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オープンイノベーション研究・実用化推進事業の申請ガイド

生研支援センターの令和8年度オープンイノベーション研究・実用化推進事業を公式資料で解説。研究費上限、マッチングファンド、対象経費、e-Rad申請と契約手続の要点を整理。

補助金フラッシュ 士業編集部公開日: 2026年3月4日
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目次

  • 制度の全体像
  • 支援内容と研究ステージ
  • マッチングファンド方式
  • 対象者と応募要件
  • 対象経費と経理のポイント
  • 審査の進み方と見られ方
  • 申請から契約までの流れ
  • 提出書類と体制づくり
  • 証拠書類と検査に備える
  • データマネジメントと情報管理
  • 採択後に必要になる手続と注意点
  • 申請準備で詰まりやすい点
  • 応募前セルフチェック
  • よくある質問
  • まとめ
補助金フラッシュ 事業計画

農林水産・食品分野で社会実装を目指す研究開発に取り組むなら、生研支援センターのオープンイノベーション研究・実用化推進事業は有力な選択肢です。令和8年度の新規課題公募は、e-Radによる電子申請が前提で、研究ステージやタイプにより要件が分かれます。公募要領と審査基準を読み込んだうえで、研究グループの組み方と経費の積み上げでつまずかないことが重要です。
この記事では、令和8年度の公式一次資料を根拠に、対象者、研究費の上限、マッチングファンドの条件、審査の見られ方、申請から契約までの流れをまとめます。

項目内容
制度名オープンイノベーション研究・実用化推進事業
対象年度/公募回令和8年度 新規課題 公募
所管/実施機関/事務局実施機関は国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 生物系特定産業技術研究支援センター。農林水産省の研究開発プラットフォームである知の集積と活用の場を背景に、社会実装を目的とする研究開発を公募型で実施。1
補助上限額/補助率(類型差があれば併記)研究費の上限はタイプにより3,000万円/年または5,000万円/年で、研究期間は3年以内または5年以内。資金形態は委託事業で、委託費として直接経費と間接経費を計上する。実用化タイプはマッチングファンド方式が必須。12
申請期間(開始/締切)2026年2月6日から2026年3月10日12時まで。31
公式一次資料(PDF/Word)のリンク集公募ページ 2026年2月 HTML / 公募要領 2026年2月 PDF / 審査基準 2026年2月 PDF / e-Rad応募手続 2026年2月 PDF / 契約手続 2026年2月 PDF / Q&A 2026年2月16日更新 PDF / 公募説明資料 2026年2月 PDF / 委託費の使用等に関する留意点 2026年2月 PDF / 不正行為の防止 2026年2月 PDF
最終更新日2026年2月25日
免責申請可否や経費判断は、当該年度の募集要領・交付要綱等と事務局の案内で最終確認してください。

目次

  • ●制度の全体像
  • 事業の目的と特徴
  • 知の集積と活用の場との関係
  • 似た名称の事業との取り違えを防ぐ
  • ●支援内容と研究ステージ
  • 研究ステージとタイプ
  • 委託事業であること
  • 基礎研究から開発研究への移行
  • ●マッチングファンド方式
  • どのタイプで必要になるか
  • 自己資金と委託費の関係
  • 自己資金として扱える費用
  • ●対象者と応募要件
  • 研究課題の対象範囲
  • 研究機関のセクター区分
  • 代表機関に求められる要件
  • 研究グループは単独応募できない
  • 実用化タイプの代表機関とセクター
  • 共同研究機関と協力機関の違い
  • ●対象経費と経理のポイント
  • 経費区分の基本
  • 委託費執行の基本原則
  • 調達と見積の注意点
  • 費目間の流用と変更
  • 従事日誌とエフォート管理
  • 証拠書類の保管
  • 物品と知的財産の帰属
  • ●審査の進み方と見られ方
  • 一次審査と二次審査
  • 審査基準の読み方
  • 加点の考え方
  • ●申請から契約までの流れ
  • 全体スケジュール
  • 応募はe-Radのみ
  • e-Rad応募手続でつまずきやすい点
  • 契約の相手方と契約書式
  • 誓約書と研究公正
  • ●提出書類と体制づくり
  • 提出物をいつ誰が用意するか
  • 問い合わせメールの書き方
  • ●証拠書類と検査に備える
  • ●データマネジメントと情報管理
  • ●採択後に必要になる手続と注意点
  • ●申請準備で詰まりやすい点
  • 研究タイプの選定を早めに行う
  • 経理担当者を提案段階から巻き込む
  • 調達の根拠資料を早めに揃える
  • 不正行為防止の提出物を後回しにしない
  • ●応募前セルフチェック
  • ●よくある質問
  • ●まとめ
オープンイノベーション研究・実用化推進事業の申請ガイド

制度の全体像

事業の目的と特徴

オープンイノベーション研究・実用化推進事業は、農林水産・食品分野で社会実装を目的とする革新的な研究シーズの創出と、実用化段階の研究開発を支援する提案公募型の研究事業です。生研支援センターが公募を行い、採択された研究課題は委託研究として進めます。1

公募要領は、予算成立を前提とする位置づけも明確にしています。応募や採択に向けて準備を進めつつ、正式な日程や要件は必ず公募ページで確認してください。12

知の集積と活用の場との関係

背景にあるのが、農林水産省が創設した知の集積と活用の場です。多様な分野のアイデアや技術を取り込み、産学官連携の研究を進めるオープンイノベーションの場として位置づけられています。事業では、この枠組みを活用し、研究成果の商品化や事業化に向けた支援を行います。13

知の集積と活用の場の研究開発プラットフォームから提案される研究課題は、一次書面審査の評価点へのポイント加算があり得ます。該当条件や扱いは公募要領と審査基準で確認してください。14

似た名称の事業との取り違えを防ぐ

過年度の資料では、イノベーション創出強化研究推進事業という名称が出てくることがあります。実施要領では、令和5年4月にオープンイノベーション研究・実用化推進事業が創設されたことに伴い、イノベーション創出強化研究推進事業における新たな公募は行わない旨が書かれています。5

そのため、これから新規に応募したい場合は、令和8年度の公募ページと公募要領が対象になります。21

支援内容と研究ステージ

研究ステージとタイプ

令和8年度の新規課題公募で対象となる研究ステージと研究タイプは、次のとおりです。研究費の上限は間接経費を含む額で、タイプごとに年額が決まっています。1

研究ステージ研究タイプ研究費の上限研究期間想定されるゴール
基礎研究ステージ基礎重要政策タイプ3,000万円/年3年以内重要政策に資する研究シーズの創出
基礎研究ステージ研究シーズ創出タイプ3,000万円/年3年以内独創的なアイデア等による研究シーズ創出
開発研究ステージ開発重要政策タイプ3,000万円/年5年以内重要政策の推進に資する実用化段階の研究開発
開発研究ステージ実用化タイプ3,000万円/年5年以内民間企業等が主体となる製品化や事業化
開発研究ステージ現場課題解決タイプ3,000万円/年5年以内生産現場等の技術的課題の解決
開発研究ステージ病害虫防除対応タイプ3,000万円/年5年以内病害虫等の課題に対応する実用化段階の研究開発
共通知の集積と活用の場発の優良提案支援タイプ5,000万円/年3年以内プラットフォーム発の優れた研究シーズを基にした研究

表の金額や期間は、令和8年度公募要領に基づきます。1

委託事業であること

本事業は補助事業ではなく委託事業です。委託契約に基づき、生研支援センターの業務を受託者が実施し、その反対給付として研究費が支払われます。物品等の財産の帰属や、経理処理の考え方が補助事業と異なるため、経理担当者も早い段階から関与させてください。6

委託費の使用等に関する留意点資料では、委託事業と補助事業の違いを表で比較し、物品等の財産は生研支援センターに帰属することなどを説明しています。6

基礎研究から開発研究への移行

基礎研究ステージで実施中の研究課題が優れた成果を創出し将来性が見込める場合、基礎研究ステージから開発研究ステージへ、公募を介さずに移行できる仕組みを予算の範囲内で行う旨が公募要領に書かれています。1

移行の可否や具体の手続は課題ごとに変わり得ます。採択後に研究計画の見通しを作る際は、節目ごとの成果と次段階の要件の関係を整理し、事務局と早めに共有すると安全です。1

マッチングファンド方式

どのタイプで必要になるか

開発研究ステージの実用化タイプは、研究成果を用いて新たな商品や便益の開発を行う民間企業等を主体として、製品化や事業化を行うことを目的としています。この実用化タイプは、当該民間企業等が研究資金の一定割合を負担することが条件で、マッチングファンド方式が必須です。31

実用化タイプ以外のタイプでも、共同研究機関として民間企業等が参画するケースはあります。マッチングファンドの要否は研究タイプごとに扱いが異なるため、研究タイプを確定させたうえで公募要領の該当箇所を確認してください。1

自己資金と委託費の関係

マッチングファンド方式では、コンソーシアムに参画する民間企業の自己資金に一定の倍率を乗じた額を上限として、生研支援センターが委託費を支出します。3

公募要領では、実用化タイプにおいて、生研支援センターが支出する委託費は当該民間企業等の自己資金の2倍以内とし、さらに資本金や創業年数により倍率上限が変わる形で示しています。1

具体例として、自己資金が1,000万円の場合、委託費の上限は2,000万円という考え方になります。実際の上限は研究費の上限や、該当する倍率条件との関係で決まるため、提案書で示す予算は条件を満たすように組む必要があります。1

自己資金として扱える費用

自己資金として扱えるのは、参加企業が委託研究に追加して研究グループの研究開発に用いる費用で、当該年度内に支出を完了したものです。人件費、旅費、外注費、消耗品費などが例示されています。自己資金を次年度に繰り越すことはできません。1

自己資金が予定額に満たない場合は、委託費と自己資金の区分を変更して実績報告書を作成し、委託費として支払われた額が上限額を超えるときは超過分を返還する必要があります。1

これは制度要件ではありませんが、自己資金は研究期間全体での見通しだけでなく、年度ごとの支出計画と証拠書類の準備まで含めて早めに確認すると、後工程の手戻りを減らせます。

対象者と応募要件

研究課題の対象範囲

本事業は国内の農林水産業・食品産業の発展や新たなビジネスの創出につながる基礎段階の研究と実用化段階の研究を対象にします。自然科学系の研究や技術開発を主体的に行う研究課題が対象で、社会科学系研究を主として行う課題などは応募の対象外です。1

また、令和8年度当初予算の戦略的農林水産研究推進事業で実施している又は公募される研究課題に該当する場合、審査対象から除外する旨が公募要領に書かれています。研究テーマの重複は、応募前に必ず確認してください。1

研究機関のセクター区分

応募する研究機関等は、都道府県や公設試などのセクターⅠ、大学等のセクターⅡ、国立研究開発法人等のセクターⅢ、民間企業や農林漁業者等のセクターⅣに分類されます。自機関がいずれにも当てはまらない場合は問合せ先への相談が必要です。1

代表機関に求められる要件

応募者は研究グループの代表機関で、法人格を有する研究機関等であることなど、複数の要件を満たす必要があります。あわせて、令和7・8・9年度農林水産省競争参加資格の役務の提供等(調査・研究)の区分で有資格者であることが要件に入っています。応募時点で申請を行っている、又は申請を確約できることが必要です。1

この資格は、採択後の契約手続にも関わります。代表機関が取得予定の場合は、取得時期の見込みと社内手続の担当を明確にしておくと安心です。17

研究グループは単独応募できない

Q&Aでは、研究グループは2機関以上で構成する必要があり、単独機関では応募できないことが書かれています。8

さらに、知の集積と活用の場発の優良提案支援タイプは、2セクター以上の研究機関等が参画することが条件です。83

実用化タイプの代表機関とセクター

実用化タイプでは、代表機関はセクターⅣであることが条件です。現場課題解決タイプでは代表機関はセクターⅠであることが条件です。該当タイプを選ぶ場合は、研究代表者の所属先と代表機関の位置づけを早い段階で確定させてください。8

共同研究機関と協力機関の違い

委託契約はコンソーシアム方式で、構成員が共同研究機関としてプロジェクトを直接実施します。一方で、構成員以外の第三者が協力機関として協力する枠組みもあります。協力機関を置く場合、試験研究計画書で協力内容を明確にし、秘密保持や成果の取扱いに関する契約を事前に締結するなどの条件があります。9

協力機関はあくまで協力であり、研究グループの構成要件を満たすための機関数には数えません。研究グループ要件はQ&Aも確認してください。89

対象経費と経理のポイント

経費区分の基本

公募要領では、対象経費として、直接経費の内訳に物品費、人件費・謝金、旅費、その他を置き、間接経費は直接経費の30パーセント以内としています。1

また、研究管理運営機関を設置した場合は、研究管理運営機関の直接経費に対する一般管理費として15パーセント以内を計上できます。1

委託費の使用等に関する留意点資料でも、直接経費と間接経費の体系が示され、間接経費は直接経費の30パーセント以内と説明しています。6

区分主な費目ポイント
直接経費物品費、人件費・謝金、旅費、その他研究の遂行と成果の取りまとめに直接必要なものに限る
間接経費直接経費の30パーセント以内研究遂行に関連して間接的に必要となる経費
一般管理費研究管理運営機関の直接経費の15パーセント以内研究管理運営機関を設置する場合に限る

上の表は、公募要領と留意点資料の記載を踏まえたまとめです。16

委託費執行の基本原則

留意点資料には、当該事業に直接必要なものに限る、事業期間中に発生したものが対象、他事業と混同しない、経済性や効率性を考慮する、従事日誌等を正しく記載するという原則がまとめられています。6

これは制度要件ではありませんが、研究代表者が予算の根拠と調達の考え方を説明できる状態にしておくと、学内や社内の決裁も進めやすくなります。

調達と見積の注意点

留意点資料では、1契約の調達金額が200万円以上の場合は、各研究機関の規程に依らず2者以上の見積合わせを行い、選定理由を明らかにする必要があると説明しています。6

また、自社又は同一資本グループ内での調達では利益排除の考え方が出てきます。外注や物品購入が大きい計画は、応募前から調達ルールの確認を進めてください。6

費目間の流用と変更

留意点資料では、試験研究計画書に問題がない範囲で直接経費の費目間での流用が可能で、費目間流用は直接経費総額の50パーセントまで承認不要という考え方を示しています。一方で、直接経費と間接経費など費目区分間の流用は原則不可です。6

採択後の運用まで見据えるなら、提案書段階から外注費や設備備品費の比率が極端にならないように組み、変更が出そうな項目は根拠を丁寧に書いておくと安全です。これは制度要件ではありませんが、面接審査の説明でも役に立ちます。46

従事日誌とエフォート管理

公募要領では、研究従事の状況を作業日誌等により明確にすることなど、エフォート管理に関する注意点を書いています。留意点資料でも従事日誌等を正しく記載する原則が強調されています。16

研究機関ごとに様式や運用が違うことが多いため、代表機関が最初にルールを示すと運用が揃います。

証拠書類の保管

留意点資料では、納品書等の証拠書類を保管し、保管期間は委託業務終了日の翌年度4月1日から起算して5年間としています。6

証拠書類を研究課題単位で集約する方法を代表機関が決めておくと、共同研究機関の提出漏れが減ります。これは制度要件ではありませんが、検査や調査への備えとして有効です。6

物品と知的財産の帰属

留意点資料では、物品等の財産は生研支援センターに帰属することを説明しています。知的財産は生研支援センターに帰属する一方で、産業技術力強化法に基づき受託者に帰属させることができることも説明しています。6

契約書案でも、委託費の限度額や委託期間、約款等に従って委託業務を実施することなどが定められています。採択後に契約書類を作る段階で読み直してください。9

審査の進み方と見られ方

一次審査と二次審査

公募要領では、一次の書面審査と二次の面接審査を経て採択研究課題を決定します。書面審査は外部専門家によるピアレビュー方式で行い、審査基準に基づいて評価します。1

スケジュールは、公募開始から書面審査、面接審査、採択決定という順で示され、審査状況等により変更する可能性があることも併記されています。12

審査基準の読み方

審査基準では、各評価項目を5段階で評価し、配点に応じて点数化する枠組みを示しています。例として、目標の明確性は配点10点でAからEまでの段階評価、販売・普及戦略の妥当性なども同様に評価する構成です。4

開発研究ステージでは、実用化や事業化に向けたロードマップ、販売・普及戦略、市場ニーズへの適合などが評価項目に入っています。研究計画と社会実装の道筋を分けて書き、どちらも定量目標を置くと読み手が理解しやすくなります。これは制度要件ではありませんが、審査基準の読み取りとして重要です。4

加点の考え方

公募要領では、知の集積と活用の場からの提案に該当する場合の加点ポイントについて触れています。1

また、輸出事業計画の認定者やフラッグシップ輸出産地の代表者が研究グループに参画している場合に、一次書面審査の評価点にポイントを加算する扱いもあります。加算の有無は審査上の扱いであり、採択を約束するものではない点も公募要領に書かれています。1

加点に該当するかどうかは、提案書で根拠を示せる状態にしておく必要があります。応募締切直前に証明資料を集めると間に合わないことがあるため、早めの確認が安全です。

申請から契約までの流れ

全体スケジュール

公募要領に記載の予定スケジュールは、次のとおりです。審査状況等により変更する可能性があり、その場合はウェブサイトで随時知らせる旨が書かれています。1

時期公式に示されている予定応募者側の作業の例
2026年2月6日公募開始研究タイプの確定、代表機関の資格要件確認
2026年3月10日12時公募受付締切e-Rad提出、提出書類チェック
2026年3月から4月一次書面審査面接に備えた説明資料の整備
2026年5月から6月二次面接審査研究計画と体制の説明
2026年6月採択課題の決定と公表契約準備、体制と予算の最終調整
2026年7月頃委託契約締結手続き誓約書や必要書類の提出、契約書の調整

右列の作業は制度要件ではありませんが、締切や審査時期に合わせて準備すると手戻りが減ります。

応募はe-Radのみ

応募は府省共通研究開発管理システムのe-Radで行い、郵送や電子メール等の方法では受け付けない旨が公募要領に書かれています。研究機関と研究者全員の登録が必要で、登録に日数を要する場合があるため余裕を持って手続きする必要があります。1

公募ページでも、登録手続に2週間以上の余裕を持つよう案内があります。2

e-Rad応募手続でつまずきやすい点

e-Radの操作や提出手順は別紙2にまとまっています。提案書類を作成しても、e-Rad上の入力や機関内承認が間に合わなければ提出できません。10

特に研究機関側の体制として、研究代表者だけでなく、研究機関の事務代表者による承認作業が必要になることがあります。応募締切の前日や当日に承認依頼を出すと、学内手続が間に合わないことがあります。これは制度要件ではありませんが、締切の数営業日前に内部承認まで完了させる計画にしておくと安全です。10

手順やること注意点の例
研究機関の登録研究機関情報の登録と確認新規登録は日数がかかる場合がある1
研究者の登録研究代表者と研究分担者の登録所属機関とのひも付けを確認10
応募情報の入力研究課題の情報と体制を入力研究タイプと代表機関の要件を再確認18
添付書類の登録提案書、誓約、DMP等を添付添付漏れがあると審査対象外になり得る11
機関内承認事務代表者等の承認締切直前は混み合うことがある10
提出完了の確認受付番号等の確認提出後の差し替え可否は手続に従う10

上の表は、e-Rad手続資料と公募要領の考え方を踏まえた実務の要点です。110

契約の相手方と契約書式

公募ページでは、選定された委託予定先の代表機関と生研支援センターが直接委託契約を締結すると案内しています。契約締結の手順は別紙4に沿って進めます。27

令和8年度から契約書と約款に変更する旨の案内もあり、変更後の様式として試験研究委託契約書と約款が掲載されています。29

誓約書と研究公正

不正行為の防止資料では、誓約書が添付されていない提案書は審査しないこと、誓約書を提出しない研究機関を含むコンソーシアムとは委託契約を締結しないことを示しています。11

応募時に研究代表者が提出するものと、契約時に研究活動に関わる全ての者が提出するものがあり、代表機関が全構成員分を取りまとめて提出します。11

提出書類と体制づくり

公募ページには、公募要領の別紙として、研究課題提案書様式、データマネジメントプラン、提出書類チェックリスト、各種ひな形や通知類が掲載されています。研究タイプごとに提案書様式が分かれているため、最初にダウンロード先を統一してください。2

提出物をいつ誰が用意するか

提出物は研究代表者だけで完結しません。代表機関の事務や法務、共同研究機関の事務担当も含めて、役割分担を明確にすると締切前の混乱が減ります。

提出物主な作成者提出タイミング注意点
研究課題提案書研究代表者と代表機関事務応募時研究タイプ別に様式が異なる
研究倫理に関する誓約研究代表者応募時添付がない提案書は審査対象外11
データマネジメントプラン研究代表者とデータ担当応募時指定様式の提出が求められる2
提出書類チェックリスト代表機関事務応募時提出漏れを減らす2
コンソーシアム規約等代表機関法務と事務採択後から契約前規約方式と協定書方式の選択が必要27
全省庁統一資格の手続代表機関事務応募前から採択後早期契約に関わるため早めに進める17
構成員全員の誓約書代表機関事務契約時代表機関が取りまとめて提出11

上の表は、公式資料に基づく役割分担のまとめです。21711

問い合わせメールの書き方

公募ページでは問い合わせは原則メールと案内しています。内容が不足すると往復が増えるため、問い合わせ前に最低限そろえたい情報をテンプレートとしてまとめます。これは制度要件ではありませんが、回答の精度が上がりやすくなります。2

項目記載例
件名令和8年度オープンイノベーション研究・実用化推進事業の公募に関する確認
所属と氏名代表機関名、部署名、氏名、電話番号
研究タイプ想定している研究ステージと研究タイプ
確認したい点代表機関要件、研究グループ要件、自己資金の扱いなど
添付の有無提案概要や該当箇所の抜粋の有無
締め返信希望時期と連絡可能時間帯

問い合わせ先のメールアドレスは公募ページと公募要領に掲載されています。21

e-Radの操作やシステム側の不具合は、公募窓口とは別にe-Radポータルサイトのお問い合わせが窓口です。公募全般とシステム問い合わせを分けると、回答までの往復が減ります。12

証拠書類と検査に備える

留意点資料では、経費の妥当性を対外的に説明できることが必要で、納品書等の証拠書類を保管すること、保管期間は5年間であることを説明しています。6

ここでは、委託費の主要費目で、どのような証拠書類を準備しやすいかを例示します。これは制度要件ではありませんが、研究開始後に慌てないための目安です。

費目証拠書類の例注意点
物品費見積書、発注書、納品書、検収記録、請求書、支払記録200万円以上は見積合わせ等の要件に注意6
人件費従事日誌、雇用契約、給与台帳、振込記録エフォート管理の考え方を揃える16
旅費出張命令、行程表、領収書、精算書私的流用の疑義が出ない形で整理11
外注費仕様書、見積書、契約書、成果物、検収記録自社グループ調達は利益排除に注意6

証拠書類は研究課題単位での保存が基本です。代表機関が共同研究機関の提出方法を決め、締め日を統一すると回収が楽になります。6

データマネジメントと情報管理

公募ページには、データマネジメントに係る基本方針や、AI・データ契約ガイドライン準拠チェックリスト、研究データの取扱いに関する資料が別紙として掲載されています。応募書類としてデータマネジメントプランの提出も求められます。2

データマネジメントは研究成果の公開や共同研究機関間の共有に関わるため、提案段階から方針を決めておく必要があります。これは制度要件ではありませんが、次の観点で整理しておくと、DMPの作成が進みやすくなります。

観点検討内容の例関係しやすい場面
データの範囲実験データ、画像、コード、現場データなどDMPの記載、共同研究機関間の共有
保存とバックアップ保存場所、権限管理、バックアップ頻度研究期間中の運用、監査対応
第三者提供匿名化や契約条件、持ち出し制限企業参画、協力機関への提供
成果公開公開時期、公開範囲、知財との整合論文発表、製品化のタイミング

詳細は公募ページに掲載の資料を確認し、研究機関の規程とも整合を取ってください。2

採択後に必要になる手続と注意点

採択後は、代表機関が生研支援センターと委託契約を締結し、約款に従って委託業務を実施します。契約手続の流れは別紙4で示されています。79

採択されたからといって、契約手続が自動で完了するわけではありません。全省庁統一資格の取得状況、コンソーシアムの規約や協定書、構成員全員分の誓約書など、契約前に整えるものがあります。1211

段取り代表機関が確認したい事項根拠資料
契約書類の確認契約書と約款の条項、委託期間、委託費限度額契約書と約款、契約手続
体制の確定共同研究機関と協力機関の役割、成果と秘密情報の扱い契約書と約款
誓約書の回収構成員全員分の誓約書と教育実施の確認不正行為の防止
経理ルールの共有調達、費目間流用、証拠書類の保管委託費留意点

上の表は、公式資料に基づく採択後の準備項目です。79116

研究活動における不正行為や研究費の不正使用が認定されると、委託契約の解除や委託費の返還、応募制限などの措置につながります。研究機関としての教育や監査体制も含め、採択後の運用を軽視しないことが重要です。11

申請準備で詰まりやすい点

ここからは制度要件ではありませんが、公式資料を踏まえると誤りが起きやすいポイントを整理します。

研究タイプの選定を早めに行う

研究タイプが決まらないと、代表機関のセクター要件やマッチングファンドの要否が確定しません。特に実用化タイプは代表機関セクターや自己資金が絡むため、研究体制の議論と同時に進めてください。81

経理担当者を提案段階から巻き込む

委託事業は補助事業と異なり、契約、物品の帰属、経費の執行ルールに特徴があります。代表機関だけでなく共同研究機関も含めて、経理ルールと証拠書類の集め方を事前に統一すると、研究開始後の混乱が減ります。6

調達の根拠資料を早めに揃える

200万円以上の調達では複数見積が必要になるなど、調達ルールは研究機関の規程だけでは完結しないケースがあります。研究計画で設備や外注が大きい場合、締切前に調達可能性と概算根拠を固めておくと安全です。6

不正行為防止の提出物を後回しにしない

誓約書がない提案書は審査対象になりません。研究代表者だけでなく、契約時には関係者全員分の誓約書が必要です。研究倫理教育の実施記録も含めて、代表機関が早めに回収方法を決めてください。11

応募前セルフチェック

応募直前に慌てないために、最低限確認したいポイントをまとめます。

確認項目確認の観点根拠資料
研究タイプの適合自分の研究がどのステージとタイプに当てはまるか公募要領、公募説明資料
研究グループ要件2機関以上か、タイプごとのセクター条件を満たすかQ&A、公募要領
代表機関の資格法人格、全省庁統一資格の扱い公募要領
提出方法e-Rad以外で提出しない公募要領、公募ページ
誓約書提案書に誓約を付ける不正行為の防止資料
経費の区分直接経費と間接経費の区分、上限、調達ルール公募要領、委託費留意点

上の表は、公式資料に基づく確認観点です。186112

よくある質問

Q1. この事業は補助金ですか
A. 生研支援センターが業務を委託する契約に基づく委託事業です。補助事業とは配分方法や物品の帰属などが異なります。6

Q2. 1つの研究機関だけで応募できますか
A. できません。研究グループは2機関以上で構成する必要があり、単独機関では応募できません。8

Q3. 代表機関に必要な資格は何ですか
A. 公募要領では、法人格を有することなどに加え、農林水産省競争参加資格で役務の提供等(調査・研究)の区分の有資格者であることを要件に入れています。応募時に申請中又は申請を確約できることが必要です。1

Q4. 応募は郵送やメールでもできますか
A. できません。応募はe-Radで行い、郵送や電子メール等での応募は受け付けない旨が公募要領に書かれています。1

Q5. 研究費の上限はどのくらいですか
A. 令和8年度の新規課題公募では、多くのタイプで3,000万円/年、知の集積と活用の場発の優良提案支援タイプで5,000万円/年が上限として示されています。研究期間は3年以内又は5年以内です。1

Q6. 実用化タイプのマッチングファンドとは何ですか
A. 民間企業の自己資金に一定の倍率を乗じた額を上限として委託費を支出する方法です。公募要領では、委託費は自己資金の2倍以内とし、資本金や創業年数により倍率上限が変わる形で示しています。13

Q7. 自己資金として計上できる費用は何ですか
A. 公募要領では、人件費、旅費、外注費、消耗品費などが例示されています。年度内に支出を完了したものが対象で、次年度への繰越はできません。1

Q8. 間接経費はどの程度計上できますか
A. 公募要領では、間接経費は直接経費の30パーセント以内です。留意点資料でも同じ割合で説明しています。16

Q9. 誓約書がないとどうなりますか
A. 不正行為の防止資料では、誓約書が添付されていない提案書は審査しないこと、誓約書を提出しない研究機関を含むコンソーシアムとは契約しないことを示しています。11

Q10. 審査は何段階ですか
A. 公募要領では一次の書面審査と二次の面接審査を行います。1

Q11. 採択後の契約は誰が結びますか
A. 公募ページでは、代表機関と生研支援センターが直接委託契約を締結する旨を案内しています。契約手続の詳細は別紙4です。27

Q12. 物品や知的財産は誰に帰属しますか
A. 留意点資料では、物品等の財産は生研支援センターに帰属することを説明しています。知的財産は生研支援センターに帰属する一方で、受託者に帰属させることができる場合も説明しています。6

Q13. 証拠書類はどれくらい保管しますか
A. 留意点資料では、納品書等の証拠書類は委託業務終了日の翌年度4月1日から起算して5年間保管する必要があります。6

Q14. 研究テーマが他の事業と重複したらどうなりますか
A. 公募要領では、戦略的農林水産研究推進事業で実施している又は公募される研究課題に該当する場合は審査対象から除外します。応募前に重複の有無を確認してください。1

Q15. どこに問い合わせればよいですか
A. 公募要領と公募ページに、公募全般、契約事務、e-Radの問い合わせ先が掲載されています。公募ページでは問い合わせは原則メールと案内しています。1212

まとめ

オープンイノベーション研究・実用化推進事業は、農林水産・食品分野で社会実装を目指す研究開発を、委託研究として進める公募型の枠組みです。令和8年度の新規課題公募では、研究ステージとタイプにより研究期間や研究費の上限が異なり、実用化タイプではマッチングファンドが条件になります。13

応募はe-Radのみで、研究グループ要件や代表機関の資格要件、誓約書の提出など、形式要件で落とし穴が起きやすい点もあります。まずは公募要領とQ&Aを起点に、自分の研究がどのタイプに当てはまるか、体制と経費が条件を満たすかを確認してください。18

出典・参考資料

  1. 令和8年度オープンイノベーション研究・実用化推進事業 新規課題 公募要領 2026年2月 PDF ↩

  2. 生物系特定産業技術研究支援センター 令和8年度公募ページ 2026年2月 HTML ↩

  3. 令和8年度 オープンイノベーション研究・実用化推進事業について 公募説明資料 2026年2月 PDF ↩

  4. 別紙3 審査基準 令和8年度版 2026年2月 PDF ↩

  5. イノベーション創出強化研究推進事業 実施要領 2025年7月1日版 PDF ↩

  6. 令和8年度 委託費の使用等に関する留意点 2026年2月 PDF ↩

  7. 別紙4 契約等の手続きについて 令和8年度版 2026年2月 PDF ↩

  8. 令和8年度オープンイノベーション研究・実用化推進事業 公募に関するQ&A 2026年2月16日更新 PDF ↩

  9. 試験研究委託契約書および試験研究委託約款 令和8年度版 PDF ↩

  10. 別紙2 e-Radによる応募手続きについて 令和8年度版 2026年2月 PDF ↩

  11. 令和8年度 研究活動における不正行為の防止について 2026年2月 PDF ↩

  12. e-Rad ポータルサイト お問い合わせ ↩

執筆者:補助金フラッシュ 士業編集部

補助金・助成金の活用法からAI導入、業務の生産性向上まで、中小企業の経営に役立つ情報を士業の専門家チームがわかりやすく解説します。

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執筆者
補助金フラッシュ 士業編集部
公開日: 2026年3月4日

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