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人生100年時代を支える住まい環境整備モデル事業の申請ガイド

令和7年度の住まい環境整備モデル事業を公式一次資料で解説。類型の選び方、補助率上限、対象経費、申請から交付までの流れ、不備を減らすセルフチェックと資料テンプレをまとめます。

補助金フラッシュ 士業編集部公開日: 2026年3月4日
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目次

  • 制度の全体像
  • 申請タイプの選び方
  • 支援内容と補助額
  • 申請できる事業者と主な要件
  • 申請の流れ
  • 公募情報と提出先
  • 失敗しやすいポイント
  • 申請前にそろえる資料
  • タイムラインの組み立て方
  • よくある質問
補助金フラッシュ 事業計画

人生100年時代を支える住まい環境整備モデル事業は、高齢者、障害者、子育て世帯などが安心して健康に暮らせる住環境づくりを後押しする制度です。住まいの整備だけでなく、技術や仕組みの検証、情報発信までを一体で評価する点が特徴です。申請では、提案の評価と補助金の交付手続きが別窓口で進むため、工程と証憑の準備を早めに固めることが重要です。
この記事では、令和7年度(2025年度)の公式一次資料を根拠に、事業類型ごとの要件、補助率と上限、対象経費、手続きの流れ、つまずきやすい不備をまとめます。次年度以降は要件や様式が変わることがあるため、申請前に必ず当該年度の公募ページと要領を確認してください。1

項目内容
制度名(正式名称)人生100年時代を支える住まい環境整備モデル事業(住まい環境整備モデル事業)
対象年度/公募回令和7年度(2025年度)公募。課題設定型・事業者提案型・事業育成型は第1回締切と第2回締切で評価。子育て住宅型・子育て公営住宅型は期間内に随時評価。12
所管/実施機関/事務局所管:国土交通省。提案受付と要件適合確認:住まい環境整備モデル事業評価事務局。選定後の交付手続き:住まい環境整備モデル事業交付事務局(住宅保証支援機構等)。134
補助上限額/補助率(類型差)課題設定型・事業者提案型:1案件あたり上限3億円。事業育成型:1案件あたり上限500万円。子育て住宅型・子育て公営住宅型:1案件あたり上限3億円。補助率は経費区分により1/10、2/3など。356
申請期間(開始/締切)令和7年度は公募終了。応募受付は2025年4月2日から2025年8月18日まで(課題設定型等の締切は6月30日と8月18日)。子育て公営住宅型は9月10日まで。12
公式一次資料(PDF/Word)のリンク集公募ページ 令和7年度 / 募集要領 2025年5月8日更新 PDF / 記入要領 課題設定型等 2025年5月15日公開 PDF / 記入要領 事業育成型 2025年5月15日公開 PDF / 子育て系公募ページ 令和7年度 / 応募要領 子育て住宅型 2025年4月2日公開 PDF / 応募要領 子育て公営住宅型 2025年4月2日公開 PDF / Q&A 子育て住宅型 2025年6月9日公開 PDF
免責申請可否や経費判断は、当該年度の募集要領・交付要綱等と事務局の案内で最終確認してください。

目次

  • ●制度の全体像
  • どんな課題を支援する制度か
  • 取り違えやすい制度との切り分け
  • ●申請タイプの選び方
  • 五つの事業類型の違いを先に押さえる
  • 課題設定型と事業者提案型の使い分け
  • 事業育成型が向くケース
  • 子育て住宅型と子育て公営住宅型のポイント
  • ●支援内容と補助額
  • 補助上限額は案件上限と項目上限の二段構え
  • 補助額の考え方を誤解しやすいポイント
  • 補助対象経費の全体像
  • 補助対象外になりやすい支出の例
  • ●申請できる事業者と主な要件
  • 代表提案者と共同提案者
  • 提案者として想定される主体
  • 課題設定型等に共通する要件
  • 木造の小規模建築物と耐震の扱い
  • 類型ごとの追加要件
  • ●申請の流れ
  • 提案申請から選定まで
  • 評価の視点を提案書に落とし込む
  • 選定後の交付申請と着手時期
  • 補助の期間と複数年度事業
  • 完了実績報告と証憑
  • ●公募情報と提出先
  • 令和7年度の公募期間と締切
  • 提出先と問い合わせ
  • ●失敗しやすいポイント
  • 入口不適合になりやすい論点
  • 交付決定前に契約してしまう
  • 見積と補助区分が一致しない
  • 情報公開とフォローアップが弱い
  • ●申請前にそろえる資料
  • 提案申請で求められる書類の考え方
  • 提出データの整え方
  • 提案書の骨子テンプレ
  • セルフチェック表
  • ●タイムラインの組み立て方
  • ●よくある質問
人生100年時代を支える住まい環境整備モデル事業の申請ガイド

制度の全体像

どんな課題を支援する制度か

本事業は、ライフステージに応じて変化する居住ニーズに対応し、高齢者、障害者、子育て世帯などが安心して健康に暮らせる住環境の整備を進めるため、先導的で創意工夫のある取組を公募し、費用の一部を補助する制度です。1

「住まいの整備」だけの補助ではなく、検証や情報公開まで含めて評価する点が特徴です。たとえば、入居者の見守りや自立支援の仕組み、地域交流を生む共同空間、既存ストックの活用など、住まいと暮らし方をセットで改善する提案が想定されています。12

取り違えやすい制度との切り分け

制度名が似ている文書が同じサイトに掲載されているため、入口での取り違えが起きやすい制度です。課題設定型・事業者提案型・事業育成型は「募集要領」とその様式一式で申請します。子育て住宅型・子育て公営住宅型は、提出方法や様式が異なるため、それぞれの「応募要領」とその様式一式で申請します。13

要領を取り違えると、提出先メールアドレスや提出ファイル構成まで変わります。提出の直前に差し替えるのは難しいため、最初に「応募する類型の公募ページ」から資料を一括で保存しておくことをおすすめします。これは制度要件ではありませんが、実務上のミスを減らすのに有効です。43

申請タイプの選び方

五つの事業類型の違いを先に押さえる

住まい環境整備モデル事業には、大きく次の五つの事業類型があります。まずは「どの段階の取組か」と「整備を伴うか」で候補を絞ると迷いにくくなります。125

事業類型想定される取組の段階整備の位置付け補助上限の考え方要領の位置付け
課題設定型実装段階のモデル事業原則として住宅等の整備を実施選定1案件あたり上限3億円募集要領で公募テーマに沿って提案1
事業者提案型実装段階のモデル事業原則として住宅等の整備を実施選定1案件あたり上限3億円募集要領で独自テーマを提案1
事業育成型調査・検討など準備段階整備を伴う提案は原則として他類型へ選定1案件あたり上限500万円募集要領で準備段階の取組を提案1
子育て住宅型実装段階のモデル事業子育て世帯向け住環境と見守り等を組み合わせ選定1案件あたり上限3億円応募要領に従って応募2
子育て公営住宅型公営住宅ストック活用のモデル事業公営住宅等の改修と環境整備選定1案件あたり上限3億円応募要領に従って応募5

表を見たうえで、次の三つの質問に答えると類型が決まります。
1つ目は、国が設定したテーマに沿うか、独自テーマか。2つ目は、実装段階の整備まで進むのか、準備段階なのか。3つ目は、子育て支援や公営住宅ストック活用が中心かどうかです。125

課題設定型と事業者提案型の使い分け

課題設定型は、国土交通省が示す事業テーマに応じた先導的な取組が対象です。テーマは複数設定できますが、最も重視するものを一つ選ぶ必要があります。1

事業者提案型は、国が定めたテーマとは別に、提案者が独自の事業テーマを提案し、先導的な取組を行う事業が対象です。課題設定型と同様に、原則として住宅等の整備を実施する事業が想定されています。1

両者の違いは「テーマの決め方」です。設備仕様や運営方式の工夫といった提案の中身は似ていても、テーマが国の設定枠に収まるなら課題設定型、独自の課題設定で訴求したいなら事業者提案型が候補になります。1

事業育成型が向くケース

事業育成型は、課題設定型または事業者提案型の事業を実現するために必要な調査・検討など、準備段階の取組が対象です。事業完了後は、原則として課題設定型または事業者提案型として提案することが求められます。1

事業育成型の事業実施期間は最大3年間です。1
一方で、住宅等の整備を伴う提案は、原則として課題設定型または事業者提案型で提案する必要があります。準備段階の支援として使う類型であり、整備費まで大きく計上したい場合の入口にはなりません。1

子育て住宅型と子育て公営住宅型のポイント

子育て住宅型と子育て公営住宅型は、令和5年度から新たに設けられた事業類型です。3
子育て住宅型は、子育て世帯への住環境の提供に加え、見守りや自立支援などを併せて実施する取組を支援します。32
子育て公営住宅型は、公営住宅の空き住戸等を活用し、子どもを産み育てやすい環境を整備する取組を支援します。35

子育て系の類型は、応募要領で「事業の流れ」「事務局の役割分担」まで整理されています。評価事務局と交付事務局の役割が段階ごとに分かれる点は、課題設定型等と共通です。2

支援内容と補助額

補助上限額は案件上限と項目上限の二段構え

本事業は「1案件あたりの上限」と「経費区分ごとの補助率と上限」を組み合わせて補助額を算出します。まず、類型別の案件上限を確認します。125

事業類型選定1案件あたりの補助上限
課題設定型3億円1
事業者提案型3億円1
事業育成型500万円1
子育て住宅型3億円2
子育て公営住宅型3億円5

次に、課題設定型・事業者提案型・子育て住宅型で共通する主要な補助率の考え方を整理します(細目は必ず要領と別表で確認してください)。126

経費区分補助率の考え方よく出る上限の例
調査設計計画に要する費用設計・工事監理等の2/3以内住宅等の整備を伴わない設計等は対象外1
建設工事等に要する費用建設・取得は1/10以内、改修は2/3以内建設は200万円/戸、改修は300万円/戸など、項目上限あり16
技術の検証に要する費用2/3以内直接経費中心。ITシステム構築費等は対象外になり得る1
情報提供及び普及に要する費用2/3以内周知・普及の直接経費中心1

子育て公営住宅型は、公営住宅等の改修に要する費用、調査検討、情報提供及び普及といった区分で補助率を適用し、改修に関する補助率は2/3以内が基本です。1戸・1施設あたりの補助上限(例:300万円/戸)も定められています。5

なお、消費税及び地方消費税は補助対象外です。125

補助額の考え方を誤解しやすいポイント

補助額は、各経費区分の対象経費に補助率を掛けて算出し、その合計を案件上限で頭打ちします。さらに、住宅や施設、技術の検証等には「1戸あたり」「1施設あたり」などの項目上限が設定されるため、単純に案件上限まで積み上がるとは限りません。16

また、募集要領では、審査に基づき予算の範囲内で補助額が決定されるため、提案が選定されても補助要望額の全額が補助されるとは限らないと記載されています。資金計画は、補助金が満額出る前提で組まない方が安全です。1

これは制度要件ではありませんが、見積段階で「補助対象経費」「補助対象外経費」「補助対象でも上限により切れる部分」を分けて管理すると、交付申請や実績報告の負担が下がります。16

補助対象経費の全体像

課題設定型・事業者提案型・事業育成型の補助対象事業費は、大きく次の三つです。1

区分内容の例注意点
住宅等の整備に要する費用調査設計計画費、建設・取得費、改修費維持管理・運営費は対象外。土地代や造成費など、区分により対象外がある1
技術の検証に要する費用技術やシステムの検討・検証、調査・検討費、アドバイザー委託等プログラム開発費やシステム開発費、補助事業以前からの経常費は対象外1
情報提供及び普及に要する費用成果の情報公開、普及啓発、講習会等事業目的に必要な情報提供等に限る1

子育て住宅型も、住宅等の整備、技術の検証、情報提供及び普及が基本構成です。2
子育て公営住宅型は、公営住宅等の改修に要する費用に加えて、調査検討、情報提供及び普及が補助対象です。5

経費の線引きは細かく、同じ「工事」でも補助対象になり得るものと対象外のものが混ざります。区分の目安として、評価事務局が整理した「補助対象になり得る工事区分等一覧」も参照してください。6

補助対象外になりやすい支出の例

要領と関連資料から、対象外になりやすい支出を「早い段階で除外する」ことが、見積りと資金繰りの事故を減らします。16

対象外になりやすい支出理由の例一次資料の手掛かり
維持管理・運営費整備の補助であり、日常の運営費は対象外住宅等の維持管理・運営費は対象外1
確認申請料、工事保険料などの一部関連資料で対象外と整理確認申請料・工事保険料等は対象外6
プログラム開発費、システム開発費、ITシステム構築費「技術」として幅広いが、開発費等は対象外開発費等は対象外1
補助事業以前からの経常的な支出追加的な取組に対する補助のため経常費は対象外1
交付決定前の着手分原則として補助対象外交付決定前に着手したものは補助対象外1

このほか、既存建物の耐震性や建築時期の確認、耐震診断費と耐震改修工事費の計上区分などは、後段の交付申請で根拠資料の提出を求められる可能性があります。関連資料のフローチャートも確認してください。7

申請できる事業者と主な要件

代表提案者と共同提案者

複数の者が提案する場合、補助金の適正管理や進捗管理、事業実現に責任を負う主体として「代表提案者」を置きます。選定後の代表提案者の変更は原則認めません。1

代表提案者以外で重要な役割を果たす実施主体は「共同提案者」として体制を整えることができます。共同提案者も、選定された提案事業を代表提案者と共同して実施し、その実現に責任を負います。1

一方で、建築士やコンサルタント等が委託契約により参加する場合、必ずしも共同提案者になる必要はありません。委託内容によっては共同提案者から外す場合もあるため、役割分担を提案段階で整理してください。1

提案者として想定される主体

募集要領では、提案者として次のような主体を想定しています。住宅等の整備だけでなく、サービス提供や技術導入を行う提案の場合は、関係主体との共同提案が求められます。1

想定される提案者の例補足
住宅または施設の建築主、管理者分譲を行う者を含む1
高齢者等向けの生活支援、介護サービス、子育て支援等の提供者住まいとサービスを一体で提案する場合に関係が深い1
先導的な技術を導入する者住まいづくり・まちづくりに資する技術が対象1

宗教法人、暴力団または暴力団員、不適切な関係がある者は、代表提案者・共同提案者になれません。1

課題設定型等に共通する要件

課題設定型・事業者提案型・事業育成型には、共通要件があります。全文は募集要領で確認し、提案書では「どの要件に、どの資料で適合するか」を対応付けて示すと審査側が読みやすくなります。1

共通要件の論点要点提案書で準備したい根拠資料の例
成果の公開とフォローアップ効果の評価・検証を行い、評価委員会へ定期報告し、成果を広く公開する情報公開計画、見学受入れ計画、成果物の公開方法1
新たな技術や仕組み新技術・新システム、多様な世帯の互助や交流の促進、子育て住環境整備などに資する技術の概要、運用フロー、個人情報の扱い方針1
災害リスクと立地新築する住宅やシェアハウスの立地は土砂災害特別警戒区域等に原則該当しないハザードマップと敷地の関係資料、自治体資料1
都市計画とレッドゾーン居住誘導区域外かつ災害レッドゾーン内での建設等に関する条件がある立地適正化計画の区域図、該当性の整理1
市街化調整区域と浸水想定市街化調整区域かつ土砂災害警戒区域や浸水想定区域に原則該当しない都市計画図、浸水想定区域図、該当性の整理1
省エネ基準新築の住宅・建築物は建築物省エネ法の基準に原則適合省エネ適合の説明資料、適用除外の根拠資料1
年度内着手令和7年度中に事業着手するものが対象工程表、契約・着手時期の根拠1

共通要件は「提案の内容が良いかどうか」以前に、入口での不適合につながります。特に立地と災害リスクは後から覆しにくい論点です。これは制度要件です。企画初期に候補地の条件を確認してください。1

木造の小規模建築物と耐震の扱い

課題設定型等では、床面積が300平方メートル以下の木造の住宅等を整備する場合、構造安全性の確認に関する条件があります。改修の場合も、確認申請にあたって壁量計算を実施する場合に限って対象とする取扱いが示されています。1

また、改修を行う住宅等の条件として、竣工後1年以上経過していることや、原則として昭和56年6月1日以降に着工した建築物であることなどが示されています。耐震改修工事を実施する場合等は例外があり得ます。詳細は関連資料も含めて確認し、早い段階で根拠資料の準備方針を決めてください。17

類型ごとの追加要件

類型ごとの代表的な追加要件は次のとおりです。125

類型追加要件の核補足
課題設定型国が設定した事業テーマに沿うテーマは複数設定可能。最も重視するものを一つ選ぶ1
事業者提案型提案者が独自の事業テーマを提案テーマ設定の説明が重要になる1
事業育成型完了後に課題設定型または事業者提案型として提案する事業実施期間は最大3年間1
子育て住宅型子育て世帯向け住環境の提供と見守りや自立支援を併せて実施子育て世帯の考え方などはQ&Aも参照8
子育て公営住宅型公営住宅ストックの改修で子育て環境を整備改修対象や上限の考え方は応募要領で確認5

次の章では、実際の提出から選定、交付手続きまでを時系列で整理します。年度内着手や交付決定前着手の取扱いなど、手続きに直結する条件もここで確認してください。1

申請の流れ

提案申請から選定まで

課題設定型・事業者提案型・事業育成型は、応募提案を評価事務局へ電子メールで提出します。郵送や持参での提出は受け付けていません。4

提出された提案は、評価事務局が要件適合の審査を行い、そのうえで学識経験者からなる評価委員会で提案内容の評価が行われます。評価委員会では、提案者によるプレゼンテーションを求める場合があります。41

評価の視点は募集要領に示されており、公共性、必要性、先導性、実現可能性、波及効果など複数の観点で評価されます。提案書の論理と数字の整合をそろえ、質疑応答で説明できる状態にしておくことが大切です。1

評価の視点を提案書に落とし込む

評価の視点は抽象度が高いため、そのまま書くと「何をもって満たすのか」が伝わりにくくなります。そこで、提案書内で次の対応関係を作ると読みやすくなります。これは制度要件ではありませんが、審査資料としての分かりやすさを上げるのに有効です。1

評価の視点提案書で書くべき内容の例裏付けの例
公共性地域課題との関係、対象者の設定、利用者への波及自治体計画との整合、対象者推計
必要性なぜ今この地域で必要か、代替策との違い既存サービスの不足、待機・空きの状況
先導性新しい技術や仕組み、他地域にない運用技術仕様、運用フロー、検証計画
実現可能性体制、資金計画、工程、リスク対応役割分担表、工程表、見積根拠
波及効果公開の方法、見学受入れ、ガイドライン等公開スケジュール、成果物計画

特に「先導性」は、設備の新しさだけでなく、入居後の暮らしや地域の関係性がどう変わるかまで説明すると説得力が上がります。成果を公開する計画は共通要件にも含まれるため、審査観点と要件を一つのストーリーにまとめるのがポイントです。1

選定後の交付申請と着手時期

選定通知書に記載される金額は、提案に対する補助の上限額です。交付申請段階の精査により、交付決定額が選定時より減額となる可能性があります。1

また、補助事業への着手は交付決定後に可能となり、交付決定前に事業に着手したものは補助対象になりません。契約締結や工事着手のタイミングは、資金計画に直結します。これは実務上の注意点ではなく、補助対象の可否そのものに関わる条件です。1

提案の評価と、その後の補助金の交付申請等の窓口は異なります。選定後に案内される交付事務局の指示に従い、所定の期間内に交付申請等の手続きを行います。19

補助の期間と複数年度事業

補助金の交付を受けることができる事業は、令和7年度中に事業に着手するものが対象です。選定されても、年度内に着手に至らない場合は補助対象になりません。1

複数年度にわたる事業では、当該年度の予算決定をもとに判断され、選定によって次年度以降の補助金交付が約束されるものではありません。住宅等の整備を伴う複数年度事業は、各年度の計画を記載した全体設計承認申請書を交付申請前に交付事務局へ提出する必要があります。1

事業育成型で住宅等の整備を伴わない場合は、事業期間は単年度ごととなり、各期間で事業を完結させる必要があります。1

完了実績報告と証憑

補助事業が完了したときは、完了実績報告書を交付事務局へ提出します。完了実績報告では、請求書、領収書に加えて、支払済みであることを第三者が証明できる送金伝票の写し等の提出が求められます。現金払いは原則として補助対象外です。1

証憑を「出せる形で残す」ことは、申請段階よりも実施段階で差が出ます。次の表は、実務上の注意点としての証憑チェック例です。制度要件の詳細は交付事務局の交付申請要領で確認してください。19

局面残す資料の例注意点
契約契約書、注文書、発注書交付決定前の契約は補助対象外になり得る
請求請求書、内訳書補助対象区分と一致する内訳にする
支払振込控え、通帳記帳、送金伝票の写し現金払いは原則対象外1
納品検収納品書、検収書、写真工事や設備は工程と紐付ける
実績報告完了実績報告書、証憑一式提出期限と様式は交付事務局の指示に従う

補助金は、完了実績報告と検査等を経て額が確定し、支払手続きが進みます。支払時期は年度や事業の進め方で変わるため、資金繰りは交付事務局の案内で確認してください。19

公募情報と提出先

令和7年度の公募期間と締切

公募期間は年度により変わります。令和7年度は公募が終了しており、令和8年度の公募期間は決まり次第案内される形になっています。4

令和7年度の実績としては、応募受付は2025年4月2日から2025年8月18日までで、課題設定型・事業者提案型・事業育成型は6月30日と8月18日の2回に分けて評価・選定が行われました。子育て住宅型は同じ受付期間で随時評価、子育て公営住宅型は2025年9月10日まで受け付けています。43

提出先と問い合わせ

課題設定型等の提案受付窓口は評価事務局で、電子メール提出です。問い合わせは原則フォームの案内があり、提出用アドレスと問い合わせ窓口が分かれています。4

子育て住宅型・子育て公営住宅型は、提出先メールアドレスが別であるため注意してください。提出先の取り違えは受付不能につながるため、提出前に公募ページで再確認してください。32

失敗しやすいポイント

入口不適合になりやすい論点

入口での不適合が起きやすい論点は、立地条件、年度内着手、補助対象外経費の混入です。立地と災害リスクの条件は、要領に具体的な区域名が列挙されています。候補地が決まってから確認すると手戻りが大きいため、企画初期に確認してください。1

年度内着手は、工程が遅れると補助対象から外れます。着手の定義は、住宅等の建設・改修は工事着手、調査設計計画等は委託契約の締結などが目安です。工程表と契約計画は、提案書の段階で具体に書く必要があります。1

補助対象外経費は、運営費や経常費だけでなく、区分によって対象外になる費用があります。関連資料で対象外とされている項目を早めに除外し、見積内訳の段階で整理してください。16

交付決定前に契約してしまう

提案が選定されても、交付決定前に着手したものは補助対象になりません。選定通知と交付決定は別です。提案段階の工程表は、交付手続きに必要な期間も織り込んで組み立ててください。1

見積と補助区分が一致しない

補助は「調査設計計画」「建設・取得または改修」「技術の検証」「情報提供及び普及」といった区分で計上します。見積書の内訳がこの区分とずれると、交付申請段階の整理に時間がかかります。これは制度要件ではありませんが、見積段階で補助区分に合わせて内訳を整えると、交付手続きが進めやすくなります。16

情報公開とフォローアップが弱い

共通要件には、取組効果の評価・検証、評価委員会への定期報告、成果の公開が含まれます。住まいの整備に意識が向きやすい一方で、情報公開が弱いと制度趣旨とずれてしまいます。提案書の段階で「何を、誰に、いつ、どの媒体で公開するか」を具体化してください。これは制度要件です。1

申請前にそろえる資料

提案申請で求められる書類の考え方

課題設定型・事業者提案型は、様式1から様式7までの提案申請書に加え、添付資料の提出が求められます。提出はExcel・WordとPDFの両方で行い、評価委員会はPDFの内容で審査します。1

事業育成型も同様に、提案申請書一式と添付資料を提出します。必要な様式構成は募集要領の提出書類一覧表で確認してください。1

ここでは、提出書類の整理のために、実務上の「不足しやすい添付資料」をまとめます。細目は募集要領と記入要領で必ず確認してください。11011

書類の種類代表提案者共同提案者備考
定款、法人の登記簿等必要必要募集要領の提出書類一覧表に記載あり1
見積書と内訳書必要必要に応じて工事費内訳、取得費、検証費等。中項目程度の見積が例示1
災害ハザード関連資料必要不要の場合もある新築事業のみ。敷地とハザードエリアの関係が分かる資料1
その他評価事務局が求める資料必要必要に応じて受付後に追加提出を求められる場合がある1

提出データの整え方

課題設定型等は、提出する元データがWord・Excelであっても、審査はPDFで行われます。提出直前にPDF化して初めて誤字や図表の崩れに気づくことが多いため、早い段階で一度PDFにして体裁を確認してください。これは制度要件ではありませんが、提出後の差し替えリスクを減らすのに有効です。1

また、ファイル数が多くなりやすい制度なので、様式番号ごとにファイル名をそろえ、添付資料は「見積」「図面」「立地」など用途が分かる名称にしておくと、事務局から追加資料を求められた場合にも対応しやすくなります。1

子育て住宅型・子育て公営住宅型も電子メール提出で、応募要領と記入要領に従って様式と添付資料を用意します。子育て住宅型では、選定後に配布される交付申請要領に従って交付申請を行い、補助金受領後は10年間の事業継続と定期報告の義務が示されています。2

提案書の骨子テンプレ

提案書づくりで迷いやすいのは、情報量が多い割に「何から書くべきか」が見えにくい点です。これは制度要件ではありませんが、次の骨子テンプレに沿って一度文章化すると、様式への転記がスムーズになります。110

章立て書く内容チェック観点
課題設定地域課題と対象者、現状の不都合公共性と必要性に結び付くか
解決策住まいの整備内容と運用の仕組み整備と運用が分断していないか
技術と検証新技術や仕組み、検証方法先導性が具体的か
体制代表提案者、共同提案者、委託先責任分担が明確か
工程年度内着手、交付手続きの期間も含む無理のない工程か
費用補助区分に沿った内訳、対象外の除外見積と区分が一致するか
成果公開公開方法、見学受入れ、成果物共通要件の要点を押さえるか

テンプレを作ったうえで、様式と照合し、抜けや重複を消していくと効率的です。最後に、提出はWord・ExcelとPDFの両方が必要であり、審査はPDFで行われる点も確認してください。1

セルフチェック表

申請準備の抜け漏れを減らすためのセルフチェック表です。制度要件と実務上の注意点が混ざらないよう、要件の確認欄と「準備のすすめ方」の欄を分けています。

チェック観点確認内容根拠資料準備のすすめ方
類型の取り違え応募する類型の要領と様式が一致している募集要領または応募要領125最初にダウンロード先を固定する
立地条件災害リスクや区域条件に抵触しない募集要領1敷地が確定する前に確認する
年度内着手年度内に着手できる工程になっている募集要領1交付手続きの期間も工程に含める
補助区分と見積見積内訳が補助区分と一致している募集要領、関連資料16見積の段階で区分ごとに整理する
証憑の残し方契約から支払まで証憑が残る運用か募集要領1現金払いを避け、振込記録を残す
情報公開とフォローアップ成果の公開計画がある募集要領1公開物とスケジュールを先に決める

セルフチェックで引っかかった項目は、申請書を書き始める前に解消しておくと手戻りが減ります。特に立地と工程は、後から修正しにくい要素です。1

タイムラインの組み立て方

公募の締切や交付申請期限は年度ごとに変わります。ここでは、提出に必要な準備を前倒しにするための一般的な順序を示します。制度上の義務ではありませんが、提案書の完成度を上げるために有効です。1

時期の目安やること成果物
企画初期類型選定、立地条件確認、体制整理類型の確定、代表提案者と共同提案者の整理
構想固め事業テーマ、対象者像、実施体制、工程の骨子提案の骨子メモ、工程表のたたき台
見積整理補助区分に合わせた見積内訳の整理見積書、内訳書、補助要望額の根拠
提出直前様式の整合、PDF化、添付資料の最終確認提出データ一式(Word/ExcelとPDF)
選定後交付事務局の案内に従い交付申請交付申請書類、全体設計承認が必要なら申請

実際の締切日は当該年度の公募ページで必ず確認してください。締切が複数回ある年度では、早い締切に合わせて準備を進める方が、質疑対応や差し替えの余裕が生まれます。4

よくある質問

Q1. 令和8年度の公募はいつ始まりますか。
A. 令和8年度(2026年度)の公募期間は決まり次第案内される形になっています。申請を検討している場合は、公募ページで当該年度の募集状況と要領の更新を確認してください。4

Q2. 課題設定型と事業者提案型はどちらが有利ですか。
A. 有利不利を一律に言うより、テーマの適合で選ぶ方が安全です。国が設定した事業テーマに沿う場合は課題設定型、独自テーマで先導性を示す場合は事業者提案型が対象です。いずれも原則として住宅等の整備を実施する事業が想定されています。1

Q3. 事業育成型だけで完結してもよいですか。
A. 事業育成型は、完了後に課題設定型または事業者提案型として提案することが原則です。事業育成型の事業実施期間は最大3年間です。1

Q4. 整備を伴わない提案でも応募できますか。
A. 課題設定型と事業者提案型は、原則として住宅等の整備を実施する事業です。整備を伴わない準備段階の取組は、事業育成型が想定されています。1

Q5. 交付決定前に工事や契約を始めてもよいですか。
A. 交付決定前に着手したものは補助対象になりません。選定通知と交付決定は別の手続きであり、着手時期の管理が必要です。1

Q6. 提案が選定されたら補助要望額は満額もらえますか。
A. 選定されても、補助要望額の全額が補助されるとは限りません。交付申請段階の精査により交付決定額が減額となる可能性があります。1

Q7. 補助対象経費の区分がよく分かりません。
A. 課題設定型等では、調査設計計画費、建設工事費等、技術の検証費、情報提供及び普及費に分けて計上します。区分の目安として、評価事務局が整理した工事区分等一覧も参照してください。16

Q8. 維持管理や運営の人件費は補助対象になりますか。
A. 住宅等の維持管理・運営にかかる費用は補助対象外です。ソフト関連の補助は、技術の検証、情報提供及び普及の範囲で整理する必要があります。1

Q9. ITやシステムの費用はどこまで認められますか。
A. 要領では「技術」はハード・ソフトを幅広く対象としますが、プログラム開発費、システム開発費、ITシステム構築費などは補助対象外です。費目の切り分けは要領と別表で確認してください。1

Q10. プレゼンテーションは必須ですか。
A. 評価委員会では、事業者によるプレゼンテーションを実施してもらう場合があります。必須かどうかは案件により異なるため、募集要領の評価の視点と併せて準備しておくと安心です。41

Q11. 子育て住宅型の子育て世帯の定義はありますか。
A. 子育て住宅型のQ&Aでは、同居者に子どもがいる世帯を子育て世帯とし、応募時点で同居する子どもがいない場合でも将来を想定した事業内容で応募できるとしています。8

Q12. 他の補助金と併用できますか。
A. 子育て住宅型のQ&Aでは、地方公共団体等が単独で実施する補助金との併用は可能な場合がある一方、国費の補助金や交付金が間接的に入っている場合は併用できないため内容確認が必要としています。課題設定型等でも、他の補助制度との関係性を考慮して補助額が決まるため、申請状況の記載が求められます。81

Q13. 既存建物の耐震性が不安です。応募できますか。
A. 既存建物や耐震改修の扱いは条件が細かく、交付申請時に建築年月日や耐震性が確認できる書類の提出を求められる場合があります。関連資料のフローチャートを確認し、早めに評価事務局へ相談してください。7

出典・参考資料

  1. 令和7年度 住まい環境整備モデル事業 募集要領 課題設定型 事業者提案型 事業育成型 2025年5月8日更新 PDF ↩

  2. 令和7年度 住まい環境整備モデル事業 子育て住宅型 応募要領 2025年4月2日公開 PDF ↩

  3. 子育て住宅型 子育て公営住宅型 公募ページ 令和7年度 人生100年時代を支える住まい環境整備モデル事業 ↩

  4. 募集要領 公募ページ 令和7年度 人生100年時代を支える住まい環境整備モデル事業 ↩

  5. 令和7年度 住まい環境整備モデル事業 子育て公営住宅型 応募要領 2025年4月2日公開 PDF ↩

  6. 補助対象になり得る工事区分等一覧 PDF ↩

  7. 補助対象になり得る既存建物 耐震改修工事等 PDF ↩

  8. 令和7年度 住まい環境整備モデル事業 子育て住宅型 Q&A 2025年6月9日公開 PDF ↩

  9. 住まい環境整備モデル事業 交付事務局 住宅保証支援機構 案内ページ ↩

  10. 令和7年度 記入要領 課題設定型 事業者提案型 2025年5月15日公開 PDF ↩

  11. 令和7年度 記入要領 事業育成型 2025年5月15日公開 PDF ↩

執筆者:補助金フラッシュ 士業編集部

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執筆者
補助金フラッシュ 士業編集部
公開日: 2026年3月4日

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