人手不足や生産性向上の課題に対して、設備導入やシステム構築で省力化を進めたい中小企業は少なくありません。中小企業省力化投資補助事業一般型は、現場の実態に合わせた省力化投資を支援する制度です。第5回公募では従業員数に応じた補助上限額が定められ、賃上げや最低賃金に関する要件を含む事業計画が必要になります。
この記事では、公募要領と公式手引きを根拠に、要件の読み方と準備の順番、申請後の流れをまとめます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 制度名 | 中小企業省力化投資補助事業一般型 |
| 対象年度/公募回 | 第5回公募 |
| 所管/実施機関/事務局 | 経済産業省 中小企業庁 / 独立行政法人中小企業基盤整備機構 / 中小企業省力化投資補助金事務局 |
| 補助上限額/補助率 | 従業員数により750万円〜8,000万円(特例適用で上限1億円) / 中小企業は1/2(最低賃金引き上げに係る事業者は2/3) 小規模企業者等と再生事業者は2/3 |
| 申請期間 | 2026年2月2日10時〜2026年2月27日17時 |
| 公式一次資料(PDF/Word)のリンク集 | 公募要領 第5回公募 2025年12月 PDF / 応募申請の手引き 第5回公募 2026年1月30日 PDF / 電子申請マニュアル 応募申請 第5回公募 2026年1月30日 PDF / FAQ 第5回公募 PDF / 指定様式一式 第5回公募 ZIP / 公募スケジュール |
| 免責 | 申請可否や経費判断は、当該年度の募集要領・交付要綱等と事務局の案内で最終確認してください。 |

制度の全体像
制度の狙いと支援対象
中小企業省力化投資補助事業一般型は、生産や業務のプロセス、サービス提供方法の省力化に取り組む事業者を支援する制度です。補助対象経費として、機械装置やシステム構築費を中心に、運搬費や外注費、専門家経費、クラウドサービス利用費などが示されています。1
制度の入り口は「設備投資の補助」ですが、申請時点で重要なのは、導入する設備やシステムが省力化にどう結びつくかを、事業計画の数値と整合させて説明できるかどうかです。公募要領では、労働生産性や賃金に関する要件を満たす3〜5年の事業計画を求めています。1
カタログ注文型との使い分け
本事業は、類型として「カタログ注文型」と「一般型」があります。一般型で検討する前に、カタログ注文型の製品カタログに該当する製品があるか確認する流れが公募要領に記載されています。1
使い分けの目安を、制度上の用語に寄せて整理すると次のイメージです。
| 観点 | 一般型 | カタログ注文型 |
|---|---|---|
| 導入対象 | 現場に合わせた機械装置やシステム構築を幅広く検討 | 製品カタログに登録されたカテゴリ・製品が中心 |
| 説明の中心 | 省力化の効果、投資回収、労働生産性と賃金の計画の整合 | カタログの範囲内で省力化投資を実行 |
| 向きやすいケース | オーダーメイド要素が強い、複数工程をまたぐ、システム構築を含む | カタログ内の製品で要件を満たせる |
カタログに該当する製品を一般型で導入する場合、審査で考慮する旨が示されています。1
どちらを選ぶかは、導入対象の性質と、計画・見積・証憑の準備にかけられる工数を踏まえて判断してください。
第5回公募の位置づけとスケジュール
第5回公募の申請受付期間は、2026年2月2日10時から2026年2月27日17時までです。2
公募開始日は2025年12月19日と案内されています。23
公募回ごとに手引きや様式が差し替わることがあるため、申請準備の着手時点で「資料ダウンロード」ページに並ぶ更新日を確認し、同じ公募回の資料で揃えるのが安全です。4
支援内容
補助上限額
補助上限額は従業員数で区分され、括弧内は特例適用時の上限です。1
| 従業員数 | 補助上限額 | 特例適用時の上限 |
|---|---|---|
| 5人以下 | 750万円 | 1,000万円 |
| 6〜20人 | 1,500万円 | 2,000万円 |
| 21〜50人 | 3,000万円 | 4,000万円 |
| 51〜100人 | 5,000万円 | 6,500万円 |
| 101人以上 | 8,000万円 | 1億円 |
補助上限額引き上げの特例は「大幅な賃上げ」に取り組む事業者を対象にしており、最低賃金引き上げに係る事業者、補助金額が上限額に達しない場合、再生事業者、常勤従業員がいない場合は引き上げ不可と記載されています。1
引き上げ額(申請枠の上限からの加算額)は、従業員数により250万円〜2,000万円の範囲です。1
補助率
補助率は、補助対象者区分によって異なります。1
| 補助対象者 | 補助率 |
|---|---|
| 中小企業 | 1/2(特例適用で2/3) |
| 小規模企業者・小規模事業者 | 2/3 |
| 再生事業者 | 2/3 |
中小企業については「最低賃金引き上げに係る補助率引き上げの特例」により、補助率を2/3へ引き上げる枠組みが示されています。1
ただし、小規模企業者・小規模事業者、再生事業者、常勤従業員がいない場合は引き上げ不可です。1
ここでいう「最低賃金引き上げに係る事業者」に該当するかどうかの判断は、指定様式や要件確認書を含む公式資料に従って確認してください。資料は公募回ごとに更新されるため、第5回公募の資料を前提に確認するのが確実です。45
事業実施期間と事業計画期間
事業実施期間は、交付決定日から18か月以内で、採択発表日から20か月以内という枠が示されています。1
また、事業計画期間は、補助事業を完了した事業年度の翌年度を1年目として3〜5年です。1
数字だけを見ると「設備を入れれば終わり」に見えますが、制度は効果報告を通じて労働生産性や賃金の目標に向けた取り組みを確認する流れです。申請時点で、導入後の運用まで含めた計画が必要になります。16
補助事業要件
基本要件
基本要件は、次の要件を全て満たす3〜5年の事業計画を策定することです。1
| 番号 | 要件 | 要点 |
|---|---|---|
| ① | 労働生産性の年平均成長率がCAGR4.0%以上 | 毎年、申請時と比較して労働生産性を向上させる計画が必要 |
| ② | 1人当たり給与支給総額の年平均成長率を3.5%以上増加 | 事業者が要件以上の目標値を設定し、交付申請時までに従業員等へ表明し、最終年度に達成する必要がある。未達の場合は達成率に応じて返還を求める |
| ③ | 事業場内最低賃金を地域別最低賃金より30円以上高い水準 | 計画期間中、毎年達成する必要がある。未達の場合は返還を求める |
| ④ | 一般事業主行動計画の公表 | 従業員数21名以上の場合に必要。交付申請までに両立支援のひろばで公表する必要があり、登録に2週間程度かかるため注意 |
賃金要件に関して、公募要領は「給与所得として課税対象となる給与等」を対象にし、福利厚生費、法定福利費、退職金は除くと説明しています。加えて、全月分の給与支給を受けていない従業員は、その事業年度に限り算定対象から除く必要があります。1
応募申請時に従業員数が0名の場合は、対象となる給与が存在しないため応募できません。1
最低賃金引上げ特例適用事業者の場合、基本要件は①②④のみです。1
この扱いは公募回や要件確認書とセットで判断する必要があるため、該当性は公式資料で確認してください。15
労働生産性と賃金の計算式
公募要領は、付加価値額と労働生産性の定義、年平均成長率の計算式を示しています。1
労働生産性は付加価値額を労働者数で割った値で、労働生産性の年平均成長率は、応募申請時と効果報告時の値を用いた式で計算します。1
同様に、1人当たり給与支給総額の年平均成長率も、応募申請時と効果報告時の値を用いた式が示され、応募申請時の算出には指定様式「1人当たり給与支給総額の確認書」を使用します。14
計算は様式に入力することで算出できる場合がありますが、前提となる「従業員の範囲」や「給与等の範囲」がずれると計画値そのものが崩れます。ここは最初に資料の定義を読み、社内データの取り方を決めてから入力するほうが安全です。1
その他の要件
公募要領には、基本要件に加えて「その他の要件」が列挙されています。第5回公募の公募要領に沿って、項目をそのまま整理します。1
| 番号 | 要件 | 補足 |
|---|---|---|
| ① | 単価50万円以上の機械装置等の設備投資が必須 | 機械装置・システム構築費の中に、単価50万円(税抜)以上の機械装置等を少なくとも1つ含める必要がある。借用に係る費用は対象外 |
| ② | 補助事業で導入する機械装置・システムは目的に必要で、事業専用であること | 導入設備・システムは目的に必要で、専ら補助事業のために使用する必要がある。目的外使用や販売目的は対象外 |
| ③ | 常勤従業員が必要 | 常勤従業員がいない場合、応募できない。加えて、特例の適用にも制約がある |
| ④ | 最低賃金引上げ特例適用の場合の扱い | 最低賃金引上げ特例適用事業者の場合、基本要件の一部が対象外になる |
| ⑤ | システム構築費の価格妥当性の検証 | 交付申請時や実績報告時に、見積書に加えて仕様書等の提出を求める場合がある。受注者選定で一般的な調達基準や業者選定理由書が必要になる場合がある |
とくに⑤は、システム構築が絡む場合に準備物が増える典型ポイントです。申請前に「何を作るか」「どこまで作るか」「既存システムとどう連携するか」を仕様書レベルで整理し、見積と整合させることが重要になります。17
補助対象者と対象外の考え方
補助対象者の基本区分
公募要領は、補助対象者を「中小企業者(組合関連以外)」「中小企業者(組合関連)」「小規模企業者・小規模事業者」等に区分して定義しています。まず、一般的に参照されやすい「中小企業者(組合関連以外)」の基準は次の通りです。1
| 業種 | 資本金または出資金 | 常時使用する従業員数 |
|---|---|---|
| 製造業その他 | 3億円以下 | 300人以下 |
| 卸売業 | 1億円以下 | 100人以下 |
| サービス業 | 5,000万円以下 | 100人以下 |
| 小売業 | 5,000万円以下 | 50人以下 |
次に「中小企業者(組合関連)」として、一定の組合等が列挙されています。1
| 区分 | 対象となる組織の例 |
|---|---|
| 組合関連 | 企業組合、協業組合、事業協同組合、事業協同小組合、商工組合、商工組合連合会、商店街振興組合、商店街振興組合連合会、生活衛生同業組合、生活衛生同業小組合、生活衛生同業組合連合会、酒造組合、酒造連合会、酒造組合中央会、酒販組合、酒販連合会、酒販組合中央会、内航海運組合、内航海運組合連合会、技術研究組合 |
小規模企業者・小規模事業者の定義は次の通りです。1
| 区分 | 常時使用する従業員数 |
|---|---|
| 製造業その他 | 20人以下 |
| 商業またはサービス業 | 5人以下 |
補助対象者の定義は、業種や法人形態で判断が分かれます。自社がどこに該当するかは、まず公募要領の定義表に合わせて、資本金と従業員数を並べるところから始めてください。1
みなし大企業の定義
「中小企業」かどうかの判定では、資本金や従業員数だけでなく、出資関係や役員構成などにより「みなし大企業」として補助対象外になる場合があります。公募要領で列挙されている条件は次の通りです。1
| 番号 | みなし大企業となる条件 |
|---|---|
| ① | 発行済株式の総数または出資金額の2分の1以上が同一の大企業の所有に属している法人 |
| ② | 発行済株式の総数または出資金額の3分の2以上が複数の大企業の所有に属している法人 |
| ③ | 大企業の役員または職員を兼ねている者が役員総数の2分の1以上を占めている法人 |
| ④ | 発行済株式の総数または出資金額の総額が①〜③に該当する法人の所有に属している法人 |
| ⑤ | ①〜③に該当する法人の役員または職員を兼ねている者が役員総数の全てを占めている法人 |
| ⑥ | 確定した直近過去3年分の各年または各事業年度の課税所得の年平均額が15億円を超える法人 |
この判定は、株主構成や役員の兼任状況を確認しないと誤りやすい領域です。申請前に、株主・出資者名簿や役員名簿の提出が必要な様式として提示されていますので、判定の材料として早めに整えてください。45
補助対象外になりやすい場面の整理
公募要領には、補助対象外となる事業者や事業の扱いが複数の観点で記載されています。全てを本文で再掲すると長くなるため、ここでは制度理解に直結する論点を「代表的な注意点」として整理します。詳細は公募要領の該当箇所で確認してください。1
| 代表的な注意点 | なぜ重要か | 確認の当たり所 |
|---|---|---|
| 実施場所が特定できない、建設中、土地のみ確保 | 交付申請で場所の証明が必要で、対象外になる | 公募要領の実施場所要件 |
| 常勤従業員がいない | 応募自体ができず、特例も適用不可 | 公募要領の要件・注意書き |
| みなし大企業に該当 | 補助対象外になる | 公募要領の定義と自社の株主・役員状況 |
| 事業計画の重複 | 重複と判断されると応募できない期間が生じる場合がある | 公募要領の計画重複の扱い |
| 交付決定前に発注・支出 | 補助対象外経費になる | 公募要領の補助対象外経費 |
「対象外」の多くは、事前に確認できる論点です。ここを先に潰すだけでも、申請後の差戻しや、そもそも申請できない事態を減らせます。
補助対象経費
対象経費の全体像
公募要領は対象経費として、機械装置・システム構築費(必須)に加え、運搬費、技術導入費、知的財産権等関連経費、外注費、専門家経費、クラウドサービス利用費を示しています。1
機械装置・システム構築費以外の経費は、補助対象経費総額(税抜)に対する上限が設定されている費目があります。表では、上限が「2分の1」または「3分の1」として示されています。1
対象経費の区分とポイント
公募要領の説明に基づき、費目ごとの要点を整理します。1
| 費目 | 必須 | 内容の要点 | 補助対象経費総額に対する上限 |
|---|---|---|---|
| 機械装置・システム構築費 | 必須 | ①機械装置等の購入・製作・借用に要する経費(借用は対象外) ②専用ソフトウェア・情報システム等の購入・構築に要する経費 ③改良・据付・運搬に要する経費。単価50万円(税抜)以上の機械装置等を少なくとも1つ含める必要がある | 上限の個別表示なし |
| 運搬費 | 任意 | 運搬料、宅配・郵送料など。機械装置・システム構築費に含まれる運搬費は対象外 | 上限の個別表示なし |
| 技術導入費 | 任意 | 知的財産権等の導入に要する経費。技術導入費と専門家経費・外注費を重複して計上できない | 3分の1 |
| 知的財産権等関連経費 | 任意 | 本事業の成果に係る特許権等の取得に要する弁理士手続代行費用等。日本国特許庁への納付手数料や拒絶査定審判請求は対象外 | 3分の1 |
| 外注費 | 任意 | 補助事業の一部を外注する費用。外注先が購入する機械装置等の購入費用は対象外。成果物の確認が必要 | 2分の1 |
| 専門家経費 | 任意 | 専門家への謝金・旅費。謝金は1日5万円上限など区分あり。旅費は国内旅費が対象 | 2分の1 |
| クラウドサービス利用費 | 任意 | クラウドサービス等の利用に関する経費。サーバー購入等は対象外。補助事業実施期間分が対象 | 上限の個別表示なし |
経費区分は一見すると一般的な補助金の枠に見えますが、実務では「どの費目に入るか」よりも「証憑で対象性を説明できるか」が重要です。見積書、仕様書、契約書、納品・検収記録、支払い記録が一貫している形に整える必要があります。176
補助対象外となる主な経費
公募要領には補助対象外経費が列挙されています。制度上の誤解を減らすため、記載に沿って主な項目をそのまま整理します。1
| 補助対象外となる主な経費 | 補足 |
|---|---|
| 交付決定前に発生した経費 | 交付決定前の発注・契約・支出は対象外 |
| 補助対象設備の発注に係る申請代行費 | 申請代行等の費用は対象外 |
| 実績報告に係る手続代行費 | 報告の代行費は対象外 |
| 補助事業と無関係な設置作業・運搬費 | 目的外は対象外 |
| 据付・運搬に付随しない撤去・処分費 | 撤去・処分だけは対象外 |
| 試運転に係る原材料費・光熱水費 | 運用費用は対象外 |
| 設備のメンテナンス費用 | 保守は対象外(契約形態の確認が必要) |
| 清掃・片付け・運搬の代行作業 | 一般的役務は対象外 |
| 自社製品の生産に要する原材料費・補助材費 | 原材料は対象外 |
| 自社の人件費 | 社内人件費は対象外 |
| 自社負担の交通費・宿泊費 | 原則として対象外(専門家経費の旅費と区別) |
| 交際費 | 対象外 |
| 汎用ソフトウェアの購入費 | パッケージ購入のみ等は対象外になり得る |
| 既存システムの更新費用 | 補助事業の新規構築と整合しない更新は対象外 |
| 土地・建物 | 建物費や構築物は対象外 |
| 太陽光発電設備等 | 省力化投資と無関係な設備は対象外 |
| 構内舗装や外構工事 | 設備導入の周辺工事は対象外になりやすい |
| 事務所賃料・敷金礼金・仲介料 | 賃料等は対象外 |
| 電話代・インターネット利用料金 | クラウドサービスの利用費と混同しない |
| 商品券等 | 換金性が高いものは対象外 |
| 消耗品費 | 文房具等は対象外 |
| 雑誌購読料や会費 | 対象外 |
| 飲食費・贈答品等 | 対象外 |
| 車両関連費用 | 車両購入や修理等は対象外 |
| 税務申告や訴訟等の費用 | 補助事業と直接関係しない専門家費用は対象外 |
| 収入印紙 | 対象外 |
| 振込手数料 | 対象外 |
| 公租公課や消費税等 | 消費税等は対象外 |
| 保険料 | 対象外 |
| 借入金利息・遅延損害金 | 対象外 |
| 提出書類作成の委託費 | 申請書類作成の費用は対象外 |
| 汎用性が高く目的外にも使えるもの | 例としてPC、プリンタ、書類ソフト、スマホ、タブレット、カメラ、家具などが挙げられている |
| 中古品購入費 | 対象外 |
| 関係者への支払い | 代表者・役員等が同一の事業者等への支払いは対象外となる場合がある |
| 補助事業に適切でないと判断される経費 | 公的資金の趣旨に照らして対象外になる |
対象外経費は「知らないまま発注してしまう」ことで事故になりやすい項目です。見積依頼の段階で、発注範囲と対象費目を突合し、対象外が混ざらないように整理してください。17
リース取引を使う場合の注意
公募要領は「対象リース会社」との共同申請や、リースに係る取扱いを示しています。対象リース会社は(公社)リース事業協会の確認を受けて共同で交付申請を行うリース会社で、要件や遵守事項は交付規程を参照するよう記載されています。18
リースを使う場合は、交付申請段階で提出物や計算根拠が必要になるため、早い段階でスキームを固めてください。資料ダウンロードページにも、リース取引に係る宣誓書等が掲載されています。4
申請の流れ
全体フローの見取り図
公募要領が示す「事業実施期間」と、申請・交付・報告の区分を前提に、実務上の流れを整理します。細部は公募回の手引きに従ってください。1976
| フェーズ | 主な手続 | 確認資料 |
|---|---|---|
| 準備 | 投資内容の確定、見積依頼、実施場所の確認、労働生産性と賃金の基準値の整理 | 公募要領、参考ガイド、指定様式 |
| 応募申請 | 電子申請で応募申請を提出 | 応募申請の手引き、電子申請マニュアル |
| 審査 | 外部有識者を含む審査。結果は公表され、理由開示・異議申立ては受け付けない | 公募要領 |
| 交付申請 | 採択後に交付申請。必要に応じて仕様書等で価格妥当性の確認 | 交付申請の手引き、交付規程 |
| 交付決定後の実施 | 契約・発注・納品・検収・支払いを整えて事業を実施 | 交付規程、交付決定後の留意事項 |
| 実績報告 | 実績報告を提出し、経費の妥当性等を確認 | 実績報告の手引き |
| 効果報告 | 労働生産性・賃金等の達成状況を報告。未達の場合は返還を求める場合がある | 公募要領、実績報告の手引き |
申請の手続は段階ごとに資料が分かれています。第5回公募の応募申請は「応募申請の手引き」「電子申請マニュアル(応募申請)」を軸に進め、採択後は「交付申請の手引き」「交付規程」を軸に切り替える形になります。491087
実施場所の確認は早めに行う
公募要領は、補助事業の実施場所を特定していることを必須とし、交付申請時点で建設中や土地のみ確保して建設予定の場合は対象外としています。1
交付申請では、不動産登記事項証明書や賃貸借契約書などの提出を求めることがあり、所有権・使用権が申請者に移転している必要があります。1
設備が決まっても、置く場所の権限関係が曖昧だと交付申請で止まります。実施場所が賃貸物件の場合は、賃貸借契約書の内容と、設備設置の可否を早めに確認してください。
審査結果の公表と不服申立ての扱い
公募要領は、採択者の事業者名・法人番号・所在地(市区町村まで)・事業計画名・支援機関名などを公表すると記載しています。1
また、審査結果に関する理由開示や異議申立ては受け付けないと記載されています。1
公開される情報の範囲を踏まえ、社外秘情報の扱いと、支援機関名の掲載をどうするかも含めて申請書の体裁を整える必要があります。
提出様式と公式資料のそろえ方
第5回公募で参照する一次資料
第5回公募でまず確認したい一次資料は、公募要領に加えて、応募申請の手引き・電子申請マニュアル・FAQ・指定様式一式です。1910115
同一ページで更新日が示されているため、資料の版違いを避けやすい構成になっています。4
応募申請時に提出が必要な指定様式
資料ダウンロードページの「応募申請時に提出が必要な様式」として、次の指定様式が案内されています。4
| 区分 | 様式名 | 備考 |
|---|---|---|
| 指定様式 | 1人当たり給与支給総額の確認書 | 更新日が2026年1月29日として案内されている |
| 指定様式 | 役員名簿 | 法人の基礎情報として確認に使う |
| 指定様式 | 株主・出資者名簿 | みなし大企業判定にも関わるため早めに整える |
| 指定様式 | 事業実施場所リスト | 実施場所の整理に使う |
| 指定様式 | 他の助成制度の利用実績確認書 | 他制度の利用状況の確認に使う |
| 指定様式 | 金融機関確認書 | 資金調達の確認に使う場合がある |
| 指定様式 | 労働者名簿 | 従業員数の確認に使う |
| 指定様式 | 事業場内最低賃金引き上げに係る要件確認書 | 最低賃金に関する要件確認に使う |
| 指定様式 | 地域別最低賃金引上げに係る要件確認書 | 最低賃金引き上げ特例の確認に関わる場合がある |
実際に提出する様式は、申請者区分や選択する特例等によって変わります。提出対象は、応募申請の手引きと公募要領の指示に従って確定してください。19
交付申請以降に参照する資料
採択後の交付申請や実績報告では、別の手引きと規程が主資料になります。4
制度のルールは交付規程で固まり、手続の実務は手引きで具体化されます。公募要領だけで判断せず、段階に応じて参照資料を切り替えてください。187
実務上の注意点
これは制度要件ではありませんが準備の順番で差が出やすい点
ここで挙げる内容は、制度要件そのものではありません。申請の手戻りを減らす目的で、資料の構造に沿った準備の順番を提案します。
| 順番 | 先に固めること | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | 実施場所の確定と権限関係の整理 | 交付申請で証明資料が必要になりやすい |
| 2 | 設備とシステムの範囲の確定 | 見積・仕様書・経費区分が決まる |
| 3 | 基準年度の数値の確定 | 労働生産性と賃金の計算の前提になる |
| 4 | 事業計画期間の選択 | 3〜5年で目標値の置き方が変わる |
| 5 | 対象外経費の排除 | 見積依頼段階で混ざると後で除外できない場合がある |
| 6 | 電子申請入力の下書き | 入力項目の不足が見つかりやすい |
申請作業を「書類作成」から始めると、後から実施場所や設備範囲が変わり、数字を全部作り直すことになりがちです。制度は数値目標の整合が重要なので、前提条件を先に固めるほうが結果的に早くなります。19
事業計画書の作り込みに役立つ公式資料
事業計画書作成の参考ガイドが公開されています。計画の作成前に読み、どの情報をどの粒度で整理するかの当たりを付けてから書き始めると、後戻りを減らせます。12
また、指定様式や参考様式は資料ダウンロードページから取得できます。公募回ごとに更新されるため、作成開始時点で第5回公募の版に揃えてください。4
よくある質問
Q1. 第5回公募の申請期間はいつですか
A. 第5回公募の申請受付期間は、2026年2月2日10時から2026年2月27日17時までです。2
Q2. 補助上限額と補助率はどこで確認できますか
A. 公募要領に、従業員数区分ごとの補助上限額と、補助対象者区分ごとの補助率が掲載されています。1
Q3. 事業計画期間は何年ですか
A. 事業計画期間は、補助事業を完了した事業年度の翌年度を1年目として3〜5年です。1
Q4. 労働生産性の要件は何ですか
A. 事業計画期間において、労働生産性の年平均成長率をCAGR4.0%以上向上させる事業計画を策定する必要があります。1
Q5. 賃金の要件は何ですか
A. 事業計画期間終了時点で、1人当たり給与支給総額の年平均成長率を3.5%以上増加させる目標値を設定し、最終年度に達成する必要があります。1
Q6. 賃金の目標は社内に周知が必要ですか
A. 事業者が設定した賃金の目標値は、交付申請時までに従業員または従業員代表者、役員に対して表明する必要があります。交付申請時に指定様式「賃金引き上げ計画の表明書」を提出します。14
Q7. 目標未達の場合はどうなりますか
A. 賃金要件について、公募要領は目標値を達成できなかった場合に達成率に応じて返還を求めると記載しています。最低賃金要件でも、未達の場合は返還を求める旨の記載があります。1
Q8. 事業場内最低賃金の要件は何ですか
A. 事業場内最低賃金を、事業実施都道府県の地域別最低賃金より30円以上高い水準にする必要があります。計画期間中、毎年達成する必要があります。1
Q9. 従業員21名以上の場合の追加要件はありますか
A. 従業員数21名以上の場合、次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画の公表が必要です。公募要領は、交付申請までに両立支援のひろばで公表する必要があり、登録に2週間程度かかる点を挙げています。1
Q10. 従業員数が0名でも応募できますか
A. 応募申請時に従業員数が0名の場合は、対象となる給与が存在しないため応募できません。1
Q11. 設備投資の最低金額はありますか
A. 機械装置・システム構築費の中に、単価50万円(税抜)以上の機械装置等を少なくとも1つ含める必要があります。1
Q12. 交付決定前に発注しても補助対象になりますか
A. 公募要領は、交付決定前に発生した経費を補助対象外としています。発注・契約・支出のタイミングは交付申請・交付決定の手続と整合させてください。1
Q13. 中古品や汎用機器は対象になりますか
A. 公募要領は中古品購入費を補助対象外とし、汎用性が高く目的外にも使えるもの(PC等)の例を挙げています。対象性は経費区分と用途、証憑で判断されます。1
Q14. 最低賃金引き上げの特例で補助率はどう変わりますか
A. 最低賃金引き上げに係る事業者は、補助率を2/3へ引き上げる枠組みが示されています。ただし、小規模企業者・小規模事業者、再生事業者、常勤従業員がいない場合は引き上げ不可です。1
Q15. 申請に必要な様式はどこで入手できますか
A. 一般型の資料ダウンロードページに、公募回ごとの手引き・マニュアル・指定様式が掲載されています。第5回公募の資料に揃えて取得してください。4
出典・参考資料
執筆者:補助金フラッシュ 士業編集部
補助金・助成金の活用法からAI導入、業務の生産性向上まで、中小企業の経営に役立つ情報を士業の専門家チームがわかりやすく解説します。
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会社を作り、店舗や仕入れの準備が進むと、次に気になるのが法人口座と融資です。ここで大切なのは、口座開設を単なる手続きとして見るのではなく、事業のお金の流れを説明できる状態にすることです。 法人口座はゴールではなく、会計管理と融資準備を同じ数字で扱う入口です。売上、仕入れ、家賃、立替金、借入返済の流れを早い段階で分けておくと、融資相談で聞かれる数字にも落ち着いて答えやすくなります。

税金滞納があると融資審査はどうなる? 納税証明書で見られる確認ポイント
融資を申し込むとき、決算書や事業計画書に目が行きがちですが、納税証明書も早い段階で確認されることがあります。税金滞納があると、金融機関は単なる税金の未払いではなく、資金管理と返済能力の問題として受け止めます。つまり、滞納を隠すのではなく、完納できるか、いつまでに解消するかを説明できる状態にすることが大切です。 この記事では、納税証明書で何を見られるのか、税金滞納が融資審査にどう影響するのか、申込前に何を確認すべきかを中小企業向けに整理します。

中小企業融資の相談先はどこがいい? 日本政策金融公庫・金融機関・商工会議所・認定支援機関の使い分け
中小企業が融資を考え始めたとき、最初に迷いやすいのが相談先です。銀行に行くべきか、日本政策金融公庫に聞くべきか、商工会議所や認定支援機関に先に相談すべきかで、準備する資料も変わります。 大事なのは、相談先を一つに決めることではなく、お金を借りる相手と計画を整える相手を分けて考えることです。この記事では、創業、運転資金、制度融資、事業計画の場面ごとに、最初に相談しやすい窓口を整理します。

融資は困ってからでよいのか? 借入額・返済期間・資金使途の判断ポイント
融資を受けるか迷う場面で、最初に見たくなるのは金利や限度額です。ただ、実際に大きな差が出るのは、借りるタイミング、何に使うお金か、返済できる月額かという順番です。 融資は資金が足りなくなってから慌てて申し込むものではなく、事業を続けられる前提を数字で整えて選ぶものです。本記事では、創業前後のタイミング、借入額、返済期間、資金使途を、初めて融資を考える人にも分かるように整理します。

融資申込前の資金繰り表はどう作る? 月次資金計画で銀行に伝える基本
融資を相談するとき、決算書や試算表は用意していても、資金繰り表までは作っていない会社があります。ところが銀行が知りたいのは、過去に利益が出たかだけではありません。 大切なのは、借りた後に支払いが続き、返済も続けられるかを月ごとの現金の動きで説明できることです。資金繰り表は、融資を通すための特別な資料ではなく、経営者が自社のお金の流れを説明するための地図になります。 融資申込前に作っておきたい資金繰り表と、6カ月先を見た月次資金計画の基本を、まず一枚作るつもりで読み進めてください。

融資の返済シミュレーションは毎月の返済額だけで足りるのか?
融資を受けるとき、多くの人が最初に気にするのは毎月の返済額です。月にいくら返すのかが分からなければ、借入の判断ができないからです。 ただ、融資の返済シミュレーションで本当に見るべきなのは、返済額そのものだけではありません。返済後にも事業を続けられるだけの現金が残るかまで確認して、初めて資金繰りの判断材料になります。この記事では、毎月の返済額を試算し、その数字を資金繰りに落とし込む考え方を整理します。融資前の確認に使ってください。