 2025年4月 PDF ↩

  7. 課題設定型産業技術開発費助成事業 事務処理マニュアル 詳細版 2025年4月 PDF ↩

  8. 2025年度第2回 新エネ中小・スタートアップ支援制度 公募ページ 2025年10月 HTML ↩

執筆者:補助金フラッシュ 士業編集部

補助金・助成金の活用法からAI導入、業務の生産性向上まで、中小企業の経営に役立つ情報を士業の専門家チームがわかりやすく解説します。

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執筆者
補助金フラッシュ 士業編集部
公開日: 2026年2月18日

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